意見募集の結果(別紙)

別紙
実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準の一部改正(案)に対する御意見とその考え方
No.
1
御意見等(原文)
考え方
提案:
御指摘のとおり、計測制御系統施設は設計基準事故環境下で機
環境認定試験による健全性評価の結果、設計基準事故環境下で機能 能が要求される電気・計装設備に含まれます。
が要求される電気・計装設備
(計測制御系統施設を含む)
ただし、運転期間延長の認可の基準は、
「実用発電用原子炉の設置、
←<<本行を追加願います>>
運転等に関する規則」(以下「実用炉規則」という。)第114条
及び重大事故等環境下で機能が要求される電気・計装設備に有意な で、「(略)延長しようとする期間の運転に伴う劣化を考慮した上
絶縁低下が生じないこと。
で実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則
(以下「技術基準規則」という。)に定める基準に適合するもの
理由:
とする。
」となっています。
実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に
また、技術基準規則に基づき電気・計装設備を使用している施
関する規則第二十三条(計測制御系統施設)に以下の条項が存在す 設を抽出すると、計測装置(第34条)
、安全保護装置(第35条)、
るので。
保安電源設備(第45条)等多岐にわたります。
このため「実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準」
第二十三条
発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、計 (以下「延長審査基準」という。)では、これらを総称して電気・
測制御系統施設を設けなければならない。
計装設備としており、技術基準規則の各条項別の具体的な施設名
一
・・・
等は記載しないこととしています。
二
・・・
三
設計基準事故が発生した場合の状況を把握し、及び対策を講じ
以上のことから、原案のとおりとします。
るために必要なパラメータは、設計基準事故時に想定される環境下
において、十分な測定範囲及び期間にわたり監視できるものとする
こと。
以上。
1
No.
御意見等(原文)
考え方
2
・2月17日に開催された第56回原子力規制委員会において、現
御意見にある「現在の環境認定試験は重大事故等対処設備に対
行延長審査基準に重大事故等環境下で機能が要求される電気・計装 するものも対象としているのでしょうか」については、個別審査
設備についての記載がない理由として、原子力規制庁から「環境認 の中で、事業者が実施する環境認定試験結果を用いた評価内容が、
定試験は設計基準設備に対するものだけが、現行延長審査基準制定 重大事故等対処設備を対象とするものとなっているかも含めて審
当時は確立していて、当時、確立されていたもののみを規定した」 査の中で確認をしています。
旨の説明がありましたが、現在の環境認定試験は重大事故等対処設
備に対するものも対象としているのでしょうか?
「環境認定試験による健全性評価の結果、評価対象の電気・計
装設備に有意な絶縁低下が生じないこと」と記載を簡略化する修
・設計基準事故に限定していた従来の規定の限定を解除するのが今 文案については、延長審査基準は実用炉規則で定める基準をより
回の改正の目的であるのならば、限定的な記載を削除すれば事足り 具体的にしたものとの位置づけであることから、原案のとおりと
るのですから、現行の点検検査に係る規定「点検検査結果による健 します。
全性評価の結果、評価対象の電気・計装設備に有意な絶縁低下が生
「電気・計装設備の有意な絶縁低下により機器の健全性に影響
じないこと」と同様に、たとえば「環境認定試験による健全性評価 を与えないこと」への修文案については、仮に機器の健全性が維
の結果、評価対象の電気・計装設備に有意な絶縁低下が生じないこ 持されていたとしても、有意に絶縁低下が生じている状態は、当
と」などのより簡明な改正でいいのではないのかと思います。ただ 該機器の信頼性が低下しているおそれがあることから、原案のと
し、有意な絶縁低下の可能性がある場合であっても機器の取替等の おりとします。なお、延長審査基準の2.本文の後段に「又は同
適切な措置をとることにより機器の健全性に影響を与えなければ安 評価の結果、要求事項に適合しない場合には同項第3号に掲げる
全上の問題は生じないと思われますので、現行基準の「電気・計装 延長しようとする期間における原子炉その他の設備についての保
設備に有意な絶縁低下が生じないこと」については、
「電気・計装設 守管理に関する方針の実施を考慮した上で、延長しようとする期
備の有意な絶縁低下により機器の健全性に影響を与えないこと」な 間において、要求事項に適合すること。」と規定しており、電気・
どと規定するのが適当かと思います。
計装設備に有意な絶縁低下が生じた場合には、機器の取り換えを
含め、保守管理に関する方針を実施して有意な絶縁低下が生じて
いない状態とするのであれば、要求事項に適合していることにな
ります。
2
No.
御意見等(原文)
考え方
3
「実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準」にはバックフ
御意見にあるバックフィットとは、運転期間延長の認可の時点
ィットを明記するべきである。
において、当該施設が最新の規制基準に適合していることを確認
当該規則には「延長しようとする期間において、原子炉その他の設 することと理解しますが、御指摘の点については、新規制基準へ
備が延長しようとする期間の運転に伴う劣化を考慮した上で技術基 の適合を求めるものとして、延長審査基準の1.で「運転期間延
準規則に定める基準に適合するものとする。」とあり主として「経年 長認可の時点において、当該時点において適用されている法第4
劣化」しか考慮されていない。
3条の3の14の技術上の基準に適合させるために必要となる法
特に「耐震安全性評価」や「耐津波安全性評価」についてはすべて 第43条の3の9及び第43条の3の10に掲げる工事の計画が
「経年劣化事象を考慮した~」となっており、
「バックフィット」が すべて同条の規定に基づく認可等の手続きにより確定しているこ
明示的に記述されていない。
と。」と規定しており、当該施設を最新の技術基準規則に適合さ
ところが「耐震安全性評価」を例にとると「発電用原子炉施設に関 せる工事計画の確定を明示的に要求しています。
する耐震設計審査指針」が定められたのは 1981 年 7 月 20 日であり、
2016 年現在稼働 40 年を迎える原子炉においては、建設設計の時点で
は耐震設計がされていなかったとしても稼働できたことになる。
このことは非常に重要なリスクを内在していることを示しており、
実際に福島第一原子力発電所の1号機では 1971 年にターンキー方式
で稼働し始めて以来、事故直前に40年運転の期間延長の審査を受
けたのにもかかわらず、耐震基準については書類審査すら受けるこ
となく合格していた。
結果的に見ると 1 号機のICと呼ばれる非常用腹水器は2、3号機
のRCICと呼ばれる原子炉隔離時冷却系のようには機能すること
なく、1号機が真っ先にメルトダウンし水素爆発する結果となった。
これは必ずしもICが地震の振動によって破損されたわけではない
かも知れないが2,3号機と同じRCICが付いていたら、あるい
は稼働期間の延長が認められていなかったなら1号機が事故翌日に
3
No.
御意見等(原文)
考え方
爆発することはなく、事故対応の時間が稼げてあのような複数の原
発が同時にメルトダウンするという事態は避けられた可能性があ
る。
当然40年前の原発はおよそ半世紀前の知見や技術により設計され
たものであり、経年劣化だけを審査すればよいという考え方は合理
的に安全性を確保できているとは言えない。
従って40年経過の原子炉は例外なく廃炉とすべきものであるが、
どうしてもその期間を超えて運転するのであれば、バックフィット
を担保すべきであり、バックチェックの結果は広く一般市民に公開
することを「実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準」に
明記するべきである。
4
全てのページを通して
今回は、科学的・技術的見地から原子力規制委員会が策定した
規制委員会は何を規制しているだろうか?これでは再稼働の「おす 「実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準」の一部改正
みつき」委員会である。40年を越える原子炉は原則廃炉なんだか (案)に示した改正箇所について意見公募を行ったものです。
ら、その通りにしてほしいものである。
なお、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
大体、核のゴミの処理方法がない(地中に埋めるのは処理ではない) 第43条の3の32では、発電用原子炉を運転することができる
中で原発を続けることには大反対である。10万年前、地球は、ど 期間は40年と定められており、また、その期間の満了に際し、
うだったか考えたことがありますか?10万年後は、どうなってい 原子力規制委員会の認可を受けた場合は、運転期間を1度だけ延
るでしょう?それを考えたら地中に埋めるなんて、とてもじゃない 長することができるとされています。
けど許せない。
直ちに全ての原発を廃炉にすべきと考える。だから、当然、高浜原
発の再稼働に反対である。
5
骨董品の原発を更に20年延長すること、大反対です。
「例外」の意
味を理解したうえでの結論でしょうか?
4
No.
御意見等(原文)
考え方
原発は他の電力類より「最も高コスト」であり、
「非常に危険な」代
物です。40年経過した原発を更に使い続ければ更なる修理・補強
などに費用が嵩みます。
「原子炉の圧力容器は、核分裂で発生する中
性子を浴びることでもろくなる。高温、高圧力の冷却水が通る配管
も年月とともに劣化する」という歴然とした事実があります。貴宅
の40年経過した電気冷蔵庫や電気こたつを使い続けますか?40
年も経てばもう骨董品です。もし火災事故が起きても限定された被
害で収まりますが、骨董品の原発を使い続けるとその予測される被
害は計り知れません。1億総活躍が 0.5 億総活躍にトーンダウンに
なりかねません。Y 新聞は自社が原発推進旗を振り社是としたため今
もって原発推進を歌い続けていますが、
「過ちては則ち改むるに憚る
こと勿れ」良心が有れば再考を願いたいものです。
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40年規制は厳格に例外なく適用するべき
福島第一原子力発電所のメルトダウン事故は津波が原因ではなく激
しい地震動でジャングルのような配管の損傷によりおきたものであ
り日本全国の原発全般におきうる技術的な問題である
海岸線に配置された原発は攻撃対象として恰好の標的であり危険す
ぎる
その原発をどのように防衛しようとするのか
甚だ疑問である
世界の流れは脱原発になっている
時代錯誤の選択は国家を滅ぼす
京都の文化遺産もすべて汚染され廃棄することになる
その時がまじかに迫っている
5
No.
7
御意見等(原文)
考え方
私は原子炉の運転期間延長に反対です。
そもそも、40 年を見込んだ耐久設計しかなされておりませんし、補
修を行ったとしても事故の発生する危険性は他の原子炉と比べて格
段に高くなります。
そうでなくても、先日は高浜原発でのボルト緩みによる水漏れも発
生し、再稼動に向けての緊張感も感じられない中、設計時の想定を
超える運用などとても認められません。
原子力規制委員会が行うべきは福島原発事故の収束であり、核燃料
廃棄物の処理問題等、老朽原発の再稼動を検討する前に行うべき課
題は山積みだと思われます。
危険な原子力発電所をこれ以上稼動させないでください。
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反対。
そもそも「期間の延長」に反対です。
技術基準規則との「整合」をとるための改正と言われますが、実用
発電用原子炉の放射能による劣化は、未知の分野ではないでしょう
か。40年経過による実証結果について、各電力会社は明示してい
るでしょうか。とりわけ、肝心要の原子炉そのものの劣化状態をど
のように把握しているのか、大いに疑問です。チェルノブイリ原子
炉の石棺は、屋上屋を重ねていることを考えると、また、東京電力
福島第一原発の事故を考えると、人類の未知の領域に踏み込むこと
は、何としても避けるべきではないでしょうか。とりわけ、実用原
子炉での期間延長は日本の国土、国民の生命・財産を実験台にさら
すことになります。このような、期間延長を理由とした改正に反対
します。
6
その他の御意見
No.
御意見等(原文)
1
内容的には当然の改正であるが,逆にこれまでの審査基準では重大事故が起きること自体を想定していなかったということであり,
いかにこれまでの原子力行政がいい加減なものであったかと思うと空恐ろしくなる。
2
中日新聞の「発言」欄に投稿したものですが不採用となったようで、こちらの方へ提出いたします。
2/24 付朝刊
「水漏れはナット緩みが原因ではない」
高浜 4 号機は 26 日に再稼働させてはならない。
この記事を読んで気になる箇所が 2 点ある。
1つは「弁が水平方向に付いているため締めづらい位置」
2 つ目は「常々安全第一で作業を進めるよう伝えている。(再稼働への)ステップをこなしてもらうことが大切だ」と、県の責任者は見
解を述べている。
まことに危うい、又取材した報道関係者においても追求が甘い。1つ目に於ける問題点は、締め付け作業が困難ということは設計
に不備があるのでは?と思われます。
2つ目に於ける問題点は、県の監督責任者にもの作りのノウハウが、全く無いと断言せざるを得ない。安全第一という言葉は本来、
人命を優先させて危険を排除した作業を進める場合に使うことである。
ナットの締め付け不良を放置し冷却水漏れに至った場合、設備としては既に規格から外れた不良品と化したのです。水漏れで接合面
は既に腐食の進行が始まっています。つまりナットが緩んでいたから増し締めしたところで完全な密着には及ばないはず、又漏れま
す。このことを県も国も報道機関も認識せねばなりません。
この際ですから、愚かにも原発依存症に陥った県知事諸氏には、もう一度報道関係者の厳しい視点で安易な再稼働に踏み切らないよ
うにしてゆきたいものです。
3
メルトダウン時のマニュアルがあるにもかかわらずいざというときに活用せず、重要免震棟を作るからと認可を受けたのちに免震棟
の建設を撤回し、放射性物質だだもれであるにもかかわらず「アンダーコントロール」という。これって詐欺ではないでしょうか。
今すぐ運転をストップしてほしい。
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No.
御意見等(原文)
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今回の案の一言一句をとやかく言うまでもなく、もともと「原子力規制基準に則っていると言っても安全だと言っているわけではな
い」と委員長の田中俊一氏が居直っているわけですから、何のための原子力規制委員会なのか、存在理由がわかりません。
この発言はイコール、
「原子力に安全はない」と言っているわけです。
そんなところの案など、検討するに値しないと思いますし、もっと真面目にやれ!
としか言いようがありません。保険会社に各原
発の保険料を算定させ、その結果を公表してください。もし保険会社が算定不能と結論付けたとすれば、その結果を隠さず公表して
ください。
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福島第一原発の1号機などは運転期間が長くなり、天井から吊り下げた配線やケーブルが増設などにより増えたり不燃性の塗料を塗
ったりして重くなり、地震でばさばさと抜け落ちてきたという現場作業員の貴重な情報がある。このような情報を表に出さないよう
にさせる体質がよくない。老朽化した原発の運転期間の延長どころか、再稼動そのものにもコンセンサスは得られていない。電事連、
JANSIの安全文化の定義がまちがっている。このような状態では安全文化の醸成は期待できない。再稼動そのものが議論できる
段階には至っていない。そもそも、安全文化がない状態では、有効な事故防止策につながる原因究明ができない。国会事故調査委員
会の調査活動が無意味だったとまでは考えていないが、国会事故調査委員会は安全文化とは何かを十分に理解していなかった。国会
事故調査委員会の調査にそって決められた新規性基準は、有効な対策とはいえない。再稼動そのものがコンセンサスを得られないも
のであるばかりか、事故防止策としての有効性も欠如している。私は、立地市町村や立地道県の体質にも不満をもっている。私は、
立地市町村や立地道県にも安全文化の理解と醸成を求める。それができていない時点で、立地自治体に承認を求めることに妥当性を
見出すことはできない。このような状態では、再稼動は認められないし、議論できる状態でもない。ましてや、老朽原発の運転期間
の延長の是非などは議論できる状態ではない。稼働中の原発は全てを直ちに停止させ、停止中の原発は再稼動させないようにする以
外に、現時点の選択肢は無いはずである。私は、反対派に過度の精神的、肉体的、経済的な不利益を長期間与え続ける、今の原子力
行政にも不満を抱いている。このパブリックコメントの仕組みも、反対派の意見に対する扱いが不当である。原発があるだけでも、
非常な精神的、肉体的、経済的な不利益を与えられている人は沢山いるのに、その意見に対する扱いがこれでは、その精神的、肉体
的、経済的なダメージをさらに助長させるだろう。扱い方が不誠実である。知恵や知識をただどりし、大事な人生の時間と苦労して
得た金を消耗させる。安全確保の努力を一般国民に丸投げする。償うことはしない。利権はつかんでははなさない。丸投げされた一
般国民は、利益はえられず、重い負担ばかりがのしかかり遅かれ早かれ破綻するだろう。こんな不当な搾取構造が長続きすると考え
るべきではない。批判されてしかるべきである。
8
No.
御意見等(原文)
6
原発の運転期間の延長には反対です。そのようなことは、福島第一原発の事故の十分な原因究明と収束が終わってからにしてくださ
い。それが達成できないかぎり、運転期間の延長などできないのではないでしょうか。
7
延長には反対です。日本列島は火山の活動期に入っており、今ある原発は一刻も早く無くす必要があります。福島原発にみられるよ
う、原発は事故を起こせば人が住めなくなります。これ以上の原発事故はゴメンです。
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人間の作った道具は使えば使う程痛むのは、人類が長い経験から学んできたことです。
たとえ小手先の言葉でいくら言い換えても、痛むものを痛まないと言いくるめられるものではありません。まして、原子炉は高圧・
高温・高い放射線に直接さらされて、致死量の放射線により、詳細な点検が不可能です。40年も使えば劣化は当然のように起こっ
ています。これを更に延命するなど、も原子力業界の金銭的利益ための政策だと思います。原子炉の延命には大反対です。
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