平成 28 年 4 月 11 日 第 2439 号 未成熟ソラマメ、サヤインゲンの病害虫防除 未成熟ソラマメでは、冬季の寒さや霜、強風などで株の一部に傷みをうけていますが、生育が回復する 4 月頃からは、 各種病害虫の発生にも注意が必要です。また、サヤインゲンのトンネルやマルチ栽培でも、これから茎葉の生育、伸長と 共に病害虫が発生しますので、注意しましょう。今年は作物の生育が進んでいるので、例年より早めの対策が必要です。 1 未成熟ソラマメで発生する主な病害虫として、えそモザイク病、モザイク病、赤色斑点病、褐斑病、輪紋病、さび病、 立枯病、茎腐病、菌核病、アブラムシ類などがあります。えそモザイク病は土壌伝染し、ウイルス病の中で最も被害が 大きく、進展すると萎縮、枯死します。モザイク病は主にアブラムシ類が媒介しますので、媒介虫の防除が必要です。立 枯れる病害には、立枯病(フザリウム菌)、茎腐病(リゾクトニア菌)、菌核病などがあります。また、茎葉に病斑を 生じる病害には、赤色斑点病、褐斑病、輪紋病などがあり病徴が類似しています。赤色斑点病の初期はチョコレート色 の小斑点ですが、進展すると大型病斑になります。褐斑病は 3~5mmの中型の褐色病斑、輪紋病は比較的大型の褐色病斑 を形成します。これらは進展すると莢にも発病して、品質低下や減収を招きますので、防除が必要です。 アブラムシ類の主なものはマメアブラムシで、開花・結実の時期となる 4月頃から急速に増加してきます。吸汁加害 により株や莢の生育不良を招くほか、モザイク病のウイルスを媒介するので早期な防除が必要になります。 表1 未成熟ソラマメ 赤色斑点病、輪紋病、さび病の主な防除薬剤(平成 28 年 4 月 5 日現在) 赤色斑点病 輪紋病 さび病 菌核病 希釈倍数 使用時期 / 使用回数 薬 剤 名 収穫前日まで/ 3 回以内 ロブラール水和剤 ○ 1,000 倍 収穫 30 日前まで/ 3 回以内 ジマンダイセン水和剤 ○ ○ 400~600 倍 収穫 3 日前まで/ 3 回以内 アミスター20フロアブル ○ 2,000 倍 収穫前日まで/ 3 回以内 アフェットフロアブル ○ 2,000 倍 表2 未成熟ソラマメ アブラムシ類、ハモグリバエ類の主な防除薬剤(平成 28 年 4 月 5 日現在) ハモグリバエ類 アブラムシ類 ハダニ類 薬 剤 名 希釈倍数 使用時期 / 使用回数 収穫 7 日前まで/ 3 回以内 アドマイヤーフロアブル ○ 4,000 倍 収穫 3 日前まで/ 3 回以内 スミチオン乳剤 ○ 1,000~2,000 倍 収穫 7 日前まで/ 3 回以内 アディオン乳剤 ○ ○ 3,000 倍 収穫前日まで/ 2 回以内 コロマイト乳剤 ○ 1,500 倍 2 サヤインゲンで発生する主な病害虫として、モザイク病、角斑病、炭疽病、さび病、灰色かび病、菌核病、根腐病、 アブラムシ類、ハモグリバエ類、アズキノメイガ、ハダニ類などがあります。モザイク病は主にアブラムシ類が媒介し ますので、アブラムシ類の防除が必要になります。立枯れる病害には、根腐病(フザリウム菌)、白絹病などがあります。 茎葉や莢に病斑を生じる病害には、角斑病、炭疽病、さび病、灰色かび病、菌核病などがあり、いずれも長雨や多湿条 件が続くと多発生します。角斑病や炭疽病には登録農薬が無く、雨除け栽培などによる耕種的な防除が必要です。 アブラムシ類は、4~5 月頃から発生します。ハモグリバエ類は、幼虫が葉肉内を食入して白いすじ状の被害となりま す。アズキノメイガは、多発生すると茎の食入部より折れて大きな被害となります。 表3 サヤインゲン 灰色かび病、菌核病の主な防除薬剤(平成 28 年 4 月 5 日現在) 灰色かび病 菌核病 希釈倍数 使用時期 / 使用回数 薬 剤 名 収穫前日まで/ 3 回以内 カンタスドライフロアブル ○ ○ 1,000~1,500 倍 収穫前日まで/ 3 回以内 アフェットフロアブル ○ ○ 2,000 倍 収穫前日まで/ 3 回以内 セイビアーフロアブル20 ○ ○ 1,000~1,500 倍 表4 サヤインゲン アブラムシ類、ハモグリバエ類、アズキノメイガ、ハダニ類の主な防除薬剤(平成 28 年 4 月 5 日現在) マメハモグリバエ アズキノメイガ アブラムシ類 ハダニ類 薬 剤 名 希釈倍数 使用時期 /使用回数 収穫前日まで/ 2 回以内 スタークル顆粒水溶剤 ○ 2,000 倍 収穫前日まで/ 3 回以内 モスピラン顆粒水溶剤 ○ 2,000~4,000 倍 収穫前日まで/ 3 回以内 パダンSG水溶剤 ○ 1,500 倍 収穫前日まで/ 2 回以内 カスケード乳剤 ○ 2,000 倍 収穫前日まで/ 2 回以内 フェニックス顆粒水和剤 ○ 4,000 倍 収穫前日まで/ 2 回以内 コテツフロアブル ○ ○ 2,000 倍 収穫前日まで/ 2 回以内 コロマイト乳剤 ○ 1,500 倍 農薬使用の際は、必ずラベル及び登録変更に関するチラシ等の記載内容を確認し、飛散に注意して使用して下さい。 生産資材部 営農企画課 電話:029-291-1012 FAX:029-291-1040
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