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第5章 治験実施中に実施すること
(2)-6-b 重篤な有害事象発生時の対応
<1>個々の症例に重篤な有害事象が発生した場合
確認してください。
治験実施計画書の手順に従い、重篤な有害事象に対応する。
全ての重篤な有害事象を直ちに治験依頼者及び実施医療機関の長に報告する。
全ての重篤な有害事象に関する詳細な有害事象報告書を治験依頼者及び実施医療機関の長に提出する。
治験依頼者、実施医療機関の長、治験審査委員会からさらなる情報を求められた場合は、対応する。
被験者に他の主治医(他科・他院)がある場合は、被験者の了承を得た上で、重篤な有害事象の内容を連絡する。
<緊急の危険回避のための治験実施計画書からの逸脱>
被験者の安全性確保の観点から、緊急の危険回避を目的に治験実施計画書から逸脱した場合は、逸脱に関する
報告書を作成する。
作成した報告書を治験依頼者及び実施医療機関の長に提出する。
緊急の危険回避を目的とした逸脱の場合は、治験依頼者と逸脱内容について合意する。
<同意・説明文書、治験実施計画書等の改訂>
重篤な有害事象の発現により、説明文書を改訂する必要がある場合は、治験依頼者と相談し改訂の手続きをす
る。
重篤な有害事象の発現により、治験実施計画書を改訂する必要がある場合は、治験依頼者と改訂の手続きをす
る。
<治験の中止・中断・再同意>
重篤な有害事象の発現に伴い当該被験者の治験を中止、中断する場合は、治験依頼者と相談し治験を中止、中
断する手続きをする。
重篤な有害事象が発現し、当該被験者の治験を一旦中断した後に、再開する場合は治験依頼者と相談し、治験実
施計画書に従い再同意等の手続きをする。
<盲検化試験の場合>
被験者の安全性確保の観点から治験薬の割付けコードを開封する場合は治験実施計画書に定める手順に従って
開封する。
割付コードを開封する場合は、治験実施計画書の定めに従い、その理由を記載した文書を速やかに治験依頼者
に提出する。
治験中の副作用等報告(省令GCP第48条第2項)参照
治験責任医師は、治験薬との因果関係の有無に係わらず、発生した全ての重篤な有害事象を実施医療機関
の長及び治験依頼者に直ちに報告しなければなりません。この場合、治験依頼者、実施医療機関の長又は治
験審査委員会等からさらに必要な情報の提供を求められた場合は、治験責任医師はこれに応じなければなり
ません。
<2>他の被験者に重篤な有害事象が発現した場合、及び他の医療機関で重篤で予測できない副作用が発生した場合
確認してください。
治験分担医師等から報告された他の被験者で発現した重篤な有害事象の内容を確認する。
発現した重篤な有害事象の内容を検討し、実施医療機関の被験者に対して治験を継続して参加させるかどうかを
判断する。
他の医療機関で発現した重篤な副作用の内容(治験薬概要書から予測できないものは直ちに、それ以外は半年ご
とに報告される)を治験分担医師、治験協力者に報告し、実施医療機関の対応を連絡する。
治験依頼者より、重篤な有害事象発現に伴う治験実施計画書の改訂が依頼された場合は、事前に取り決めた改
訂の手続をする。
重篤な有害事象の発現により、治験実施計画書を改訂する必要がある場合は、治験依頼者と改訂の手続きをす
る。
重篤な有害事象の発現により、同意・説明文書を改訂する必要がある場合は、改訂する。
副作用情報等(省令GCP第20条第2項)参照
治験依頼者は、重篤な副作用情報を知り得た場合は、当該治験に関与する全ての治験責任医師及び実施医療
機関の長に半年ごとに報告しなければなりません。またそのうち、治験薬概要書から予測できないものを知った
ときは、直ちに報告しなければなりません。
<3>被験者の治験参加の意思に影響を与えると判断した場合
確認してください。
被験者に対して、速やかに重篤な有害事象発現の情報を提供するとともに、治験に継続して参加するかどうかを
確認する。
当該情報を被験者(代諾者)に連絡したことを診療録に記録する。
被験者(代諾者)が治験継続を断った場合は、治験依頼者に連絡し治験を中止、中断する手続きをする。
被験者が治験の継続を希望した場合は、治験依頼者に連絡し再同意等の手続きをする。
被験者の意思に影響を与える情報が得られた場合(省令GCP第54条)参照
治験責任医師等は、治験参加への継続について被験者又は代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報
を得た場合には、直ちに当該情報を被験者又は代諾者に伝え、その旨を文書に残し、治験参加の継続の意思
を確認しなければなりません。また、この場合、治験責任医師は、説明文書を改訂する必要があると認めた場合
は、速やかに説明文書を改訂し、改訂した説明文書で治験中の全ての被験者又は代諾者から治験参加の継続
について改めて同意を得る必要があります。