大澤座長 趣意書 [PDFファイル/115KB]

趣意書
あいち観光まちづくりゼミについて
あいち観光まちづくりゼミ座長
和歌山大学経済学部教授
大澤
健
このところますます多くなっている訪日外国人客(インバウンド)の大波を前に、愛知県
の観光もますます盛り上がろうとしています。
これまで愛知県は「観光後進県」とか、見るべきところは「何もない」とか自分たちで言
い続けてきましたが、本当にそうでしょうか?
県内には、たくさんの“まち”があります。そこには、その“まち”にしかない自然や人々
が築いてきた歴史、文化、産業、食、人など、そのまち“らしい”魅力が必ずあります。愛
知県は、
“らしい”魅力の宝庫です。
「観光まちづくり」とは、そのまち独自の魅力を見つけて、それをさらに磨いていく活動
です。単に人が来ればいい、お金が落ちればいいといった従来の観光とは違って、観光を「手
段」として活用することで、まちをさらに魅力的にしていくことを目指しています。観光と
いうのは、人と人とが出会う場を創りだす「手段」です。
「出会い」が生み出す様々な効果が、
あなたのまちをさらに元気にしてくれるはずです。
そんな「観光まちづくり」を実践していくためにもっとも重要なのは“ひと”です。
「あい
ち観光まちづくりゼミ」では、ゼミ生が主体となって観光コースを企画していただき、他の
地域のゼミ生を観光客として実際に受入れて案内する“おもてなし”モニターツアーを実施
します。お互いに自分たちの“まち”の素晴らしさや活動をアピールし、お互いのまちを知
り、お互いのまちを訪れることで、県内各地の観光まちづくりを体感してもらうことを目的
としています。
モニターツアーの企画や運営を通じて、それぞれの地域の観光事業者はもちろん、観光協
会、行政、市民ボランティアなど、実際に「観光まちづくり」に取り組まれている方々や、
これから取り組みたいと考えている多様な方々の交流が生まれます。その交流の中から、多
様な“知識”と“人財”が交流し、やる気とネットワークが広がります。まちの魅力を活か
すアイディアや先進的な取組みが波及していくことで、さらに活発な「観光まちづくり」が
促進されていくことを期待しています。
今年度は、交流からさらに進んで「商品化」
(=継続的に実際の集客に結び付けること)に
重点的に取り組んでいくことを計画しています。モニターツアーを創るだけではなく、その
ツアーに継続的に集客できる人材が育つことを目指しています。
「観光まちづくり」で活動されている皆さん、これから活動しようというみなさん、是非
ともゼミにご参加いただき、県内それぞれの魅力と熱意を交流させながら、観光まちづくり
の輪を愛知県全体へと大きく広げていきましょう。