ミッキーの声マネを してみる

ミッキーの声マネを
してみる
高い声は安心感を与える
りました。ウォルトは版権を巡る争いに巻き込まれた結果、自分がつくり出したキャ
オズワルドは、アニメとして全米で放映され、たちまち人気者になりました。とこ
ろが、ウォルトは確かにオズワルドの発案者でしたが、法律上の版権は配給会社にあ
ツや体形にミッキーの面影があります。
ミッキーには、実は原点となったキャラクターがいます。その名は﹁オズワルド・
ザ・ラッキー・ラビット﹂
。うさぎということで耳は長くなっていましたが、顔のパー
それを解き明かすには、まずディズニーの生みの親であるウォルト・ディズニーの
思いについて知る必要があります。
ところで、ミッキーはなぜあのように高い声をしていると思いますか。
世界中の人々から愛される、丸みを帯びたフォルムと、少し高い声が特徴のキャラ
クターです。
ディズニーキャラクターの主役といえば、やはりミッキーマウスです。
Magic 17
ラクターを手放し、描くことができなくなってしまったのです。
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まわりを自然と
笑顔に変える魔法の言葉 《コミュニケーション編》
CHAPTER 2
オズワルドを失ったウォルトは、失意の日々を過ごしましたが、そこから立ち直り、
もう一度新たなキャラクターを生み出すべく、構想を練りました。その際に、以前飼っ
ていたねずみの愛くるしい姿を思い浮かべ、それがミッキーの誕生につながったので
す。
そうした誕生までの過程もあり、ウォルトはミッキーに深い愛着を持っていました。
そして、﹁自分の分身﹂との思いから、アニメでは自分でミッキーの声を演じたのです。
この時に、ウォルトが普段よりワントーン高い声で演じたことが、ミッキーの声が高
くなった理由といわれています。
ウォルトは、ミッキーの声を決して根拠なく定めたわけではないはずです。
実は少し高い声というのは、心理学的には好感度や安心感を与えることが知られて
います。その好例が、大人の赤ちゃんに対する話し方です。
大人が乳幼児に向かって話しかける時には、自然と声が高くなる﹁マザリーズ﹂と
いう話し方をします。マザリーズは、ほぼすべての言語圏や文化圏で行われ、老若男
女を問わず使われていることから、全世界共通のメカニズムであると考えられていま
す。
愛情とともに語りかけられるマザリーズを心地よいと感じた記憶から、大人になっ
ても高い声に安心感を抱くと思われます。ミッキーは、自然に愛される声の持ち主だっ
たのです。
ちなみに、低い声というのは、説得力や信頼感を与えるのに適しています。たとえ
ば会議やプレゼンテーションの場などでは、少し声を低めてゆっくり話すと効果的と
されています。
あなたの声は、高いでしょうか。低いでしょうか。
﹁人との距離を縮めたい時は少し高めにする﹂
自分の声の特性を踏まえたうえで、
など、シーンによって声色を少し変えると、ミッキーのように愛される存在になれる
はずです。
いつもより、ワントーン高い声を出してみよう。
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まわりを自然と
笑顔に変える魔法の言葉 《コミュニケーション編》
CHAPTER 2