平成26年度 第5号 イチゴ ハダニ類

平成26年度 技術情報第5号
イチゴ ハダニ類
平成27年1月27日
静岡県病害虫防除所長
東部・中部地域のイチゴで、ハダニ類が多発しています。
防除の徹底をお願いします。
1 発生状況
(1)1月に実施した巡回調査では、東部地域の発生ほ場率80%(平年51%)、寄生
株率16.6%(平年10.6%)、中部地域の発生ほ場率80%(平年54%)、寄
生株率33.6%(平年14.4%)と高かった。
(表 1、図1,2)
(2)1 ヶ月予報によると気温は平年並から高く、ハダニ類の増殖に好適な条件が続くと
考えられる。
(3)ハダニ類は例年、収穫終了まで増加する傾向が見られ、今後も多発生が続くと予想
される。
2 防除方法
(1) ナミハダニの寄生が多く確認されている。多発生してからでは薬剤の効果が劣るた
め、葉裏をよく観察し、早期発見と少発生のうちに防除するように努める。
(2) 化学農薬に対する感受性が低下した個体の発生を防ぐため、同一系統の薬剤は連用
を避け、薬剤のローテーション散布に努める。化学農薬の効果が低い場合には、気
門封鎖型薬剤も活用して防除する。
(表 2)
(3) 防除効果を高めるため、下葉かきを行い、葉裏にかかるように丁寧に薬剤を散布す
る。ハダニ類が寄生した葉は、ほ場内に放置せず、ほ場外に持ち出して処分する。
(4) 天敵を導入している場合は、ハダニ類の増殖と天敵の有無を確認して薬剤防除への
切り替えの判断を行う。
(5) ミツバチ等を導入している場合は、薬剤の選定に注意する。
図 1 葉裏に寄生したナミハダニ
図2 株に張られた糸
表 1 イチゴハダニ類の発生状況
地域
寄生株率
東部
発生面積率
寄生株率
中部
発生面積率
寄生株率
西部
発生面積率
(
(単位:%)
10 月
11 月
12 月
1月
9.6
1.0
14.6
16.6
(5.8)
(9.6)
(10.6)
(10.6)
20
10
30
80
(37)
(40)
(49)
(51)
39.4
37.0
40.4
33.6
(11.7)
(14.3)
(14.0)
(14.4)
100
80
90
80
(58)
(61)
(64)
(54)
32.4
32.6
19.4
2.4
(13.6)
(20.3)
(20.9)
(22.2)
60
60
90
50
(66)
(69)
(81)
(73)
)内は平年値
表2 ハダニ類の防除薬剤
商品名
使用方法
希釈倍数
使用時期
本剤の使用回数
備考
エコピタ液剤
アカリタッチ乳剤
粘着くん液剤
カネマイトフロアブル
コテツフロアブル
コロマイト水和剤
サンマイトフロアブル
スターマイトフロアブル
ダニサラバフロアブル
ダニトロンフロアブル
ニッソラン水和剤
バロックフロアブル
マイトクリーン
マイトコーネフロアブル
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
散布
100 倍
1000~3000 倍
100 倍
1000~1500 倍
2000 倍
2000 倍
1000~1500 倍
2000 倍
1000 倍
1000~2000 倍
2000~3000 倍
2000 倍
2000 倍
1000 倍
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
収穫前日まで
1回
2 回以内
2 回以内
1回
2 回以内
2 回以内
1回
2 回以内
1回
1回
2 回以内
気門封鎖型薬剤
気門封鎖型薬剤
気門封鎖型薬剤
*平成 27 年 1 月 27 日現在の防除基準の掲載剤
*農薬の使用に当たっては、散布前に必ずラベルで使用方法等を確認する。
問い合わせ先:静岡県病害虫防除所(TEL:0538-36-1543)
病害虫防除所 HP(URL):http://www.agri-exp.pref.shizuoka.jp/boujo/boujo.html
病害虫防除基準 HP(URL):http://www.s-boujo.jp/