九州の中小企業の海外展開における 知的財産の活用実態調査 報告書

平成27年度経済産業省
調査実施報告書
九州の中小企業の海外展開における
知的財産の活用実態調査
報告書
~知的財産とグローバル人材の活用~
2016 年 3 月
九州経済産業局
国際部
はじめに
最近の世界経済は、中国をはじめとするアジア経済の減速が見られるものの、全体とし
ては緩やかに回復しており、今後の先行きについても緩やかな回復が続くと予想されてい
ます。
昨今、国内においては、多くの外国人観光客、特に中国人観光客による「爆買い」等に
よる、インバウンド効果が様々な分野で出てきています。九州においてもインバウンド需
要の拡大が顕著であり、これらインバウンド需要への対応や成長するアジア市場の活力を
取込むために留学生等のグローバル人材の活用は重要となっています。
海外展開における中小企業が抱える課題も益々多様化してきている中、九州経済産業局
においては、九州地域における国際戦略のひとつとして、中小企業の海外展開の促進に取
り組んでいます。九州の中小企業が海外展開を進めるうえで支障となっている課題の中で、
最も代表的なものとして特許権の出願や模倣品対策などの知的財産権への対応があげられ
ます。
この度、
「九州の中小企業の海外展開における知的財産の活用実態について」の調査を実
施しました。本調査においては、九州の中小企業約 2500 社に対するアンケート調査のほか、
海外展開を行っている中小企業や海外展開支援機関等へのヒアリング調査等をもとに、海
外展開における知的財産の活用実態について取りまとめました。また、中小企業の知的財
産に関する海外展開事例を示すとともに知的財産活動の課題についても整理し、課題解決
に向けた今後の取組について検討しました。
さらに今回は、調査事業の一環として、九州の中小企業が海外展開を進めるにあたって
の知的財産スキルの向上と外国人留学生等の採用・定着等を目的としたセミナー「海外展
開における成功の秘訣 ~知的財産・高度海外人材による課題解決のためのアプローチ~」
を開催しました。アンケート調査をもとに課題を分類ごとに整理し、①知的財産の取得や
それに伴うコストの問題、②人材獲得に向けての取組み、③外国人留学生の採用、定着、
人材育成などパネルディスカッションを通じ、各企業の取組み、専門家の意見をご紹介し
ました。
本事業が、海外展開、知的財産、人材獲得等課題解決のための参考となり、九州におけ
る中小企業の発展の一助となることを期待します。
2016年3月
九州経済産業局
<
目
次
>
調査の背景と視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.調査の背景
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.調査の視点
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3.調査の対象
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4.調査の方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
5.調査の項目
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
6.調査の実施スケジュール
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第1章
海外展開における知的財産の活用実態
・・・・・・・・・・・4
※ 調査結果のポイント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
1.企業アンケート集計結果
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
2.企業ヒアリング結果(概要)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
第2章 海外展開における成功の秘訣 ・・・・・・・・・・・・・・46
1.海外展開の現状
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
2.海外展開に関する今後の展開
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
3.留学生の採用について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
4.海外展開における知的財産の状況
・・・・・・・・・・・・・・・・・67
5.中小企業の海外展開における知的財産活動の課題
・・・・・・・・・・72
6.成功のポイント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
7.知的財産活動支援における今後の取組
・・・・・・・・・・・・・・・82
第3章 海外展開における知的財産の活用事例 ・・・・・・・・・・85
事例1.本多機工株式会社:特許【業務技術提携、直接貿易、間接貿易】 ・・・・・・86
事例2.株式会社西部技研:特許【直接投資、直接貿易】 ・・・・・・・・・・・・・88
事例3.株式会社林久右衛門商店:商標【直接投資、直接貿易】 ・・・・・・・・・・90
事例4.日本磁力選鉱株式会社:特許【直接投資、業務提携、直接貿易、間接貿易】 ・91
事例5.重光産業株式会社:商標【直接投資、業務技術提携、直接貿易】
・・・・・・92
事例6.株式会社クレイツ:特許、商標、意匠、実用新案
【直接投資、業務技術提携、直接貿易、間接貿易】
・94
事例7.株式会社ビッグバイオ:特許、商標【直接投資】 ・・・・・・・・・・・・・95
事例8.不二精機株式会社:特許、商標、意匠【間接貿易】 ・・・・・・・・・・・・97
第4章 知的財産に関する支援の現状 ・・・・・・・・・・・・・・99
1.工業所有権情報・研修館(INPIT)の主な支援について
・・・・・・・・99
2.日本貿易振興機構(JETRO)の主な支援について
・・・・・・・・・・101
3.各県知財総合支援窓口の主な支援について
・・・・・・・・・・・・105
4.中小企業基盤整備機構の主な支援について
・・・・・・・・・・・・110
5.世界の知的財産活動支援の状況
・・・・・・・・・・・・・・・・・113
第5章 知的財産セミナーの開催結果 ・・・・・・・・・・・・・118
1.開催概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
2.要旨<基調講演>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
3.要旨<パネルディスカッション>
・・・・・・・・・・・・・・・・・122
4.参加者アンケート結果
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125
※資料編
1.検討会の開催結果
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
2.企業アンケート調査票
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・132
3.企業ヒアリング票
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・140
4.支援機関ヒアリング票
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141
5.セミナーアンケート票
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・142
<用語集>
ASEAN(アセアン)地域
東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)
インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア
、ミャンマー、ラオスの 10 ヵ国。
知財(知的財産)
特許・商標・意匠・実用新案・著作等の財産的価値のあるもの。
特許(権)
有用な発明をなした発明者またはその承継人に対し、その発明の公開の代償として、一定
期間、その発明を独占的に使用しうる権利(特許権)を国が付与するもの。
商標(権)
事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使
用するマーク(識別標識)。
意匠(権)
美感を起こさせる外観を有する物品の形状・模様・色彩のデザインの創作についての権利。
実用新案(権)
物品の形状、構造、組み合わせに係る考案を独占排他的に実施する権利。
弁理士
産業財産権に関わるすべての事務手続を代理することができる国家資格保有者。
模倣品
特許権、実用新案権、意匠権、商標権を侵害する物品。
冒認商標(出願)
他人の発明を盗み、自己もしくは第三者を発明者であるとしてした出願。
PCT出願(Patent Cooperation Treaty)
ひとつの出願願書を条約に従って提出することによって、PCT 加盟国であるすべての国に
同時に出願したことと同じ効果を与える出願制度。
商標マドプロ出願(マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコール))
加盟国(締約国)97ヶ国(2015 年 12 月現在)の中から商標権を取得したい国を指定して1
つの国際出願を行う事によって「複数国へ出願するのと同等の効果」を得ることができると
いう非常に便利な制度。
<用語集>
直接貿易
製品の販売や原材料調達など、海外企業との間の輸出入を自社で直接行なうもの。
間接貿易
商社や貿易会社等に輸出入にかかる諸手続き等を委託する取引形態。
直接投資
資金を投入し、海外に現地法人や支店など拠点を設置し、実際に事業を行なうもの。
輸出依存度
一国の国内総生産(GDP)または国民所得に対する輸出額の比率。
鉱工業生産指数
約 500 品目の鉱工業製品について、1 か月間の生産量を、直近の基準年(西暦末尾が 0
か 5 の年)のそれを 100 として指数化したもの。
アジア度
九州の経済活動全体に占める対アジアの割合。 (海外進出企業件数、輸出額、輸入額、
姉妹提携自治体数、国際航空路線数、外国人入国者数)
工業所有権の保護に関するパリ条約
1883 年にパリにおいて、特許権、商標権等の工業所有権の保護を目的として、「万国工業
所有権保護同盟条約」として作成された条約。「内国民待遇の原則」、「優先権制度」、「各国
工業所有権独立の原則」などについて定めており、これらをパリ条約の三大原則という。
PPH(特許ハイウェイ)制度
各特許庁間の取り決めに基づき、第 1 庁(先行庁)で特許可能と判断された発明を有する出
願について、出願人の申請により、第 2 庁(後続庁)において簡易な手続で早期審査が受け
られるようにする枠組み。
PDCA
事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、
業務を継続的に改善する。
留学生
大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、準備教育課程を設置する教育施設に
おいて教育を受ける外国人学生
調査の背景と視点
1.調査の背景
少子高齢化や労働力人口の減少が進行していく中、多くの中小企業が販路拡大のため、
海外事業展開に着手している。特に、九州は、アジアに地理的・歴史的にも近いという優
位性を活かして、他地域よりも海外事業展開が積極的な地域である。
昨今、海外事業展開の中核をなす人材として、グローバル人材の採用が拡大しており、
多くの中小企業の海外事業部門において元留学生である外国人社員が活躍している。
九州における海外進出企業については、現在、進出企業 1,065 件のうち 80%強がアジア
への進出であり、その中でも ASEAN 地域への進出が増加傾向にある。また、当局国際部が
平成 25 年 8 月に九州管内の企業約 2,000 社に実施した「海外展開にかかる実態調査」にお
いても、海外展開を拡大していきたい企業が 65%存在し、展開先としてはタイ、ベトナム、
インドネシア等の ASEAN 地域への関心が高いことを窺い知ることができる。
前回調査で得られた結果をもとに、本事業においては海外展開を図るうえで、企業の代
表的な課題として「知的財産権への対応」、「人材の確保」の2点に焦点をあて、深掘り調
査を実施し、課題解決の糸口を検証していく。
2.調査の視点
本事業において、
「海外展開」
「知的財産」
「人材獲得」をキーワードに、九州の中小企業
が具体的にどのような課題を海外事業展開において抱えているかを把握する。
海外展開の状況、留学生の活用状況、海外展開における知的財産の状況等について調査
し、そこで得られた結果の中から課題を抽出する。参考意見については、個別に企業ヒア
リングを行い、課題解決のための企業の取組みを事例として紹介する。また、本事業の一
環としてセミナーを開催し、九州における海外展開を先駆的に推進している企業や専門家
を招き、円滑な海外事業展開に資することを目指す。
※調査の目的・問題意識
(1)九州から海外へ進出している企業が抱える知的財産権に関する現状と課題の把握
(2)海外の公的機関等による知的財産権に係る支援の現状の把握
(3)九州の企業等による海外展開における知的財産権に関する今後の支援のあり方を検討
-1-
3.調査の対象
①九州経済産業局が行った 2013 年度調査「九州企業の海外展開に係る実態調査」の結果
より、特許等の知的財産権への対応が最大の課題と回答した企業。
②九州の既海外進出企業 1,054 件(①に該当するものは除く。)
③九州管内で知的財産権を有する中小企業。
④各県知財支援窓口、JETRO、INPIT等
4.調査の方法
①郵送(一部はFAX、直接配布)によるアンケート調査
②アンケート回答企業等に対して、適宜ヒアリング調査
③先進事例については、適宜ヒアリング調査
5.調査の項目
①海外進出企業
・進出の現状(進出時期、事業内容、進出理由等)
・海外での知的財産権取得事例の有無
・知的財産権に関する課題(人材、情報の欠如、資金面、外国独自の問題等)
・成功事例、失敗事例
・仲介人材としての元外国人留学生の活用・交流等(実績・関心の有無)
②海外の公的機関等
・各国の知的財産権に関する支援体制
・現状(事例:中国、ASEAN)
③各県知財支援窓口、JETRO、INPIT等
・支援の状況等
6.調査の実施スケジュール
4月
5月
6月
請負事業者決定
調査票作成
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
●
●
アンケート
ヒアリング
検討会
セミナー開催
●
●
●
報告書作成
-2-
3月
支援人材の不足
各種情報の不足
海外支援機関、
ライセンシー側の商習慣
等
情報
ライセンサーの求める
能力を有する
仲介人材、弁理士等
人材
資金
資金調達が困難
特許出願費用、維持費用
等
課題の抽出
支援体制の構築
各種情報
成功事例
九州における海外進出企業の増加
※今年度は、報告書の作成、知財スキル向上セミナーの開催等
-3-
第 1 章 海外展開における知的財産の活用実態
第1章
海外展開における知的財産の活用実態
本章では、九州内の中小企業に対して実施した、海外展開における知的財産の活用
実態等についてのアンケート調査及びヒアリング調査の結果について考察する。
アンケート調査、ヒアリング調査の構成・内容
アンケート調査の構成・内容
(アンケート様式は132頁参照)
1,企業の海外展開状況について
:企業の海外展開の形態、展開の内容、課題、撤退等の状況等調査(問 1~問 8)
2,留学生の活用状況について
:企業の留学生の活用状況、実績等調査(問 9~問 12)
3,企業の海外展開における知的財産の状況について
:海外出願実績、出願先、被害の状況、課題、支援機関の利用状況等調査
(問 13~問 31)
ヒアリング調査の構成・内容
1,企業ヒアリング
:企業の属性、海外拠点、関心地域、事業概要、最近の動向、知的財産関連事業へ
の取組状況等
2,支援機関ヒアリング
:支援機関の属性、主な支援内容、支援事例、海外展開における成功のポイント、
課題等
-4-
※調査結果のポイント
<海外展開>
●九州の中小企業の海外展開状況については約 58%が海外展開に対して前向き。
一方で、展開したものの撤退の方向性である企業が 5%程度。
現在の海外展開の状況は、「直接貿易」が最も多い。
●海外売上比率が 10%未満の企業が 7 割強を占めている。海外売上比率が 50%を超える
企業は卸売業の割合が高く、展開先は中国が多い。
●現在の海外展開先は、中国、台湾、韓国、北米の順。
アセアン地域は、タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシア等となっている。
●今後の展開内容は、「直接貿易」、「間接貿易」、「業務・技術提携」の順に多い。
●今後関心のある国・地域は、ベトナム、タイ、中国、北米の順。
以下、僅差でヨーロッパ、インドネシア、ミャンマー、台湾が続いている。
アセアン地域は合わせて 198 件に上り、関心の高さが窺える。
<留学生>
●留学生の活用(採用)実績は、ある(43.4%)、ない(検討していない)(40.6%)の割合。
●留学生の出身国・地域は、中国が突出。以下韓国、ベトナム、台湾等の順。
アセアン地域では、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール等の順。
●海外展開中の企業の業種別留学生の活用比率は、サービス業が最も高い。留学生の職
種では、営業・販売・サービス業が最も多い。
<知的財産>
●海外での知的財産取得状況は、「特許」、「商標」がそれぞれ 5~6 割程度。
「意匠」、「実用新案」はそれぞれ 1 割程度。該当企業は、製造業が多くを占めている。
●海外展開中の企業の業種別知的財産権取得比率では、製造業が最も高く、サービス業
は海外展開比率が高い割には取得比率が低い。
●知的財産出願先、検討先の国・地域は、中国、アメリカ、台湾、韓国、EU、香港の順。
アセアン地域では、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア等の順。
●被害内容は、模倣品が多く、冒認商標、情報流出(サンプル、営業資料等)」の順。
被害を受けた国・地域は、中国、韓国、アメリカ等の順。
●海外で知的財産の出願の際に国内支援機関・弁理士等を利用した企業は多く、満足度も
それなりに高い状況。デメリットとしては、コスト面と時間が挙げられる。
-5-
1.企業アンケート集計結果
(1)調査設計
【調査方法】
郵送調査
【調査対象】
当局が行った 2013 年度調査「九州企業の海外展開に係る実態調査」の結果より、特許等の知的
財産権への対応が最大の課題と回答した企業及び九州の既海外進出企業 1,054 件(2013 年度調
査重複分を除く)等
【調査実施日程】
調査票発送日
: 平成 27 年 9 月 16 日(水) ~対象事業所記入期間~
調査票回収締切日
: 平成 27 年 10 月 2 日(金)※最終締切日は 11 月 10 日(火)まで延長
【発送回収サンプル数】
発送数 : 1,089 社 (※別途 1,482 社)
回収数 :
総発送数 :2,571 社
370 社 (※別途 381 社) 総有効回収数 : 724 社(有効回収率:28.2%)
※白紙無効票、二重回答票、所在地非該当(九州以外、無回答) 計 27 社を除外
(2)回答事業所属性
①業種
50.0
(%)
42.1
(N=724)
40.0
※複数回答した事業者があるため、構成比の合計は100にならない
30.0
18.6
20.0
14.5
14.2
9.7
10.0
5.5
1.2
無回答
その他
-6-
小売業、飲食店
建設業
卸売業
サービス業
製造業
0.0
②資本金
③従業員数(パート除く)
無回答
無回答
2.6%
1.1%
(N=724)
(N=724)
~5人
3億円~
301人~
18.1%
18.8%
11.2%
6~20人
1億円~3億円
~5000万円
7.5%
54.3%
15.9%
101~300人
16.7%
5000万円
21~50人
~1億円
51~100人
17.5%
21.7%
14.6%
④売上高
⑤売上に占める海外事業の割合
80%以上
無回答
2.1%
2.9%
50~80%未満
(N=724)
2.9%
7.9%
30~50%未満
12.2%
100億円~
(N=724)
無回答
~1億円
3.3%
19.9%
10~30%未満
8.8%
1~9億円
29.1%
50~99億円
9.3%
10%未満
75.0%
10~49億円
26.7%
⑥所在地
鹿児島県
8.7%
宮崎県
6.2%
(N=724)
大分県
9.7%
福岡県
50.8%
熊本県
11.5%
長崎県
7.2%
佐賀県
5.9%
-7-
(3)調査結果の概要
① 海外展開の状況
●現在の海外展開中の企業は 46.4%、
「展開を検討中」が 11.3%、合わせて約 58%が海外展開に対
して前向き。一方で、展開したものの撤退の方向性である企業が 5%程度。
海外展開状況
展開しているが
全て撤退済み
無回答
1.8%
2.9%
一部撤退済
2.3%
(N=724)
展開しているが
撤退を検討中
0.6%
展開中
展開は考えていない
46.4%
34.7%
展開を
検討中
11.3%
●現在の海外展開の状況は、
「直接貿易」が 26.8%で最も多く、事務所を設ける「情報収集拠点」
は 8.0%に留まる。
海外展開形態
(%)
35.0
30.0
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(N=724)
30.9
26.8
25.0
21.3
21.0
20.0
16.7
15.0
10.9
8.0
10.0
5.0
0.0
直
直
間
業
情
ど
海
接
接
接
務
報
れ
外
貿
投
貿
・
収
に
展
易
資
易
技
集
も
開
術
拠
当
を
提
点
て
し
は
て
ま
い
ら
な
な
い
携
い
-8-
~海外展開中企業の実態・意識~
●海外展開中の国・地域は、
「中国」
(198 件)、
「台湾」
(77 件)
、
「韓国」
(55 件)
、
「北米」
(54 件)の
順。アセアン地域への展開は、
「タイ」(52 件)
、「シンガポール」
(41 件)、
「ベトナム」(40 件)、
「インドネシア」
(28 件)等となっており、合わせて 200 件の海外展開。
海外展開中の対象国・地域
(n)
250
200
※複数回答設問を実数ベースで図表化
198
(n=716)
150
100
77
73
55
54
52
50
0
41
41
40
韓
北
タ
シ
香
ベ
国
湾
国
米
イ
ン
港
ト
ポ
ム
ル
-9-
ロ
ッ
ナ
ー
ガ
ヨ
パ
28
20
イ
マ
そ
ン
レ
の
ド
ー
台
ー
中
37
ネ
シ
シ
ア
ア
他
~海外展開中企業の実態・意識~(続き)
●展開理由は、
「海外市場を新たに開拓するため」が 427 件で最も高く、新たな市場を求めて海外に
出るケースが多い。
展開理由
(n)
450
427
※複数回答設問を実数ベースで図表化
400
(n=1,217)
350
300
250
200
147
150
135
141
134
100
88
80
65
50
0
す 海
随 取
に 国
コ
め 新
点 海
な 相
そ
る 外
す 引
期 内
ス
規
を 外
る 手
の
た 市
る 先
待 市
ト
事
確 で
人 国
他
め 場
た の
が 場
削
業
保 の
の と
を
め 海
持 の
減
に
す 調
存 の
新
外
て 今
の
着
る 達
在 橋
た
展
な 後
た
手
た や
渡
に
開
い の
め
す
め 配
し
開
に
た 成
る
送
役
拓
追
め 長
た
拠
に
- 10 -
~海外展開中企業の実態・意識~(続き)
●海外展開に関する情報入手・相談先は、
「商社・貿易会社」
(251 件)
、
「JETRO」
(222 件)
、
「既に海
外展開を行っている他の企業」
(197 件)が上位。国や自治体、公的支援機関などはいずれも少数。
情報入手・相談先
(n)
385
400
350
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n=1,481)
300
250
251
222
197
200
170
150
100
90
89
77
50
0
銀
県
コ
士 弁
そ
社
興 E
る に
行
や
ン
護
の
・
機 T
他 海
市
サ
士
他
貿
構 R
の 外
町
ル
・
易
O
企 展
村
テ
税
会
社
業 開
ィ
い 既
(
振 J
)
商
理
を
ン
士
本
行
グ
・
会
会
社
計
貿
易
っ
日
て
- 11 -
~海外展開中企業の実態・意識~(続き)
●海外展開に関する課題や必要な支援は、
「販路開拓」
(264 件)、
「従業員の確保・従業員教育」
(214
件)
、
「高度人材の確保」
(163 件)の順で、新たな市場での販路と人材確保が上位。
展開の課題・必要となる支援
(n)
400
※複数回答設問を実数ベースで図表化
350
300
372
(n=1,653)
264
250
214
200
163
150
143
135
128
121
113
へ 相
現
対 相
拓 現
そ
手
の 手
地
応 手
パ
国
・ 地
の
確 で
他
100
50
0
教 従
高
度 相
、
販
開
員
人
貿 国
対 国
拓
の
材
易 の
応 の
確
の
制 税
文
保
確
度 ・
化
・
保
へ 会
や
従
の 計
商
業
対 制
習
員
応
慣
- 12 -
の
ト
法
ナ
務
企
労
業
務
の
等
確
へ
保
の
、
度
ー
育 業
ー
路
保 の
調
達
先
の
開
●海外展開に際して利用した公的サービスは、「展示会・商談会・ミッション派遣等支援・助成」
(163 件)
、
「各国事情の個別相談・情報提供」(142 件)
、「セミナー・勉強会の開催」
(124 件)
といった販路に関わる支援、海外展開に関わる情報収集、知識の習得が上位。
海外展開に際して利用した公的サービス
(n)
300
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n=1,234)
252
250
200
163
142
150
124
102
100
85
80
79
71
69
67
50
0
催 セ
談 海
サ 法
融 海
貿
援 事
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先 海
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務
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談 ど
資
談
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会
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・
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・
拓 向
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他
援 製
・ 品
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、
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ッ
~
海
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中
企
業
の
実
態
・
意
識
~
(
続
き
)
販
売
●海外展開の撤退リスクの検討の有無は、「特に検討していない」が 372 件を占め、「専門家など
に相談し入念に対策を講じた」という戦略的に対処している企業は 47 件。
撤退リスクの検討有無
※実数ベースで図表化
(n)
400
350
372
(n=651)
300
250
191
200
150
100
50
0
47
41
対 専
た 一
特
そ
策 門
般
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討
情
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報
て
は
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入
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手
い
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じ ど
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相
談
し
入
念
に
- 13 -
し
~今後関心のある国・地域の内容~
●今後関心のある国・地域は、
「ベトナム」
(50 件)
、
「タイ」
(34 件)
、
「中国」
「北米」
(ともに 31 件)
の順。以下、僅差で「ヨーロッパ」
(27 件)
、
「インドネシア」
「ミャンマー」
「台湾」
(いずれも 26
件)が続いている。
アセアン地域は合わせて 198 件に上り、関心の高さが窺える。
今後関心のある対象国・地域
(n)
120
※複数回答設問を実数ベースで図表化
108
(n=398)
100
80
60
50
34
40
31
31
27
26
26
26
21
20
0
北
国
米
ン
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シ
マ
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- 14 -
ミ
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ム
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ッ
ナ
ヨ
ル
ー
中
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ャ
タ
ト
ー
ベ
18
シ
ア
他
~今後関心のある国・地域の内容~(続き)
●今後関心のある国・地域への展開内容は、
「直接貿易」
(149 件)、
「間接貿易」(141 件)
、「業務・
技術提携」
(133 件)の順。
「間接貿易」や「業務・技術提携」に対する関心も高い。
展開内容
(n)
200
150
※複数回答設問を実数ベースで図表化(n=572)
149
141
133
100
87
62
50
0
直
間
業
直
情
接
接
務
接
報
貿
貿
・
投
収
易
易
技
資
集
術
拠
提
点
携
- 15 -
~
今
後
関
心
の
あ
る
国
・
地
域
の
内
容
~
(
続
き
)
●今後関心のある国・地域の理由は、
「海外市場を新たに開拓するため」
(282 件)が多く、現在の
展開理由と同様に新たな市場を求めて海外に出るケースが大半。
今後関心のある国・地域の理由
(n)
300
282
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n=646)
250
200
150
100
81
77
50
0
68
66
38
34
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に
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役
拓
め 長
追
た
に
●今後関心のある国・地域への情報入手・相談先は、「JETRO」が 204 件で最も多い。
国や自治体、その他の公的支援機関などはいずれも 100 件未満。
今後関心のある国・地域の情報入手・相談先
(n)
250
※複数回答設問を実数ベースで図表化
204
(n=1,028)
200
150
133
133
92
100
91
67
81
58
57
56
56
コ
関 そ
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ン
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他
50
0
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業
会
社
- 16 -
体 的
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社
(
商
)
J
興 E
基
~今後関心のある国・地域の内容~(続き)
●今後関心のある国・地域への課題や必要な支援は、
「販路開拓」
(151 件)
、
「相手国の税・会計制
度、貿易制度への対応」
(130 件)
、
「従業員の確保・従業員教育」
(125 件)
、
「現地パートナー企
業の確保」
(108 件)が上位で、販路先・人材確保・パートナーとの連携・国別の制度が主な課
題。
展開の課題必要となる支援
(n)
200
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n=1,063)
152
151
150
130
125
108
102
100
93
79
62
61
50
0
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、
販
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国
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業
業
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材
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- 17 -
や
商
労
習
務
慣
等
へ
へ
の
の
、
対 相
、
高
財
~今後関心のある国・地域の内容~(続き)
●今後関心のある国・地域への展開に際して利用したい公的サービスは、
「各国事情の個別相談・情
報提供」
(129 件)
、
「展示会・商談会・ミッション派遣等支援・助成」
(121 件)が比較的多く、海
外展開に関わる情報収集と販路に関わる支援が上位。
今後関心のある国・地域への展開に際して利用したい公的サービス
(n)
198
200
※複数回答設問を実数ベースで図表化
150
129
(n=954)
121
91
100
82
82
82
59
56
54
50
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報 国
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他
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・ 品
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シ
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・
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ミ
、
談
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ッ
相
等 ・
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ー
供 情
遣 会
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)
提 事
(
0
売
「専
●今後関心のある国・地域への撤退リスクの検討は、「特に検討していない」が 209 件に上り、
門家などに相談し入念に対策を講じる」という戦略的な企業は僅かに 13 件。
今後関心のある国・地域への撤退リスクの検討
※実数ベースで図表化
(n)
250
209
(n=350)
200
150
103
100
50
25
13
0
対 専
た 一
特
そ
策 門
般
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他
な
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い
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手
い
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講 な
じ ど
た に
相
談
し
入
念
し
に
- 18 -
~【現在の検討段階の状況】
※海外展開を検討中の 82 社~
●以下のとおりで進捗は様々。情報収集をはじめ何らかの形で検討を進めている。
未 行 動
「関心はあるが具体的な検討には至っていない」
(25.6%)
初期段階
「相手国に関する情報収集段階」
(26.8%)
中期段階
「現地での情報収集段階」(24.4%)
最終段階
「情報収集が終わり開設準備段階」(11.0%)
現在の検討段階の状況
(n=82)
無回答
12.2%
相手国の
開設準備段階
情報収集段階
11.0%
26.8%
現地での
情報収集段階
具体的な
24.4%
検討以前
25.6%
~【海外展開の検討に至らない理由】
※海外展開を考えていない 251 社
●「国内需要を獲得するだけで十分」
(33.9%)
、
「自
海外展開の検討に至らない理由
社製品・サービスが海外向きでない」
(30.7%)
、
(上位のみ)
「国内の経営で手一杯で海外展開に手が回らな
い」
(26.3%)の順で、これら上位は現状満足層
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(%)
40.0
と海外展開自体への否定層である。
(n=251)
33.9
以下、「海外展開はリスクが大きい」(19.1%)、
「海外展開をするためのノウハウがない」
30.7
30.0
26.3
(18.7%)、「海外展開をするための人材がいな
い」
(17.9%)
、
「海外展開をするための資金がな
19.1
20.0
18.7
17.9
12.0
い」
(12.0%)が続き、これらの理由は、支援や
相談により解決する可能性があり、海外展開に
10.0
向けたポイントのひとつと思われる。
0.0
海 自
い 海
き 海
ノ 海
人 海
資 海
で 内
外 社
外
い 外
ウ 外
材 外
金 外
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- 19 -
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大
の
の
の
~【海外展開による経営への影響】
※現在、海外展開中の企業 357 社~
●≪会社全体の売上≫は半数以上(55.2%)が「増えた」と回答。≪国内での売上≫は、
「増えた」
が約 3 割。海外展開が何らかの形で売上に貢献している。
●≪国内での取扱品目≫は「高付加価値品が増えた」(25.8%)、
「汎用品が増えた」
(12.3%)の割
合で、比較的、高付加価値品の取扱が増加する傾向が強い。
●≪国内での雇用≫≪国内での設備投資≫は「増えた」企業が 2 割台であり、海外展開による国内
の雇用や設備投資の減少はほとんど見られない。
会社全体の売上
海外展開による経営への影響
無回答
無回答
(n=357)
5.6%
国内での売上
(n=357)
6.2%
減った
減った
5.0%
9.0%
増えた
31.7%
変わらない
増えた
34.2%
55.2%
変わらない
53.2%
国内での取扱品目
無回答
(n=357)
7.8%
高付加価値
品が増えた
25.8%
変わらない
54.1%
汎用品が
増えた
12.3%
国内での雇用
無回答
国内での設備投資
無回答
(n=357)
6.4%
減った
減った
6.2%
(n=357)
6.2%
5.6%
増えた
増えた
22.4%
24.1%
変わらない
変わらない
63.3%
65.8%
- 20 -
~海外撤退・事業縮小した企業の傾向~
●海外撤退・事業縮小した国・地域は、
「中国」が 13 件で最も多い。
アセアン地域は「シンガポール」
(3 件)、
「ベトナム」(2 件)、
「マレーシア」(1 件)の 3 か国で
合わせて 6 件。
撤退・事業縮小した国・地域
(n)
15
13
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n=34)
12
9
6
5
4
3
3
0
3
2
2
1
1
韓
シ
北
ベ
台
マ
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国
国
ン
米
ト
湾
レ
ン
の
ド
他
ナ
ポ
ム
ー
ガ
ー
中
シ
ア
ル
●海外撤退・事業縮小の海外展開内容は、「直接投資」が 22 件で目立つ。
「業務・技術提携」は 2 件と撤退縮小内容としては少ない。
撤退・事業縮小した国・地域での展開形態
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n)
30
(n=42)
25
22
20
15
10
7
6
5
0
5
2
直
情
直
間
業
接
報
接
接
務
投
収
貿
貿
・
資
集
易
易
技
拠
術
点
提
携
- 21 -
●海外撤退・事業縮小の理由は、
「商習慣・文化の違い」
(8 件)、
「日本本社の海外戦略の変更」
(7
件)
、
「事前の調査不足」
(6 件)が上位だが、突出した理由は無く多岐に渡る。
撤退・事業縮小した理由
(n)
20
(n=57)
※複数回答設問を実数ベースで図表化
15
15
10
8
7
6
5
5
0
5
4
4
3
商
変 日
事
調 現
販
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な 管
た 労
そ
習
更 本
前
和 地
売
・ 遇
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め 働
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他
・
社
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海
不
ナ
悪
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確
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化
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保
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や
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不
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ー
~
海
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撤
退
・
事
業
縮
小
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た
企
業
の
傾
向
~
(
続
き
)
●海外撤退・事業縮小時に国内外の専門家に相談したケースが大半である。
『税理士・会計士』が
合わせて 17 件(
「海外の税理士・会計士」9 件+「国内の税理士・会計士」8 件)、
『弁護士』が
合わせて 11 件(
「海外の弁護士」7 件+「国内の弁護士」4 件)
。
撤退・事業縮小時に利用した相談先
(n)
15
※複数回答設問を実数ベースで図表化
10
(n=49)
9
9
8
7
5
5
4
4
3
0
海
国
海
取
国
業 海
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内
外
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内
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金
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他
も
税
税
弁
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弁
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相
理
理
護
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士
士
士
関
士
ル 支
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・
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会
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計
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士
士
企
い
- 22 -
●海外撤退・事業縮小時の課題・不足している支援は、
「投資資金の回収」と「会社清算・譲渡な
ど撤退手続きに時間がかかる」
(ともに 11 件)が主な課題点。
撤退・事業縮小時の課題・不足している支援
(n)
15
※複数回答設問を実数ベースで図表化
11
(n=55)
11
10
9
5
5
5
5
4
3
2
0
投
続 会
の 合
現
現
係 現
に 相
そ
特
資
き 社
調 弁
地
地
の 地
関 談
の
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の
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整 従
す 相
他
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府
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専
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と
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先
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資
間 ・
の
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か 渡
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か な
る ど
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、
時 算
金
、
~
海
外
撤
退
・
事
業
縮
小
し
た
企
業
の
傾
向
~
(
続
き
)
手
●撤退経験のその後の活用状況は、
「営業・販売体制の見直し強化」(26.5%/9 件)、
「撤退時に必
要な手続きなどの確認」
(14.7%/5 件)等が図られている。
一方で「特に活かしていない」企業も 17.6%(6 件)見られる。
撤退経験のその後の活用状況
(%)
30.0
(n=34)
26.5
23.5
25.0
20.0
17.6
17.6
14.7
15.0
8.8
10.0
8.8
8.8
5.9
5.0
0.0
し 営
な 撤
理 日
整 生
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撤
そ
特
無
・ 業
ど 退
の 本
備 産
見 外
退
の
に
回
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強 本
・ ・
直 拠
基
活
答
化 販
確 に
化 社
見 品
し 点
準
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売
認 必
に
直 質
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体
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よ
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の
設
て
制
な
る
理
出
定
い
の
手
海
体
資
な
見
続
外
制
割
い
直
き
管
の
合
- 23 -
他
②
留学生の活用(採用)に関する状況
●活用(採用)実績は、
「ある」
(30.4%)
、「ない(検討していない)」(51.5%)。
●海外展開中の企業に限ると、活用(採用)実績が「ある」は 43.4%に達している。
留学生の活用(採用)実績
<全 体>
(N=724)
無回答
11.9%
ある
30.4%
ない(検討なし)
51.5%
検討中
5.9%
断念した
0.3%
<海外展開中企業>
(n=357)
無回答
9.0%
ある
43.4%
ない(検討なし)
40.6%
断念した
検討中
0.3%
6.7%
- 24 -
~留学生の活用(採用)に関する状況~(続き)
●留学生の出身国・地域は、
「中国」が 75.5%で突出。以下「韓国」
(20.5%)
、
「ベトナム」
(15.0%)、
「台湾」
(8.2%)の順。アセアン地域では、
「ベトナム」が 15.0%見られるが、その他「インド
ネシア」
(6.4%)
、
「タイ」
(4.5%)
、
「マレーシア」
(3.6%)、「シンガポール」(2.3%)
、
「フィリ
ピン」
(1.4%)
、
「カンボジア」
(0.5%)などは 1 割未満。
活用(採用)した留学生の出身国・地域
(%)
75.5
80.0
(n=220)
70.0
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
60.0
50.0
40.0
25.9
30.0
20.5
20.0
15.0
8.2
10.0
0.0
6.4
5.0
4.5
3.6
韓
ベ
台
イ
ア
タ
マ
そ
国
国
ト
湾
ン
メ
イ
レ
の
ナ
ド
リ
ム
ネ
カ
ー
中
他
シ
シ
ア
ア
●留学生の職種は、
「営業・販売・サービス」
(49.1%)、
「技術・開発」
(31.4%)、
「企画・管理」
「事
務」
(ともに 20.5%)
、
「製造」
(16.8%)の順。「知的財産管理」は僅かに 1.4%。
採用した留学生の職種
(%)
60.0
50.0
(n=220)
49.1
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
40.0
31.4
30.0
20.5
20.5
20.0
16.8
8.2
10.0
1.4
0.0
0.5
営
技
企
事
製
知
そ
無
業
術
画
務
造
財
の
回
・
・
・
管
他
答
販
開
管
理
売
発
理
・
ー
サ
ビ
ス
- 25 -
③
知的財産に関する状況
●海外で取得した知的財産関連の出願等の実績は、
「ある」(20.2%)、
「ない(過去の検討が無く、
今後も予定なし)
」
(62.2%)の割合。「ない(現在検討中)」が 8.8%見られる。
海外における知的財産関連出願等の実績
(%) ※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
70.0
60.0
62.2
(N=724)
50.0
40.0
30.0
20.0
20.2
8.8
10.0
8.6
0.6
0.0
く な
無
る
い
念
い
回
現
(
断
、
な
(
あ
し
今
た
後 過
も 去
検
予 の
討
定 検
中
な 討
)
在
答
)
し が
無
※県別に見ると、実績が「ある」割合は、鹿児島県(33.3%)が高く、大分県(8.6%)
と長崎県(11.5%)は 1 割程度。鹿児島県で実績がある企業は、製造業の割合が 61.9%、
商標が 66.7%と目立っている。
※業種別に見ると、製造業は「ある」割合が 33.1%と高い。逆に低いのは「サービス業」
(7.6%)
。
- 26 -
~知的財産に関する状況~(続き)
●実績がある企業の、取得済み・出願中の内容は、
「特許」(63.0%)と「商標」(56.2%)が 5~6
割台と目立っている。
「意匠」
(12.3%)と「実用新案」
(8.9%)は 1 割程度に留まっており、該当企業は、製造業が多
くを占めているため「特許」が多くなっているものと思われる。
「取得済み」や「出願中」の知的財産
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(%)
70.0
63.0
(n=146)
56.2
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
12.3
10.0
8.9
2.1
0.0
特
商
意
実
無
許
標
匠
用
回
新
答
案
●現在検討中の企業の内容は、
「商標」
(48.4%)、
「特許」(25.0%)が多い。
取得・出願を「検討中」の知的財産
(%)
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
60.0
50.0
(n=64)
48.4
40.0
35.9
30.0
25.0
20.0
10.9
10.0
0.0
4.7
商
特
意
実
無
標
許
匠
用
回
新
答
案
- 27 -
~知的財産に関する状況~(続き)
~出願等の実績がある企業の内容~
●出願先、検討先の企業の国・地域は、
「中国」
(56.0%)、
「アメリカ」
(36.4%)
、
「台湾」
(34.9%)、
「韓国」
(31.1%)
、
「EU」
(26.8%)
、「香港」
(23.4%)の順。
●アセアン地域は、アジア欧米地域に比べて低いもの、
「シンガポール」
(19.1%)、
「タイ」
(16.3%)、
「ベトナム」
(12.9%)
、
「マレーシア」
「インドネシア」
(ともに 12.4%)がそれぞれ 1 割台。
●海外展開同様、中国をはじめとするアジア地域及びアセアン地域への関心の高さが窺える。
出願先・検討先の国・地域(上位のみ)
(%)
60.0
56.0
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(n=209)
50.0
40.0
36.4
34.9
31.1
26.8
30.0
23.4
19.1
20.0
16.3
12.9
12.4
12.4
10.0
0.0
ア
台
韓
E
香
シ
タ
ベ
マ
イ
国
メ
湾
国
U
港
ン
イ
ト
レ
ン
ガ
ナ
カ
ポ
ム
ー
リ
ー
中
ド
シ
ネ
ア
シ
ア
ル
<その他>
インド
フィリピン
7.2
オセアニア
6.2
カンボジア
2.9
ネパール
0.5
その他
- 28 -
10.5
13.4
~知的財産に関する状況~(続き)
●出願に際して最も苦労した点は、
「申請手続きが煩雑」
(17.8%)
、
「手続きに時間がかかる」
「申請
費用の調達」
(ともに 17.1%)が上位で、手続きの煩雑さやそれに伴う時間のロスが苦労を感じ
させている。
出願に際して最も苦労した点
申請手続き
無回答
(n=146)
が煩雑
17.8%
17.8%
手続きに
時間が
その他
かかる
19.2%
17.1%
申請費用
の調達
17.1%
国毎に
手続きが異なる
11.0%
- 29 -
~
知
的
財
産
に
関
す
る
状
況
~
(
続
き
)
~海外における知的財産関係の被害状況~
●海外において知的財産関係の被害を受けた経験が「ある」企業は 48 社。
海外における知的財産関係の被害経験
ある
6.6%
(N=724)
無回答
11.0%
ない
82.3%
●48 社の具体的な被害内容は、
「模倣品」(66.7%)が多く、「冒認商標(他社が先に商標出願)」
(29.2%)
、
「情報流出(サンプル、営業資料等)」
(14.6%)の順。
被害の内容
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(%)
70.0
66.7
(n=48)
60.0
50.0
40.0
29.2
30.0
20.0
14.6
10.0
0.0
模
冒
情
倣
認
報
品
商
流
標
出
●被害を受けた国・地域は、
「中国」
(28 件)
、
「韓国」
(8 件)
、「アメリカ」
(5 件)など。
●被害を受けた時の対応は、
「法的措置を講じた」
(9 件)、
「直接通告した」
(6 件)と言った対応
が多いが、
「対応していない」ケース(8 件)も多く見られる。
- 30 -
④
海外知的財産活動における支援機関・弁理士等の活用状況
国内
●海外で知的財産の出願実績がある企業において、国内支援機関・弁理士等を「活用した」企業は
62.3%。
海外知的財産活動における国内支援機関・弁理士等の活用状況
無回答
2.1%
(n=146)
活用していない
35.6%
活用した
62.3%
●具体的には、
「弁理士・弁理士事務所・特許事務所」
(38 件)
、
「JETRO」
(24 件)、
「県・県の知的財
産窓口」
(14 件)などの利用が多い。
●国内支援機関・弁理士等を知ったきっかけは、「もともと知っていた」が 63.7%を占め、海外知
的財産活動以前に知っていたケースが多い。
国内支援機関・弁理士等を知ったきっかけ
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(%)
70.0
63.7
(n=91)
60.0
50.0
40.0
30.0
17.6
20.0
11.0
11.0
6.6
10.0
0.0
2.2
3.3
タ 自
そ
無
の 間
分
の
回
も
機
た ナ
紹 ・
ネ で
他
答
と
関
介 そ
調
知
か
等
の
ト べ
ら
に
他
等 た
て
の
出
知
い
紹
席
人
イ
た
介
し
等
ン
て
か
ッ
ー
)
- 31 -
(
ら 民
ミ
ー
知 セ
政
っ
行
と
っ
も
~海外知的財産活動における支援機関・弁理士等の活用状況~(続き)
国内
●活用した内容は、
「知的財産出願支援」
(52.7%)が半数を超え、
「相談(知的財産関連)
」が 37.4%
と続く。
販路開拓や知的財産活用、マーケティングに関する支援の活用は比較的少ない。
国内支援機関・弁理士等を活用した内容
(%)
60.0
(n=91)
52.7
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
50.0
37.4
40.0
30.0
23.1
17.6
20.0
12.1
10.0
0.0
9.9
8.8
そ
財
談
用
連 度
門
等 ミ
の
助
情
家
ナ
他
報
紹
知
の
介
財 ・
出
成
財
援
関
知
収
連
財
集
(
関
)
連
- 32 -
知
財
関 講
知
連 演
財
会
関
)
支
(
知
)
願
ー
育 セ
(
連 専
(
関 制
)
費
)
相
(
知
・
教
~海外知的財産活動における支援機関・弁理士等の活用状況~(続き)
国内
●活用しての評価は、<サポートの費用>は「安い」が 13.2%に対して、
「高い」が 28.9%となっ
ており、費用の面ではデメリットの方が高い。また、<問題解決>についても「短時間で問題解
決」
(8.8%)と「問題解決に時間がかかる」
(10.2%)でデメリットのほうがやや高い。
●上記以外は、満足評価が強い傾向で、特に「専門知識を持った担当者がいる」
(48.4%)はおよそ
半数に評価されている。
国内支援機関・弁理士等を活用しての評価
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(%)
60.0
50.0
37.4
40.0
37.4
28.9
30.0
25.3
18.7
20.0
14.3
13.2
10.2
10.0
0.0
(n=91)
デメリット
メリット
48.4
8.8
6.3
3.9
3.1
3.1
書
高 サ
る 的
が 一
決 1
安 サ
か 問
短
解 1
来 書
な 求
る 担
応
類
い ポ
確
対 貫
つ
い ポ
る 題
時
決 つ
な 類
い め
当
が 知
が
作
な
応 し
の
解
間
し の
い 作
て
者
い 識
親
成
ト
回
て
機
ト
決
で
な 機
成
い
が
る を
切
の
等
答
同
関
等
に
問
い 関
の
る
途
代
の
が
じ
で
の
時
題
で
代
回
中
行
費
得
担
問
費
間
解
問
行
答
で
た
用
ら
当
題
用
が
決
題
が
が
変
担
が
れ
者
解
が
か
が
出
出
わ
っ
持
ー
対
者 門
ー
当 専
「サポー
●活用していない 52 社の理由は、
「自社に専門家がいる・自社で処理できる」が 26.9%、
ト等の費用が高い」が 17.3%見られる。
一方で、
「どこに頼んでいいか分からない」も 17.3%見られ、専門家及び機関の認知度の低さが
今後の課題のひとつである。
国内支援機関・弁理士等を活用していない理由
(%)
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
40.0
34.6 (n=52)
30.0
26.9
20.0
17.3
17.3
7.7
10.0
7.7
3.8
0.0
い サ
か ど
無 身
決 1
そ
無
社 社
ポ
ら こ
い 近
し つ
の
回
な に
に
な の
他
答
で に
ー
自 自
処 専
ト
い 頼
相
い 機
理 門
等
ん
談
関
で 家
の
で
す
で
き が
費
い
る
問
る い
用
い
場
題
る
が
か
所
が
・
高
分
が
解
- 33 -
~
海
外
知
的
財
産
活
動
に
お
け
る
支
援
機
関
・
弁
理
士
等
の
活
用
状
況
~
(
続
き
)
海外
●海外知的財産活動において海外の支援機関を「活用した」企業は僅かに 8 社。
海外知的財産活動における海外支援機関等の活用状況
活用した
1.1%
(N=724)
無回答
11.5%
活用していない
87.4%
●海外の支援機関を活用していない理由は、国内と同様に「自社に専門家がいる・自社で処理で
きる」が 11.4%
海外においても、
「どこに頼んでいいか分からない」が 17.7%(国内支援機関:17.3%)
。
海外支援機関等を活用していない理由
(%) ※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
60.0
54.3
(n=633)
50.0
40.0
30.0
20.0
17.7
14.1
11.4
10.0
0.0
7.1
6.8
自 自
い サ
無 身
そ
無
ら こ
社 社
ポ
い 近
の
回
な に
で に
に
他
答
い 頼
処 専
ト
相
ん
理 門
等
談
で
で 家
の
す
い
き が
費
る
い
る い
用
場
か
る
が
所
分
・
高
が
- 34 -
ー
か ど
⑤
国内支援機関等に期待すること
●海外知的財産活動において、国内の支援機関に期待することは、「知的財産に関するアドバイス」
(27.3%)と「知的財産に関する助成」
(25.3%)が比較的高く、様々な<援助>や<アドバイス
>を期待している。
「専門知識を持った担当者」
以下「サポート等の費用を安く」
(18.5%)、
「的確な回答」
(18.0%)、
(15.5%)が続いているが、これら 3 つの期待も<助成>や<アドバイス>に関連する要素とな
っている。
国内支援機関等に期待すること
(%)
30.0
27.3
(N=724)
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
25.3
25.0
18.5
20.0
18.0
15.5
15.0
14.0
13.4
12.6
9.4
10.0
9.0
6.2
5.0
0.0
4.8
的
者 専
臨
ナ 知
短
丁
決 1
対 一
相
ポ
確
門
機
財
時
寧
つ
応 貫
談
に
に
な
知
応
に
間
な
の
し
窓
関
関
ト
回
識
変
関
で
書
機
て
口
す
す
等
答
を
な
す
の
類
関
同
の
る
る
の
持
対
る
問
作
で
じ
増
ア
助
費
応
各
題
成
の
担
加
ド
成
ー
く サ
財
っ
知
財
ー
ス 知
用
た
種
解
の
問
当
バ
を
担
セ
決
代
題
者
イ
安
当
ミ
行
解
が
- 35 -
⑥
意見・提案(自由回答一覧)
意見・要望等
「情報」に関する意見・要望等
中小企業向けの支援制度は良く専門もいただいており知っている。弊社のような技術移転支援機関が実施承諾を目的として
出願する際の支援等があればご教示願いたい。
現在、中国で火力発電、建材、製鉄業界の静電集坐と省エネルギー業務を展開しています。技術パートナーが欲しいです。
検討しようと考え始めてる所ですが、知識がありません。分かり易い資料等があればありがたいです。
助成金の活用方法が知りたいです。
海外での知財活動について、JETRO福岡等で、どの国がどのようなニーズを持っているのかわかると、出願国の選定に役立
ちます。
進出先の法令等の変更に伴う対策につきまして、適切なアドバイスをいただける方を紹介いただきますと幸いです。
インバウンド対応の人材活用や広告に関する情報があれば活用させていただきたい。
「助成」に関する意見・要望等
出願費用だけでなく、維持または登録時の費用負担をしていただけると助かります。
特許は国際出願しないと国益にならないが、国際出願すると一国100万円もかかるので、どのように素晴らしい発明であっても
零細企業には厳しいものがある。特許の重要性を判断して、助成する制度が必要である。
料金免除制度を利用したことがあるが、安くしていただいたのはよかったですが、その手続きを特許事務所にしていただいたこ
とで軽減申請書提出手数料、交付金、交付申請書提出手数料として6万円の請求を受け、戻りは\79,930でした。結果的に不
満が残ってしまいました。
弊社は中小企業法における資本金・従業員数がその上限を超えており、支援策を受けられない。中堅企業支援策も検討して
ほしい。
中小企業ばかりの支援が多い!地場中堅企業こそ支援が必要→結果が出しやすい!
中小企業(小企業)への助成を厚くしてほしい。
「支援機関」に関する意見・要望等
身近に相談することができたらいい。
気軽に相談できる専門機関が近くに欲しい。
本年やっと知財を取得し、国内より海外だと思って色々な機関、グループ、セミナー等に参加又、機関が有る事を知りました。
私共は中企業にて資金力もなく情報等がうまく取れず困っていましたが、おかげ様で行動目標が出来ました。もっと行動でき
る様に支援をお願い致します。国内では実用新案、商法を取得。どうしても資金不足に悩んでいます。目標に向かって行ける
様ご支援頂ければと思っています。
相談内容に応じた適切な相談先を紹介する者がいることが重要。当協会の場合、身近にJETROのアドバイザーがいるので、こ
のサポートがないと相談・対応が難しい。
「トラブル」に関する意見・要望等
取引は信頼が第一であり、特許を取得するためにその国に提出した時に内容が分かってしまい真似される危険が高い。
海外においては、国によるところがあるがコピー等や流用された場合等調査や損害賠償に関して十分な対応が考えられない。
その他の意見・要望等
現在、どちらかと言えばブラックボックスが優位。
日本の電気用品安全法等 例えば中国のCCC等に適用されるべく国として折衝してもらいたい。
東アジア、ASEANの国とは無いが、イタリアのメーカーとは技術、業務提携を行っています。
- 36 -
2.企業ヒアリング結果(概要)
調査設計
【調査方法】
ヒアリング調査
【調査実施日程】
【ヒアリング数】
平成 27 年 11 月 ~ 平成 28 年 1 月
34 社
※下表、網掛け部分は、知的財産に関する意見
所在地
業種
展開形態
海外進出概要
課題
留学生
研修制度は、技能実習を行う
期間が非常に短い。3年程度
の実習を行って、中国での即
知財については、必要な申請
の知識については分かってき 日本に帰化した中国人1名を採 戦力を育成するような制度で
あるといいと思った。
たが、知的財産戦略としての 用。
進め方が分からない。
パンフレット、ホームページの
外国語版作成の支援がある
と非常にありがたい。
福岡 建具等製造 直接投資
中国の市場調査を行った時に
メーカーから受注があった。
福岡 コンテンツ
「どうやって稼ぐか」が課題。実
際のやりとりが無く、仮想空間
インターネットを介するので海外
留学生の採用経験はないが、
でのやりとりとなるため。コンテ
展開すること無く、あらゆる国に
今後良い人材がいれば国籍に
ンツ系は商品のイメージが掴み
配信できる。
関係なく採用したい。
にくく、一般の商品と比べて販
売手法が難しい。
直接貿易
血流画像化
福岡 装置の製
直接貿易
造・販売
半導体等製
直接投資等
造
空調機、除
福岡 湿器 の製
造、販売
福岡
直接投資等
こんにゃく製
直接貿易
造販売
ドレッシング
福岡
直接貿易
製造販売
従業員教育(特に語学)への
支援制度、例えば専門家(外
国語講師)の派遣等制度があ
れば助かる。
展示会参加の際の出展料や
旅費等の海外活動費の補助
等。
海外展開の際、中小企業であ
れば手続きの費用が減額され
特許と商標を維持しながら販
る制度があったが、証明のため
医療機器は、グローバルスタン 路拡大を図っていきたい。
ベトナムの留学生を採用した実
には税務当局の証明が必要
ダードであるため国内で実績を 知財活用の戦略と戦術を組 績はあるが、海外の現地の人
だった。日本の税務署では証
積むのは難しく、外国から入る み立てるアドバイスが欲しい。 材を採用した実績はない。英語
明書の発行が行えず、その理
方が良いとの方針。
弁理士などの仲間がもう少し の翻訳の人材はほしい。
由を米国当局に説明するため
近くにいてほしいと思う。
の資料等が無く苦労した。英語
対応可能な窓口があれば。
各種計測制
直接貿易(輸 輸入取引を通じて海外販売の
福岡 御機器等の
入)
話があった。
製造販売
福岡
施策
出願して審査に時間がかか
る。もう少し審査を早くしてほ
しい。
翻訳費が高い。
開発。技術の人材募集は新
卒・中途関係なく、即戦力を募
集している。留学生・外国人の
応募はあるが採用実績は今の
所なく、採用レベルではなかっ
た。
費用負担等の制度などの情
報は入ってこない。海外知財
に関する、各国の情報とアド
バイスが欲しい。
2000年にITバブルの崩壊とと
拠点の駐在員として、留学生を
自前営業でやっており、可能な
特許で侵害を受けたときのス
もに受注が激減。生き残るため
採用。エンジニア、営業職とし
限り代理店は使わない。
キームを教えてほしい。
に海外展開を図る。
ても採用。
日本を中心に海外拠点は中
国、アメリカ、スウェーデンで、
四局体制で各市場のニーズに
マッチした製品開発までを視野
に事業展開している。
国によっては、同じ国内でも
特許審査の判断基準が地域
により違う場合が有り、現地
機関や取引がある他国の機
関の情報収集は大切。
社員の採用は、「一般公募」、
「大学の企業説明会及び就職
フェア参加」、「大学研究室から
現地の良心的な弁理士、弁
の紹介」で人材確保。留学生の
護士を見つけるかがカギであ
応募もあったが、結果として今
る。
回は留学生の採用には繋がら
なかった。現在は元留学生が
各部門で活躍している。
維持費、コンサル費用等、非
常にコストがかかり、販路が
確保できるか分からない中で
2002年に、海外向けの自社 は、リスクが大きいので、これ
海外では、語学力がある人材
製品を日系百貨店やスーパー らへの支援をもらえると各企
が求められる。
で独自に販売開始した。
業助かると感じている。デザ
インやその管理のための商標
取得に関しては、非常にコス
トがかかると思っている。
中小機構の英語のウエブサイト
構築の支援を受けている。英語
のウエブサイトは海外との取引
を考えているサインとして相手
企業から見られている。
ヨーロッパは食に対するガー
海外展開の情報を得るために ドが硬く、さまざまな点で許認
グローバルな人材(語学、営業 頑張る企業を応援する制度を
進出した香港で、評価が高かっ 可を必要とする。特に、成分
面)がいれば助かる。
もっと充実して欲しい。
た。
が日本独自のものもあり、説
明が難しい。
- 37 -
※下表、網掛け部分は、知的財産に関する意見
所在地
福岡
業種
展開形態
産業用特殊
ポンプ、設
直接投資等
計、製造、販
売、サービス
海外進出概要
課題
知財関係の実績は無い.意図
採用した留学生等が自国など
的に国際特許は取得していな
に戻り、協力企業として海外取
い。特許取得による情報の開
引の対応(のれん分け方式)を
示の方がデメリットを感じてい
行っている。
るため。
ロゴで国際意匠を取得してい
各種削り節・
る。知財面では手続きの難し
業務・技術提 漁業関係者と共同でフランスで
福岡 だしパック等
さとコスト面の問題(初期コス
携等
鰹節の製造拠点を設置。
製造販売
ト、継続費用等)があるが、必
要性については、理解。
選鉱事業、
非鉄金属関
福岡
連リサイクル
等
直接投資
業務提携
直接貿易
間接貿易
基本的には特許で武装してい
る。国内はそれでいいが、中
国に関して特許は役に立たな
いことが多い。特許は守れな
フィリピンに鉱山開発で使用す
いケースがある。韓国のPO
る磁力選別機を輸出、その後、
SCOに協力した技術も中国
中国にリサイクルプラント等輸
に流れていた。
出。
戦略的には技術指導者がい
ないと動かないような仕組み
にして、ノウハウで逃げるよう
にしている。
留学生
施策
チュニジア、カナダ、中国、ドイ
ツ、スペイン、スリランカ、イタリ
ア、タイ、韓国、マレーシア、フ
ランスからの留学生を採用。グ
ローバル人材の自社化に取り
組み、海外パートナー、代理店
と言葉の壁を越え、直接的な販
売活動に取り組んでいる。
SNSを活用したマッチングシス
テムは、真の日本語能力や人
となり等、エントリーシートに記
載されないような内容が判断で
きるものになれば、採用の一次
スクリーニングも兼ねられ企業
の採用コストが低減するし、メ
リットが大きいと感じる。
-
企業の声をくみ取り、リアルな
現場と行政(施策)の温度差を
解消して欲しい。
正社員として登用したのは米
国1名。中国2名。米国の1名は
アメリカに会社を独資で設立し
ようとしたことがあり、その際に
4,5年在籍していた。中国の2名
の内1名は自分で事業をやろう
ということで辞めてしまった。1
名は正社員として現在も勤務し
ている。考え方も日本的でス
マート。勤続年数は30年以上
で、現在は帰化している。今後
留学生を正社員として登用する
予定はない。
各行政機関からの調査・開発
費の支援により社内外の理解
が得やすい。行政機関の冠事
業として、国対国の推進体制が
整いやすい。
船用油圧機 直接投資
福岡
械製造業
直接貿易
既に取得した特許の更新料
海外での販売は全て代理店を 等が毎年払いっぱなしになっ 現在、徐々に増えている。代理 特許申請の監視をして欲し
通じて行っている。中国青島の ており、整理や活用方法が難 店に関しては現地で人を育てる い。模倣品の監視も出来れば
工場は下関工場の下請け。
良い。
しい。いつ止めるべきなのか ことが課題。
も悩み所。
化粧品、雑
貨の企画・
直接貿易
福岡 開発~販売
間接貿易
(小売業、卸
売業)
中国では化粧品の関税が高
いため、きちんと通関を通す
とかなり価格が高くなってしま
う。
大手からの引き合いだとかな
り詳しいデータ等も要求され
るが、まだそのデータが整備
インターン受け入れ経験はあ
BtoBでの取引(出荷)をしてい
できていない。
り。とても良かったので、留学
る。。BtoCでは、時々アメリカ
豚由来のコラーゲンを使って
生を雇用したいと思っている。
などからも注文がある。
いるため、ムスリムの方が使
えない。
国内で取れなかった商標を海
外で取得したいが福岡県の
支援は使い勝手が悪い。(国
内商標取得・弁理士利用が
必要)
留学生のインターンやバイトを
受け入れられるような制度や機
会が欲しい。
品質管理のための検査装置を
購入できる補助金・助成金が欲
しい。
船便コンテナ内等の商品輸送
時の温度データがほしい。
マイクロナノ
バブル発生
装置、マイク 直接投資
福岡
ロバブルシャ 直接貿易
ワーヘッド・
化粧品販売
知財はリスクが大きいので続
日本企業の中間業者から言わ けるのは難しい。
従業員自体が少ないので、留
れて、5年位前に海外進出し
お金がかかりすぎる。主要国
学生は現在必要が無い。
た。
に特許を出すと1000万かか
る。
H23年久留米市ものづくり振興
事業費補助金やH24~26地域
産業資源活用補助金などを利
用した。
家庭用・工
業用・作業
用の各種手 直接投資
福岡
袋の製造販 直接貿易
売、ヘルス
事業
有機等各材
料、各ナノ粒 直接貿易
福岡
子材料の研 間接貿易
究等
英語や中国語など、外国語
(現地語)の文献を読むのが
1994年に上海に進出して現地 大変。
生産を開始。
知財は各国の制度が違うの
で注意したい。
台湾・中国・韓国の3か国で既
に展開中である。研究開発段
階では直接やり取りをしている
が、販売段階では商社経由で
の取引となる。
知財の出願については、案件
に応じて複数(福岡、大阪、
東京)の特許事務所に依頼し
ている.出願のみに留まってお
り、権利化に至っていないも
のも多い。
- 38 -
工場の労働力や販売員に外国
人を採用。リクナビ・マイナビも
活用しているが、以前は大学の
先生の紹介もあった。今後も仕
事の内容によって考えるが、現
地採用が多くなると思う。中国
人のスタッフは通訳の場面で役
に立った。
経産省のものづくり補助金も利
用したが、採用が遅れたのに
締め切りが変わらないので、結
局テストの結果が間に合わず
一番欲しいところが出なかっ
た。
弁理士に中国調査をお願いし
たが生産拠点を突き止められ
なかった。
これまでに留学生採用の実績
はなく、また現状では特に検討 相手方の既存特許に抵触し
していない。優秀な人材であれ ないかの調査を簡便にやって
くれる施策があると助かる。
ば、採用の意向はある。
※下表、網掛け部分は、知的財産に関する意見
所在地
業種
展開形態
産業用ポン
プ・水中機械 直接投資
福岡 装置の設
直接貿易
計、製造、販 間接貿易
売
海外進出概要
課題
北米の代理店が独自に商標
登録やドメイン取得を行って
海外展開は40年以上やってお おり、本社からの譲渡要請に
り、ベルギーに現地法人があ 応じない。また、イタリアや台
る。
湾の会社による模倣品被害
ほとんどの国・地域で現地代理 の経験もある。さらに、安価な
店を有している。
模倣部品が流通しており、自
社には消耗部品の注文が来
ない。
留学生
施策
元留学生の社員は、現在はい
ない。これまでに雇用したの
は、中国人2名+モンゴル人1
名の計3名。ずっと日本で働い
てもらうというよりは、いずれ母
国に帰ることを見越して、将来
的には現地代理店をできるくら
いに育って欲しい。
正式な文書を英語で作成する
際には、単語1つで文意が変
わってきてしまうので、その点
の確認が支援機関等でできれ
ばよい。
海外に関しては英語でやらな
ければならないが、専門用語
直接投資
が出てきたりするので結局向
当社の海外法人を通して輸出
メーカー事業 業務・技術提
こうの法律事務所を通さなけ
入をしている。中国の場合は
福岡 (理美容商 携
ればならず全て有料。何度も
OEMベースなので基本的に委
品)
直接貿易
やり取りをしてしまうとそれな
託生産をしている。
間接貿易
りの費用が発生してしまい難
しい。言語もだが、国によって
ルールにも差がある。
留学生は今中国人2人。基本
的には国籍を問わずに海外事
海外支社から情報収集をして
業部にメンバーを増やしていき
いる。銀行さんと情報をやり取
たいと思っている。今の業務内
りすることはあった。
容を今のメンバーでこなすには
限界が来ている。
サービスが日本の水準とかな
り違うため、日本と同じレベル
にできていない。人材育成が
直接投資
課題。
食品製造・
海外に687店舗。中国(上海、
業務・技術提
知財は出願してから登録まで
福岡 飲食業(ラー
深圳)、香港、シンガポール、ア
携
の期間が長い。
メン等)
メリカに工場。
直接貿易
ヨーロッパで商標を出願され
ていた。当社は先に取得して
いたが、商標の分類の違うと
ころで申請していた。
留学生は現在4名正社員として
支援策はいろいろあるが、その
勤務している(男性、中国)。全
中から自社に合った情報を探
員学生の頃にバイトをしてか
すことが大変。
ら、正社員になっている。
米飯加工機
械・食品機
械全般及び
福岡
間接貿易
製菓、製パ
ン機械の製
造・販売
韓国で、おにぎりの小型自動
製造機の模倣品被害を受け
た経験がある。
基本方針として、新機種は海
自社としては、海外展開にはそ
外に出荷していない。トラブル
れほど積極的ではなく、取引先
回避のため、国内で2年程度
の進出に追随している状況で
の運用実績を積んだ機種に
ある。
限定している。
海外での知財取得のハード
ルとしては、国毎にコストがか
かる点である。
ガス漏洩検
査装置の開
熊本 発、製造、販 直接貿易
売、メンテナ
ンス
市場調査、製品・技術説明、営
業展開、メンテナンス体制の検
討を行ない、これから販売予
定。
健康補助食
品、化粧品、 直接投資
熊本 その他健康 直接貿易
関連の製造 間接貿易
及び販売
言葉の壁があり、通訳を通す
が細かい部分が伝わらない。
成分によっては、中国では食
品ではなく医薬品扱いになっ
てしまうものがある。
台湾は子会社を拠点にして販
知財では中国で商標が取れ
売(約20年)。中国・ブラジルは
るだろうと見込んでいた時
原料などの輸入が主で一部販
に、数週間前に先に申請され
売。台湾進出は、親日国でもあ
たケースがあった。大きな被
り入りやすかった。
害は無かったが、パッケージ
は作り変えないといけなかっ
た。
中国での商標は出す前に情
報を収集したほうが良い。
中国から帰化したスタッフが2
名。1名は元々貿易を経験して
おり中国との輸入を強化したい
ために引き抜きした。18年くら
い勤続しており59歳。次の世代
を育てたい。
中国語と日本語が話せる人を
増員したくて探している。留学
生でも構わないが、理系で探し
ている。
原産地証明が必要な時に、都
道府県で取れたり取れなかっ
たり、対応が違うケースがあっ
た。
微生物を利
用した生活
熊本 関連商品の 直接投資
研究、開発
及び製造
県内の会社と共同で特許を取
得しようとした際に、その会社
が単独で特許を取得した。そ
のため、共同特許を取得する
ことができず、許諾書を取り
交わす形になってしまった。
特許を取得しても抑止になら
ない可能性がある。アメリカで
特許取得を検討した際、抜け
道がたくさんあり、抑止になら
ない可能性があるため、結局
取得しなかった。
活用実績なし。事務系スタッフ
で中国人を1年入れたことはあ
る。(日本側)
中国の現地法人は現地採用で
スタッフが3名いる。
現在、社員の中で英語が話せ
る者がいないため、今後留学
生を採用したい。
中小企業で働きたいスキルの
ある人材、留学生の採用支援
をしてほしい。現状は地の利が
悪く人材をハローワーク以外に
探す手立てがない。
マレーシアでのパイロット事業。
家庭用品を中国に独資で現地
法人を設立。日本企業と合弁で
北京に会社を設立。インド、アメ
リカ、中国、台湾、韓国、香港な
どに商品の販売実績有。
これまでに外国人社員を雇用し
た経験はないが、毎年3~4名
現状では特になし。
程度の海外人材が採用面接を
受けに来ている。
ライセンスの維持費に苦労し
留学生の活用実績はないが、
ている。補助金は出ないので
東京工業大学の研究室には
自腹になり、今後も増えていく
ミャンマーの方がいる。
ので大変。
- 39 -
平成26年度熊本県・リーディン
グ企業育成支援事業費補助金
の採択を受けた。ものづくりの
補助金は、3回目の採択をも
らっている。
※下表、網掛け部分は、知的財産に関する意見
所在地
業種
展開形態
小信号トラン
ジスタ ハイ
長崎
直接投資
ブリッドICシ
ステム製品
海外進出概要
課題
留学生
施策
当初は試作のための機械設備
などを主に補助金を利用してい
出願の年間での費用を計算し 中国人男性が2名在籍。ここ数 たが、最近では市場調査や知
生産コストを削減できるので
て考えないといけない。今後 年で一般募集により採用し、技 財などの補助金を利用したいと
1995年に中国、翌年にフィリピ
は質まで考えて出さないとい 術開発部門に配属している。日 思っている。
ンの順で加工委託を開始、コス
けないと思っている。
本語が出来る外国人は、今後 補助金申請は期間が短く厳し
トの問題で中国が先だった。
も採用の可能性がある。
い。体制などすり合わせる時間
が無い。更に事業期間も短い
のでどうにかならないか。
留学生の活用実績(1名:中
情報収集拠
先進国が進出している所かつ 国、宮崎大学、男性。現在設計
台湾の現地商社2社を通じて売 電力の品質が高いところを探し 担当。1名:中国、大学不明、男
電気関連事 点
宮崎
業務・技術提 り込みに入っている。
業
ている。(国は問わず、ターゲッ 性、現在製造担当。帰化してい
携
トになる工場がある所)
る。)。来年度宮崎大学の中国
人留学生を採用予定。
- 40 -
出願費用だけでなく、特許の
維持または登録時の費用も
補助してほしい。
中小機構の支援事業を受け
て、専門家派遣で若い技術者
に知財についての説明をして
いただいたことが良かった。
これは継続してもらいたい。
(1)知的財産関連事業の取組概要(きっかけ、実績、課題、今後の方針)
事例 1
中国では、商標登録(会社のロゴ、商品名)等は押さえているが、意匠、特許などはこれか
ら。申請等は現地の総経理が行っている。
必要な申請の知識については分かってきたが、知的財産戦略としての進め方が分からな
い。
事例 2
特許のうち数本は大学の特許になっており、大学が管理している。機器の価格が高いため、
国の大きい機関でないとなかなか売れないのではと考えたため。現在は、当社からも維持費
の負担をしている。
特許は技術の防御のために取得しており、ライセンス契約等にまで手を広げることは、技術
開発に手が回らなくなるため、考えていない。特許と商標を維持しながら販路拡大を図って
いきたい。
事例 3
当社の方針は、①情報を守る、②特許でコストを負わない、③特許は経営層自らが経営と一
体で判断する。
事例 4
海外案件については、国内の公的機関や専門機関を経由せず、直接海外の専門機関にコ
ンタクトを取っている。理由としては、国内の機関を利用すると、伝言ゲームのようになり時間
と手間を要するため。(自社の技術を直接自分の言葉で説明することが大事)
新規開拓(中国、台湾)の際も直接海外の機関とコンタクトをとった。台湾を事例に挙げると、
インターネットで予め調査し、10数社に対してメールでコンタクトを図り、返答があった中から
決定するといった手法。また、中国、インド等では、同じ国内でも特許審査の判断基準が、地
域により違う場合が有り、現地機関や取引がある他国機関の情報収集は大切。
事例 5
ロゴで国際意匠を取得している。福岡で国際的な活動をしている弁護士さんを通じて手
続きを行った。
知的財産面では手続きの難しさとコスト面の問題(初期コスト、継続費用等)があるが、
必要性について、理解が出来た。今後、進出して行く国毎に意匠を取得する予定。
事例 6
基本的には特許で武装している。国内はそれでいいが、中国に関しては、特許は役に立
たないことが多い。特許は守られないケースがある。韓国の企業に協力した技術も中国
に流れていた。
戦略的には技術指導者がいないと動かないような仕組みにして、ノウハウで逃げるよう
にしている。
事例 7
既に取得した特許の更新料等が毎年払いっぱなしになっており、整理や活用方法が難しい。
いつ止めるべきなのかも悩み所。
事例 8
大手企業との共同開発(特許をとる場合)は、「不実施」を宣言し、ロイヤリティのみを受け取
るスタイルにしている。開発費、特許費用、維持費は相手企業に払ってもらう。
お金がかかりすぎる。主要国に特許を出すと 1000 万かかる。
事例 9
県内の会社と共同で特許を取得しようとした際に、その会社が単独で特許を取得した。その
ため、共同特許を取得することができず、許諾書を取り交わす形になってしまった。
事例 10
模倣品被害は、中国工場の各分野の職員が退職して、集まって新しく工場を作り模倣品
を作って輸出するケースがメイン。その工場から輸出するので各国に広がった(取引メー
カーや販売先も知っていた)。
対策は、特許をとり、取扱代理店に特許(権利)があることをアピール。中国では、輸出
を止めたいので知的財産の税関登録を行った。
- 41 -
事例 11
知的財産に関する情報をJPネットと契約して収集している。国内情報は検索して、それらを
情報共有している。
事例 12
ライセンスの維持費に苦労している。補助金は出ないので自腹になり、今後も増えていくの
で大変。
事例 13
中国で商標が取れるだろうと見込んでいた時に、数週間前に先に申請されたケースがあっ
た。大きな被害は無かったが、パッケージは作り変えないといけなかった。
他国での商標は出す前に情報を収集したほうが良い。
事例 14
出願の年間での費用を計算して考えないといけない。今は、少しでも多くの出願を出してい
るが、今後は質まで考えて出さないといけないと思っている。
事例 15
北米の代理店が独自に商標登録やドメイン取得を行っており、本社からの譲渡要請に応じな
い。また、自社の技術者が技術を売ったことによりイタリアの会社が類似商品を製造していた
り、台湾の会社が当社 Taiwan と名乗って販売していたりといった模倣品の被害経験がある。
事例 16
市場として抑えている地域では新商品の開発をするたびに追加で特許を申請している。
海外に関しては英語でやらなければならないが、専門用語が出てきたりするので結局向こう
の法律事務所を通さなければならず全て有料。何度もやり取りをしてしまうとそれなりの費用
が発生してしまい難しい。言語もだが、国によってルールにも差がある。
事例 17
知的財産として他が真似しないように防衛的にしないといけない。また会社として知的財産を
持っているという宣伝になればいいと考えている。技術面での信頼感になる。
事例 18
ヨーロッパで商標を出願されていた。当社は先に取得していたが、商標の分類の違うところで
申請していた。弁理士から著作権を取得しておくと、訴訟の際に有利になるという提案を受け
ている。
事例 19
基本方針として、新機種は海外に出荷していない。トラブル回避のため、国内で 2 年程度の
運用実績を積んだ機種に限定している。
海外での知的財産取得のハードルとしては、国毎にコストがかかる点である。
- 42 -
(2)留学生等の活用状況
事例 1
マレーシア駐在として、留学生であった者を所長代理として配置している。中国駐在のうち、
1名は留学生を活用。
事例 2
約20年前、大学院(博士課程)卒の中国人を採用。非常に優秀な人材(技術者)であり、現
在は開発部門のリーダーとして活躍。その後も中国、韓国の留学生を採用し、途中、結婚を
機に止めた中国人2名もいたが、定着率が良く、現在、中国3人、韓国2人の計5人の元留
学生が各部門で活躍している。
社内で異文化を受け入れる意識づくりに努めている。元留学生達は、コミュニケーションを図
る上でも意見を述べる場合においても日本と異なり曖昧な発言はしない。社員は、彼らのは
っきりとした口調に嫌悪感を抱くのではなく、逆に実行力があるという風にプラス思考で彼ら
を受け入れ、理解していくことに努めている。
事例 3
採用した留学生等が自国などに戻り、協力企業として海外取引の対応(のれん分け方式)を
行っている。
チュニジア、カナダ、中国、ドイツ、スペイン、スリランカ、イタリア、タイ、韓国、マレーシア、フ
ランスからの留学生を採用。グローバル人材の自社化に取り組み、海外パートナー、代理店
と言葉の壁を越え、直接的な販売活動に取り組んでいる。
最初採用したチュニジア人留学生が優秀で、最初の採用で、企業としての成功体験を社員で
共有できたことが成功要因の一つであり、次につながったと感じている。マルチリンガルの理
系留学生だったが、この外国人留学生を採用したからこそなしえた成果(海外案件の大きな
成約等)を社長から従業員に対して常に情報配信をすることを心がけた。また、チュニジア人
留学生に対しては、掃除をする、時間に遅れない等といった日本企業の文化を徹底的に説
明し、納得してもらった。更に本人も、就業時間後に一緒にカラオケに行く等、会社に溶け込
もうと常に努力したため、5 年で部長に昇進したが、誰も苦情を言う社員はいなかった。
事例 4
今後、10 年で仕事が東南アジアで出てくると思う。その時の要員として数名育てたい。
事例 5
5 年前に中国人留学生を 2 名採用。中国の現地法人を任せており、中国の販路拡大に貢献
している。タイ、インドネシアの留学生を採用して現地での販売を行ってもらい、営業基盤を
固めたい。
事例 6
中国語と日本語が話せる社員を増員したくて探している。留学生でも構わないが、理系の人
材を探している。
事例 7
今後の留学生採用についても考えている。ただ、ずっと日本で働いてもらうというよりは、い
ずれ母国に帰ることを見越して、将来的には現地代理店をできるくらいに育って欲しいと考え
ている。今後の採用面談の際には、そういった自社のビジョンを伝えていこうと思っている。
海外人材は、いずれ辞めることを見越して雇ったほうがいいと思う。
事例 8
留学生の活用実績は中国人男性 2 名。来年度、中国人留学生を採用予定。
台湾から中国に進出できればと考えているので、中国人を採用している。
事例 9
留学生は現在 4 名で正社員として勤務している(男性、中国)。全員学生の頃にバイトをして
から、正社員になっている。
- 43 -
(3)施策等に対する要望
要望 1
研修制度は技能実習を行う期間が非常に短いと感じた。3年程度の実習を行って、中国での
即戦力を育成するような制度であるといいと思った。
パンフレット、ホームページの外国語版作成の支援があると非常にありがたい。
要望 2
従業員教育(特に語学)への支援制度、例えば専門家(外国語講師)の派遣等制度があれ
ば助かる。
今後は海外展開を積極的に進めていくため、展示会参加の際の出展料や旅費等の海外活
動費の補助があれば嬉しい。
要望 3
知的財産活用の戦略と戦術を組み立てるアドバイスが欲しい。
弁理士などの仲間がもう少し近くにいてほしいと思う。
要望 4
費用負担等の制度などの情報は入ってこない。
海外知的財産に関する、各国の情報とアドバイスが欲しい。
要望 5
特許で侵害を受けたときのスキームを教えてほしい。
要望 6
維持費、コンサル費用等、非常にコストがかかり、販路が確保できるか分からない中では、リ
スクが大きいので、これらへの支援をもらえると各企業助かると感じている。デザインやその
管理のための商標取得に関しては、非常にコストがかかると思っている。
要望 7
弱者救済の助成金も必要かもしれないが、頑張る企業を応援する制度をもっと充実して欲し
い。中小企業が世界に出て、戦えるよう応援して欲しい。
要望 8
気づかないうちに、関係のない人に特許を先に取られてしまっているので、特許申請の監視
をして欲しい。企業側は、人手が足りない。模倣品の監視も出来れば良い。
要望 9
福岡県の支援を受けようと思っても日本で商標を取っていないといけない。国内で取れなか
ったが海外の商標を取得したいので、使い勝手が悪く改善してほしい。また日本の弁理士を
活用しないといけないという点も改善してもらいたい。
要望 10
相手方の既存特許に抵触しないかの調査を簡便にやってくれる施策があると助かる。
要望 11
補助金申請は期間が短く厳しい。体制などすり合わせる時間が無い。更に事業期間も短い
のでどうにかならないか。
要望 12
出願費用だけでなく、特許の維持または登録時の費用も補助してほしい。
中小機構の支援事業を受けて、専門家派遣で若い技術者に知的財産についての説明をし
ていただいたことが良かった。これは継続してもらいたい。
要望 13
支援策はいろいろあるが、その中から自社に合った情報を探すことが大変。
- 44 -
(4)その他(意見・アドバイス)
意見 1
海外に出ることにより、新しいアイディアも出てくるが、それを実行する行動力も必要になる。
以前は、中小と言っても海外展開は規模の大きいところの話と思っていたが、小規模企業も
アイディアと行動力次第で勝負出来ると思っている。
意見 2
マーケットに商品を届けていくには、商流のノウハウが分かる人、契約をまとめる人、自分た
ちの思いを広告してくれる人が必要。
意見 3
現地の良心的な弁理士、弁護士を見つけるかがカギである。
日本人はふっかけられやすいため、直接現地(現場)に行って担当者と話すことが重要。
決して人任せにしないこと。自社で対応すること。
意見 4
海外では、やはり語学力がある人材が求められる。コミュニケーションツールが必要となるの
で、マニュアルを数字や絵で記載するようにシフトしている。
意見 5
海外の競合メーカーに対して、核となるところはオープンにしない。ブラックボックスとして隠
し通す。
意見 6
対象国と日本の外交関係が良好であること、進出のビジネスパートナーとなる商社、現地の
日系企業、現地パートナーなどが整っていると話がまとまりやすい。海外では基礎調査を行
い、種まきをしており、その中からいい話があれば検討する。
意見 7
海外進出は経験しないと分からない。動かなければ何もおきない。人付き合いが大事。
意見 8
中国人による「職人の育成」をしており、製造工程 11 工程中 6 工程以上の作業が出来たもの
に(黒)の称号を与え給料も高くなる。1 つの同じ作業しか出来ないものは(赤)、11 工程中 3
工程は(青)に色分けして階級をつけている。
海外で成功するには、中小企業は「お金」「もの」「人」の管理(肝心なところ)は日本でやるこ
と。また、先方の支払い条件に合わせない。入金が遅れたら出荷しない。ワンプライスでお
客さんによって価格は変えない。在庫は 1 ヶ月以内が条件。
意見 9
中国を視察したが、うそが多く直接取引をするのはやめた。現在の台湾輸出は間に入ってい
る商社に全てを任せている。それが安心で情報も入ってくる。直接の取引はやりたくない。
意見 10
現地の人(顔が効く人・本当に信頼できる人)とつながって、現地と合弁でやるのがよい。
意見 11
中国については、北京語や広東語の違いなども細かく、伝わっているか心配になることがあ
る。また、港によって指摘される内容・答えが違うので難しい。成分によっては、食品ではなく
医薬品扱いになってしまうものがある。そのため、海外向けのグレードを作ったりしている。
意見 12
新製品は世に出すタイミングがある。早く出しすぎてもだめでアイデアを取られた経験もあ
る。作る場所(人)・販路・資金の 3 つが無いと失敗する。
- 45 -
第 2 章 海外展開における成功の秘訣
第2章
海外展開における成功の秘訣
本章では、中小企業の知的財産活動の実態を踏まえ、今後の海外展開における成功の
秘訣を取りまとめた。
1.海外展開の現状
(1)
「九州の特徴」
・九州は、全国と比較して輸出依存度がやや低いが、輸出の増減に影響され、鉱工業生
産指数が変動しやすい傾向となっている。
・最近では、北米を中心に海外経済の回復基調で、更に円安に伴い国際競争力も向上し、
輸出型企業(主に製造業)を中心に生産が持ち直している。業種別では輸出割合の高
い輸送用機械、電子部品・デバイス(IC、半導体等製造装置)等の生産が増加傾向。
【九州の輸出依存度と鉱工業生産指数】
九州と全国の輸出依存度、鉱工業生産指数
06年
07年
08年
09年
10年
11年度
12年度
九州(輸出依存度)
11.3%
13.2%
13.1%
9.3%
12.2%
11.9%
11.8%
全国(輸出依存度)
14.6%
16.1%
15.4%
10.8%
13.9%
13.2%
12.7%
九州(鉱工業生産指数)
107.5
110
107.5
85.6
102.5
103.6
103.6
全国(鉱工業生産指数)
104.5
107.4
103.8
81.1
94.4
92.2
91.9
輸出依存度
鉱工業生産指数
18.0%
120
16.0%
100
14.0%
12.0%
80
九州(輸出依存度)
全国(輸出依存度)
10.0%
60
九州(鉱工業生産指数)
全国(鉱工業生産指数)
8.0%
6.0%
40
4.0%
20
2.0%
0.0%
0
06年
07年
08年
09年
10年
11年度
12年度
出所:「九州経済国際化データ2015」より
- 46 -
輸出の増減に影響され、鉱工業生産指数が変動しやすい傾向となっている。
※今回の調査においても、海外展開の業種別状況では、特に直接貿易、間接貿易等で貿
易依存型の製造業が高い傾向にある。
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n)
120
111
製造業
100
建設業
卸売業
小売業、飲食店
サービス業
その他
(n=727)
101
91
80
60
53
51
40
31
21
20
0
14
11
20
16
6
13
11
2
18
15
21
20
3
2
20
19
9
15
8
5
8
4
直
情
業
直
間
接
報
務
接
接
投
収
・
貿
貿
資
集
技
易
易
拠
術
点
提
8
携
・2014 年の九州と全国の「アジア度」を比較すると、
「輸入額」を除いた 5 項目について
九州の「アジア度」が全国よりも高く、九州経済はアジアとの結びつきが強いことが
窺える。
【九州と全国のアジア度比較】
海外進出
企業件数
海外進出 企業件 数
80.6%
輸出額
輸入額
輸出額 59.3%
54.1%
45.0%
38.6%
35.3%
94.3%
外国人
入国者数
輸入額
62.8%
80.7%
54.3%
外国人入 国者数
姉妹提携 自治体 数
姉妹提携
自治体数
67.6%
91.2%
国際航空 路線数
国際
航空路線数
九州
全国
出所:「九州経済国際化データ2015」より
- 47 -
(2)
「九州の貿易」
・2014 年の九州の対世界貿易総額は 12 兆 5,850 億円。輸出額が 5 兆 7,719 億円(前年比
2.7%増)と 2 年連続で前年を上回ったものの、輸入額も 6 兆 8,131 億円(前年比 3.0%
増)と増加し、4 年連続で貿易赤字となった。
・貿易額は 2008 年まで増加傾向にあったが、リーマンショックにより 2009 年に激減し、
その後回復はしている。2014 年現在ではまだ 2008 年の水準には至らないものの、徐々
に戻りつつある。
【九州の対世界貿易額の推移】
(兆円)
全国比(%)
8
10
9
7
8
6
7
5
6
4
5
4
3
3
2
2
1
0
1
06
07
08
09
10
11
12
13
14年
4.4
5.1
5.9
5.9
4.1
5.2
5.2
5.2
5.6
5.8
4.3
5.4
6.1
7.2
4.1
4.9
5.6
5.6
6.6
6.8
6.5
6.6
6.7
7.0
7.3
7.6
7.7
8.0
8.1
8.1
7.9
6.9
7.5
8.1
8.4
9.1
7.9
8.1
8.3
8.0
8.1
7.9
00
01
02
03
04
05
輸出額
3.0
2.8
3.3
3.4
4.0
輸入額
2.5
2.7
2.7
2.8
3.4
輸出全国比
5.8
5.8
6.2
6.2
輸入全国比
6.2
6.3
6.5
6.4
出所:「九州経済国際化データ2015」より
- 48 -
0
(3)
「九州の対外投資」
・1986 年~2014 年の九州企業の海外進出累計件数は、1,065 件となっている。このうち
2014 年の新規海外進出件数は 12 件で、前年比 60.0%減(18 件)となっている。全国の
2014 年時点の海外進出累計件数は 28,013 件で、うち新規海外進出件数は 549 件である。
・進出先を構成比でみると、九州企業の進出先(累計)はアジア 858 件、北米 101 件、
EU65 件、その他 41 件と圧倒的にアジアが多く、その内訳は中国 43.0%、ASEAN20.8%、
アジア NIEs16.7%となっている。
・2014 年時点での海外進出件数を進出年次別にみると、2004 年から 2006 年は年間 60 件
を超え、2010 年では 69 件に達した。
【九州企業の国・地域別海外進出状況】
単位:件、%
全 国
九 州
86~90年
91~95年
中国
01~05年
06~10年
11年
12年
13年
14年
不明
86~14年
2014年時点
(累計)
構成比(%)
掲載ベース
38
70.4
112
76.2
112
76.7
213
83.9
241
85.8
49
84.5
34
72.3
25
83.3
9
75.0
25
858
80.6
17,604
62.8
10
18.5
62
42.2
55
37.7
144
56.7
128
45.6
27
46.6
11
23.4
6
20.0
2
16.7
13
458
43.0
6,707
23.9
構成比(%)
アジア
96~00年
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
構成比(%)
香港
2
3.7
6
4.1
3
2.1
10
3.9
9
3.2
3
5.2
1
2.1
3
10.0
-
-
-
37
3.5
1,288
4.6
台湾
7
13.0
4
2.7
10
6.8
10
3.9
12
4.3
3
5.2
2
4.3
3
10.0
1
8.3
4
56
5.3
1,038
3.7
韓国
ASEAN
その他アジア
<ASEAN4>
<アジアNIEs>
北米
3
5.6
6
4.1
9
6.2
13
5.1
11
3.9
3
5.2
2
4.3
2
6.7
-
-
3
52
4.9
904
3.2
16
29.6
32
21.8
32
21.9
33
13.0
64
22.8
9
15.5
16
34.0
9
30.0
6
50.0
5
222
20.8
6,859
24.5
-
-
2
1.4
3
2.1
3
1.2
17
6.0
4
6.9
2
4.3
2
6.7
-
-
-
33
3.1
808
2.9
13
24.1
19
12.9
24
16.4
26
10.2
29
10.3
6
10.3
11
23.4
3
10.0
1
8.3
4
136
12.8
4,668
16.7
14
25.9
23
15.6
28
19.2
34
13.4
41
14.6
12
20.7
6
12.8
11
36.7
2
16.7
7
178
16.7
4,478
16.0
11
20.4
12
8.2
21
14.4
21
8.3
19
6.8
7
12.1
4
8.5
-
-
2
16.7
4
101
9.5
3,893
13.9
EU
3
5.6
18
12.2
6
4.1
14
5.5
13
4.6
-
-
4
8.5
1
3.3
1
8.3
5
65
6.1
3,676
13.1
その他
2
3.7
5
3.4
7
4.8
6
2.4
8
2.8
2
3.4
5
10.6
4
13.3
-
-
2
41
3.8
2,840
10.1
54
100.0
147
100.0
146
100.0
254
100.0
281
100.0
58
100.0
47
100.0
30
100.0
12
36
1,065
100.0
世界合計
100.0
28,013 100.0
出所:「九州経済国際化データ2015」より
・2013 年九州企業の海外展開にかかる実態調査では、海外展開中の企業の売上に占める
海外比率は「10%未満」が 6 割弱、海外比率が 50%を超えている企業は 1 割程度だった。
・今回の調査では、海外比率は「10%未満」が 7 割強を占めており、海外比率が 50%を
超えている企業は 5%程度に減っている。
※海外比率が 50%を超えている企業は、卸売業の割合が高く、展開先は中国が多い。
【売上に占める海外比率】
【売上に占める海外比率】
※2013 年九州企業の海外展開にかかる実態調査
※今回調査
無回答
80%以上
80%以上
6.8%
2.1%
4.3%
50~80%未満
(N=352)
50~80%未満
2.9%
5.7%
30~50%未満
30~50%未満
(N=724)
無回答
7.9%
3.3%
5.7%
10~30%未満
8.8%
10~30%未満
19.3%
10%未満
58.2%
10%未満
75.0%
- 49 -
★参考:海外進出を巡る最近の動向
世界で稼ぐ力:輸出による国際競争力の向上
1.近年の経常収支の黒字幅の縮小は貿易収支の赤字化による。
2.高度経済成長を成し遂げた、1990年代までは「安い原材料を輸入
して高い製品にして輸出して稼ぐ加工貿易の国」として稼いでいた。
しかし最近は減少傾向。
3.少子高齢化が進む現在、世界で稼ぐ力「輸出力」は重要。
4.全国に比べ、九州の輸出依存度(GDPに対する輸出額の割合)は
やや低い。
5.九州は輸出の増減に影響され、鉱工業生産指数が変動しやすい
傾向となっている。(輸出依存型製造業が多い。)
参 考
※円安、新興国の人件費上昇に伴い、日本の製造業が国内でものづくりを強化する動き。
相次ぎ工場新設。(2015 年 3/27 日本経済新聞)
※知的財産の国際収支、黒字最大の 1 兆 6,950 億円も、8 割は海外子会社との企業内取引に
よるものとみられる。いわゆる上げ底状態。電機は実質赤字。新興国で権利保護が課題。
企業4割、模造品被害増。収入を日本に戻すための国際ルールづくりも課題。中国やタ
イなどで日本へのロイヤリティー送金を制限されるケースが多い。(2015 年 3/16 日本経
済新聞)
※平成 27 年 5 月 25 日「日ASEAN知的財産共同声明」を採択。日本国特許庁とASE
AN各国特許庁長官会合が奈良市において開催された。本会合では、2015 年度の知的財
産分野の協力プログラムを策定するとともに、知的財産協力の深化を通じてASEAN
経済共同体の実現に貢献することを確認し、
「日・ASEAN知的財産共同声明」を採択
した。
- 50 -
2.海外展開に関する今後の展開
(1)海外展開状況のポイント
・リーマンショック以来の急激な不況を脱し、現在では景気は回復傾向にある。
貿易額については、過去最高の 2008 年に近づきつつある回復ぶり。
・海外進出(直接投資)企業は 2010 年をピークに最近減少傾向にある。
・海外進出に関心のある企業は増加しているものの、具体的な展開(直接投資)を行ってい
る企業は少ない。
・海外進出をしない理由として、国内展開で満足している企業、海外展開のリスクを懸念し
ている企業、ノウハウ・人材不足・資金不足等が理由の企業が存在する。
・一方で、海外展開をしている企業では、何らかの形(売上げの増加等)で海外展開が利益
に貢献している。
★海外展開の形態が、直接投資から直接貿易や間接貿易にシフトしている。
(近年の円安の影響等もあり)
★景気の回復とともに、国内での展開が安定してきた。
★海外展開に決して否定的なのでは無く、リスクの回避、何らかの支援策を講じることによ
り、直接投資も増加する可能性がある。
★更に九州においては、近年 ASEAN 地域への進出が増加傾向となっており、今後の海外
展開先としても、高い関心が寄せられている。
中小企業の海外展開が進んでいく中、直面している課題が
多様化してきていることが窺える。
→ グローバル人材、知的財産権等
(2)海外撤退・事業縮小の状況
・海外展開している企業の撤退・縮小状況については、中国が最も多く、ASEAN地域ではシ
ンガポール、ベトナムの順。
・撤退・縮小内容としては、直接投資が最も多い。理由では、商習慣・文化の違い、日本本社
の戦略の変更等。
・課題としては、投資資金の回収、撤退手続きに時間がかかる等。
★今回の調査では、撤退・事業縮小した企業は全体の 4.7%程度と低い状況だった。
- 51 -
参考:九州とASEANの関係
多くの中小企業が販路拡大のため、海外事業展開に着手しており、特に九州はアジアに
地理的・歴史的に近いという優位性を活かして、他地域よりも海外事業展開が積極的な地
域である。こうした中で、近年 ASEAN 地域への進出が増加傾向となっており、今後の海外
展開先としても、高い関心が寄せられている。
(1)ASEAN の経済概況
ASEAN の概況(2013 年)
名称
設立年月日
東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian Nations )
1967年8月
加盟国
10ヶ国(ベトナム、タイ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、フィリピン、インドネシア、
カンボジア、ラオス、ミャンマー)
面 積
448万k㎡
日本(38万k㎡)の12倍
世界(1億3,616万k㎡)の3.3%
人 口
6億1,766万人
日本(1億2,844万人)の4.8倍
世界(71億6,212万人)の8.6%
G D P
2兆4,188億米ドル
日本(6兆2,340億米ドル)の38.8%
世界(74兆6,007億米ドル)の3.2%
3,916米ドル
日本(48,536米ドル)の8.1%
世界平均(10,416米ドル)の37.6%
2兆5,171億米ドル
日本(1兆6,849億米ドル)の1.5倍
世界(37兆6,439億米ドル)の6.7%
1人当たりGDP
貿 易 額
備考:日本の GDP は 2012 年値。
出所:世界銀行、WTO データ、総務省統計局「世界の統計 2015」を元に九州経済産業局にて作成。
東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する 10 カ国が域内の貿易自由化や市場統合など
を通じて成長加速を目指す広域経済連携の枠組み「ASEAN 経済共同体(AEC)」が 12
月 31 日、発足する。域内人口は欧州連合(EU)を上回る計 6 億 2,000 万人で、域内総
生産が 2 兆 5,000 億ドル(約 300 兆円)に達する巨大な経済圏が本格始動する。
国境の障壁が取り払われればASEANを「単一の生産基地」と位置づけ、域内で分
業する動きが一段と活発になる。
企業がAECの発足を見越し、人手に頼る作業が多い一部の自動車部品の生産を、タ
イから賃金が割安なカンボジアやラオスに移すといった動きが広がり始めている。
こうした動きを背景にAEC域内ではすでにモノの往来が盛んになっている。14 年の
域内貿易額は 6,083 億ドルと、10 年間で 2.3 倍に増えた。
インフラ整備の進展も物流を助ける。域外からの投資誘致には鉄道、道路といった輸
送部門を中心にインフラの拡充が欠かせない。製造拠点で巨大市場でもあるAECの潜
在力は魅力的で、隣接する大国、中国もインフラ建設に協力する形で接近を加速させて
いる。
東南アジアは日本企業にとって主要な投資先の一つだ。拡大するインフラ整備も大き
な商機となる。ASEANでは 30 年までに 3 兆 3,000 億ドルものインフラ投資が必要に
なるという試算も浮上した。例えば、日本貨物鉄道(JR貨物)と豊田通商は、製造業
が集まるタイの南部経済回廊沿いでの鉄道輸送事業への参入を目指している。
出所:2015 年 12 月 31 日付
日本経済新聞より一部抜粋
- 52 -
世界の地域経済圏との比較(2013 年)
人口
名目GDP
1人当たり
GDP
貿易額
(万人)
(億米ドル)
(米ドル)
(億米ドル)
10か国
61,766
24,188
3,916
25,171
28か国
51,170
173,551
33,917
119,993
3か国
48,570
199,923
41,533
56,122
5か国
29,309
32,371
11,045
8,546
加盟国
東南アジア諸国連合
(ASEAN)
欧州連合
(EU)
北米自由貿易協定
(NAFTA)
南米共同市場
(MERCOSUR)
備考:推計値を含む。
NAFTA加盟国(アメリカ、カナダ、メキシコ)
MERCOSUR加盟国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ)
出所:UNCTADstatより九州経済産業局作成。
ASEAN の貿易額の推移
貿
輸
貿易額(億ドル)
14,000
輸出
貿易収支(億ドル)
1,200
貿易収支(右目盛)
輸入
12,000
1,000
10,000
800
8,000
600
6,000
400
4,000
200
2,000
0
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14年
0
出所:2000~2011 年値はジェトロ「ASEAN10 ヵ国貿易統計」より、2012~2014 年値は UNCTADstat より、九州経済産
業局作成。
- 53 -
(2)九州・ASEAN 間の経済動向
●2014 年の九州の対 ASEAN 貿易額は、輸出が 8,049 億円(前年比 0.9%増)で 3 年連続
の増加。輸入は 9,552 億円(前年比 7.5%増)で 2 年連続の増加。輸出入額ともに過去最
高だった。
●ASEAN において、九州からの輸出額が最も多い国はシンガポールで、タイ、ベトナムが
続いている。一方、九州の輸入額が最も多い国はインドネシアで、タイ、マレーシアが
続いている。
●輸出品目は、半導体等電子部品の輸出額が最も多く、次いで鉄鋼のフラットロール製
品、金等となっている。輸入品目は、石油ガス類(液化天然ガス)の輸入額が最も多く、
次いで原油及び粗油、石炭等となっている。
九州の対 ASEAN 貿易額の推移
貿
(億円)
全国比(%)
10,000
9%
9,000
8%
8,000
7%
7,000
6%
6,000
5%
5,000
4%
4,000
3%
3,000
2%
2,000
1%
1,000
0
輸出額
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14年
5,125 4,758 5,931 5,763 6,374 6,654 6,083 7,632 7,313 5,592 7,072 6,878 6,939 7,979 8,049
輸入額
4,351 4,491 4,819 4,953 5,260 6,089 7,530 8,263 9,119 5,665 7,099 8,399 7,969 8,884 9,552
輸出全国比 6.9% 7.2% 8.5% 8.1% 8.1% 8.0% 6.9% 7.5% 6.8% 7.5% 7.2% 7.0% 6.7% 7.4% 7.3%
輸入全国比 6.8% 6.8% 7.5% 7.3% 7.2% 7.6% 8.1% 8.1% 8.2% 7.8% 8.0% 8.4% 7.7% 7.7% 7.8%
出所:財務省「貿易統計」
、門司税関提供のデータより、九州経済産業局作成。
- 54 -
0%
九州から ASEAN への国別輸出額
(単位:億円、%)
ミャンマー、80、1.0%
カンボジア、17、0.2%
ブルネイ、11、0.1%
ラオス0.69,0.01%
フィリピン
565
7.0%
インドネシア
949
11.8%
シンガポール
2,224
27.6%
九州から
ASEAN各国
への輸出総額
(2014年)
8,049億円
マレーシア
1,082
13.4%
タイ
1,955
24.3%
ベトナム
1,165
14.5%
九州の ASEAN からの国別輸入額
ブルネイ
306
3.2%
シンガポール
180
1.9%
(単位:億円、%)
ラオス、3、0.03%
カンボジア, 41, 0.4%
ミャンマー, 20, 0.2%
ベトナム
963
10.1%
フィリピン
1,079
11.3%
九州の
ASEAN各国
からの輸入総額
(2014年)
9,552億円
マレーシア
1,390
14.5%
タイ
1,821
19.1%
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 55 -
インドネシア
3,750
39.3%
トピックス
ベトナム :より安価な部品・原材料などの調達先としてベトナムが注目されている。
タ イ
:九州の自動車の部分品の輸入相手国第 3 位(1 位は中国、2 位は韓国)
。
フィリピン:日本製自動車部品 18 品目の輸入関税が撤廃された。
(2014.2.13)
電気機械関連の日本企業の進出が多く、スマートフォン関連部品の生産が好調。
インドネシア:インドネシア政府は、低価格・低燃費車の生産奨励計画を進めている。2013 年以降、
日系自動車メーカーが生産を開始。2014 年から周辺国向けにも輸出している。
全国の ASEAN 域内における国別輸出入動向(2014 年)
(単位:億円、%)
国名
輸出
金額
構成比
輸入
伸び率
寄与度
金額
構成比
伸び率
寄与度
ベトナム
12,528
11.3%
21.7%
2.1%
16,307
13.3%
17.4%
2.1%
タイ
33,198
30.0%
-5.3%
-1.7%
22,995
18.8%
6.9%
1.3%
シンガポール
22,252
20.1%
8.7%
1.6%
8,339
6.8%
14.6%
0.9%
マレーシア
14,967
13.5%
0.6%
0.1%
30,867
25.2%
6.4%
1.6%
113
0.1%
-23.9% -0.033%
4,244
3.5%
-8.3%
-0.3%
フィリピン
10,461
9.4%
10.8%
0.94%
10,763
8.8%
19.4%
1.5%
インドネシア
15,605
14.1%
-6.1%
-0.9%
27,156
22.2%
-3.5%
-0.8%
カンボジア
271
0.2%
32.2%
0.06%
817
0.7%
43.5%
0.2%
ラオス
147
0.1%
24.0%
0.03%
122
0.1%
16.4%
0.01%
1,259
1.1%
22.0%
0.21%
910
0.7%
22.9%
0.1%
110,800
100.0%
2.3%
2.3%
122,520
100.0%
6.7%
6.7%
ブルネイ
ミャンマー
ASEAN 計
九州の ASEAN 域内における国別輸出入動向(2014 年)
(単位:億円、%)
国名
輸出
金額
輸入
構成比 伸び率 寄与度 全国比
金額
構成比 伸び率 寄与度 全国比
ベトナム
1,165
14.5%
18.4%
2.3%
9.3%
963
10.1%
0.5%
0.1%
5.9%
タイ
1,955
24.3%
4.0%
0.9%
5.9%
1,821
19.1%
2.8%
0.6%
7.9%
シンガポール
2,224
27.6%
-9.5%
-2.9%
10.0%
180
1.9% -11.8%
-0.3%
2.2%
マレーシア
1,082
13.4%
-8.8% -1.32%
7.2%
1,390
13.7%
1.9%
4.5%
ブルネイ
11
0.1%
75.3%
0.06%
9.8%
306
3.2% 160.8%
2.1%
7.2%
フィリピン
565
7.0%
10.9%
0.7%
5.4%
1,079
11.3%
21.0%
2.1%
10.0%
インドネシア
949
11.8%
7.0%
0.8%
6.1%
3,750
39.3%
2.2%
0.9%
13.8%
17
0.2%
55.6%
0.08%
6.2%
41
0.4%
17.0%
0.1%
5.0%
0.01% 477.4%
0.01%
0.5%
3
0.03%
26.3%
0.01%
2.1%
20
0.21%
56.6%
0.08%
2.2%
9,552 100.0%
7.5%
7.5%
7.8%
カンボジア
ラオス
ミャンマー
ASEAN 計
1
80
1.0%
39.9%
0.3%
6.4%
8,049 100.0%
0.9%
0.9%
7.3%
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 56 -
14.5%
ASEAN 域内における九州の輸出相手国の推移
(単位:%)
0%
10%
40%
30%
22.7%
00 2.8%
04 1.9%
6.3%
10
6.1%
60%
28.9%
19.2%
34.3%
70%
12.1%
24.2%
13
12.3%
23.5%
ベトナム
14.5%
9.0%
17.9%
18.2%
8.3%
11.7%
11.3%
11.3%
30.8%
9.0%
10.9%
10.9%
14.9%
シンガポール
27.6%
100%
17.4%
34.2%
タイ
24.3%
90%
18.9%
37.5%
22.8%
12
80%
19.0%
36.9%
22.4%
9.0%
14年
50%
28.9%
24.5%
09
11
20%
12.5%
9.6%
9.5%
7.6%
10.1%
6.4%
マレーシア
13.4%
フィリピン
7.0%
11.1%
インドネシア
11.8%
0.3%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
0.5%
0.9%
その他
1.4%
ASEAN 域内における九州の輸入相手国の推移
(単位:%)
0%
10%
00 3.0%
04
09
10
11
12
13
14年
18.5%
4.0%
30%
20%
3.4%
24.8%
8.1%
6.7%
9.2%
12.5%
10.8%
40%
17.4%
2.3%
21.0%
9.7%
11.6%
3.7%
23.0%
10.8%
3.6%
23.2%
19.9%
10.3%
3.3%
20.3%
50%
4.3%
10.7%
2.3%
80%
70%
47.0%
9.7%
47.4%
8.9%
47.3%
10.5%
9.7%
60%
7.6%
45.6%
46.8%
7.6%
44.3%
10.0%
41.3%
13.8%
ベトナム
10.1%
タイ
19.1%
シンガポール
1.9%
マレーシア
14.5%
フィリピン
11.3%
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 57 -
インドネシア
39.3%
90%
100%
0.9%
0.2%
0.2%
0.3%
0.2%
0.3%
1.9%
その他
3.9%
九州から ASEAN への輸出品目
(単位:億円、%)
(中分類)
その他
1,426
17.7%
非鉄金属
299
3.7%
元素及び化合物
317
3.9%
輸送用機器
705
8.8%
電気機器
1,979
24.6%
九州からASEAN
への輸出総額
(2014年)
8,049億円
金(マネタリー
ゴールドを除く)
一般機械
758
886
9.4%
11.0%
輸出品目
半導体等電子部品
鉄鋼のフラットロール製品
金
船舶類
事務用機器
自動車
映像機器
鉄鋼の棒・形鋼及び線
有機化合物
銅及び同合金
ゴムタイヤ及びチューブ
原動機
その他
増加要因(寄与度):半導体等電子部品(+4.3%)等
減少要因(寄与度):船舶類(▲2.4%)
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 58 -
鉄鋼
1,679
20.9%
輸出額(億円)
1,452
1,404
758
304
274
272
267
247
243
208
192
163
2,265
九州から ASEAN への主要輸出品目に係る輸出相手国
(単位:円、%)
その他
22
1.5%
その他
41.8
3.0%
マレーシア
93.7
6.7%
ベトナム
149.2
10.6%
ASEANへの
鉄鋼の
フラットロール
輸出額
(2014年)
1,404億円
インドネシア
172
12.3%
マレーシア
233
16.0%
タイ
760
54.1%
フィリピン
63
4.3%
タイ
252
17.4%
ASEANへの
半導体等電子
部品
輸出額
(2014年)
1,452億円
フィリピン
187
13.3%
シンガポール
342
23.5%
マレーシア
2
0.8%
その他
0.2
0.1%
その他
15.1
5.6%
タイ
フィリピン 11
19
3.9%
7.0%
ベトナム
73
26.7%
ベトナム
540
37.2%
ASEANへの
事務用機器
輸出額
(2014年)
274億円
フィリピン
34
12.3%
ASEANへの
自動車
輸出額
(2014年)
272億円
インドネシア
39
14.4%
シンガポール
169
61.6%
マレーシア
46
17.1%
マレーシア
タイ
2
0.03
フィリピン 0.8%
0.0%
5
1.6%
ベトナム
0.003
0.0%
インドネシア
57
18.7%
ASEANへの
船舶
輸出額
(2014年)
304億円
シンガポール
240
78.8%
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 59 -
ミャンマー
73
26.8%
シンガポール
65
23.8%
九州の ASEAN からの輸入品目
(単位:億円、%)
(中分類)
天然ガス及び
製造ガス
1,857
19.4%
その他
2,294
24.0%
家具
275
2.9%
九州のASEAN
からの輸入総額
(2014年)
9,552億円
木製品及び
コルク製品
(除家具)
370
3.9%
輸送用機器
391
4.1% 金属鉱及び
くず
521
5.5%
生ゴム 石炭・コークス
581 及びれん炭
606
6.1%
石油及び
同製品
1,487
15.6%
電気機器
1,170
12.2%
6.3%
輸入品目
石油ガス類(液化天然ガス等)
原油及び粗油
石炭
絶縁電線及び絶縁ケーブル
天然ゴム
石油製品
非鉄金属鉱(銅鉱等)
自動車の部分品
家具
半導体等電子部品
パルプウッド等
合板・ウッドパネル
その他
輸入額(億円)
1,857
1,033
606
579
576
453
408
362
275
241
146
135
2,880
増加要因(寄与度):石油ガス類(+5.9%)等
減少要因(寄与度):ミルク及びクリーム(▲17.4%)、鶏肉(生鮮・冷凍)(▲14.9%)
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 60 -
九州の ASEAN からの主要輸入品目に係る輸入相手国
(単位:億円、%)
ベトナム
31
3.0%
ブルネイ
306
16.5%
ASEANからの
石油ガス類
輸入額
(2014年)
1,857億円
マレーシア
502
27.0%
ASEANからの
原油及び粗油
輸入額
(2014年)
1,033億円
インドネシア
1,049
56.5%
インドネシア
1,003
97.0%
その他
1
0.2%
タイ
カンボジア 15
2.7%
23
インドネシア
86
14.9%
ベトナム
1
0.2%
4.0%
ASEANからの
絶縁電線及び
絶縁ケーブル
輸入額
(2014年)
579億円
ベトナム
228
39.5%
インドネシア
273
47.4%
フィリピン
224
38.8%
ベトナム
9
1.5%
ASEANからの
石炭
輸入額
(2014年)
606億円
インドネシア
597
98.5%
出所:財務省「貿易統計」より九州経済産業局作成。
- 61 -
ASEANからの
天然ゴム
輸入額
(2014年)
576億円
タイ
301
52.4%
●日本からの ASEAN への投資が量だけでなく質としても深化し、日本と ASEAN はビジネス
パートナーとしても緊密な関係を構築している。
●日本と ASEAN の貿易額は増加傾向にある。過去 10 年で、日本からの輸出額が 1.4 倍、
輸入額が 1.7 倍に増加。2014 年の日本と ASEAN の貿易総額は 23.3 兆円。
●九州と ASEAN の貿易額も全国同様、増加傾向にある。過去 10 年で、九州からの輸出額
が 1.3 倍、輸入額が 1.8 倍に増加。2014 年の九州と ASEAN の貿易総額は 1.8 兆円。
単位:億円
日本の対外直接投資(対東アジア主要国・地域)
24000
22000
ASEAN
中国
台湾
韓国
香港
20000
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
-2000
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
日本・ASEAN 貿易額の推移
単位:億円
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
日本からの輸出額
日本への輸入額
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
九州・ASEAN 貿易額の推移
単位:億円
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
九州からの輸出額
九州への輸入額
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
- 62 -
2011
2012
2013
2014
出所:「九州経済国際化データ2015」より
3.留学生の採用について
・2014 年の九州の留学生は 17,830 人(前年比 0.3%増)で、全国比は 12.8%。
2014 年は 10 年前の 2004 年と比べると 1.6 倍に増加しており、九州における留学生の
受け入れは増加傾向となっている。国籍別では、中国が 52.6%と最も多く、次いでベ
トナム(13.9%)、韓国(8.6%)等となっている。
(
【九州の留学生の推移】
(人)
(%)
(
25,000
14
13.1 12.8 13.1 12.8 12
17,830
12.3
20,000
15,000
9.5
9.3
9.1
10.0
9.5
9.4
11.1 11.4
10.6
10
8
6
10,000
5,000
11,084
8,886
10,383
7,176
11,784
2
17,780
18,082
15,140
12,516
11,546
4
17,611
17,488
13,693
0
0
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14年
全国比
留学生数
出所:「九州経済国際化データ2015」より
・2014 年に日本企業等に就職した留学生は、全国で 12,958 人。
うち、就職先企業等が九州に所在しているのは 699 人で全国比は 5.4%。
【九州の企業等に就職した留学生数の推移】
(%)
7
800
全国シェア
人数
700
5.4
4.9
600
500
4.2
3.9
3.4
400
4.5
4.8
5.0
5.1
5.4
4.9
5
4.1
4
3.2
2.8
699
300
560
200
394
428
451
428
419
2
429
287
121
102
106
01
02
03
04
05
3
567
1
204
100
0
6
06
07
08
09
10
11
12
13
14年
0
出所:「九州経済国際化データ2015」より
- 63 -
・全国の留学生の就職先の業種は、製造業が 21.0%、非製造業が 79.0%となっており、
製造業では電機や機械、非製造業では商業・貿易やコンピューター関連がそれぞれ多
い。また、就職先での職務内容は、翻訳・通訳が 24.6%と最も多く、次いで販売・営
業(24.1%)、情報処理(8.0%)等となっている。
留学生の就職先の業種・職務内容(全国・2014 年)
(単位:人、%)
業 種
製造業
電機
機械
食品
運送機器(自動車等)
化学
繊維・衣料
金属・鉄鋼
その他製造業
非製造業
商業・貿易
コンピュータ関連
教育
飲食業
土木・建設
ホテル・旅館
金融保険
運輸
旅行業
医療
その他
合計
人 数
2,719
511
387
367
239
167
142
43
863
10,239
2,926
1,288
1,181
427
366
321
218
219
289
143
2,861
12,958
構成比
21.0%
3.9%
3.0%
2.8%
1.8%
1.3%
1.1%
0.3%
6.7%
79.0%
22.6%
9.9%
9.1%
3.3%
2.8%
2.5%
1.7%
1.7%
2.2%
1.1%
22.1%
100.0%
職務内容
翻訳・通訳
販売・営業
情報処理
教育
海外業務
技術開発
設計
貿易業務
経営・管理業務
会計業務
その他
合計
人 数
3,190
3,122
1,038
950
515
615
602
309
568
240
1,809
12,958
構成比
24.6%
24.1%
8.0%
7.3%
4.0%
4.7%
4.6%
2.4%
4.4%
1.9%
14.0%
100.0%
出所:法務省入国管理局「平成 26 年における留学生の日本企業等への就職状況について」より九州経済産業局作成。
- 64 -
・九州の海外展開中の企業(357 件)の活用(採用)実績は、
「ある」
(43.4%)、
「ない(検
討していない)」(40.6%)の割合。
・留学生の出身国・地域は、「中国」が 75.5%で突出。以下「韓国」(20.5%)、「ベトナ
ム」(15.0%)、「台湾」(8.2%)の順。アセアン地域では、「ベトナム」が 15.0%見ら
れるが、その他「インドネシア」(6.4%)、「タイ」(4.5%)、「マレーシア」(3.6%)、
「シンガポール」(2.3%)、「フィリピン」(1.4%)、「カンボジア」(0.5%)などは 1
割未満。
・業種別の活用(採用)状況は、製造業での活用(採用)が最も多く、次いで卸売業、
サービス業の順。
【留学生の活用(採用)実績】
<海外展開中企業>
<全体>
(N=724)
(n=357)
無回答
無回答
9.0%
11.9%
ある
30.4%
ある
43.4%
ない
(検討していない)
ない
40.6%
(検討していない)
検討中
51.5%
5.9%
断念した
0.3%
検討中
断念した
6.7%
0.3%
【留学生の活用(採用)実績:業種別)】
【留学生の出身国・地域(上位)】
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
中国
韓国
ベトナム
台湾
インドネシア
アメリカ
タイ
マレーシア
90
※海外展開中企業のみ
(n)
82
80
ある
76
検討中
※複数回答設問を実数ベースで図表化
断念した
ない(検討していない)
無回答
(n=379)
70
60
50
40
31
30
20
23
13
12
8
10
0
0
10
8
2
0
3
5
0
0
卸
小
設
売
売
業
業
業
業
飲
食
店
1
1
5
0
サ
ー
建
造
、
製
- 65 -
10
6
5
0
25
24
20
ビ
ス
業
4
1
そ
の
他
4
・九州の海外展開中の企業の業種別留学生の活用比率については、サービス業が最も高
いが、そのほかの業種については、海外展開比率は高いものの、留学生の活用比率は
それほど高くない。
業種別:留学生の活用比率
70.0
60.0
60.0
50.0
40.0
製造業
31.1
30.0
20.0
30.0
建設業
18.6
サービス業
41.9
34.3
10.0
0.0
小売業、飲食店
25.0
卸売業
27.2
30.0
67.0
海外展開比率
留学生活用比率
・活用した留学生の職種では、営業・販売・サービスが最も多い。
【活用した留学生の職種】
120
108
n=220
100
80
60
69
45
45
40
37
18
20
3
0
- 66 -
1
4.海外展開における知的財産の状況
・海外展開タイプ別の知的財産の出願状況では、間接貿易を除くどのタイプも特許が多
く、次いで商標の順。相対的に最も知的財産の出願が多いのは、直接貿易、次いで直
接投資の順。
【海外展開タイプ別知的財産の出願状況】
※複数回答設問を実数ベースで図表化
(n)
50
特許
45
40
実用新案
意匠
商標
46
無回答
(n=357)
39
36
36
36
35
30
26
26
25
21
20
15
12
12
10
10
5
0
9
2
1
8
7
4
1
6
3
1
11
9
2
1
直
情
業
直
間
接
報
務
接
接
投
収
・
貿
貿
資
集
技
易
易
拠
術
点
提
携
・海外進出企業の業種別知的財産権取得比率を比較すると、製造業の取得比率が 33.1%
と他の業種に比べて高く、海外展開比率も 6 割に達している。サービス業は海外展開
比率が 34.3%に対して知的財産権取得比率が 7.6%と低い。
業種別知財権取得比率
60.0
70.0
60.0
50.0
40.0
製造業
33.1
30.0
30.0
43.0
20.0
建設業
14.3
10.0
その他
12.6
0.0
サービス業
7.6
卸売業
15.5
小売業、飲食店
22.5
67.0
34.3
30.0
海外展開比率
知財権取得比率
- 67 -
・業種別・知的財産権別取得件数では、製造業は特許が最も多く次いで商標等の順。建
設業では特許、卸売業では商標、小売業、飲食店では商標、サービス業では特許がそ
れぞれ最も多い。
業種別・知的財産権別取得件数の比較
特
商
案 実
意
許
標
用
匠
計
新
製造業
71
55
9
15
建設業
7
3
1
1
卸売業
6
12
2
2
食店
2
7
0
0
サービス業
5
3
1
0
その他
7
12
1
0
150
12
22
小売業、飲
9
9
20
222
計
160
n=222
150
140
120
100
80
意匠
実用新案
商標
60
特許
40
22
20
12
20
9
9
0
解説:《卸売業》
★商標権取得実績のある主な業種:日用品、化粧品、健康食品、お酒等
★特許権取得実績のある主な業種:機械、理美容品等
※製造も手がける卸売業が、主な知的財産権取得企業となっている。
- 68 -
・製造業は海外展開比率と知的財産権取得比率の比較的高いところに位置する。海外展
開企業数に対して、知的財産権取得企業数はどの業種も少ない状況。サービス業につ
いては、知的財産権取得の必要性は認識されているものの、現状の取得率は低い。
業種別(海外進出件数別)海外展開比率の比較
(%)
40.0
高
製造業
バブル外:海外展開企業数
35.0
305
バブル中:知的財産権取得企業
101
30.0
知的財産権取得比率
25.0
小売業、飲食店
40
9
20.0
10
15.0
卸売業
建設業
135
70
10.0
103
その他
16
17
サービス業
8 105
5.0
0.0
低
0.0
10.0
20.0
30.0
海
低
外
40.0
展
50.0
開
比
60.0
70.0
80.0 (%)
高
率
・企業の出願先、検討先の国・地域は、中国、アメリカ、台湾等の順。アセアン地域は、
アジア欧米地域に比べて低いもの、シンガポール(19.1%)、タイ(16.3%)、ベトナム
(12.9%)、マレーシア、インドネシア(ともに 12.4%)がそれぞれ 1 割台。海外展開同
様、中国をはじめとするアジア地域及びアセアン地域への関心の高さが窺える。
【出願先・検討先の国・地域(上位)】
(%)
60.0
56.0
※複数回答設問のため、構成比の合計は100にならない
(n=209)
50.0
40.0
36.4
34.9
<その他>
31.1
26.8
30.0
インド
23.4
19.1
20.0
16.3
12.9
12.4
12.4
10.0
0.0
7.2
オセアニア
6.2
カンボジア
2.9
ネパール
その他
ア
台
韓
E
香
シ
タ
ベ
マ
イ
国
メ
湾
国
U
港
ン
イ
ト
レ
ン
ガ
ナ
カ
ポ
ム
ー
リ
ル
ー
中
ド
シ
ネ
ア
シ
ア
- 69 -
10.5
フィリピン
ASEAN地域
0.5
13.4
参考:日本の技術貿易の状況
・我が国の 2013 年度における技術輸出の受取額は 3 兆 3,952 億円で、前年度より 24.8%
増加、技術輸入の支払額は 5,777 億円で、前年度より 28.8%増加。技術貿易額収支は
2 兆 8,174 億円で過去最高。(技術貿易収支額では、米国に次いで世界第 2 位)
・貿易相手国では、技術輸出は米国が最も多く、次いで中国、タイ等、技術輸入は米国
が最も多く、次いでデンマーク、ドイツ等。
40,000
日本の技術貿易の推移
単位:億円
33,952
35,000
30,000
27,210
25,000
23,782
24,823
24,366 23,852
22,255
20,283
20,000
15,000
22,724
20,153
17,694
16,728
15,122
技術輸出
19,065
17,718
19,704
10,000
9,484
5,638
技術貿易収支額
16,255
5,676
13,246
7,037
7,054
7,105
6,000
5,349
5,301
2009
2010
5,000
2003
2004
2005
2006
2007
2008
4,148
4,486
2011
2012
主要国別技術貿易額:2013 年
1
2
3
4
5
6
7
技術輸入
14,804
12,018
0
28,174
技術輸出額
米国
中国
タイ
英国
インドネシア
韓国
インド
その他
3 3 ,9 5 2
12,963
5,076
3,087
1,867
1,312
1,141
1,022
7,484
※出所:九州経済国際化データ2015より
- 70 -
1
2
3
4
5
6
7
技術輸入額
米国
デンマーク
ドイツ
スイス
英国
スウェーデン
フランス
その他
5,777
2013
単位:億円
5 ,7 7 7
4,206
303
220
192
145
116
105
490
参考:九州の国際出願の状況
・全国の PCT(Patent Cooperation Treaty)出願の推移は、2014 年はやや減少、九州で
は増加しているものの、全国比は 1.1%と低い状況。
・全国の商標マドプロ出願(マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコール))の推移
は、2012 年をピークに減少傾向、2014 年に増加に転じるもピークには届いていない。
九州も同様に 2013 年に大幅に減少するも、2014 年には増加に転じているが全国比は
3.4%と低い状況。
・県別では、福岡県が圧倒的に多い。
※PCT 出願:ひとつの出願願書を条約に従って提出することによって、PCT 加盟国であるすべての国に同時に出願したことと同じ効果
を与える出願制度。
※商標マドプロ出願:2015年12月現在の加盟国(締約国)は97ヶ国に達しており、その中から商標権を取得したい国を指定して1つ
の国際出願を行う事によって「複数国へ出願するのと同等の効果」を得ることができるという非常に便利な制度。
※意匠の国際出願に関してはハーグ協定(ジュネーブ改正協定)に基づく。
- 71 -
5.中小企業の海外展開における知的財産活動の課題
海外展開における知的財産活動の課題として、今回の調査において導き出された内容
を 5 つの分類で整理した。
【手続き関係】
・申請手続きの煩雑さ(ノウハウ、専門家)
→申請手続きが難しい。
→細やかな点等コミュニケーションが取れない。
→日本独自の成分・専門用語などは説明が難しい。
・各国の商習慣、手続き等の差違
→国によって商習慣・手続き・審査基準が違う。
・タイムロス(手続きに要する時間)
→申請してから認可されるまで時間がかかる。
【予算関係】
・コスト(初期コスト、維持費)
→お金がかかる、更新費等維持ができない。(コンサル費が高い、翻訳費が高い)
→中小零細は出願の煩雑さよりも、弁理士費用で断念するケースが多い。
→補助金は中小零細では採択されにくい現状がある。
→国内事業が安定していないため、経営を圧迫する可能性がある。
・知的財産権をいつ手放すか(維持費をかけ続けることの限界、価値ある間に売りたい)
→高い維持費を払い続けることができない、高く売れるうちに手放したい。
【知的財産権取得の有無】
・知的財産権取得によるデメリット(知的財産権取得による弊害)
→知的財産権を取得したことにより類似品が横行し、申請している間に先を越され
た。
・知的財産権取得しなかったことによるデメリット(模倣品被害、冒認商標被害)
→知的財産権を取得しなかったことで模倣品被害や冒認商標被害にあった。
- 72 -
【人材】
・留学生等の有効的な活用方法(言葉の壁、信頼性の確保、知り合うきっかけ)
→採用したい気持ちはあるが、言葉の問題、知り合うきっかけ等の障壁がある。
・採用していた外国人材が技術を習得した後に、退職し起業。ライバル会社となった
・地方や田舎は募集しても応募が少ない
・中小零細は、社長が自ら対応するケースが多く、経営の傍らで充分な対応ができない
【その他】
・知的財産戦略の立て方(なぜ、いつ、どこで、どのようにして)
→知的財産戦略の必要性の理解、どの段階で、ノウハウは。
・販路拡大(市場規模、継続性)
→ターゲットの規模、一過性ではなく継続して取引(販売等)するのか。
・各種支援施策や支援機関がわからない。どのような施策があるのかも知らない
・従業員の知的財産に関する知識・意識の低さ
- 73 -
6.成功のポイント
・中小企業の海外進出において、近年の海外市場の成長性や技術力の向上等を検討し、
グローバル戦略を立てるためには、
「事業化」、
「知的財産権化」、
「標準化」の3つのキ
ーワードが重要である。
➀「事業化:Industrialization」海外事業として推進する事業の確立
②「知財権化:Intellectual property」海外展開する技術の維持、技術の確保
③「標準化:Standardization」海外展開する技術の解放、商品の普及
海外事業における「知的財産権化」「標準化」の検討
中小企業の海外進出において、近年の海外市場の成長性や技術力の向上等を検討し、グ
「知的財産権化」及
ローバル戦略を立てる時に、海外事業として推進する事業を確立させ、
び「標準化」の対応が必要。
知的財産権化する場合は、模倣品被害の対策になる一方、デメリットとして時間とコス
トがかかる。また商品を標準化した場合は、早期普及が望めるが、知的財産権化が遅れる
と模倣品被害、冒認商標被害等の危険がある。
<事例A社>
知的財産として他が真似しないように防衛
的にしないといけない。また会社として知的
財産を持っているという宣伝になればいい
と考えている。技術面での信頼感になる。
<事例B社>
意図的に国際特許は取得していない。特
許取得による情報の開示の方がデメリッ
トを感じているため。海外の競合メーカ
ーに対して、核となるところはオープン
にしない。
- 74 -
グローバル戦略
はだかの王
様にならな
いために
は・・・・。
善く戦うものは、勝ち易きに勝つ者なり:孫子「兵法」より
事前にことの成り行きを想定し、それに対する戦略を準備しておき、
自然と成功に至る流れに持っていく。緩やかな川の流れのように、乱
れず流れるまま成功に至る。
知的財産権化戦略:唯一無二の知的財産を守るために
守り
※知的財産権取
得
成功事例:自社製品を海外展開するにあたり、まずは知的財産化について実施
した。商品の付加価値を高めるために商標は大事な財産であると認識。商品の
売れ行きが伸びるとともに、商品名が浸透してゆき、新たな取引に繋がった。
失敗事例:最初の段階で知的財産化をせず、商品の普及を図り販売に力を入
れていた。商品の売れ行きは順調に推移し始めたが、同時にチャイニーズ、コリ
アン等の安価な類似品が出回り、当該商品の評判が落ちてしまった。慌てて商
標登録しようとしたら先に商標を登録されており、自社商標を変更せざるを得な
くなってしまい、同時に売れ行きが落ちてしまった。
グローバル戦略
失敗事例:外国人留学生をエンジニアとして採用し、重要な技術開発部門に配
置。海外展開においては語学力等を活かして販売展開も手がけてもらった。売
リーダーシップ
上げも順調になってきた時に、採用していた外国人が全員辞め、自国で会社を
設立。当社の技術と取引先を全て取られてしまったが、採用時に役務の禁止事
パートナーシップ
項を提示しておらず、更に海外での特許も取得しておらず、
アライアンス
自社の売れ筋製品を取られてしまった。
事業化戦略:海外展開を確実に実行するために
※事業化ノウハウ
攻め
標準化戦略:製品の普及を図り幅広く販売するために
※ニーズの把握、販路開拓等
具体的なグローバル戦略では
➀顧客ニーズに直結する際立った強みを構築。
②その強みをもとに、現地市場のマーケティングを行い、現地の顧客ニーズに合った形に製品・サービスを
カスタマイズする。
③強みを武器に、流通販売、開発設計、製造、調達などでアライアンスやパートナーシップ等を含めたビジ
ネスモデルを構築する。
といった手順がある。ここでいう強みとは知的財産にあたるもの。
今回の調査ではそもそも海外戦略をどう立てたら良いかわからない。という声が多数聞かれた。
- 75 -
知的財産権化
事業の形態、事業分野、商品(サービス)分野等でケースバイケースだが、 ① 商標権は必須。
② 知的財産権として公表した上で、独占権を取得するのか、技術・ノウハウをブラックボックス
(秘匿)化するのかは、事業の形態から見極める。
- 76 -
知的財産権化:ポイント
知財迷子にならない
・相談したいときに対応できる窓口があること、気軽に相談できる体制があること等を、幅広く
知る。
・自社の知的財産とは何なのかを明確にする。
※「知らなかった」をなくす。
迷子になっている例
うちは田舎にあり、近くに相談できるところ
が無い。県に知的財産相談窓口があり、遠方
でも出張してくれると最近知った。
知的財産に関する知識がないし、考えるのも
面倒なので最初から取得を諦めている。
支援機関があることは知っていたが、何を
支援してくれるのか知らなかった。
一度、商標の件で悩んだ時に電話しようと
思ったが相談すると料金がかかると思って
止めた。
知的財産って特許の
ことですよね。
今は忙しく、資金も無
いので、その内、申請
すればいいと思って
いる。
当社の商品は、市場によくある物
なので、知的財産を取得するよう
な物ではない。
以前は支援してくれる機関がある事を知らなかった。特許に関する
セミナーに行って初めて知った。弁理士という職業も知らなかった。
自分で申請しないといけないと思っていた。
●自社は、「知的財産と無関係」と思わず、少なくとも<商標>に関しては取得しておきたい
●権利を取ることだけが知的財産ではない
ブラックボックス化するノウハウ(営業秘密)も知的財産
- 77 -
コスト管理・人材管理と育成
特許を取得するにあたって大きな課題として挙げられている、
「資金面」について充分に
検討する必要がある。特に海外は翻訳を含めて費用が大きくなり、登録までに欧州で 200
~300 万円程度、米国で 150~200 万円程度、アジア圏で 100 万円程度を考えておく必要が
ある。また、事業の先行きと次年度以降の更新や維持費まで考慮したコスト管理が重要。
コスト管理に合わせて、人材の管理と育成も重要となる。現地スタッフの採用や円滑な
コミュニケーションを保てる語学力なども成功のキーワードとなる。
人
コスト
材
●事業計画(資金計画)
●人材採用計画
●資金調達
●教育・育成計画
<事例A社>
出願の年間での費用を計算して考えないと
いけない。今は、少しでも多くの出願を出し
ているが、今後は質まで考えて出さないと
いけないと思っている。
<事例B社>
戦略的には技術指導者がいないと動かな
いような仕組みにしている。
<事例D社>
海外では、やはり語学力がある人材が求め
られる。コミュニケーションツールが必要と
なるので、マニュアルを数字や絵で記載す
るようにシフトしている。
<事例C社>
出願までの期限があるものは安価な翻訳
業者を探して委託している。
<事例E社>
既に取得した特許の更新料等が毎年払い
っぱなしになっており、整理や活用方法が
難しい。いつ止めるべきなのかも悩み所。
キーワード:
グローバル人材としての留学生の活用
<事例F社>
中小企業は「お金」「もの」「人」の管理(肝心なところ)は日本でやること。
<事例G社>
作る場所(人)・販路・資金の 3 つが無いと失敗する。
- 78 -
信頼できる支援機関・弁理士等・仲介業者の選定
今回の調査では、特許申請手続きの煩雑さが大きな課題として挙げられている。特に初
めての場合は、支援機関や弁理士等の利用が必要不可欠である。信頼できる支援機関や弁
理士の選定が重要である。
また、海外事業における成功は、信頼できる仲介機関や仲介業者の存在が成功要因のひ
とつとなっている。
<事例A社>
顧問弁理士に任せている。それぞれの現地の弁理士事務所を通じて提出。
<事例B社>
福岡で国際的な活動をしている弁護士さんを通じて手続きを行った。
<事例C社>
弁理士から著作権を取得しておくと、訴訟の際に有利になるという提案を受けている。
<事例D社>
現地の良心的な弁理士、弁護士を見つけるかがカギである。
<事例E社>
海外案件については、国内の公的機関や専門機関を経由せず、直接海外の専門機関にコンタ
クトを取っている。理由としては、国内の機関を利用すると、伝言ゲームのようになり時間と手
間を要するため。(自社の技術を直接自分の言葉で説明することが大事)
<事例F社>
間に入っている商社に全てを任せている。それが安心で情報も入ってくる。直接の取引はやり
たくない。
<事例G社>
現地の人(顔が効く人・本当に信頼できる人)とつながって、現地と合弁でやるのがよい。
<事例H社>
ビジネスパートナーとなる商社、現地の日系企業、現地パートナーなどが整っていると話がまと
まりやすい。
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情報収集
海外展開を進める上で、事前の情報収集は必須といえる。その国の情勢や商習慣の違い、
海外のニーズ情報、特許申請情報などを把握し、カントリーリスクを減らすことが肝要で
ある。また、知的財産に関する情報、日系企業の海外進出状況・事例や展開後の模倣品に
関する情報も収集しておきたい。
<事例A社>
中国、インド等では、同じ国内でも特許審査の判断基準が、地域により違う場合が有り、現地
機関や取引がある他国機関の情報収集は大切。
<事例B社>
知的財産に関する情報をJPネットと契約して収集している。国内情報は検索して、それらを情
報共有している。
<事例C社>
他国での商標は出す前に情報を収集したほうが良い。
タイミング
<コストにおける事業計画>にも関わるが、商品を海外に出すタイミングについても、
重要な判断となる。また、申請をするタイミングと時には権利を手放すタイミングの判断
も重要。
<事例A社>(再掲)
既に取得した特許の更新料等が毎年払いっぱなしになっており、整理や活用方法が難しい。
いつ止めるべきなのかも悩み所。
<事例B社>
新製品は世に出すタイミングがある。早く出しすぎてもだめでアイデアを取られた経験もある。
<事例C社>
基本方針として、新機種は海外に出荷していない。トラブル回避のため、国内で 2 年程度の運
用実績を積んだ機種に限定している。
- 80 -
大手との共同開発は、共同開発者に任せるケース
独自の技術ではなく、大手企業や大学などと共同開発した中小企業においては、その権
利や管理を任せているケースがある。これは、販路を見越した戦略であるケースと、大き
な課題のひとつである「資金・費用」の問題が、特に中小企業を悩ませているため、その
リスクを負わない手段として用いられているケースである。
<事例A社>
特許のうち数本は大学の特許になっており、大学が管理している。機器の価格が高いため、国
の大きい機関でないとなかなか売れないのではと考えたため。現在は、当社からも維持費の
負担をしている。
<事例B社>
大手企業との共同開発(特許をとる場合)は、「不実施」を宣言し、ロイヤリティのみを受け取る
スタイルにしている。開発費、特許費用、維持費は相手企業に払ってもらう。
お金がかかりすぎる。主要国に特許を出すと 1000 万円かかる。
- 81 -
7.知的財産活動支援における今後の取組
知財迷子をつくらない
手続きに関する課題
<主要課題>
①申請手続きの煩雑さ
→申請手続きが難しい。
→細やかな点等コミュニケーションが取れない。
→日本独自の成分・専門用語などは説明が難しい。
②各国の商習慣、手続き等の差異
→国によって商習慣・手続き・審査基準が違う。
③タイムロス(手続きに要する時間)
→申請してから認可されるまで時間がかかる。
<支援・取組み案/施策方向性>
●海外進出支援ネットワークの構築
●弁理士、弁護士等専門家の紹介、派遣
●スキルアップセミナー等の開催
●海外進出マニュアル等の整備
予算・資金に関する課題
<主要課題>
①コスト(初期コスト、維持費)
→お金がかかる、更新費等維持ができない。
(コンサル費が高い。翻訳費が高い。)
→中小零細は出願の煩雑さよりも、弁理士費用で断念するケースが多い。
→補助金は中小零細では採択されにくい現状がある。
→国内事業が安定していないため、経営を圧迫する可能性がある。
②知的財産権をいつ手放すか(維持費をかけ続けることの限界、価値ある間に売りたい)
→高い維持費を払い続ける事ができない、高く売れるうちに手放したい。
<支援・取組み案/施策方向性>
●外国出願支援事業や各種補助金・助成金の紹介
●必要な翻訳業者・弁理士・弁護士等を探す手段の構築
●さまざまなアドバイスを行う支援機関のPR
★駆け込み寺がどこにあるのかわからない状態を無くす工夫
→誰でもアクセスしやすいHPキーワードの設定等(例、商標、困ったで検索→アクセス可)
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知的財産権取得の有無に関する課題
<主要課題>
①知的財産権取得によるデメリット(知的財産権取得による弊害)
→知的財産権を取得したことにより類似品が横行し、申請している間に先を越さ
れた。
②知的財産権取得しなかったことによるデメリット(模倣品被害、冒認商標被害)
→知的財産権を取得しなかったことで模倣品被害や冒認商標被害にあった。
<支援・取組み案/施策方向性>
●弁理士・弁護士等専門家とのマッチング
●模倣品相談窓口、弁理士・弁護士等の紹介
●スキルアップセミナーの開催
★事前の対策が万全であればある程良い知的財産対策→事前に相談する相手の確保
人材に関する課題
<主要課題>
①留学生等の有効的な活用方法(言葉の壁、信頼性の確保、知り合うきっかけ)
→採用したい気持ちはあるが、言葉の問題、知り合うきっかけ等の障壁がある。
②採用していた外国人材が技術を習得した後に退職し起業。ライバル会社となった
③地方や田舎は募集しても応募が少ない
④中小零細は社長が自ら対応するケースが多く、経営の傍らで充分な対応ができない
<支援・取組み案/施策方向性>
●SNSやWebシステムを使った留学生と中小企業等とのマッチング事業
●マッチング・インターンシップ・定着支援事業
●留学生就職支援事業
●九州の産業構造、ビジネス思想、文化を学ぶ機会の提供
●社内の管理体制構築
従業員による情報流出防止策(雇用契約、秘密保持の従業員徹底)契約終了措置、
退職後の秘密保持義務等
★グローバル人材としての外国人留学生の活用への理解を深めることが重要
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その他の課題
<主要課題>
①知的財産戦略の立て方(なぜ、いつ、どこで、どのようにして)
→知的財産戦略の必要性の理解、どの段階で、ノウハウは。
②販路拡大(市場規模、継続性)
→ターゲットの規模、一過性ではなく継続して取引(販売等)するのか。
③各種支援施策や支援機関がわからない。どのような施策があるのかも知らない
④従業員の知的財産に関する知識・意識の低さ
<支援・取組み案/施策方向性>
●初心者向け知的財産セミナーの開催
●展示会・商談会への出展支援
●ビジネスマッチングサイトの紹介
★無理をしない。専門家を使う。無料の派遣事業等のPR。等
知財迷子にならない・つくらない
あることがらを説明するときは、必
要以上に多くの存在や前提を持ち込
むべきではない。
<オッカムの剃刀>
単純さの原理:物事を単純に、シンプルに考えることの重要性を説いた法則。不必要なものをそぎ
落とすことにより、真実が見えてくることを表している。
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第 3 章 海外展開における知的財産の活用事例
第3章
海外展開における知的財産の活用事例
本章では、ヒアリング調査等により入手した、海外展開中の企業の知的財産活動に
おける8つの成功事例を取りまとめた。
事例1.本多機工株式会社
知的財産権の種類:特許
海外進出の形態:【業務技術提携、直接貿易、間接貿易】
事例2.株式会社西部技研
知的財産権の種類:特許
海外進出の形態:【直接投資、直接貿易】
事例3.株式会社林久右衛門商店
知的財産権の種類:商標
海外進出の形態:【直接投資、直接貿易】
事例4.日本磁力選鉱株式会社
知的財産権の種類:特許
海外進出の形態:【直接投資、業務提携、直接貿易、間接貿易】
事例5.重光産業株式会社
知的財産権の種類:商標
海外進出の形態:【直接投資、業務技術提携、直接貿易】
事例6.株式会社クレイツ
知的財産権の種類:特許、商標、意匠、実用新案
海外進出の形態:【直接投資、業務技術提携、直接貿易】
事例7.株式会社ビッグバイオ
知的財産権の種類:特許、商標
海外進出の形態:【直接投資】
事例8.不二精機株式会社
知的財産権の種類:特許、商標、意匠
海外進出の形態:【間接貿易】
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事例1.〔特許〕、【業務技術提携、直接貿易、間接貿易】:本多機工株式会社
グローバル人材と「のれん分け」制度を
会社概要
活用して、海外60ヶ国に展開
代表者名:代表取締役社長 龍造寺 健介
所 在 地:福岡県嘉麻市山野 2055
従業員数:153 名
資 本 金:9 千万円
事業内容:ポンプの設計、製造、開発、販売
沿革
昭和 24 年:本多機工商会を創立。資本金 50 万円。
昭和 26 年:本多機工株式会社に改組。初代社長に本多初義就任。
福岡市中央区薬院にてポンプ製造開始。
昭和 37 年:大阪出張所を開設。
昭和 40 年:東京出張所及び東京サービス工場を開設。
昭和 57 年:アメリカのコーベ社 (現在は Weir Specialty Pumps) とロトジェットポンプ
(高圧ポンプ) の技術提携。
昭和 63 年:インドのポンプメーカーと OEM 化を図る。
海水淡水化装置用のエネルギー回収装置の特許取得。
平成 12 年:ドイツのディフティング社と販売技術提携。
MC スラリーポンプをドイツより輸入、販売を開始。
平成 15 年:福岡県産炭地域産業創造研究開発事業開始。
マイクロバブルの研究開発。
平成 17 年:代表取締役社長に龍造寺健介就任。
平成 18 年:スペインのモンプレッサ社とメンテナンス契約を結ぶ。
平成 19 年:ものづくりフェアー出展-マイクロナノバブル装置(BUSP 型)。
事業概要
オーダーメイドで産業用特殊ポンプの製造をしており、取引先は世界 60 ヶ国以上。
創業から現在まで自動車、鉄鋼、石油化学、水処理、発電等の分野に事業を拡大、「工場の心臓」と呼ばれ
るポンプ(主に産業用特殊ポンプ)を作り続けている。
大手企業が嫌煙するような顧客の要望(樹脂やタイヤのゴムの原料である高粘度、高温度液状の酸素に触
れると接着剤のようになる流体を輸送する特殊ポンプ)に対しても高い技術力で答える。
ラテックスポンプの分野では、世界シェア 50%を誇るグローバル・ニッチトップ企業。
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グローバル人材の活用のきっかけ
将来的な国内市場の衰退を危惧し、海外への販路拡大を考えていた時、ある大学の教授から博士課程を取
得したチュニジア人を紹介。初めて外国人を受け入れたが、大変優秀な人材であり、語学力を活かして海外販
路を開拓。予想以上に業績アップに貢献してくれたため、社内においてグローバル人材採用への理解が深まり、
以後も積極的に外国人社員を採用している。
グローバル人材の採用により、社員が自主的に英会話教室へ参加したり、留学生社員(博士号取得)を部下
に持つ日本人上司が、再度、専門分野の博士号を取得する等、社員のキャリアアップへのモチベーションにも
繋がり好影響を与えている。
同社独自の制度(のれん分け)
外国人社員の離職によるリスクを新たなビジネスチャンスの拡大に繋げる「のれん分け」制度を推奨している。
定年まで自社で勤めるのではなく、知識やノウハウを学んだ後は、独立し、自国での代理店設立を促している。
以前社員であったチュニジア人と中国人は、帰国・独立し、現在は自社ポンプを扱う海外代理店として活躍中。
外国人が独立・起業を支援してくれる社風が留学生に口コミで広まり、留学生向け就職企業説明会では、多く
の優秀な人材が同社ブースを訪れている。
知的財産における展開
平成17年以降、自社の知的財産関係の実績は無く、意図的に国際特許は取得していない。特許取得によ
る情報の開示のデメリットが特許取得によるメリットより大きいと感じているため。特許を申請するということは、
海外の競合メーカーに対して、情報を公開することであり、製品の核となる技術はオープンにしないことから、企
業戦略として技術を「ブラックボックス化」したり、製品を分割して特許取得する等工夫している。また、自社の 3
分の1程の価格で模倣品販売している企業もあるが、製品の不具合があまりにも多く、結果としてお客様は自
社回帰している。
- 87 -
事例2.〔特許〕、【直接投資、直接貿易】:株式会社西部技研
【50周年を節目として、持続的成長を前提とし
会社概要
た100年企業を目指す。
代表者名:代表取締役社長 隈 扶三郎
100年企業=優良国際企業(EGC)】
所 在 地:福岡県古賀市青柳 3018-3
従業員数:210 名(正社員のみ、他にパート・アルバイト 40 名)
資 本 金:1 億円
事業内容:空調機、除湿器の製造販売
沿革
昭和 36 年:創業者隈利實が九州大学工学部研究室勤務のかたわら隈研究所設立
昭和 40 年:株式会社西部技術研究所設立
昭和 47 年:株式会社西部技研に改める
昭和 49 年:コルゲーションの製法及び連続形成機完成により全熱交換器、除湿機を製品化
昭和 59 年:活性シリカハニカムを使ったデシカント除湿機の商品化
昭和 60 年:スウェーデン DST 社と提携
昭和 63 年:アメリカ市場参入、台湾市場参入
平成元年 :ドイツ、クラフタンラーゲン社と技術提携
平成 5 年 :スウェーデン DST 社買収、ヨーロッパ 17 ヶ国に販売代理店設置
平成 9 年 :隈利實死去、隈智恵子社長就任
平成 13 年:アメリカに子会社設立
平成 14 年:隈扶三郎社長就任
平成 19 年:中国に子会社設立
平成 27 年で会社設立 50 年に至る
海外進出のきっかけ
創業者は大学の研究室から創業した、いわば『大学発ベンチャー』。高い技術力で業務用全熱交換器除湿
機分野で工業の発展と共に業務を拡大し、国内シェアトップ。
早くから海外展開も行ってきたが、国内市場は既に飽和状態のため海外市場に軸足を移す。国内の場合は、
資本金や財務内容など厳しいチェックをクリアしないと取引してくれないが、海外では、製品が優れていれば買
ってくれる、技術で勝負できる。
最近の動向
2000 年前後までは、空調メーカーやセットメーカー向けに部品として治める供給が中心だったが、納入先メー
カーの動向に影響を受けることもあったため、自社ブランドの最終製品提供に方針を転換。
その結果、除湿機の中核部品である除湿ローターから、除湿カセット、除湿ユニットへと製品構成を拡大、最
近は、ドライルームの設計や、機器のメンテナンスまで裾野が広がっている。
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知的財産における展開
西部技研の強みは技術力、起業間もない頃に、大企業との共同研究という名目でアイデアを出しながら、製
品化する前に横取りされた事があり、アイデアをいち早く権利化して防衛することに力を入れることになった。
全ての技術(周辺特許を含む)を社外の弁理士事務所に頼んでいては莫大なコストがかかることから、自社
で弁理士を雇い、自社で知的財産を管理する体制にした。
特許室は 2.5 人だが、社員 210 名の内、研究開発部隊は 30 人、常に総売上の 5%を研究開発投資に振り分
けている。
中小企業には珍しく、国際学会への論文発表を重視、高い技術力をアピールすることで、市場を開拓してい
る。
知的財産管理の一方で、製品を加工する技術、製造装置は内製化し、ノウハウの流失を防止している。(特
許技術をまねても、製品にする加工技術がないと製品はできない、重要な顧客から要請があっても製造装置は
見せない)
人材の育成
ヨーロッパ、アメリカ、韓国、台湾、中国、東南アジア、中近東、アフリカなどの代理店は 30 社に達する。
国によって市場にフィットする設計デザインがあるはずなので、それぞれの仕様に合わせた設計デザインが
出来るように体制を整えている。
それぞれの国の学会で、それぞれの国出身の社員が発表出来れば、市場効果は大きい。
国際市場で戦う上では、日本人社員のグローバル化も必要、社費による英会話講座、半年間の海外出張
(年 1 名)、海外取引先でのインターンシップを実施している。(当社は創業 50 周年を迎えたが、グローバル企業
として 100 年を迎える事を目指し、社長自ら経営目標を社員に発信している)
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事例3.〔商標〕、【直接投資、直接貿易】:株式会社林久右衛門商店
【自然の恵みとひとの技が織りなす伝統の味を
会社概要
世界に届ける】
代表者名:代表取締役 林 剛一郎
所 在 地:福岡県福岡市麦野 5-23-17
従業員数:90 名 ※2015 年 4 月現在(パート・グループ会社含む)
資 本 金:1 千万円
事業内容:各種削り節、だしパック、即席お吸物等ギフト・グロッサリー商品の製造・加工・販売
沿革
明治 18 年:初代久右衛門が三重県四日市市で鰹節問屋を創業
昭和 34 年:福岡工場を本社に株式会社 林久右衛門商店設立
昭和 47 年:かつおパックの製造に着手、その後だしパック等商品拡充
平成 9 年 :林剛一郎 代表取締役社長就任・久右衛門お吸物発売
平成 22 年:林剛一郎 全国削り節工業協会副会長就任
平成 25 年:海外事業始動開始
平成 27 年で創業 130 年に至る
久右衛門ブランドを世界に発信し、
係わる全ての人を倖せにする。
海外進出のきっかけ
創業 130 年の老舗鰹節製造メーカー。鹿児島県は枕崎の鰹節をはじめ、厳選された原料を調達し、高付加
価値のかつおパックやお吸物等加工品を製造販売する。「久右衛門ブランドを世界に発信し、係わる全ての人
を倖せにする」というミッションの具体化に寄与するプロジェクトとして、2013 年初頭に海外事業を設立。1 年半
に及ぶ調査の後、国内外における体制づくり、現地パートナー提携(EU)を行い、和食材の普及活動と自社販
路開拓を開始した。
最近の動向
現在、➀自社商品の流通構築、②枕崎フランス鰹節生産施設建設プロジェクト参画、③海外 WEB サイト及び
EC(E コマース)の構築の 3 つの事業戦略の元、海外展開を実施している。特に②の枕崎を中心とした参画企
業 10 社にて(株)枕崎フランス鰹節を設立し、フランスに鰹節工場を建設するプロジェクトは、今後の業界にお
けるグローバル化と和食材の可能性を広げる重要な取り組みと位置づけている。伝統食「鰹節」を通して、海外
へ和食文化(伝統食)の良さを伝えると同時に、国内消費者へも再びアピールしていきたい。
知的財産における展開
「久右衛門」のロゴで国際商標を取得している。福岡で国際的な活動をしている弁護士さんを通じて手続きを
行った。知的財産面では手続きの難しさとコスト面の問題(初期コスト、継続費用等)があるが、世界で展開して
いく上で、商標の必要性について、理解が出来た。現在は EU 全般で取得。今後、進出して行く国毎に商標を取
得する予定。
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事例4.〔特許〕、【直接投資、業務提携、直接貿易、間接貿易】:日本磁力選鉱株式会社
会社概要
【次代の技術を開拓する先駆者であり続ける】
代表者名:代表取締役 原田 光久
所 在 地:福岡県北九州市小倉北区馬借 3-6-42
従業員数:400 名
資 本 金:4 億 4,860 万円
事業内容:選鉱事業、鉄鋼原料等加工販売事業、非鉄金属関連リサイクル事業、環境関連
リサイクル事業、資源リサイクル機器事業、プラント販売事業、住宅関連事業
沿革
昭和 24 年:会社設立 鉄片分離機 1 号機納入
昭和 26 年:磁力選鉱機器の製造販売開始
昭和 30 年:平炉スラグ処理開始
昭和 38 年:新型振動篩発明
平成 13 年:アルミニウムリサイクル事業開始
平成 19 年:宝鋼集団有限公司との合弁会社「上海開拓磁選金属有限公司」設立
平成 24 年:レアメタル及び貴金属濃縮回収設備完成
平成 25 年:小型家電リサイクル事業者認定取得
海外進出のきっかけ
昭和 28 年にフィリピンの鉱山開発で使用する磁力選別機を輸出したことがスタート。以後、アジア、ロシア圏
を中心に展開。近年は韓国、中国、更にはインド、東南アジア諸国への展開を進めている。
海外拠点は、韓国の合弁会社「韓国 MATICS」において磁力選鉱機器の製造販売を行っているほか、平成
19 年に設立した中国「上海開拓磁選金属有限公司」にてステンレススラグリサイクル事業を実施している。
最近の動向
平成 20 年、ソニー(株)、北九州市が協働で開始した小型電子機器類回収実証実験に参画。
平成 23 年 3 月に NEDO の「希少金属代替・削減技術実用化開発助成事業」に採択され、ひびき工場にパイ
ロットプラントを建設し、実証実験を経て平成 24 年 5 月から小型家電リサイクルの営業運転を開始している。
国内の市場は飽和状態にあるため、自社の技術・装置の市場開拓や技術協力は海外に向けて展開してい
かなければと思っている。
知的財産における展開
基本的には特許で武装している。昭和 25 年に交流磁選機の特許を取って以来、国内特許 37 件を保有。現
在、国内特許 2 件出願中。海外特許は 4 件保有しており、現在、4 件出願中。
国内の特許は問題ないが、中国に関しては特許が守られないケースがあるなど、役に立たないことが多い。
戦略的には技術指導者がいないと動かないような仕組みにして、ノウハウで逃げるような対応をしている。
特許に関する課題としては、特許の維持に費用がかかることや権利侵害の防止対策などがあげられる。
今後も、これまでどおり基礎試験や実証試験で得られた知見をもとに開発した装置や手法について特許を取
得していく方針。
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事例5.〔商標〕、【直接投資、業務技術提携、直接貿易】:重光産業株式会社
会社概要
【九州の味、熊本生まれ、世界の味千ラーメン】
代表者名:代表取締役社長 重光 克昭
所 在 地:熊本県熊本市東区戸島町 920-9
従業員数:100 名
資 本 金:6,400 万円
事業内容:麺、スープの製造、味千ラーメンFC主宰
沿革
昭和 47 年 :当社を設立、大津工場において、生麺、調味料、スー
プ等の製造をすると共に「味千ラーメン」と銘打って、
チェーン店を募集し組織化を開始
平成元年 :戸島工場を新設し、大津工場を閉鎖、戸島工場へ移転
平成 6 年 :台湾台北に海外 1 号店を出店(合弁)
平成 7 年 :中国北京に 1 号店出店(合弁)
平成 8 年 :香港 1 号店出店(合弁)
平成 9 年 :シンガポールFC出店
平成 12 年:フィリピンFC出店
平成 13 年:ニューヨークFC出店
平成 14 年:フィリピンFC出店、インドネシアFC出店
平成 16 年:アメリカ・ロサンゼルスFC出店、オーストラリア・メルボルンFC出店
平成 17 年:カナダ・トロントFC出店
平成 19 年:マレーシア クアラルンプールFC出店
平成 21 年:韓国ソウルFC出店、国内 106 店舗、海外 447 店舗
平成 23 年:ベトナム出店、国内 98 店舗、海外 652 店舗
平成 26 年:カンボジア出店
平成 27 年:国内 85 店舗、海外 687 店舗(平成 27 年 12 月現在)
海外進出のきっかけ
先代の社長が台湾出身であったため、いつかは台湾に出店したいという思いから、最初は平成 6 年に台湾
に出店した。その後、熊本県の招聘事業で香港の実業家が視察に訪れた際に、味千を気に入り、それを契機と
して香港を中心に海外出店を進め、現在では、海外 12 カ国 687 店舗展開し、「熊本ラーメン原点の味、味千ラ
ーメン」を世界中に広げている。
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最近の動向
新工場(熊本県菊陽町)を 2016 年 3 月に着工して、再来年には本社工場を移転する予定。
国内で出店していない地域(日本海側)にも出店したい。ここ数年、国内店舗は減少気味。
地域の旗艦店となるような直営店を出して、フランチャイズ展開を図っていく。また、法人経営のパートナーが
いれば、一緒にやっていきたい。
留学生(中国)は、現在 4 名正社員として勤務している。全員学生の時にアルバイトを経験し、正社員になっ
ている。今後も機会があれば留学生を採用していきたい。出店地域の言語が使えることが望ましく、特に英語
ができる人材がほしい。
今後の海外展開については、2016 年 2 月にモンゴルへ出店予定。また、アメリカでは現在 13 店舗展開中で
あるが、100 店舗を目指している。
知的財産における展開
実績としては、世界 12 カ国で商標を各 2~3 件取得している。
課題としては、出願してから登録までの期間が長いこと。
オーストラリアでは、商標を取得する前に味千ラーメンのキャラクターを使用されていたため、訴訟になった
が、結局そのお店の使用を中止することができなかった。日本や他国での使用実績を出すようにしているが、
どうしても後追いで対応するしかない。今後の方針としては、顧問弁理士から、著作権を取得しておくと訴訟の
際に有利になるという提案を受けている。
また、最近傘下に入った桂花ラーメンも今後海外進出を進めていこうと考えているため、その出店に伴う商標
の取得等のコストがかかる見込みである。
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事例6.〔特許、商標、意匠、実用新案〕、【直接投資、業務技術提携、直接貿易、間接貿易】
株式会社クレイツ
会社概要
【自然の知恵と力を応用した独自技術で画期的な
代表者名: 代表取締役 貝塚 和敏
製品開発に努めることにより、多くの人々の美と健
所 在 地:福岡県福岡市南区長丘 3-23-33
康に貢献するグローバルカンパニー】
従業員数:40 名
資 本 金:1 千万円
事業内容:理美容商品の製造・販売(貿易を含む)
沿革
1973 年:有限会社コスモ設立
1976 年:エッジアイロン発売
1986 年:株式会社コスモ設立
1994 年:プロ業界で、イオンヘアドライヤーとイオンへアブラシを発売
カールアイロン
2000 年:株式会社クレイツ韓国支社開設
2003 年:福岡本社新社屋落成、イオンドライヤー・イオンアイロン・イオンへアブラシを一般市場で発売
2008 年:株式会社クレイツイオンUSA設立
美と健康の未来を創造する。
2013 年:株式会社クレイツ香港設立
海外進出のきっかけ
美容商材から始まり、パンチパーマの発祥に貢献。その後、天然多元素鉱物を加工してマイナスイオン、遠
赤外線等を発生させるクレイツイオンを取り入れた健康志向のヘアケア商品の製造販売を始める。イオン「ION」
という名前をつけた理美容製品を出したのはクレイツが初めて。海外市場を新たに開拓するため、韓国、米国、
香港に海外法人を設立。タイ、オーストラリア、イタリア、南アフリカ、ロシアなどは代理店がある。韓国は、現地
支社が生産まで行い、中国では委託生産をしている。東南アジア向けの開拓には、ジェトロの展示会や商談会
を活用した。
最近の動向
ベストセラー商品であるヘアスタイリスト向けのカーリングヘアアイロンの国内シェアは 70~80%。この 2~3
年はロールブラシ型ヘアアイロンも人気。クレイツの製品がブームを作った。加工技術が上がれば、ヘアケア以
外の商品にも展開できる。ハブラシや、他の会社とコラボして漬け物樽や鍋を作っている。オーストラリア、タイ
に代理店ができた。欧州市場は以前代理店があったのだが、これからもっと力をいれて開拓していきたい。
知的財産における展開
イオン加工の製品で国内外の特許を取得。市場として抑えている地域では、新商品の開発をするたびに追
加で特許を出願している。韓国、中国、米国、EU、ASEAN 地区等の国で特許、意匠、商標を取得。出願や維持
等の手続きについては、国内の顧問弁理士、米国や欧州等、現地の弁護士事務所を活用している。
韓国の委託製造先が類似品を作って他国で販売し、訴訟になったことがある。多額の費用がかかったが、和
解金はわずかだった。その後は、製造先に必ず守秘義務契約を結んでもらうようにしている。
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事例7.〔特許、商標〕、【直接投資】:株式会社ビッグバイオ
会社概要
コンセプトは、
「自然に戻そう、自然の力で」
代表者名:代表取締役 阪本 惠子
所 在 地:熊本県宇城市小川町西海東 2100
従業員数:30 名(パート含む)
資 本 金:4,600 万円
事業内容:微生物を利用した生活関連商品の研究、開発及び製造
沿革
平成 12 年:有限会社ビッグバイオ設立
平成 14 年:中小企業創造法認定
創造技術研究開発費補助金認定
平成 15 年:株式会社へ組織変更
平成 15 年:中小企業経営革新支援法認定
平成 16 年:熊本県工業大賞 奨励賞受賞
平成 17 年:(社)九州ニュービジネス協議会
九州ニュービジネス大賞 優秀賞
平成 18 年:第 1 回目経済産業省民間企業等派遣研修受入先企業、
日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2007 キャリアクリエイト部門受賞
平成 19 年:異分野連携新事業分野開拓計画認定(新連携認定)
エコバイオリング
平成 22 年:全国商工会議所女性会連合会 第 9 回女性起業家大賞
最優秀賞受賞
平成 24 年:ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業認定
平成 26 年:ものづくり・商業・サービス革新補助事業認定
平成 27 年:経済産業省がんばる中小企業・小規模事業者 300 社選定
海外進出のきっかけ
平成 12 年に水質浄化ブロックを開発し、翌年にいろいろな場所でサンプルを配布していた。それがどういう
経緯かわからないがマレーシアに渡り、マレーシアから問合せがあった。パイロット事業として実証実験を行っ
ていたが、政権が変わった際に結局事業が打ち切りになった。しかし、その話がインドへ伝わり、販売に繋がっ
た。
その他の実績としては、家庭用品を中国へ輸出するために、平成 18 年に独資で現地法人を設立。また、2 年
前に日本企業(コンクリートの金型製造)と合弁で、北京に会社を設立した。これまで、インド、アメリカ、中国、
台湾、韓国、香港で商品の販売実績がある。
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最近の動向
今後の方針としては、自社で法人を設立せずに各国で総代理店を立てて販売していく。
ブロックの輸出は商品代よりも輸送料が高いため、今後は商品を輸出するよりも技術提携での海外展開を
進めていく。また、蚊の発生を抑える商品を開発(ゼロモズ)した。当商品はマラリア、デング熱の予防になるた
め、今後、アフリカ、東南アジアで販売していきたい。
また、留学生の活用実績はないが、事務系スタッフとして中国人を 1 年採用した実績はある。
中国の現地法人は現地採用で、スタッフとして 3 名採用している。現在、社員の中で英語を話せる者がいない
ため、今後留学生を採用したい。立地が悪いため、なかなか難しいが最初はインターンやアルバイトで受け入
れたい。
知的財産における展開
実績としては、東京の弁理士を活用し、水質浄化ブロック、防虫剤で特許を取得。商標は7件取得している。
中国では、特許(水質浄化ブロック)及び商標(会社名、商品名)を取得、台湾では商標(会社名、商品名)を
取得している。
課題としては、特許を取得しても抑止にならない可能性がある。アメリカで微生物を活用した家庭雑貨で特許
取得を検討した際、抜け道がたくさんあり、抑止にならない可能性があるため、結局取得しなかった。また、中
国では、展示会に出展した翌日に同じような商品(ブロック)が出来ていた。(模倣される危険性がある)
今後は技術提携、総代理店での展開を考えているため、技術流出等のリスクも考えて知的財産戦略をどう
すれがいいか悩んでいる。
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事例8.〔特許、商標、意匠〕、【間接貿易】:不二精機株式会社
【先進技術で日本の食文化をリードする】
会社概要
代表者名:代表取締役社長 青木 稔
※おにぎりマシン8割強のトップシェア実績
所 在 地:福岡県福岡市博多区西月隈 3-2-35
従業員数:290 名
資 本 金:1 億円
事業内容:米飯加工機械・食品機械全般及び製菓、製パン機械の製造・販売
沿革
昭和 33 年:創業
昭和 37 年:現在地に株式会社として設立
昭和 45 年:日本初の自動握り飯機発売
昭和 58 年:お握り包装機発売
昭和 59 年:全自動握り飯機G-1200 型発売
昭和 62 年:本社新社屋完成
平成 3 年:日本経済新聞社 年間最優秀賞受賞(べんとうロボット)
平成 7 年:「走るおむすびカー」出動 阪神大震災救助活動
おにぎり成形機
SG-3300
社団法人中小企業研究センター賞受賞
平成 13 年:即麺機発売
平成 15 年:アントレプレナー大賞 最優秀賞受賞、
中小企業庁長官賞、(社)ニュービジネス協議会会長賞
第 30 回経営者賞 受賞
平成 16 年:FUJISEIKI EUROPE LTD.設立
平成 18 年:hotelympia2006(ロンドン)展示会へ出展
平成 20 年:パスタカー移動販売開始(パスタカー)
平成 24 年:ロール製麺機発売
平成 25 年:押し寿司機発売
平成 26 年:直巻海苔付機発売
海外進出のきっかけ
当初は、ヨーロッパ向けに日本発のパスタマシンを販売したいと考え、ロンドンに拠点を開設していた。海外
でも米飯事業の市場のニーズが多い事から東南アジアの市場を更に強化し、現在は、約 10 カ国において自社
製品を販売中である。売上の 10%が海外で、そのうち 8%程度が東南アジア地域、残り 2%程度がヨーロッパ
地域。中国・韓国・台湾については、コンビニエンスストアチェーンの進出に追随して製品を出荷している。
- 97 -
最近の動向
今後の展望として、米飯については炊飯~包装までの一連の工程を賄えるラインアップを揃えたい。現在で
も、年間 10 種類程度の新機種を開発している。ロボット製作による無人化ラインの実現を目指している。実現
するためには、電機・電子関連のスタッフを採用し、当該分野の開発力を強化することが必要。また、営業力の
強化も課題である。コンビニチェーンの商品切り替えを一晩で行うタイミングへの対応など、運用レベルの高さ
が当社の強みである。
知的財産における展開
海外での知的財産取得は 4~5 件程度。国内での知的財産取得は、特許 101 件、実用新案 29 件、商標 11
件、意匠登録 3 件。韓国で、おにぎりの小型自動製造機の模倣品被害を受けた経験がある。弁理士を通して解
決(先方が二度と販売しない条件で示談)した。
基本方針として、最新の機種は海外には出荷しないことにしている。 トラブル回避のため、国内で 2 年程度
の運用実績を積んだ機種に限定して出荷している。海外において知的財産権を取得する際のハードルとして
は、国毎にコストがかかる点だと考えている。
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第 4 章 知的財産に関する支援の現状
第4章
知的財産に関する支援の現状
本章では、知的財産活動における各種支援機関の主な支援内容についてとりまとめ
た。
1.工業所有権情報・研修館(INPIT)の主な支援について
工業所有権情報・研修館(INPIT)について
産業財産権制度を利用される事業者や広範な国民の皆さまが必要とする、特許等の産業
財産権情報の提供サービス、相談窓口等による情報提供と支援サービス、知的財産の戦略
的活用に関するサービス、知的財産人材の育成を支援するサービスを提供。
主な支援
●調べる
●相談する
・産業財産権に関する相談
・営業秘密や知財戦略に関する相談
・電子出願に関する相談
・特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の提供
・閲覧用機器による高度な検索・閲覧
・内外国で発行された意匠公報や商標公報等
の閲覧
●活用する
●育てる
・特許庁の審査官、審判官、事務官の育成支援
・特許審査の先行技術の下調査を担うサー
チャーの育成
・検索エキスパート研修(上級・意匠)
・審査基準討論研修(特許・意匠)
・IP・eラーニング教材の提供
・知的財産権研修(初級)
・知的財産に関する創造力・実践力・活用力開
発事業
・パテントコンテスト/デザインパテントコンテスト
・海外知的財産プロデューサーによる支援
・ライセンス可能な開放特許情報の提供
・知的財産プロデューサーの派遣
・広域大学知的財産アドバイザーの派遣
・グローバル知財戦略フォーラムの開催
参考:海外展開へのアドバイス
・国内の感覚で海外に行くと危ない。
・ネーミングの戦略は意外と成功のポイント。
・海外に駐在員がいると周り(ビジネスの広がり)がよく見える。
・模倣品対策は、知財権の行使だけでは無い。模倣品に対抗できるものづくりをする。
模倣品と区別する商流(ここでしか買えない等)をつくる等。
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支援機関名
主な支援内容
年間支援件数
工業所有権情報・研修館
(INPIT)
所在地
※海外知的財産プロデューサー
事業
東京都千代田区霞が関 3-4-3
特許庁庁舎
・(企業支援)企業での豊富な知的財産実務経験と海外駐在経験を有する知的財産のスペシャ
リストである海外知的財産プロデューサー(5 名)が、無料で全国どこでも訪問し、企業毎および
ビジネスの形に適した様々な知的財産面についての相談に乗る。
・(講師派遣)自治体等が主催するセミナーや企業内研修への講師派遣を無料で実施。
・(海外知的財産活用講座)INPIT 主催のセミナー。海外進出を検討している中堅・中小・ベンチ
ャー企業等が、海外でのビジネスを円滑に進めるために必要な知的財産面からの留意点を説
明。
(海外)全件
企業支援:241 社 321 回
年間支援件数
(ASEAN 地域)件数は不明。企業
(海外)
講師派遣:51 回
支援で ASEAN 地域に話が及ぶケ
(ASEAN 地域)
活用講座:16 回
ースは多数。中国に次いで多い。
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・権利を取ることが目的ではない。ビジネスを成功させることが目的であって、その権利・知的財産がビジネスにどの
ように寄与していくのか、うまく活用し利益を上げる方法を考える。
・リスクに備えること。費用対効果とエリアの絞り込み。コーディネートしてくれる優秀な人(支援機関・弁理士など)を
探す。しかし、あくまでも自身のビジネスである事は忘れず他人に任せきりににしない。
・中小企業にとっては、知的財産の権利を取ると言う事は技術を持っている証明となる。取引が安定する。
・現地会社(現地の人を雇う)のコントロール。技術を盗まれる可能性。転職してしまう。日本本社の意向を踏まえさせ
る。
・どのような権利が必要か、何がうまく利用できるのかを考える。見極めが必要。うまく利用できたという結果が次につ
ながる。
・国内の感覚で海外に行くと危ない。
・マッチング事業で技術力をアピールする必要はあるが、公的なマッチング事業は、場の提供だけであって各企業が
情報の管理などしっかりとしたスタンスで挑む。
・模倣品対策は、知的財産権の行使だけではない。中小企業にもできる対策はある。模倣品に対抗できるモノづくりを
する。模倣品と区別する商流を作る。(ここでしか買えないなど)
・ネーミングの戦略は意外と成功のポイント。
・100 点の備えは難しい。但し、リスク内容の想定をしておく事。事前に想定だけでもしておくと初期対応が違う。
・海外に駐在員がいると、周り(ビジネスの拡がり)がよく見える。
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
・中小企業は、社長が対応する場合も多いが、経営のかたわらで充分な対応は難しい。内外に知的財産担当者を置
くのは人材不足で厳しい。
・現地情報が全く取れていない。(現地に知人がいる程度、引き合いが来たから海外に展開する)
・製造物責任がどこまで手当できているのか。
・パートナー探しでは、相手をよく見ずに(調べずに)話を進める傾向がある。
・交渉下手な企業が多い。PRが下手。(途中で諦めている)
・リスクは理解しやすいが、権利活用はイメージし難い。
・ねらいや方針、工夫がない。何となく海外に展開していく。その結果リスクが大きくなっている。
- 100 -
2.日本貿易振興機構(JETRO)の主な支援について
日本貿易振興機構(JETRO)について
日本の貿易促進と対日直接投資に関する事業の総合的な実施と、開発途上国地域の総合
的な調査研究を通じて、諸外国との貿易拡大および経済協力を促進し、日本の経済・社会
のさらなる発展を目指す。
主な支援 ※2015 年 4 月現在
参考:ASEAN諸国における知財展開のポイント
・ASEAN諸国における知財活用の中心は「商標権」
・知財制度・実務の整備が急ピッチで進行している。(ミャンマーを除く9ヶ国
のほとんどが2016年中にマドプロに加入する見込み)
・特許審査ハイウエイ(PPH)やアセアン特許審査協力(ASPEC)等の
早期権利化のためのプログラムの効果的活用が必須。
・国毎に有効なエンフォースメント機関が異なるため、優秀な代理人の選定が重要。
- 101 -
支援機関名
日本貿易振興機構
(ジェトロ)
所在地
東京都港区赤坂 1-12-32
アーク森ビル
海外支所数
54 か国 73 事務所
<知的財産保護拠点:以下 8 か国>
・中国(北京)・韓国(ソウル)・タイ(バン
コク)・シンガポール・欧州(デュッセルド
ルフ)・中東(ドバイ)・インド(ニューデリ
ー)・米国(ニューヨーク)
国内支所数
本部(東京)・大阪本部・アジア経
済研究所・貿易情報センター
43 事務所
主な支援内容
・対日投資の促進
・中堅・中小企業等の海外展開支援
海外展開におけ
る支援内容
・東京本部および海外事業所 8 か所に選任職員を配置し相談に乗っている
・商標先行登録調査の実施 ・海外出願支援事業(間接補助金:対象経費の 1/2)
・侵害調査、権利行使費用の助成 ・国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)活動支援
・現地知的財産問題研究グループ(IPG)の支援
・知的財産に関する情報提供(相談窓口・セミナー・講演会・IP ネットワーク)
・資料、ウェブサイトによる情報提供
・イノベーション力強化・創出型事業「ジェトロ・イノベーション・プログラム」
年間支援件数
約 100 件(知的財産)
(相談件数:1409 件/昨年)
・日本産農林水産物の輸出支援
・通商政策への貢献
年間支援件数
(海外)
(ASEAN 地域)
約 100 件
(内 ASEAN 地域:不明)
海外展開支援事例(成功事例)
・九州の中小企業での事例(特に知的財産)は、探したが分からなかった。
・模倣品被害にあった大企業が、その商品のニーズを逆手にとって販路に変えた例があり、その時は企業の知的財
産部と営業部が連携していた。
・日本の技術が高いと思われている分野(省エネ・環境・医療・福祉)は海外企業に特に高い関心を持たれている。
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・自社製品を現地の言葉で、ストーリーをつけ、うまく説明しプロモーションできる能力が必要。物の場合は売るための
ストーリーが必要(なぜ良い物なのかをその国の言葉で語るのが重要)
・ライセンスだけで考えるのではなくプラスアルファを考える。取引企業のニーズを考える視点を持つ。
・経営者自らの熱意。
・自ら販売することはハードルが高いこともあり、販売は現地の人に現地の方法で販売してもらうのも一案。
・知的財産、技術の場合は、活用の説明はハードルが上がるので、同業他社でパートナーを募って派生させる。
・海外展開すると言う事は、アウェイで試合をすることと同じなので、マーケティングやバイヤー探しなどの「オフェンス
(攻撃)」も重要だが、保護・ライセンス、つまり「ディフェンス」の意識をしっかりしてほしい。
・例えば環境の場合、大気汚染で悩んでいる国なら、最新技術でなくても必要としている国があると思う。技術指導す
ればチャンスがある。ニーズを捉える。
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
・知的財産保護対策をしている企業としていない企業が2極化している。特に中小企業は人材・予算の関係もあり、手
が回らない状況。費用対効果の把握が難しいが、消費者保護の一環という意識も必要。
・中国にコアな部分を持って行っていいのかと言う意識。
・為替の問題。中国は人件費等高騰しているが、背後にある市場はどうなのか。一つの省でアセアン1か国並みのG
DPや消費力がある。製造拠点としての魅力は薄れているが市場としての魅力も考慮する必要がある。高付加価値な
製品は、アセアンでは技術がついていっていない。出ていく必要があるのか経営判断。
・知的財産のマッチング事業がない。展示会などで権利を説明してもピンとこない。
その他(海外支援機関の状況等ご存じであれば)
・ジェトロは在外(中国・韓国・米国・インド・ASEAN)の日系企業等による研究グループの活動を支援している(IPG の
支援)。大手企業が幹事となり、海外のジェトロが事務局としてサポート。直接企業の声が聞け、対策事業に反映でき
る。年度末までには中東でも立ち上がる予定。
・イノベーション促進課では、シリコンバレーにおいて、中小企業の知的財産・特許がベンチャーキャピタルとうまく出
会って出資をしてもらい米国で花咲かせる事業を実施。
・知的財産に関する相談があれば、本部にアドバイザーもおり常時対応を行なっている。
- 102 -
日本貿易振興機構(ジェト
所在地
ロ)長崎貿易情報センター
長崎市桜町 4-1 長崎商工会館 9 階
国内支所数
本部(東京)・大阪本部・アジア経
済 研 究 所 ・ 貿 易 情 報 セ ン ター
43 事務所
54 か国 73 事務所
<知的財産保護拠点:以下 8 か国>
・中国(北京)・韓国(ソウル)・タイ(バンコ
ク)・シンガポール・欧州(デュッセルドル
フ)・中東(ドバイ)・インド(ニューデリー)・
米国(ニューヨーク)
主な支援内容
・対日投資の促進
・中堅・中小企業等の海外展開支援
海外展開におけ
る支援内容
・東京本部および海外事業所 8 か所に選任職員を配置し相談に乗っている
・商標先行登録調査の実施 ・海外出願支援事業(間接補助金:対象経費の 1/2)
・侵害調査、権利行使費用の助成 ・国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)活動支援
・現地知的財産問題研究グループ(IPG)の支援
・知的財産に関する情報提供(相談窓口・セミナー・講演会・IP ネットワーク)
・資料、ウェブサイトによる情報提供
・イノベーション力強化・創出型事業「ジェトロ・イノベーション・プログラム」
年間支援件数
3~4 件(知的財産)
(相談件数:約 260 件)
支援機関名
海外支所数
・日本産農林水産物の輸出支援
・通商政策への貢献
年間支援件数
(海外)
(ASEAN 地域)
不明
海外展開支援事例(成功事例)
・海外出願支援事業の補助金は、昨年度から長崎でも使えるようになっており、今期は 2 社が活用。
・年1回の「水産物に関する商談会」を3年間開催してきているところ。 一部で成約もしているが、金額や商品内容
など求めるものがかみ合わないことが多く、商談成立の件数は少ない。 バイヤーは、アセアン・東アジア・中東から
が比較的多い。
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・日本では契約書を用いないケースがあるが、海外ではトラブルになることが多いので、きっちりと契約書を作った方
が良い。 但し、正本の言語や紛争時の処理機関が相手国など、相手方に有利になっている契約書に簡単にサイン
する傾向もみられるので注意が必要。
・現地のパートナー(企業・個人)をうまく見つけられるか、メンテナンスをやり切れるかが重要。
・海外進出は、新規事業を作るような体制で望む企業は、成功に繋がりやすい。
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
・TPP 大筋合意で潮目が変わった、山が動いた、という印象。関心は大いに高まっている。輸出はどのような手がか
りからでも良いのだが、これまで縁遠かったがゆえに、初歩的な段階からの支援が改めて必要になる。
・商談取りまとめで精一杯、その先の知的財産や貿易保険まで手が届かない、気がまわらないという企業が多いの
ではないか。
・国内取引でも、よく知った相手先と以心伝心のやり取りが多い企業は、プレゼンや説明の方法を実地で身に着けて
いくことが望ましい。そうした相手同士でも、1 つの単語についての理解・イメージがずれることは多々あるので、意識
的に留意すると良いのでは。
・東京、大阪、福岡や地元の金融機関等が行う国内商談会で腕を磨くのは一法。
その他
・年 1 回、「知的財産セミナー」を開催している。
・発明協会が司会で商工会議所や県、九経局等も出席する「連携会議」が年に 1~2 回開催されている。
・中堅企業からの相談が比較的多く、初めての輸出や輸出の途中でのつまずきなどの話が多い。
・金融機関によれば、取引の量では輸入が輸出を上回るとのこと。
・地銀が金融機関同士の競争上、コンサルを実施しており、知識も高まっているため、地銀でこなせているケースも
増えていると感じる。
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支援機関名
日本貿易振興機構(ジェトロ)
海外支局名
所在地
16th Fl. of Nantawan Bldg., 161 Rajadamri Road, Bangkok 10330, THAILAND
海外展開におけ
る支援内容
当部では、アセアン 10 か国を対象に主として以下の業務を行っています。
・アセアン各国における知的財産制度に関する情報の調査およびその広報
・知的財産に関する法律的な助言
・知的財産制度に関するセミナー
・東南アジア知的財産ネットワークへのサポート
バンコク事務所
年間支援件数
40~50 件
※支局のみ
海外展開支援事例 (具体的な成功事例)
・アセアン・インド知的財産保護ハンドブック 74 頁の例等を参照(現地政府機関への橋渡し等)。
https://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/manual/pdf/asean1.pdf
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
※日本と異なる、この国特有の成功のポイント
・アセアン諸国における知的財産活用の中心はまだまだ商標権であることを認識し、必要な権利を取得すること。実
効的な権利行使の大半は商標権に基づくもので、意匠権、さらには特許権に基づく権利行使の実績はごくわずか。
・アセアン諸国では知的財産制度・実務の整備が急ピッチで進行しており、細目に最新情報の入手に努めること。例
えば、アセアン知的財産行動計画 2011-2015 に掲げられた目標達成のため、ミャンマーを除く 9 か国のほとんどが
2016 年中にはマドプロに加入する見込み。
・多く知的財産庁で権利化までの期間が長期化している中、JPO との間の特許審査ハイウェイ(PPH)やアセアン特
許審査協力(ASPEC)等の早期権利化のためのプログラムの効果的な活用が必須。
・権利行使に際しては、国毎に有効なエンフォースメント機関が異なるため、優秀な代理人の選定が重要。
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
例
※日本と異なる、この国特有の問題点・課題点・失敗
・現法従業員の営業秘密に対する意識の低さに伴う情報漏えいリスク
・不十分な権利検索環境(特に特許に係る DB。他方、意匠・商標は ASEAN TMview、ASEAN Designview のリリース
により格段に検索環境が向上。)
・途上国ならではの権利の存在(GI、TK 等)
・横行する商標冒認登録(特にインドネシア)
・現法従業員の海賊版ソフトウェアに対する意識の低さに伴う BSA 等による摘発の危険性
・インドネシア独自の特許年金制度の理解(権利が不要になったら放棄手続を行うこと。さもないと特許年金未納とし
て督促の対象に。)
その他に、この国で押さえておきたいポイント / 海外展開に関する、この国の近況
・2015 年末にアセアン経済共同体が発足予定だが、あくまで 10 か国の緩やかな統合であり、国毎の経済発展度は
むろん、言語、人種、宗教も多様なまま。整合した知的財産制度ができるわけではなく、基本的には現状どおり各国
別。そのため、個別事案については、大きな知的財産制度の環境改善を期待せず、現在の環境下で国ごとに次善
策を検討する必要あり。
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3.各県知財総合支援窓口の主な支援について
各県知財総合支援窓口について
中小企業等が経営の中で抱えるアイデア段階から事業展開までの知的財産に関する悩み
や相談を、窓口支援担当者がワンストップで受け付け(全国 57 カ所に設置)。
窓口支援担当者が、ヒアリングを通じて経営課題を把握し、その課題に対応した知的財産
活動を無料で提案。
主な支援
●知財の基礎力アップ支援
●権利取得の支援
・知的財産意識の動機付け
・知的財産権制度の概要説明
・各種支援施策等の紹介・説明
・特許情報プラットフォーム(JPlatPat)の検索指
導
・特許明細書骨子構築支援
・特許出願などの手続き支援
・海外展開支援
●経営を支える知財戦略支援
・事業化プランの策定支援
・知的財産戦略策定支援
・類似技術等の調査支援
・研究開発テーマの選定支援
・ライセンス契約、技術移転等支援
・模倣品・侵害訴訟対応支援
参考:知的財産権における海外展開へのアドバイス
・展示会等で権利化前の製品を海外に持ち出す際は要注意。
・展示会から一定期間が経過すると「公知の事実」と見なされ、以後の権利化が困難になる。
概観等で利用技術が分かるような製品は、出店前に出願しておいた方が良い。
・知的財産取得に先行して商品を出荷する際は、秘密保持契約を締結しておく。
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支援機関名
公益財団法人
北九州産業学術推進機構
福岡県知財総合支援窓口
北九州サイト
所在地
北九州市戸畑区中原新町 2-1
北九州テクノセンター1F
県内窓口数
3 地点(福岡市、北九州市、久
留米市)
主な支援内容
・知的財産権制度の説明
・特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の検索指導支援
・特許出願など手続き支援
・特許明細書骨子構築支援
・ライセンス契約、技術移転支援
・知的財産戦略策策定支援
など
・出願相談(特許、商標、実用新案など)
海外展開におけ
・契約・係争関係の相談
る支援内容
・国の支援制度利用の推奨及びその手続支援
年間支援件数
500 件
(平成 27 年 4 月以降)
年間支援件数
(海外)
(ASEAN 地域)
海外:6~9 件程度
ASEAN:2 件程度
(いずれも平成 27 年 4 月以降)
海外展開支援事例(成功事例)
・今年度の海外展開支援件数は 6~10 件未満程度となっている
― 展開先の国・地域としては、台湾、アメリカ、タイ、シンガポール等
【事例①】
・半導体メーカー
・3 年連続で海外特許を出願(タイなど数か国にて)
・出願に際しては、補助金等の支援制度を活用
【事例②】
・衣料品販売会社
・中国・台湾への進出意向を持っており、半額支援制度を利用して現地での商標を取得
・その際、同社の中国人従業員を活用することにより、コストを抑えることに成功
― 現地と直接やり取りすることにより、国内代理人を立てるコストをカット
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・特徴のある技術を有していることが重要である
・展示会等で権利化前の製品を海外に持ち出すことのリスクを認識すべきである
― 展示会から一定期間が経過すると「公知の事実」と見なされ、以後の権利化が難しくなる
― 特に外観等で利用技術がわかるような製品は、出展前に出願しておくことが望ましい
・知的財産取得に先行して商品を出荷する場合、秘密保持契約は締結しておいた方がよい
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
・センターとしても PR してはいるが、国の支援制度に対する企業側の認知が高くない
・海外展開に興味があっても、国内事業の不安定さから立ち消えになるケースが散見される
・相手国の事情によっては、実質的には知的財産権の行使ができない場合がある
【事例③】
・輸入販売業者
― 中東のメーカーから製品を輸入し、日本国内で販売
・品質への不満があり、改善要望も受け入れられないという状況
・センターに対し、契約によって状況を解決できないかという相談あり
- 106 -
~続き~
その他(独自の施策展開・取組み・次年度以降の新しい取組み・PR)
・北九州センターの知財トータルサポーターは、1名のみである
・センター側からアプローチしての訪問相談も年間 100 件程度実施している
― 開発型の企業をリストアップし、アポイントを取っている(一部飛び込み訪問あり)
― センターの PR(施策紹介)を兼ねている
・企業に対し、弁理士等の専門家派遣を実施している
― 派遣される専門家については、派遣される側の企業が選定する方式である
― 1 社につき、年間 5 回まで無料で利用できる
― 今年度は 16 社が利用しているが、海外展開絡みでの利用はない
― 主な派遣内容としては、出願・権利化関連や社内体制等が中心となっている
・弁理士や弁護士等の専門家による窓口相談も実施している
― 弁護士への相談日は月 1 回(1 時間無料/企業は何度でも利用可、個人は年 3 回まで)
・年に数件程度、JETRO からの紹介で海外出願の相談に訪れる人もいる
― 他の支援機関との間では、それぞれの専門分野に応じた紹介体制を採っている
・基本的には、センター単独での独自の施策展開はできない
・各種セミナーを年 5~6 回程度開催しており、その際はセンターの支援施策なども紹介している
― 機構としてのメルマガを配信しており、知的財産関連のセミナー情報などを盛り込んでいる
・相談者からの主な要望としては、審査請求などの費用の低減や手続きの煩雑さの緩和などである
― 企業の場合、ほとんどが弁理士に依頼するため、手続きについての要望は個人が多い
・大手企業と中小企業が連携するケースでは、両者の力関係による弊害が知的財産にも出る場合がある
― 役割と権利を明確にできるよう知的財産教育をする必要がある
- 107 -
支援機関名
一般社団法人
熊本県工業連合会
熊本県知財総合支援窓口
所在地
熊本市東区東町 3 丁目 11 番 38 号
県内窓口数
常設 1 箇所/出張あり
主な支援内容
・窓口に配置する支援担当者が中小企業等の知的財産に関する悩みや課題をその場で解決支
援(知的財産権制度説明、先行技術調査支援、電子出願等の手続支援、知的財産に関する各
種支援施策の紹介)
・高度な専門性を必要とする内容は専門家を活用して支援担当者と共同して解決支援
・知的財産を事業の発展に有効活用していない中小企業等を発掘してより多くの中小企業等の
知的財産活用を促進
海外展開におけ ・マニュアル冊子による説明
る支援内容
・INPIT などの支援機関の紹介及び INPIT との連携による支援
年間支援件数
相談シートは 1200 件程度
年間支援件数
(海外)
年間 1~2 社
(100~200 社くらい)
(ASEAN 地域)
海外展開支援事例
・海外に展開するための相談は、ほとんど無いに等しい。相談者は、熊本県の国際課に相談している場合が多い。
・国内の商標の話などをしている時に、ゆくゆくは海外の可能性もあると言う程度の話がまれにある。
・外国出願補助金については、熊本県内で今年 5 社の採択があり、欧米が中心。
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・成功のポイントは商品や事業内容によって変わる。
・国内出願しているものを 1 年以内に外国に出願するケースが多い。
その他(独自の施策展開・取組み・次年度以降の新しい取組み・PR)
・熊本県の窓口は 5 年位熊本県工業連合会が受託している。全国的に見ると発明協会が多いが、熊本県工業連合会
の組織の中に、発明協会が入っている。
・体制は、管理者が 1 名、知財トータルサポーターが 3 名。
・窓口の事業目的に従い、中小企業や個人事業主の方の相談が主体。
・各県窓口との情報交換や連携が十分に出来ていない点は課題。
・セミナーは独自で企画できない。九経局や特許庁が実施している。
・知的財産に関する指導を主として実施しており、海外展開についてはマニュアル冊子を渡したり、簡単なリスク説明
程度が多い。但し、詳しい指導が必要な場合は、INPIT に連携依頼し、専門家(海外知的財産プロデューサー)派遣に
て対応している。
・局から指定された窓口知的財産専門家(弁理士・弁護士)による相談対応は、毎週木曜日に実施している。それ以
外にも専門の先生や弁護士、弁理士、デザイナー・ブランディングなどの登録があり、要請により派遣するシステム。
・現在の 3 名体制では相談総数(1200 件)は限界に近いが、窓口の認知度や信頼度を上げる方策の検討が、今後必
要。
- 108 -
支援機関名
一般社団法人
長崎県発明協会
長崎県知財総合支援窓口
所在地
大村市池田 2-1303-8
県内窓口数
3 箇所
主な支援内容
中小企業等が経営の中で抱えるアイデア段階から事業展開までの知的財産に関する悩みや
相談を知財トータルサポーター(窓口支援担当者)がワンストップで対応。
知財トータルサポーターがヒアリングを通じて経営課題を把握し、その課題に対応したアドバイ
スを行っている。
さらに、必要に応じて知的財産専門家(弁理士・弁護士)の支援を受けるようアドバイスする。
海 外 展 開 に お ・出願に関する事まではアドバイスしている。 最終的には弁理士等を紹介するところまで。
ける支援内容
・事業面の相談になると、ジェトロ・INPIT などの関係機関に入ってもらう。
年間支援件数
相談シートは 1500 件程度
年間支援件数
(海外)
10~15 件
(400~500 社くらい)
(ASEAN 地域)
海外展開支援事例
・INPITの知財プロデューサーに対応してもらい、初取引がうまくいった事例がある。 踏み込んだところまで話が出
来てよかったと感想をもらった。
・商標は海外でも分かり易く、最初に考えられるので、相談事例としては比較的多い。
海外展開(知的財産等における)成功のポイント
・中小企業の方(特に年配の方)は海外展開するときに、日本じゃないという感覚が薄い気がする。 日本の常識が
通用しないものがあることを認識することが重要。 装置内の配線の色が国内の規格と違っていて、やり直したとい
う例もある。
・日本と海外とでは売れるものが違う。 商品のデザインを海外向けに改良したほうが良い。 海外は機能よりもデザ
インから入ることが多い。
海外展開(知的財産等における)問題点・課題
・海外出願の費用が高い。1 カ国 100 万円くらいかかると案内している。
・出願の煩雑さよりも、弁理士費用などで断念するケースが多い。 補助金もあるが中小零細企業では採択されにく
い現状がある。
・出願書類などを中小企業者が自ら書けるようになる、シリーズもののセミナーがあれば良い。
・PCT出願で外国から詐欺まがいのDMが届くとの相談もある。
その他(独自の施策展開・取組み・次年度以降の新しい取組み・PR)
・支援体制は、管理者が 1 名、管理者補佐が 1 名、知財トータルサポーターが 4 名。 現在は、このメンバーで課題
に応じた対応ができている。
・長崎県は南北に長いので県央の大村市に本部窓口があり、県南の長崎市に週 2 回、県北の佐世保市に週 1 回出
張している。(県産業振興財団に窓口を常設。長崎市は月 1 回商工会議所でも実施)
・電話や面談、訪問指導を行うが、長崎県は離島が多く、離島振興を掲げていることもあって離島を訪問することも
ある。
・今期は、パンフレットとアンケートの送付を 5000 社に行なった。 当窓口の認知度は少しずつ上がってきていると思
う。 アンケートは効果があったので来年度も実施したい。
・ウエブサイトでの情報発信にも努めている。 これまでは個人で作成したホームページだったが、今年度は専門家
に依頼してリニューアルを行なった。
・ジェトロなどとの横のつながりはあるが、紹介するような案件は少ない。
- 109 -
4.中小企業基盤整備機構の主な支援について
中小企業基盤整備機構について
中小企業や地域社会の皆様に多彩なサービスを提供することを通じ、豊かでうるおいのあ
る日本を作るために貢献する。
主な支援
●国際化支援アドバイス
・窓口及び登録アドバイザーによる相談または
情報提供(何度でも無料)
・出張アドバイス(同じ国を目指す企業が3社以
上集まることが条件。何度でも無料)
・海外現地でのアドバイス(国内でアドバイスを
受けていることが条件。何度でも無料)
・海外現地への同行アドバイス(審査あり。企業
の一部費用負担あり)
●海外展開セミナー
●J-GoodTech(ジェグテック)
・ニッチトップやオンリーワンなど日本の優良企
業の技術・製品情報を国内大手メーカーや海外
企業に向けて発信、展示会でのリアルのマッチ
ングや仲介サポートも加えて紹介し、世界を変
えるイノベーションを起こすきっかけとなることを
目指すウェブマッチングサイトです。
●海外ビジネス戦略推進支援事業
・セミナー・個別相談会開催
・イベント、勉強会への講師派遣
※平成27年度の内容
・国内での海外事業計画策定支援(必須)
・海外での現地調査支援
・海外向けWebサイト構築支援
・物流・決済体制構築支援
- 110 -
★参考:国内の知的財産活動支援機関(事業)一覧
機関名
事業名
事業概要
お問い合わせ先
九州経済産
業局
特許等の産業財産権に関する支援施策やセ http://www.kyushu-chizai.com/
知的財産施策
ミナー等の紹介、登録原簿謄本の交付(有 九州知的財産戦略センター(キュープラ内)
に係る広報 料)を行います。
TEL:092-481-2468
各県等の財
団又は発明
協会
知的財産に関する支援や相談を各県の窓口
知財総合支援
としてワンストップで受け付けます。関係機関 全国共通ダイヤル
窓口
TEL:0570-082100
への紹介も行います。
(最寄りの窓口につながります)
中小企業支
援センター
地域中小企業の戦略的な外国出願を促進す
るため、都道府県等中小企業支援センターに
外国出願支援
対する補助金交付を通じて、外国への事業
事業
展開等を計画している中小企業に対して外国
出願にかかる費用の一部を補助しています。
http://chizai-portal.jp/index.html
以下URL記載の都道府県等中小企業支援セン
ター及びジェトロ
http://www.jpo.go.jp/sesaku/shien_gaikokusyutu
gan.htm
http://www.inpit.go.jp/katsuyo/gippd/index.html
企業での豊富な知財経験と海外駐在経験を
有した海外知的財産プロデューサーが御社
工業所有権 海外知的財産
のお悩み・ご心配ごとに対して「転ばぬ先の 知財戦略部
情報・研修館 プロデュサー 杖」となり、海外での知財リスクを低減するべ
TEL:03-3580-6949
くご支援させていただきます。
特許庁
(独)日本貿
易振興機構
(JETRO)
弁護士知財
ネット
模倣品(産業財
産権侵害品)相
談
産業財産権侵害事件に関する個別相談への
対応や、情報提供、アドバイス、税関、警察
等国内取締機関の紹介及び模倣品対策関
係団体の紹介を行う相談窓口を設置しており
ます。
模倣品・海賊版
被害相談窓口
海外ビジネスでの知的財産侵害リスクの回
避方法や、海外市場での模倣品問題の解決 進出企業支援・知的財産部 知的財産課 TEL:03に役立つサービスを提供しています。
3582-5198
http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/k
anren/soudan.htm
総務部国際協力課 海外戦略班
TEL:03-3581-1101 内線2575
http://www.jetro.go.jp/services/ip/
知的財産権の活用、ファイナンス、譲渡、出
知的財産に関す
願等に関する総合的なご相談を受け付けて
る相談窓口
おります。
http://www.iplaw-qo.net/
九州・沖縄地域会連絡窓口
TEL:092-736-1550(明倫法律事務所内)
http://www.jpaa.or.jp/consultation/commission/
特許・実用新案・意匠・商標の出願手続、調
free_advisement/practicaluse.html
日本弁理士
会
無料特許相談
発明推進協
会
http://iprsupport-jpo.go.jp/index.html
外国相談室では、特許、実用新案、意匠、商
外国産業財産権 標の各権利侵害や模倣品被害に関する相談
侵害対策等支援 等をお受けしております。
事業
また、ご相談内容に応じて『模倣被害アドバ APIC外国相談室 TEL:03-3503-3027
イザー』によるアドバイスも行っています。
各都道府県
警察
門司税関
長崎税関
警察総合相談
査、鑑定、異議申立、訴訟はもちろん、諸外
国の制度や知的財産権全般について弁理士
九州支部 TEL:092-415-1139
が無料で相談に応じています。
各都道府県警察では、偽ブランド品・海賊版 http://www.npa.go.jp/safetylife/soudan/madoguchi.ht
等の知的財産権侵害事犯に関する被害相談 m
等のお問い合わせについて、電話等で対応
各県警本部にお問い合わせ下さい。
しています。
○税関による知的財産侵害物品の取締り
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/ind
差止申立て
税関では、水際で知的財産侵害物品を取り
締まっています。知的財産侵害物品でお困り ○門司税関 業務部 知的財産調査官
の方は、差止申立制度を活用してください。 TEL:050-3530-8366
○長崎税関 業務部 知的財産調査官
TEL:095-828-8664
※九州経済産業局作成「海外ビジネスサポートブック」より
- 111 -
★参考:国内の知的財産活動支援機関(事業)一覧
~続き~
事業概要
お問い合わせ先
機関名
事業名
知的財産に関する支援や相談を各県
福岡県中小
知的財産に関
福岡県中小企業振興センター
の窓口としてワンストップで受け付けま
企業振興セン
する相談窓口
http://www.joho-fukuoka.or.jp/new/center/
す。
ター
https://www.ksrp.or.jp/fais/
北九州産業
知的財産に関する支援や相談を各県
知的財産に関
学術推進機
の窓口としてワンストップで受け付けま
北九州テクノセンター
する相談窓口
構
す。
http://www.kitakyu-techno-ctr.co.jp/
佐賀県地域
知的財産に関する支援や相談を各県
知的財産に関
佐賀県地域産業支援センター
産業支援セン
の窓口としてワンストップで受け付けま
する相談窓口
http://www.infosaga.or.jp/
ター
す。
http://www.nagasakihatsumei.sakura.ne.jp/
知的財産に関する支援や相談を各県
長崎県発明 知的財産に関
の窓口としてワンストップで受け付けま
協会
する相談窓口
長崎県工業技術センター
す。
https://www.pref.nagasaki.jp/section/kogyo-c/
http://www.kenkoren.gr.jp/
知的財産に関する支援や相談を各県
熊本県工業 知的財産に関
の窓口としてワンストップで受け付けま
連合会
する相談窓口
熊本県産業技術センター
す。
http://www.iri.pref.kumamoto.jp/
http://oita-hatumei.net/
知的財産に関する支援や相談を各県
大分県発明 知的財産に関
の窓口としてワンストップで受け付けま
協会
する相談窓口
大分県産業科学技術センター
す。
http://www.oita-ri.jp/
http://www.hatumiya.org/
知的財産に関する支援や相談を各県
宮崎県発明 知的財産に関
の窓口としてワンストップで受け付けま
宮崎県工業技術センター
協会
する相談窓口
す。
http://www.iri.pref.miyazaki.jp/
http://www.ikic.or.jp/
知的財産に関する支援や相談を各県
鹿児島県工 知的財産に関
の窓口としてワンストップで受け付けま
業倶楽部
する相談窓口
鹿児島県産業会館
す。
http://sangyoukaikan.ec-net.jp/
- 112 -
5.世界の知的財産活動支援の状況
海外支援機関の活用状況
・海外知的財産活動において海外の支援機関を「活用した」企業は 724 社中僅かに 8 社。
・海外の支援機関を活用していない理由は、国内と同様に「自社に専門家がいる・自社
で処理できる」が 11.4%見られる。
・海外では、
「どこに頼んでいいか分からない」が 17.7%(国内支援機関:17.3%)見ら
れた。
★海外進出中の企業の中には、タイムロスを解消するために、海外支援機関を活用した
企業も見受けられたが、代理人等を通じて手続きを行うケースが多い。
参考:「中国の知的財産権」の状況
・中国では「発明」
、
「実用新案」
、
「意匠」の 3 種が「特許」として総称されている。中国特許局に対す
る特許出願の全体件数は、この 4 年間で実に 2.4 倍になっている。外国からの出願の中では、日本か
らの出願が最も多い。
・中国の商標出願件数は世界一。2013 年の出願件数は 188 万件余(国内から 173 万件余、外国から 15
万件弱)
。
<表1>中国3種特許出願件数
2,500,000
(件)
2,000,000
1,500,000
合計
発明
実用新案
1,000,000
意匠
500,000
0
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
<表2>商標出願件数
2,000,000
1,800,000
(件)
1,600,000
1,400,000
1,200,000
国内
1,000,000
国外(非マドリッド)
800,000
国外(マドリッド)
600,000
合計
400,000
200,000
0
2009年
2010年
2011年
2012年
- 113 -
2013年
・知的財産権保護の執行面では問題点が残っており、商標権侵害品、著作侵害品が中国国内で大量に生
産・販売され、世界へも輸出されている現実は今も変わっておらず、各国から批判が寄せられている。
・知的財産権民事裁判の件数は年々増大しており、13 年の1審受理件数はほぼ 8 万 8 千件余。同年の日
本では 552 件であり、その 160 倍以上である。著作権事件が圧倒的に多く、次いで商標権事件、特許
権事件が多い。
<表3>国家工商行政管理総局・模倣品摘発件数
90,000
80,000
(件)
70,000
60,000
50,000
合計
40,000
国内
30,000
国外
20,000
10,000
0
2010年
2011年
2012年
2013年
<表4>知的財産権・民事裁判統計(1審受理案件数)
100,000
90,000
(件)
80,000
合計
70,000
特許
60,000
商標
50,000
著作権
40,000
技術契約
30,000
不正当競争
20,000
その他知識産権
10,000
0
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
<表5>知的財産権・行政裁判統計(1審受理案件数)
3,500
3,000
(件)
2,500
合計
2,000
特許案件
1,500
商標案件
1,000
著作権案件
500
その他
0
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
(表1~5は中国年鑑2015を元に作成)
- 114 -
参考:「ASEAN Intellectual Property Portal」について
ASEAN では 2015 年の ASEAN 経済統合に向けて様々な取組みを行っているが、知的財産分野について
協働する組織として、ASEAN 各国の知的財産当局から構成される ASEAN 知的財産協力作業部会
(AWGIPC)
が存在する。AWGIPC では、ASEAN 知的財産行動計画 2011-2015(ASEAN IPR Action Plan 2011-2015)
を策定し、この計画に沿って活動を行っている。この計画には 28 のイニシアチブが定められており、
その中で、ASEAN 諸国の知的財産知識ネットワーク内における情報の共有や流れの促進、ASEAN 諸国に
おける知的財産制度の強化、ASEAN 地域における知的財産意識のレベルアップのための ASEAN IP
Portal サイトの開設・運営・定期的な更新等が掲げられている。計画では、2012 年開設を目指してい
たようだが、AWGIPC は、2013 年 4 月 26 日に、ASEAN IP Portal(http://www.aseanip.org)を立ち
上げた。これは、ASEAN 諸国の知的財産に関する情報を総合的・包括的に収集・提供するワンストッ
プポータルサイトである。
「掲載内容」
ASEAN IP Portal には、ASEAN 諸国の知
的財産に係る法令、統計、登録手続等の情
報が掲載されているほか、ASEAN 各国・日本
・中国・欧州特許庁ウェブサイトや WIPO ウ
ェブサイト等へもリンクが貼られており、マ
レーシア、シンガポール、ベトナムを含む
ASEAN 諸国の知的財産情報を収集することができる。具体的には以下のような情報等が掲載されてい
る。
•About AWGIPC:
「ASEAN 知的財産行動計画 2011-2015(ASEAN IPR ACTION PLAN)
」
(2011 年 8 月策定)や
ASEAN 知的財産協力作業部会(AWGIPC)の紹介等
•Activities:ASEAN IP の活動、AWGIPC の会合スケジュールの紹介等
•Statistics:地理的表示・知的財産行動計画に基づく創造産業・著作権登録等に関する各国調査表、各
国の商標・意匠等の出願・登録に係る統計、各国の商標登録に要する期間、各国の知的財産権に係る
執行機関情報
•Resources:各国の知的財産登録手続、特に ASEAN 諸国特有の商品・役務のリスト(WIPO に提出予定)
、
知的財産関連法令情報(現時点では、上部メニュー「Resources」のプルダウンメニュー「Law &
Regulation」のページに掲載されているのはタイの法令情報のみである)
•International Corporation:日本特許庁、中国特許庁、欧州特許庁、ASEAN-オーストラリア・ニュー
ジーランド FTA(AANZFTA)
、USTPO、WIPO、ECAP III 等のサイトへのリンク
•Networking:ASEAN 各国の主要な執行機関情報、ASEAN 各国の特許庁ウェブサイトへのリンク
•Database search:OHIM ウェブサイトへのリンク
•ASPEC:アセアン特許審査協力プログラム関連のニュース、手続の紹介
•International Registration:WIPO ウェブサイト(PCT、マドリッド協定、ヘーグ協定、リスボン協定
のページ)へのリンク。
詳細: https://www.globalipdb.jpo.go.jp/country/
https://www.globalipdb.jpo.go.jp/laws/6134/
- 115 -
各国情報等(特許庁HPより)
※世界の知的財産活動支援機関の状況
国内向け機関・団体
National Association
中華全国専利代理人協会(ACPAA)
米国知的財産権法協会(AIPLA)
米国弁護士協会(ABA)
全国工業所有権代理人協会(CNCPI)
イタリア工業所有権研究協会(ASPI)
ドイツ弁理士会(Patentanwaltskammer)
カナダ知的所有権協会(IPIC)
オーストラリア特許商標代理人協会(IPTA)
英国商標代理人協会(ITMA)
URL
支援・活動状況
http://www.acpaa.cn/
1988年に設立された、全国規模の非営利の自律的な組織であり、中国全
土の特許代理人、特許事務所を代表する。国内外の全ての特許申請のう
ち70%がこれらの代理人を介して手続きされている。また、WIPOにおいて
永久オブザーバの地位を得ている。
<最近の活動例>
●無水銀アルカリボタン電池の特許侵害訴訟に関わる。(2014年6月24
日)
http://www.aipla.org/
AIPLAは1897年設立の国の法曹協会であり、主に民間活動、政府サービ
ス、学会における法律家からなる。特許、商標、著作権、営業秘密などの
知的財産や関係する法律に関わる法律事務所や企業、協会などの幅広
い多様な個人から成る。
<最近の活動例>
●欧州特許庁と米国間における包括的な法的パートナーシップの締結を
行った。(2015年5月12日)
●日本の視察団に対する知財実務指導を行った。(2015年4月21-25日)
http://www.abanet.org/
ABAはアメリカ法曹協会はほぼ40万人の会員と3,500以上の団体からな
る、世界最大の自主的な専門機関である。国規模の法律家協会だけがで
きる、法律専門性の向上、多様性の強化、米国全土と世界中で法規範を
浸透させることを目的にしている。
<最近の活動例>
●無料サービス…専門知識のサポート、業界のコネクションの共有、契約
のサポートなど
http://www.cncpi.fr/
CNCPIは、1990年に設立されたフランスの弁理士の協会です。フランス
の弁理士を代表するため法律に基づき設立された法人である。その目的
は、フランスの弁理士という職業を代表すること、職業倫理や行動規範を
確かにすること、利害を擁護する、知財一般を促進させること等である。
<最近の活動例>
●フランス語/英語でリーフレットを提供
●高度専門職、クリエイター、研究者のための産業財産等に関する専門
的サポート等を行っている。
http://www.ordine-brevetti.it/
ASPIは、1981年に設立され、現在は工業所有権法の特別規定によって定
められている。協会の会員は、資格試験を完了した後に得られる。イタリア
の法律の下では、協会のメンバーとイタリア法曹界のメンバーだけが、イタ
リア特許商標庁に対し第三者の立場を代表することができる。協会会員の
登録は、特許弁理士向けの特許セクション、商標弁理士向けの商標のセ
クションからなる。
<最近の活動例>
●「発明者賞2014」の審査委員会に任命された。(2014年5月27日)
●企業の知的財産に関する活動を報告した。
http://www.patentanwaltskammer.de/
ドイツ弁理士会は、欧州における発明と商標の保護のためのパートナー。
弁理士は、ドイツ及び欧州において技術革新のダイナミズムを強化するこ
とに重要な貢献をする。彼らは、何が技術的、法律的に実施可能なのか
知っており、知財についての包括的な助言をすることができる。
<最近の活動例>
●イノベーション、法律サポート等を提供する。
●弁理士のリスト作成、更新を行う。
http://www.ipic.ca/
IPICは、特許弁理士、商標弁理士、弁護士など知的財産分野で活躍する
カナダの専門家の団体である。
<最近の活動例>
●カナダ知的財産庁(CIPO)によってすべての相談に対応する。
●他の部署や機関による相談への対応を行う。
●最新の知財に関する問題と研究に関する専門誌を発行する。
●全ての協会活動に関するニュースを会員限定で配信する。
http://www.ipta.com.au/
IPTAは、オーストラリアの特許および商標弁理士を示代表する専門機関で
ある。
<最近の活動例>
●弁護士を紹介する。
●特許、商標、意匠、著作権の法令および規則の改善を推進する。
●相互の考えや知識を交換することで、会員間の交流を奨励している。
http://www.itma.org.uk/
ITMAは、商標と意匠の専門家の利益を代表する会員組織です。専門家の
奨励、育成、支援に関わっている。
<最近の活動例>
●EUの商標改革について歓迎を表明した。(2015年12月16日)
●欧州共同体商標意匠庁(OHIM)第28条の相談を受付けた。(2015年12
月9日)
- 116 -
国内向け機関・団体
National Association
URL
支援・活動状況
大韓弁理士会(KPAA)
http://www.kpaa.or.kr/
KPAAは、国際競争力の中核である知的財産の創出と活用、保護に貢献
する専門家の団体です。弁理士を対象とする義務研修と教育、研究・調査
活動、海外の関連団体との交流などを通じて韓国の国際的なステータスを
高めることに貢献している。
<最近の活動例>
●無料弁理士、無料相談を行う。
●知的財産権全般について公認鑑定を行う。
●知的財産チームが2015年社会貢献大賞授賞式を開催した。(2015年12
月21日)
オーストリア弁理士会
http://www.patentanwalt.at/
ヨーロッパ特許庁(EPO)
オーストリアの弁理士の団体である。
●最初の相談料無料(25分)
EPOは、ヨーロッパの特許庁として、欧州特許条約の下で高い質と効率的
なサービスを提供し、ヨーロッパ全土の技術革新、競争力と経済成長をサ
ポートしている。
//www.european-patent-office.org/index.e
<最近の活動例>
●EPOのISO 9001の認証を拡張し、特許プロセス全体をカバーすることを
可能にした。 (2015年12月17日)
国際知的財産保護協会(AIPPI)
http://www.aippi.org/
AIPPIは、非営利の国際機関(NGO)であり、既存の各国の法制について
の研究を行い、世界各国の会員であるグループに協議し意見を聴取した
上で、これらの法制を国際的に調和するための手段を提案するという運営
方法を採っている。
<最近の活動例>
●リオデジャネイロの2015年大会において、知財法に関する4つの決議を
採択した。
アジア弁理士協会(APAA)
http://www.apaaonline.org/
APAAは、アジア地域全体の知的財産保護の促進、強化に貢献する非政
府組織であり、毎年開かれる理事会や総会の場で、意見交換や情報交換
を行っている。
国際弁理士連盟(FICPI)
http://www.ficpi.org/
FCIPCは、知財弁理士を代表する唯一の国際的な団体である。
●特許法条約(PLT)に則り、知財権の維持に尽力
国際商標協会(INTA)
http://www.inta.org/
INTA は、商標権者と商標に関係する専門家で構成されたグローバルな
団体です。消費者を守り、公平かつ効果的な商業活動を進展させるため、
商標及び関連する知的財産の支援に専念する団体である。
●規制・規則の導入に関して、商標評審委員会に対して意見書を提出し
た。
●2014年5月1日に施行された中国の新しい商標法の法的解釈に関し
て、最高人民法院に対する意見書を提出した。
対欧州特許庁代理人協会(EPI)
http://www.patentepi.com/
EPIは、欧州特許条約に基づいて設立された欧州特許庁への代理人の協
会です。
●季刊誌を発行している。
世界知的所有権機関(WIPO)
http://www.wipo.int/portal/index.html.en
WIPOは、知的財産に関するサービス、政策、情報や協力を提供する世界
的な専門機関であり、条約に基づいた国際登録の管理などを行っている。
- 117 -
第 5 章 知的財産セミナーの開催結果
第5章
知的財産セミナーの開催結果
1.開催概要
(1)開催日時
平成 28 年 2 月 19 日(金)
13 時 30 分~16 時 30 分
(2)開催場所
福岡合同庁舎新館 3F 共用大会議室(福岡市博多区博多駅東 2-11-1)
(3)参加者数
120 名
(4)開催内容
「海外展開における成功の秘訣~知的財産・高度海外人材による
課題解決のためのアプローチ~」
1.主催者あいさつ(13:30~13:40)
九州経済産業局 国際部長 大久 幸昭
2.基調講演(13:40~14:30)
「~TOTO グループの知財× 人財戦略~」
TOTO 株式会社取締役 常務執行役員 成清 雄一 氏
3.調査結果報告及び問題提起(14:30~14:50)
株式会社プリミティブ・ドライブ リサーチ・プランニング部
部長 木原 将希 氏
4.施策のご紹介(14:50~15:00)
福岡県知財総合支援窓口 知財トータルサポーター 佐々木 賢 氏
<15:00 ~ 15:10 休憩>
5.パネルディスカッション(15:10~16:30) ※質疑応答時間を含む
「海外展開における知的財産及び高度海外人材の獲得と活用」
<モデレータ>
横山 研治 氏 (立命館アジア太平洋大学[APU] 教授)
<パネリスト>
成清 雄一 氏 (TOTO 株式会社 取締役 常務執行役員)
隈 扶三郎 氏 (株式会社西部技研 代表取締役)
龍造寺 健介 氏 (本多機工株式会社 代表取締役社長)
秋葉 隆充 氏 (日本貿易振興機構 JETRO
知的財産・イノベーション部
総括課長代理)
佐々木 賢 氏 (福岡県知財総合支援窓口 知財トータルサポーター)
- 118 -
(5)配布資料:配布数
全 14 種×120 部
①「海外展開における成功の秘訣~知的財産・高度海外人材による課題解決のためのアプロ
ーチ~」セミナーのチラシ
②次第
③基調講演のレジュメ
④九州の中小企業の海外展開における知的財産の活用実態調査 概要版
⑤本多機工株式会社 企業紹介
⑥株式会社西部技研 東洋経済に掲載された際の記事
⑦⑧⑨知的財産関係の資料 3 種類(特許庁、鉱業所有権情報・研修館)
⑩2/26 開催久留米で開催の知的財産セミナーちらし
⑪来場者アンケート
⑫九州経済国際化推進機構・メルマガ登録のお知らせ
⑬節電のお願い(資源エネルギー庁)
⑭海外赴任ガイド 2016 年度版(株式会社レオパレス 21)
- 119 -
2.要旨<基調講演>
講師:成清 雄一氏 (TOTO 株式会社 取締役 常務執行役員)
「TOTOグループの知財・人財戦略」
1, TOTO グループの概要
2, 知財戦略
(1)戦略的な技術管理
(2)情報の機密区分
(3)海外出願
(4)特許
(5)意匠
(6)商標
(7)模倣対策
(8)リスクの調査体制
3, 人財戦略
(1)TOTO に求められること
(2)イノベーションを生み出すには?
(3)ダイバーシティへの取り組み
(4)女性の活躍推進
(5)複線型人財育成制度
(6)国内における外国籍社員
(7)国内外の評価
4,
Region No.1 思想
(1)TOTO とステークホルダー
(2)社会規範について
(3)組織とは?組織風土とは?現地化とは?
(4)各国の人件費の比較
(5)国内外の雇用慣行の違い
(6)Region No.1 思想
- 120 -
「成功事例」
TOTO 株式会社では
【手続き関係】
・特許に関しては、原則としてまず国内で出願し、その後「工業所有権の保護に関するパリ
条約」に基づき、海外に出願している。
・手続きは、主に国内特許事務所を活用している。
・タイムロスの対策としては、以下の3点により権利化までの期間短期化を図っている。
①海外出願の必要性を国内出願から早期(6ヵ月以内)に特定する。
②審査請求制度がある国では、出願時に審査請求手続きを行う。
③PPH(特許ハイウェイ)制度を活用し、海外審査を促進する。
【予算関係】
・一部の国では国内特許事務所を介さず、現地特許事務所に直接依頼する等で、コスト低
減を図っている。
・各権利について、3年毎に要否を判断し、技術が陳腐化したものや事業に貢献しなくなっ
たものについては権利維持を中止し、維持費の節減を図っている。
【知的財産取得の有無】
・リスクの高い国では毎月第三者の商標出願をウォッチし、必要都度該当国の当局に異議
申立てを行い、登録を拒絶してもらう等の対応をしている。
【人材】
・コミュニケーション能力は、採用選考の中で見極めている。
・技術流出については、「外国籍人財だけの問題ではない」と考え、権利化(特許出願)の
推進と秘匿化(営業秘密管理)の徹底を図ることで、競争優位性の確保・向上に努めて
いる。
【その他】
・知的財産戦略については、当社の知的財産センターが定期的に、研究・開発部門と「パテ
ント推進会議」を開催し、方針策定・成果確認および対策立案を行うことで、PDCAで回
している。
・海外出願に関しては、「海外出願のためのアウトライン」を設定し、①事業性、②権利の強
さ、③知的財産環境を勘案し、出願の要否を決定している。
・最新の知的財産情報については、主に各国特許庁・国内外特許事務所等から入手して
いる。
- 121 -
3.要旨<パネルディスカッション>
■パネルディスカッション「 海外展開における知的財産及び高度海外人材の獲得と活用」
◇モデレータ
横山 研治 氏(立命館アジア太平洋大学[APU] 教授)
◇パネリスト
成清 雄一 氏(TOTO 株式会社 取締役 常務執行役員)
隈 扶三郎 氏(株式会社西部技研 代表取締役)
龍造寺 健介 氏(本多機工株式会社 代表取締役社長)
秋葉 隆充 氏(日本貿易振興機構 JETRO 知的財産・イノベーション部 総括課長代理)
佐々木 賢 氏(福岡県知財総合支援窓口 知財トータルサポーター)
◇パネルディスカッション内容
海外展開の形態としては、直接投資、貿易などがあり、それを行う手段として人材、知的財産(特許、
意匠等)の有効活用が重要な要素である。事業戦略を実行しながら目標を達成していくには、様々な困
難や課題がある。
パネルディスカッションでは、パネリストとして積極的に特許等の知的財産を取得して海外展開に活
かそうと考える企業、技術のブラックボックス化を図るなど意図的に知的財産の取得等を控えながら海
外展開している企業、そして、知的財産に関する専門機関をお迎えし、本事業調査で得た課題を念頭に
おきながら、前半は「知的財産」
、後半は「人材」をテーマに各企業の取組、専門家の参考意見等を紹介。
【知的財産関係】
■知的財産を取得するか、否か、ビジネスとしての判断が必要。権利化すると技術が広まってしまう可
能性がある。権利化すると単純に元が取れるのかどうかという視点で冷徹に判断するべき。
■海外で知的財産の戦略を立てる際、
何のために権利化するのかを明確にすること。費用もかかるため、
経営戦略の一環として知的財産戦略を考えるべきである。
■特許権を持っているから売れる、商標権を持っているから売れるという話ではない。あくまで手段で
しかない。海外展開は、事業戦略がないといけない。戦略がなければ模倣もされてしまう。
■子会社や技術提携先のメーカーを競合先から守る意味で、製品の心臓部は特許を取得せずにブラック
ボックス化し、完成品をシステムとして特許を取得することも一つの手法である。
■簡単な物は模倣できると思われるが、グレードの高いものは模倣できないため、特許を取得せずに日
本で製造するという選択をしている。
■海外で模倣品が発見されて摘発する際、自社負担となる。専門の調査会社に依頼すると中小企業には
かなり負担が大きい。このような費用の一部を支援する補助事業がある。
- 122 -
■海外展開において一番重要なのは日本の常識を忘れて現地の習慣を学ぶことであり、その上で我々が
持っている企業理念をどうやって横串で刺していくかということである。
人材の問題と知的財産の問題も各国で異なるが、どこに行っても我々らしさを失わずにやっていくこ
とだと思う。
【人材関係】
■九州で学ぶ留学生は九州が好きであるが、なかなか就職できない。そこには情報が少ないという問題
がある。彼らにとって日本の企業は大企業しか知らない。日本の産業構造をきちんと知らないと九州に
残ろうと思わない。
■日本の産業構造を大学でしっかり教えることは重要。日本で働く上でのポイントを哲学的な所も含め
て教えていかなければならない。逆に、日本人が海外に派遣される場合、海外の雇用慣行を理解してい
るかという点も重要である。日本とは違うということを理解して、現地に溶け込んで現地のことを理解
していく。
■人材の獲得競争は既に激化している。人材を獲得できないというのはイノベーションの機会を失って
いる。
■イノベーションを起こしていくには多様性が必要。留学生の意識の中で雇用の慣行、常識は全く異な
るものであるため、日本のやり方に従って貰っている。例えば、修士卒であっても 1 年間は製造実習で
叩き込んでいる。
■なるべく早く即戦力として活躍してもらいたいため、最初の 1 年目は製造現場で研修を行い、その後
国際部門に配属するパターンが多い。できれば技術、ノウハウを学んで独立して、自分の国に帰って起
業(代理店)してほしいと話をしている。彼らは海外のネットワークであり、彼らが独立して会社を創
り、自社製品を扱ってくれればそれほど強いものはない。また、独立した先輩がロールモデルとなり、
外国人社員は起業目指して高いモチベーションで頑張っている。
■グローバル人材がいれば、直接本物の良さを売り込むことができる。海外の企業と競合になった際、
交渉をまとめたのは外国人社員だった。知的財産の面で守ろうとしたが、やはり言葉の壁を乗り越える
そういう人材がいると頼もしい。
- 123 -
■日本人の社員ができることは限られている。自社の商品を自分自身で作り、ただの通訳としてではな
く、提案型の営業として海外で販売できる営業マンの育成のおかげで、海外からの引き合いがきても、
誰も怖がらずに積極的に対応ができる。また、外国人社員によって海外での売上比率も上がり、また社
内でも日本人社員との化学反応によって、社内が活性化されている。
■地産地消。日本で売るものは日本でつくる、中国で売るものは中国でつくる。そうすると急激に人件
費が上がっても、マーケットの中で価格調整ができるというメリットがある。
■外国人社員の中には、
ある部門においてはトップの位置付けであり、海外法人の CTO も兼務している。
雇用をする際にある程度仕事の責任を明確にしたところ、定着率があがった。外国人社員の力でここ数
年海外事業が伸びている。
■人材については、ダイバーシティ、ワークライフバランスと人材教育の 3 点セットが必要であると思
う。
■外国人社員が辞める理由の一つにキャリアプランが見えていないことが挙げられる。大手メーカーで
は、キャリアパスを見せることで定着率が上がっている。
【SNS 人材マッチングの紹介】
企業側のニーズとして、ピンポイントでこんな人材がほしいというのがある。しかし、必要な人材との
出会いがなかなかうまくいっていない現状である。九州グローバル産業人材協議会は、今年度事業とし
て SNS を活用した企業と留学生のマッチング事業(「ドラゴンゲート九州」
)を九州経済産業局主導でト
ライアル的に実施した。Facebook にアクセスできる環境であれば、WEBサイトを閲覧することができ、
公開型には企業 PR(複数言語対応)外国人社員の動画、セミナー等のイベント情報を掲載。非公開型に
は、留学生の自己PR動画が投稿されている。従来の対面でのマッチングの重要性も見つめつつ、SN
Sマッチングはファーストコンタクトとして、十分機能するものだと思われる。タイムリーにスピーデ
ィーに出会える新たな手法は、将来的にはオール九州でのマッチングを目指し、海外展開の活性化に繋
げていく
- 124 -
4.参加者アンケート結果
質問1.今回のセミナーはどこでお知りになりましたか。(複数選択可)
(%)
(N=62)
50.0
45.2
45.0
40.0
32.3
35.0
30.0
25.0
20.0
19.4
15.0
10.0
6.5
5.0
その他
新聞
メルマガ
HP
チラシ
0.0
1.6
質問2.なぜこのセミナーに参加されましたか。(複数選択可)
(%)
70.0
62.9
(N=62)
60.0
50.0
45.2
45.2
40.0
30.0
21.0
20.0
12.9
10.0
その他
- 125 -
講師が魅力的だから
グローバル人材の活用に興味があるから
知的財産の活用に興味があるから
海外展開に興味があるから
0.0
質問3.今回のセミナーで有益と思われたセミナーのテーマについてお選び下さい。(複数選択可)
(%)
80.0
72.6
(N=62)
70.0
56.5
60.0
50.0
38.7
37.1
調査結果報告及び問題提起
(
株式会社プリミティブ・ドライブ 木原氏)
施策のご紹介
(
福岡県知財総合支援窓口 佐々木氏)
40.0
30.0
20.0
10.0
パネルディスカッション
基調講演
~TOTOグループの知財 ×
人材戦略~
(
TOTO株式会社 成清氏)
0.0
質問4.留学生(グローバル人材等)の受け入れにご興味がありますか。
(N=62)
不明
17.7%
ない
17.7%
ある
64.5%
- 126 -
質問5.今回の主催者であります「九州グローバル産業人材協議会」の発信する留学生イベント等の情
報について。
(N=62)
不明
12.9%
発信して欲
しい
45.2%
必要ない
22.6%
既に受け
取っている
19.4%
※その他
①グローバル人材の雇用、育成、定着 ②アジア海外展開に関する九州内法人
の課題 ③海外人材に対する賃貸事情
①~③における取組を今後思索していく所存。
一方的な情報発信にとどまらず、参加者同士の交流の場も設けて頂ければ、海
外展開のきっかけをさらに(直接的に)後押しできるのでは。
TOTOの知的財産戦略のより詳しいセミナー開催を切望する。
基調講演がもう少し長くてもよかった。基調講演のプレゼン資料の文字が小さか
ったので配布もあるとよい。
知的財産について、海外人材について、日本の中高生にも教育を通じて共有し
てゆき、社会で必要とされる力とはどういうものかを認識した上で大学以降の進
路選択をしてほしいと感じた。
どのトピックも面白い、情報量が多かったです。また、パネルディスカッションの
横山先生のモデレートが素晴らしく違った意味で勉強になった。
- 127 -
資料編
<1.検討会の開催結果>
(1).第 1 回検討会
①
開催日時・場所
平成 27 年 12 月 17 日(木)14 時~16 時
②
九州経済産業局地域イノベ推進室
議事次第・主な意見
1.アンケート結果の報告 (株式会社プリミティブ・ドライブ/木原)
2.アンケート結果へのコメント
(知財総合支援窓口:知財トータルサポーター/佐々木賢氏)
・現在海外検討中の企業では商標が多いというのはうなずける。九州は農林水産関係や食
品関係も多いので商標を検討する所が多いのではないか。商標を取りましょうというア
プローチをする必要を感じた。
・
「申請手続きが煩雑」
「手続きに時間がかかる」
「申請費用の調達」は支援でサポートする
のは難しい。
・弁理士事務所と特許事務所は基本的に同じものなのでまとめていい。
・国内支援機関と弁理士を一緒にしてはいけない。弁理士はビジネスで出願するのでそれ
を支援に入れるのか疑問がある。海外進出は弁理士を通さないと難しい制度。
・外国出願の支援があり半額負担になる。それが「費用助成」の部分に出てきていると思
うが認知が低い。
出願のタイミングとこの事業の公募のタイミングが合わないと難しい。
これも認知度を上げていく必要がある。知っていただくという事が必要。
3.フリーディスカッション
・棒グラフの方が分かりやすい。
・海外展開を行っていない企業が留学生を採用していないのは当たり前なのでは。
・潜在的に意欲のある企業を発掘支援するアイディアを導き出したい。
・増減を比較して変わらないものは置いておいて、増減した部分のみで比べるほうが我々
としてはうれしい。
・海外展開は国内雇用が減るのではないかという議論を国会でかなりやったが現実にはそ
んなことはない。海外展開は雇用を減らさないと言いたい。
・回答企業の所在地の「その他」を母数から除く。
・企業ヒアリングについては、各国の制度の違いに戸惑いがある点、コミュニケーション
の部分、人材不足、ライセンスの維持費の部分の4つの意見が目立った。
・企業ヒアリングについて、知的財産戦略の立て方が分からないと言うところが多い。
知的財産を取得せずに標準化した方がよく売れると言う考えと、知的財産をちゃんと取
得した方がいいと言う企業もある。また、持っている知的財産権をいつ手放すかを考え
ている企業もある。維持費をかけ続ける限界や価値のあるうちに売りたい。
・国内支援機関を活用していない理由は何か、出願しても 1 年 2 年かかるならリスク承知
の上でとらないのか、助成があると知らないのか。
・支援機関と弁理士の活用状況は、知的財産活動をやっていない所は除外する。
- 128 -
4.第 2 回検討会の日程等について
・1 月 28 日(木)の午後を想定。
・セミナーは 2 月 19 日に実施。募集は年明けて。
③
出席者
<第 1 回検討会
出席者名簿>
所属
役職
氏名
検討会専門家
福岡県知的所有権センター
知財総合支援窓口
知財トータルサポーター
佐々木 賢
支援機関
日本貿易振興機構
福岡貿易情報センター
所長
斎藤 健史
局
九州経済産業局 国際部
部長
大久 幸昭
〃
国際化調整企画官
柴田 俊一
〃
国際課長
植木 謙治
〃
投資交流促進課長
松谷 昭一
〃
国際企画調査課長
野坂 尚正
〃 地域経済部
産業人材政策課長
大石 理
〃 国際部
国際企画調査課課長補佐
山本 展久
〃
国際企画調査課課長補佐
大石 直美
〃
国際企画調査課係長
大武 尚
株式会社プリミティブ・ドライブ
リサーチ・プランニング部長
木原 将希
請負業者
〃
宮本 亮
〃
寺中満里絵
- 129 -
(2)第 2 回検討会
①
開催日時・場所
平成 28 年 1 月 28 日(木)14 時~16 時
②
九州経済産業局第2会議室
議事次第・主な意見
1.実態調査概要版について (株式会社プリミティブ・ドライブ)
・グローバル人材を活用して知的財産問題に取り組まれている具体的な事例が対外的に出
せるのであれば出してほしい。
・海外展開をしたことによって売り上げがどう変化したかを知りたい。海外展開にするこ
とによって新しいターゲットにすることができたという所の具体的な話が気になる。売
り上げと雇用に関することはもう少ししっかり扱ってもいい。
・PCT出願は上がってきているが、3 か国以上にならないとPCTのメリットが出ない
ので横ばい傾向になっていると思われる。国際出願は国際事務局が間に入るので手数料
が余計にかかる。
・課題に関する今後の支援のあり方を検討するということだが、これ(「知的財産活動支援
における今後の取組」
)は具体的な事業案のような形なので、むしろ情報提供や発信やす
そ野の拡大や意識の向上等柱を立ててその中の具体的な事業という立て方にしたらわか
りやすい。
・企業からすると一番大事なのは成功のポイント・失敗の根拠ではないかと思う。
・商標は必ず取らなければならない。特許は取るか取らないかを見定めて決めたほうがよ
い。意匠・商標は必ず取るということを前提に推してもいいと思う。海外展開で一番必
要なのは商標あるいは意匠という事を明確にした方が良い。
・権利を取ることだけが知的財産ではない。ブラックボックス化するノウハウ(営業機密)
も知的財産。自社の知的財産とは何なのかを明確にすることは中小企業がなかなかでき
ていない事。特許を取れるくらいのすごい技術だとわかっていない。知的財産化という
言葉は今一つしっくりこない。知的財産権化ならわかる。
・知的財産迷子という言葉は初めて聞いた。我々の仕事はまさに知的財産迷子をなくすこ
となのでこの言葉は使っていきたい。知的財産迷子という言葉は、この調査から出た言
葉として世間に広めたほうがいい。面白くてわかりやすい。
2.知的財産セミナーについて
(九州経済産業局国際部投資交流促進課)
・2 月 19 日に新館の会議室で、
「海外展開における成功の秘訣」のタイトルで開催。
・TOTO の成清常務に基調講演をしてもらう。
・調査結果をプリミティブドライブにしてもらい、福岡県知財総合支援窓口さんから施策
の紹介をしてもらった後、パネルディスカッションの流れになる。
- 130 -
③
出席者
<第 2 回検討会
出席者名簿>
所属
役職
氏名
検討会専門家
福岡県知的所有権センター
知財総合支援窓口
知財トータルサポーター
佐々木 賢
支援機関
中小企業基盤整備機構
九州本部 国際化支援課
課長代理
高柳 仁
局
九州経済産業局 国際部
部長
大久 幸昭
〃
国際化調整企画官
柴田 俊一
〃
国際課長
植木 謙治
〃
投資交流促進課長
松谷 昭一
〃
国際企画調査課長
野坂 尚正
〃 地域経済部
産業人材政策課長
大石 理
〃 国際部
国際企画調査課課長補佐
山本 展久
〃
国際企画調査課課長補佐
大石 直美
〃
国際企画調査課係長
大武 尚
株式会社プリミティブ・ドライブ
リサーチ・プランニング部長
木原 将希
請負業者
〃
宮本 亮
〃
寺中満里絵
- 131 -
<2.企業アンケート調査票>
FAX:
092-735-1093
/
(株)プリミティブ・ドライブ
宛て
平成27年度九州の中小企業の海外展開における知財の活用実態について
アンケート票
企業名
1. 製造業
業種
2. 建設業
3. 卸売業
4. 小売業、飲食店
5. サービス業
6. その他(
)
主要製品
サービス
a. ~5,000 万円
資本金
b. 5,000 万円~1 億円
c. 1 億円~3 億円
d. 3 億円~
※資本金が 5,000 万円ちょうどの時は a を選んでください。同様に 1 億円の時は b を、3 億円の時は c を選んでください。
従業員数
a. ~5 人 b. 6~20 人 c. 21~50 人 d. 51~100 人
(パート除く)
売上高
a. ~1 億円
売上に占める
海外事業の割合
a. 10%未満 b. 10~30%未満 c. 30~50%未満
ご回答者名
所在地
b. 1~9 億円
c. 10~49 億円
所属・役職:
e. 101~300 人
d. 50~99 億円
d. 50~80%未満
f. 301 人~
e. 100 億円~
e. 80%以上
氏名:
〒
電話番号
-
-
メールアドレス
本アンケートにおける「海外展開」は以下の5つの業務を指します。
①直接投資
資金を投入し、海外に現地法人や支店など拠点を設置し、実際に事業を行うもの。
②情報収集拠点
今後の事業展開のための情報収集を行うための駐在員事務所(契約等の商行為を行うこと
はできない機能)を設けるもの。
③業務・技術提携
海外企業との契約・合意等に基づき、海外との事業を行うもの。具体的には生産委託、販売
委託、技術供与・導入など。
④直接貿易
製品の販売や原材料調達など、海外企業との間の輸出入を自社で直接行うもの。
⑤間接貿易
商社や貿易会社等に輸出入にかかる諸手続等を委託する取引形態。
問 1.貴社における海外展開の状況は上記➀~⑤のどれにあてはまりますか。(○はいくつでも)
1.①直接投資
2.②情報収集拠点
3.③業務・技術提携
5.⑤間接貿易
6.海外展開をしていない
7.どれにも当てはまらない
4.④直接貿易
問 2.貴社における現在の海外展開の有無はどのような状況ですか。(○は1つのみ)
1. 展開中(問3→問4へ)
2. 展開を検討中(問3(2)→問5へ)
3.展開は考えていない(問6へ)
4. 展開しているが撤退を検討中(問3→問4→問7→問8へ)
5.展開しているが一部撤退済(問3→問4→問7→問8へ)
6.全て撤退済み(問3(2)→問7→問8へ)
*問9から共通設問になりますので全員お答え下さい
- 132 -
問3.【問2で 1、2、4、5、6と回答した企業】 貴社が海外展開を行っている主要な国・地域上位3カ国・地域について、
対象国・地域別に B~G で示した各項目について下記の回答群の選択肢から当てはまる番号をすべて記入してください。
A 対象国・地域については番号ではなく、国名・地域名をご記入下さい。
(1)既に海外展開を行っている対象国・地域
A 対象国・地
域
例
中国
B 展開内容
C 展開理由
1、4
D 情報入手・
相談先
E 展開の課
F 展開時に利
題・必要とな
る支援
用した公的サ
ービス・支援
G 撤退リスク
の検討の有
無
5
2
2、8、12
3、5
1、3
①
②
③
「F展開時に利用したサービス」の中で実際に役に立ったものを、選択肢Fの中より上位3つをご記入下さい。
(2)今後の展開先として関心のある国・地域
A 対象国・地
域
例
ミャンマー
B 展開内容
C 展開理由
1、4
D 情報入手・
相談先
3、5
E 展開の課
F 展開時に利
題・必要とな
る支援
用したい公的
サービス・支
援
2、8、12
1、3
G 撤退リスク
の検討の有
無
5
2
①
②
③
B 展開内容
1. 直接投資
2. 情報収集拠点
4. 直接貿易
5. 間接貿易
3.業務・技術提携
C 展開理由
1. 国内での競争力が低下してきたため
2. 国内市場の今後の成長に期待が持てないため
3. 海外市場を新たに開拓するため
4. 新規事業に着手するため
5. 取引先の海外展開に追随するため
6. アフターサービスの必要性が高まったため
7. コスト削減のため
8. 為替相場変動の影響に対応するため
9. 海外での調達や配送拠点を確保するため
10. 相手国との橋渡し役になる人の存在
11. その他
D 情報入手・相談先
1. 国
2. 県や市町村
3. JETRO(日本貿易振興機構)
4. 中小機構(中小企業基盤整備機構)
5. 商工会議所・商工会
6. その他の公的支援機関・業界団体など
7. 銀行
9. 商社・貿易会社
8.弁護士・税理士・会計士
10. コンサルティング会社
11. 物流・保険会社
12. 既に海外展開を行っている他の企業
13. その他(
- 133 -
)
E 展開の課題・必要となる支援
1. 従業員の確保・従業員教育
2. 賃金、電力・水道など生産コストの上昇
3. 高度人材の確保
4.販路開拓
5. 現地での調達先の開拓・確保
6. 販売先からの売掛金の回収の遅延・不履行対策
7. 港湾・空港・高速道路、電力・通信等のインフラの整備
8. 相手国の税・会計制度、貿易制度への対応
9. 相手国の法務、労務等への対応
10. 特許、商標権等知的財産権への対応
11. 技術・情報の漏えい対策
12. 相手国の文化や商習慣への対応
13. 相手国の政府機関との折衝
14. 現地パートナー企業の確保
15. その他(
)
F 展開時に利用した・利用したい公的サービス・支援
1. 各国事情の個別相談・情報提供
2. セミナー・勉強会の開催
3. 事業可能性調査(FS)支援・助成
4. 展示会・商談会・ミッション派遣等支援・助成
5. 海外貿易・投資の資金融資
6.海外貿易・投資の保険
7. 外国人材採用・育成相談・支援
8.日本人のグローバル人材採用・育成相談・支援
9.知的財産権に関する相談
10. 海外取引先の開拓相談・支援
11. 貿易業務の相談
12.海外向け製品の開発、販売先開拓支援・助成
13. 法務や会計など専門サービスの相談
14. 現地法人の設立支援・助成
15. web サイト(J-GoodTech 等)による情報提供・マッチング
16. その他
G 撤退リスクの検討の有無
1. 専門家などに相談し入念に対策を講じた
2. 一般的な情報は入手した
3. 特に検討していない
4. その他
問 4.【問2で 1、4、5と回答した企業】
貴社における海外展開は、貴社の経営等に対してどのような影響を及ぼしていますか。(○はそれぞれ1つだけ)
会社全体の売上
1. 増えた
2. 変わらない
3. 減った
国内での売上
1. 増えた
2. 変わらない
3. 減った
国内での取扱品目
1. 高付加価値品が増えた
2. 汎用品が増えた
3. 変わらない
国内での雇用
1. 増えた
2. 変わらない
3. 減った
国内での設備投資
1. 増えた
2. 変わらない
3. 減った
(具体的な影響をご記載ください)
その他
問 5.【問2で2と回答した企業】 貴社の海外展開の検討段階はどのステージですか。(○は1つだけ)
1. 関心はあるが具体的な検討には至っていない
2. 相手国に関する情報収集段階
3. 現地での情報収集段階
4.情報収集が終わり開設準備段階
- 134 -
問 6.【問2で3と回答した企業】貴社が海外展開の検討に至らない理由は何ですか。(○はいくつでも)
1. 国内需要を獲得するだけで十分なため
2. 国内の経営で手一杯で海外展開に手が回らない
3. 自社製品・サービスが海外向きでない
4. 海外展開をするためのノウハウがない
5. 海外展開をするための人材がいない
6. 海外展開をするための資金がない
7. 相手国に適切なパートナーがいない
8. 海外展開はリスクが大きい
9. 英語文書の読解や作成が難しい
10. 英語以外の現地語文書の読解や作成が難しい
11. 技術やノウハウが流出する懸念がある
12. その他(
)
問 7.【問2で4、5、6と回答した企業】 貴社の海外撤退・事業縮小(完全撤退できずに休眠させているケースも含む)の
状況についてお伺いします。撤退・縮小を行った国・地域別(上位3カ国)に、B~E の内容を下記の回答群の選択肢から
当てはまる番号をすべて記入してください。A 対象国・地域については番号ではなく、国名・地域名をご記入下さい。
(1)既に撤退・事業縮小した対象国・地域(休眠させている場合も含む)
A 対象国・地域
B 展開内容
中国
1
例
C 撤退・事業縮小理
由
3、15
D 撤退時に利用した・
利用したい相談先
E 撤退における課題・
不足している支援
9
1、3、4、5
C 撤退・事業縮小理
由
3、15
D 撤退時に利用した・
利用したい相談先
E 撤退における課題・
不足している支援
9
1、3、4、5
①
②
③
(2)今後撤退・事業縮小の可能性のある国・地域
A 対象国・地域
B 展開内容
中国
1
例
①
②
③
B 展開内容
1. 直接投資
2. 情報収集拠点
4. 直接貿易
5. 間接貿易
3.業務・技術提携
C 撤退・事業縮小理由
1. 事前の調査不足
2.商習慣・文化の違い
3.現地パートナーとの不調和
4.為替リスクの増大
5.優遇措置の廃止や規制・課税の強化
6.管理人材の確保が困難なため
7.労働力の確保が困難なため
8.労務管理の失敗
9.品質・納期管理の失敗
10.原材料や部品調達が困難なため
11.現地における賃金調達の困難
12.販売条件の悪化
13.販売先の確保が困難なため
14.製品需要の不振・縮小
15.現地での市場競争の激化
16.主力販売先の移転・撤退
17.賃金の上昇
18.賃金以外の生産コスト上昇
19.日本本社の海外戦略の変更
20.日本本社の経営が悪化したため
21.他の海外拠点への移動および合併
22.その他
- 135 -
D 撤退時に利用した・利用したい相談先
1.海外の税理士・会計士
2.国内の税理士・会計士
3.海外の弁護士
4.国内の弁護士
5.取引金融機関
6.海外に拠点を持つ企業
7.海外撤退を支援する企業やコンサルタント
8.JETRO(日本貿易振興機構)
9.誰にも相談していない
10. その他(
)
E 撤退における課題・不足している支援
1. 投資資金の回収
2. 現地従業員との雇用関係の整理
3. 合弁先、既往取引先との調整
4. 現地の法制度への対応
5. 現地政府等との調整
6. 相談相手、撤退手続きに関する専門家の確保
7. 代替拠点の確保が困難
8. 親会社の信用力の低下
9.相談先がわからない、情報が少ない
10. 会社清算・譲渡など撤退手続きに時間がかかる
11.補助金等の外部資金獲得
12.撤退に関する FS 調査支援が少ない
13.その他
14. 特になし
問 8.【問2で4、5、6と回答した企業】
貴社の撤退経験はその後の事業にどのように活用されていますか。(○はいくつでも)
1. 日本本社による海外管理の強化
2. 生産・品質管理体制の整備・見直し
3. 営業・販売体制の見直し・強化
4. 撤退時に必要な手続きなどの確認
5. 撤退基準の設定
6. 海外拠点への出資割合の見直し
7. ノウハウ・技術流出防止体制の整備・強化
8. 製品構成の見直し
9.その他
10. 特に活かしていない
問 9.貴社において、留学生(元留学生を含む)の活用(採用)実績はありますか。(○は1つだけ)
1.ある
2.検討中
3.断念した
4.ない(検討していない)
問 10.【(問 9 で 1 と回答)留学生の活用(採用)実績がある企業にお尋ねします】
活用(採用)した留学生(元留学生)の延べ人数は何人ですか。(○は1つだけ)
1.1~5 人
2.6~10 人
3.11~15 人
4.16 人以上
問 11.【(問 9 で 1 と回答)留学生の活用(採用)実績がある企業にお尋ねします】
活用(採用)したのは、どこの国・地域の留学生(元留学生)ですか。(○はいくつでも)
1.韓国
2.中国
3.台湾
4.香港
5.フィリピン
6.タイ
7.ベトナム
8.シンガポール
9.マレーシア
10.インドネシア
11.カンボジア
12.インド
13.ネパール
14.オセアニア
15.アメリカ
16.EU
17.その他 (
)
問 12.【(問 9 で 1 と回答)留学生の活用(採用)実績がある企業にお尋ねします】
活用(採用)した留学生(元留学生)の職種は何ですか(○はいくつでも)。
1. 営業・販売・サービス
2. 企画・管理
3. 事務
5.製造
6.知財管理
7.その他(
- 136 -
4.技術・開発
)
問 13.貴社において海外で取得した知財関連の出願等実績はありますか。(○はいくつでも)
SQ1.【1.ある、と回答した企業】 「取得済み」や「出願中」の知財の内容は何ですか。(○はいくつでも)
SQ2.【2.ない(現在検討中)、と回答した企業】 現在「検討中」の知財の内容は何ですか(○はいくつでも)
※「知財」とは・・・・・知的財産のことであり、「特許」 「実用新案」 「意匠」 「商標」 などを指します
1. ある
(
「取得済み」や「出願中」の内容をお知らせください)
SQ1
1.特許
2.実用新案
3.意匠
2. ない(現在検討中) (現在「検討中」の内容をお知らせください)
SQ2
1.特許
2.実用新案
3.意匠
→ 問 14 へ
4.商標
→ 問 14 へ
4.商標
3. 断念した
→ 問 16 へ
4.ない(過去の検討が無く、今後も予定なし)
→ 問 17 へ
問 14.【(問 13 で1または2と回答)出願実績がある企業、検討中の企業にお尋ねします】
出願先若しくは検討先(国・地域)はどこですか。(○はいくつでも)
1.韓国
2.中国
3.台湾
4.香港
5.フィリピン
6.タイ
7.ベトナム
8.シンガポール
9.マレーシア
10.インドネシア
11.カンボジア
12.インド
13.ネパール
14.オセアニア
15.アメリカ
16.EU
17.その他 (
)
問 15.【(問 13 で1と回答)出願実績がある企業にお尋ねします】
出願に際して最もご苦労されたことは何ですか。(○は1つだけ)
1.申請手続きが煩雑
2.国毎に手続きが異なる
3.手続きに時間がかかる
4.申請費用の調達
5.ライセンス維持費の調達
6.信頼できる弁理士探し
7.自社製品の先行出願登録の有無の確認
8.翻訳が正確ではない
9.コミュニケーションがとりづらい
10.その他(
問 16.【(問 13 で3と回答)断念した企業にお尋ねします】
)
断念した理由と断念した国名・地域名をお答え下さい
理由:
断念した国名・地域名
問 17.貴社が海外において知財関係の被害を受けたご経験はありますか。(○は1つだけ)
1. ある
2. ない → 問 20 へ
問 18.【(問 17 で 1 と回答)被害を受けた企業にお尋ねします】
被害を受けた「具体的な内容」は何ですか。(○はいくつでも) また、それはどこの国・地域でしたか。(全て)
1.模倣品
2.冒認商標(他者が先に商標出願)
4.営業秘密の流出(契約内容)
3.情報流出(サンプル、営業資料等)
5.訴訟を起こされた・巻き込まれた
6.その他(
)
被害を受けた国名・地域名
- 137 -
問 19.【(問 17 で 1 と回答)被害を受けた企業にお尋ねします】被害を受けた「その時の対応」をお知らせください。
問 20.貴社における海外知財活動において、国内の支援機関・弁理士等を活用されましたか。(○は1つだけ)
1.活用した(例:INPIT、JETRO、中小企業基盤整備機構、各県知財総合窓口等) →問 21~23 へ
(どこ
2.活用していない
)
→ 問 24 へ
問 21.【(問 20 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
その支援機関・弁理士等を知ったきっかけは何ですか。(○はいくつでも)
1.もともと知っていた
2.セミナー等に出席して知った
3.行政機関からの紹介
4.民間・その他知人等からの紹介
5.自分で調べた(インターネット等)
6.その他(
問 22.【(問 20 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
1.費用助成(知財関連)
)
活用した内容は何ですか。(○はいくつでも)
2.マーケティング情報の収集
4.専門家紹介(知財関連) 5.相談(知財関連)
3.制度情報の収集(知財関連)
6.セミナー・講演会・教育等(知財関連)
7.販路開拓支援
8.マーケティング活動支援
10.知財活用支援
11.その他(
9. 知財出願支援
)
問 23.【(問 20 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
活用した際の支援について「メリットや満足点の内容」、また、「デメリットや不満点の内容」は何ですか。
<メリット・満足点>(○はいくつでも)
1.サポート等の費用が安い
2.対応が親切
3.書類作成の代行
4.短時間で問題解決
5.1つの機関で問題解決
6.的確な回答が得られる
7.専門知識を持った担当者がいる 8.一貫して同じ担当者が対応
9.その他(
)
<デメリット・不満点>(○はいくつでも)
10.サポート等の費用が高い
11.対応が不親切
13.問題解決に時間がかかる
14.1つの機関で問題が解決しない 15.求めている回答が出ない
16.専門知識を持った担当者がいない
12.書類作成の代行が出来ない
17.担当者が途中で変わる
18.その他(
)
問 24.【(問 20 で2と回答)活用していない企業にお尋ねします】
活用していない理由は何ですか。(○はいくつでも)
1.サポート等の費用が高い
2.自社に専門家がいる・自社で処理できる
3.身近に相談する場所が無い
4.問題解決に時間がかかる
5.1つの機関で問題が解決しない
6.支援機関に専門知識を持った担当者がいない
7.どこに頼んでいいか分からない
8.その他(
)
問 25.貴社における海外知財活動において、海外の支援機関を活用されましたか。(○は1つだけ)
1.活用した (例:KEITI(韓国)、ITRI(台湾)、BTEC(中国)等) →問 26~28 へ
(活用機関名(国・地域名):
)
2. 活用していない →問 29 へ
- 138 -
問 26.【(問 25 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
その海外の支援機関を知ったきっかけは何ですか。(○はいくつでも)
1.もともと知っていた
2.セミナー等に出席して知った
3.行政機関からの紹介
4.民間・その他知人等からの紹介
5.自分で調べた(インターネット等)
6.その他(
問 27.【(問 25 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
1.費用助成(知財関連)
)
活用した内容は何ですか。(○はいくつでも)
2.マーケティング情報の収集
4.専門家紹介(知財関連) 5.相談(知財関連)
3.制度情報の収集(知財関連)
6.セミナー・講演会・教育等(知財関連)
7.販路開拓支援
8.マーケティング活動支援
10.知財活用支援
11.その他(
9. 知財出願支援
)
問 28.【(問 25 で 1 と回答)活用した企業にお尋ねします】
活用した際の支援について「メリットや満足点の内容」、また、「デメリットや不満点の内容」は何ですか。
<メリット・満足点>(○はいくつでも)
1.サポート等の費用が安い
2.対応が親切
3.書類作成の代行
4.短時間で問題解決
5.1つの機関で問題解決
6.的確な回答が得られる
7.専門知識を持った担当者がいる 8.一貫して同じ担当者が対応
9.その他(
)
<デメリット・不満点>(○はいくつでも)
10.サポート等の費用が高い
11.対応が不親切
13.問題解決に時間がかかる
14.1つの機関で問題が解決しない 15.求めている回答が出ない
16.専門知識を持った担当者がいない
12.書類作成の代行が出来ない
17.担当者が途中で変わる
18.その他(
)
問 29.【(問 25 で2と回答)活用していない企業にお尋ねします】活用していない理由は何ですか。(○はいくつでも)
1.サポート等の費用が高い
2.自社に専門家がいる・自社で処理できる
3.身近に相談する場所が無い
4.問題解決に時間がかかる
5.1つの機関で問題が解決しない
6.支援機関に専門知識を持った担当者がいない
7.どこに頼んでいいか分からない
8.その他(
)
問 30.貴社における海外知財活動において、国内の支援機関等に期待することは何ですか。(○はいくつでも)
1.知財に関する助成
2.知財に関するアドバイス
3.知財に関する各種セミナー
4.サポート等の費用を安く
5.臨機応変な対応
6.丁寧な書類作成の代行
7.短時間での問題解決
8.1つの機関での問題解決
9.的確な回答
10.専門知識を持った担当者
11.一貫して同じ担当者が対応
12.相談窓口の増加
13.その他(
)
問 31.最後に、海外展開、海外撤退、海外での知財活動について、必要な支援やご意見、ご提案があれば記入してくだ
さい。また、上記設問で書き込みスペースが足りない場合は、こちらに記入してください。
ご協力ありがとうございました。10月2日(金)までにご返送ください。(切手は不要です)
- 139 -
<3.企業ヒアリング票>
【海外展開における知財の活用実態調査ヒアリングシート】
訪問日:平成
年 月 日
所在地
企業名
代表者
資本金
(百万円)
従業者数
名
売上
(百万円)
うち海外売
上比率
%
主要業務
展開形態
①直接投資 ②情報収集拠点
③業務・技術提携
海外拠点の
有無(地域)
/海外販売
実績(地域)
今後の
関心地域
知財担当者
の有無(人
数)
対応者
(先方)
(当方)
名
④直接貿易
1.事業概要(社内体制等)
2.海外事業の取組概要(きっかけ、実績、課題、今後の方針等)
3.知財関連事業の取組概要(きっかけ、実績、課題、今後の方針等)
4.最近の動向(近況、課題)
5.その他トピックス(新しい取組、留学生等の活用実績・予定、関心事項他)
6.施策活用実績とその効果、要望(海外展開、知財関連に限定せず)
- 140 -
⑤間接貿易
<4.支援機関ヒアリング票>
【海外展開における知財の活用実態調査ヒアリングシート】
訪問日:平成
支援機関名
所在地
窓口数
主な支援内容
海外展開におけ
る支援内容
年間支援件数
対応者
(先方)
1. 海外展開支援事例(成功事例)
年間支援件数
(海外)
(ASEAN 地域)
対応者
(当方)
2.海外展開(知財等における)成功のポイント
3. 海外展開(知財等における)問題点・課題
4.その他(独自の施策展開・取組み・次年度以降の新しい取組み・PR)
- 141 -
年
月
日
<5.セミナーアンケート票>
『海外展開における成功の秘訣』
~知的財産・高度海外人材による課題解決のためのアプローチ~
に関するアンケート
本日は、セミナーにご参加いただき誠にありがとうございました。
今後の参考にさせていただくため、アンケートへのご協力をよろしくお願いいたします。
質問1.今回のセミナーはどこでお知りになりましたか。また、カッコ内にお知りになった団体名等もご記入下さい。
(複数選択可)
1.チラシ (
4.新聞 (
)
)
2.HP (
5.その他(
)
)
3.メルマガ (
)
質問 2.なぜこのセミナーに参加されましたか。(複数選択可)
1.
2.
3.
4.
5.
海外展開に興味があるから
知的財産の活用に興味があるから
グローバル人材の活用に興味があるから
講師が魅力的だから
その他 (
)
質問3.今回のセミナーで有益と思われたセミナーのテーマについてお選びください。(複数選択可)
1.
2.
3.
4.
基調講演 ~TOTO グループの知財×人財戦略~(TOTO 株式会社 成清氏)
調査結果報告及び問題提起(株式会社プリミティブ・ドライブ 木原氏)
施策のご紹介(福岡県知財総合支援窓口 佐々木氏)
パネルディスカッション
質問4.留学生(グローバル人材等)の受入れにご興味がありますか。
1.ある
2.ない
質問5.今回の主催者であります「九州グローバル産業人材協議会」の発信する留学生イベント等の情報について
1.発信して欲しい
2.既に受け取っている
3.必要ない
質問6.その他、お気づきの点がございましたらご自由にご記入ください。
よろしければ、所属・お名前等についてご記入ください。(質問5において、1.を選択された方は必ずご記入ください)
貴社名/所属・役職:
お名前:
E-mail:
◇本アンケートにご記入頂きましたお客様の情報は適切に管理し、本事業以外の目的で利用いたしません。
◇お客様の個人情報保護管理者:(株)プリミティブ・ドライブ TEL092-735-1077
ご協力ありがとうございました。
ご記入いただいたアンケートは、机の上に置いてお帰りください。よろしくお願いいたします。
- 142 -
九州の中小企業の海外展開における
知的財産の活用実態調査
報告書
2016 年 3 月 発行
編集・発行:九州経済産業局 国際部 国際企画調査課
〒812-8546 福岡市博多区博多駅東 2-11-1
TEL 092-482-5428
H P http://www.kyushu.meti.go.jp
株式会社 プリミティブ・ドライブ
〒810-0041 福岡市中央区大名 2-8-18
TEL 092-735-1077