社内のコミュニケーション環境を Office 365 で一新、情報共有

西松建設株式会社
社内のコミュニケーション環境を Office 365 で一新、情報共有に
チームサイトや Yammer も活用
ソリューション概要
○プロファイル
1874 年に設立された西松建設株式会社は、創業 140 年を超える歴史と世界にまたがる規模を持
つ準大手ゼネコン (総合建設会社) です。日本全体が大きな変化を迎えようとしている現在、同
社もまた持続的に発展し続ける魅力ある事業の確立をめざし、新たなチャレンジを始めています。
1874 年創業の西松建設株式会社は、2014 年に
創業 140 周年を迎えた準大手ゼネコンです。長
い歴史と伝統に培われた高度な技術力を強みに、
道路やダム、公共施設の建設、都市開発などを
数多く手がけ、日本のインフラ構築に大きく貢献
してきました。現在は東日本大震災の復興事業
や 2020 年の東京オリンピックを見据えた再開発
プロジェクト、さらには東南アジアを中心とする
海外のインフラ構築にも積極的に取り組んでいま
す。
でした。
○導入ソフトウェアとサービス
創業以来、国内外のインフラ構築に貢献してきた西松建設株式会社 (以下、西松建設)。現在、ゼ
・Microsoft Office 365
-Exchange Online
-SharePoint Online
-Skype for Business
-Office 365 ProPlus
-Yammer
○導入メリット
・当初 50 MB 程度だったメールボックスの容量
は 50 GB に、増える一方のデータを問題なく格
納
・ActiveSync によりモバイル デバイスとも連携、
外出先からもメールの送受信が可能に
・社内基幹システムと Active Directory で連携し
ADFS 環境を構築 、アカウント管理の効率化と
シングル サインオンを実現
・チームサイト、Yammer 、Skype for Business を
活用することで情報共有やコミュニケーション機
能が向上
○ユーザー コメント
「最 大の 懸 念だったコミュニケーション機能 容
量に関しても、メール 容 量 が 50 GB と大 容 量
で運用できていますし、チームサイト、Yammer、
Skype for Business などのツールにより多様なコ
ミュニケーションがとれるようになりました。
もっと柔軟にクラウド サービスを活用していきた
いですね 」
西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部長 古村 文平 氏
そうした中、メール システムを始めとしたコミュニケーション/ コラボレーション環境において、
既存の IT インフラではビジネスの阻害要因になりかねない状況が生まれていました。その打開策
として同社が選んだソリューションが、マイクロソフトのクラウド サービス Microsoft Office 365
導入の背景とねらい
50 MB 程度しかない容量など、メール環境に対するさまざまな不安の声が
ネコン企業として持続的な成長を続けていくための重点戦略として、
「コア事業のレベルアップ・
基盤強化」を実現する ACTION 4 と、
「事業構成の変革」を図る CHALLENGE 3 という 2 つの柱を
軸に、ビジネスを展開しています。さらに、新たなコーポレート スローガン「未来を創る現場力」
を掲げ、職員個々の人財育成にチカラを入れています。
東日本大震災の復興事業や東京オリンピックに向けた再開発事業な
ど、建設業界を取り巻く環境は大きく動いており、事業を支える存在
の IT 部門もまた変わっていく必要があります。そうした経営層の判
断の下、西松建設では 2013 年度から IT 部門を社長室直属の組織に
置き、2016 年度からは全社的な ICT 戦略に取り組む姿勢を明確にす
るため、発展的名称変更を行い ICT 企画部となりました。社長室 ICT
企画部長 古村 文平 氏は次のように語ります。
「基幹系にとどまらず、全社と将来を見据えたシステムを構想するとき、
IT 部門 10 名ほどで全社 2,400 名の IT 基盤を支えていくには、よほ
ど効率のよいシステムを目指さないといけない。そう考えると、従来
のやり方ではさまざまな面で限界であることは明白でした。クラウド
やスマートデバイス等の新たなテクノロジを積極的に活用していくため
西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部長
古村 文平 氏
に、まずは IT 部門自身の意識が変わることが必要でした。」(古村 氏)
中でも、古村 氏が指摘する " 既存のやり方による限界 " が最も端的に
現れていたのがコミュニケーション環境でした。当時の状況を、社長
室 ICT 企画部 ICT 戦略課 課長 角田 穣二 氏は次のように振り返りま
す。
「2013 年当時まで、西松建設ではホスティング サービスを利用して
メール サービスを運用していましたが、メールボックスの容量が 1
ユーザー 50 MB 程度と小さすぎる、
パフォーマンスがよくない、
グルー
プごとにメール クライアントが異なる、外出先からメールをチェック
ができないなど、従業員から さまざまな不満の声が寄せられていまし
た 」(角田 氏)
西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部 ICT 戦略課
課長 角田 穣二 氏
西松建設株式会社
たとえば、日本 の 企業 が、外資系企業 が
導入の経緯
運営する海外のデータセンターに自社デー
セキュリティや有事の際の係争地、インターフェイスなど
で総合的に判断し、Office 365 を選択
タを預けた場合、日本の国内法が適用され
利用していたホスティング サービスの契約が 2014 年 3 月で切れること
あれば "日本の法律が適用される"ことも、
もあり、角田 氏ら IT 戦略推進課のスタッフは、このままホスティング
導入判断のひとつです」( 海谷 氏) とのこ
の契約を更新するか、オンプレミスで新たにメール サーバーを構築する
と。
るのか、といった日本の企業にとっては大
きな問題も、
「マイクロソフトのクラウドで
か、その他の新しいサービスを導入するかの選択を迫られることになり
ます。
Google Apps など、他社のクラウド オファ
リング メニューも候補に上がりましたが、
「明らかに機能や要件が不十分になっていたホスティング サービスを更
新すれば、ユーザーからの不満がさらに増すことは明らかでした。だか
最終的に Office 365 を選択した理由につい
て角田 氏は次のように語ります。
らといってオンプレミスでゼロから構築するには時間がかかりすぎるし、
費用的にも問題がある。ホスティング サービス契約が切れるまでの 1
西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部
情報システム課 主任
海谷 正徳 氏
「Google はインターフェイスの変更が多い
年弱の期間でスピーディに導入できるメール環境を構築することを検討
という話を聞いていて、ビジネス ユーズとして弊社には向かないと考え
したとき、候補に上がったのがクラウド サービスでありマイクロソフト
ました。 先に挙げた国内法の適用なども含め、Office 365 が最も弊社の
の Office 365 でした 」(角田 氏)
ニーズに適していると判断しました 」(角田 氏)
そ の 後、 部 内 およ び 社 内 での 検 討 を 重 ね た 結 果、2013 年 11 月に
導入効果
Office 365 の Exchange Online への移行が決定、当初はメールだけの
容量不足を解消し、いつでもどこからでもアクセス可能
に。情報共有ツールにチームサイトや Yammer も活用
予定でしたが、
「社内ポータル環境やオフィス アプリケーションも見直
す」という古村 氏の提案により、SharePoint Online や Office スイートで
ある Office 365 ProPlus も導入が決まりました。
決定から導入までに要した期間は約 3 か月。2014 年 1 月には西松建設
最終的に Office 365 を選択した理由について、角田 氏はまず「増え続
の新しいメール システムとして Office 365 が稼働しています。単に移行
ける一方のメール データを、問題なく格納できるストレージ容量を持っ
しただけではなく、社内の基幹システム (人事情報 ) と Active Directory
たサービスであること 」を挙げます。建設業界では建設現場の写真など、
を連携し ADFS 環境を構築、アカウント管理を効率化して、シングル サ
大きなファイルを添付して送ることも多く、以前のメール環境では、す
インオンも実現しています。また、ActiveSync によりスマートフォンやタ
ぐ容量がいっぱいになってしまうことがユーザー最大の不満となってい
ブレットなど従業員のモバイル デバイスとも連携、
「いつでもどこから
ました。Office 365 なら 1 ユーザー 50 GB まで、共有メールボックスで
でもメールにアクセスできるようになったとユーザーからも好評です」と
も 10 GB まで利用できる
(現在は 50 GB まで利用可能)ため、サービス
海谷 氏。
選定の大きな決め手となりました。
角田 氏は「最大の懸念だった容量に関しても、50 GB と大容量になった
クラウド サービスへの移行そのものへの不安は社内になかったのでしょ
ことで、職員からのクレームはありません。もっと柔軟にクラウド サー
うか。この点について、社長室 ICT 企画部 情報システム課 主任 海谷
ビスを活用していきたいですね 」とその導入効果を語ります。
正徳 氏は以下のように説明します。
メールのインターフェイスに関しては、現在 Web メールと Outlook の
「セキュリティ面など、クラウドに対する不安があったことは事実ですが、
二本立てで運用しています。
「基本的には Web メール を利用しています
それよりも従来のホスティング システムに対する不満のほうが大きかっ
が、より高度なパフォーマンスを求めるユーザーに対しては、メール ク
た。当初導入前に抱いていた不安に対しては、今ではほとんどが解消で
ライアントに Outlook を導入して併用しています。もっとも、いろいろ
きています。」( 海谷 氏)
なクライアントが混合していた状態に比べるとずいぶん統一された感は
あります」(角田 氏)
西松建設株式会社
西松建設ではメール以外にも、SharePoint Online で社内ポータルを刷
「スマートフォンやタブレットの普及は本当に建設業界にとっても大きな
新するなど、Office 365 の各種サービスの活用を始めています。たとえ
変化だと思います。これまで拠点間のテレビ会議システムで確認されて
ば、チームサイトや社内 SNS を実現する Yammer のサービス提供によ
いた利便性を、Web 会議システムで遠方の現場にまで提供できます。ま
り、建設現場との情報共有ツールとしても大きく役立っているとのこと。
ずは現場事務所と管轄部署間の会話に利用してもらい、移動時間と経
費の削減を図ります。次に、スマート デバイスを工事現場に持ち出して、
Yammer 上で建設現場の写真をアップロードし、定点観測するようなア
確認指示の精度とスピード向上を計画しています。現在はまだ検証段階
イデアも検討中で、新しいコミュニケーション方法を試行錯誤していま
で、現場内ネットワークのパフォーマンスなどに課題もありますが、な
す。
るべく早期に環境を作っていきたいと考えています」(古村 氏)
「Yammer の機能を使ってユーザーが自分自身でアンケートを作成するな
クラウドやスマート デバイスという新しいツールによる変化を確実に体
ど、これまで情報システム部門に依頼していた業務を、少しずつではあ
感している西松建設。古村 氏は「クラウドの魅力はテスト環境を作りや
りますが、ユーザーがセルフサービスで行うようになっています。これは
すいということにあると思っています」と指摘します。大きな変化を迎え
クラウドによるよい変化の兆候だと受けとめています」(角田 氏)
ようとしている日本の建設業界にあって、西松建設もまた、試行錯誤を
重ねながら、新たな IT 環境を構築していかなければなりません。いち
今後の展望
早く目標に到達するためトライ & エラーを行えるクラウドは、
企業にとっ
Skype for Business での Web 会議を利用、リモートで
リアルタイムに打ち合わせ
て良き伴走パートナーになれるポテンシャルを持っています。
「正直、次々と新しいテクノロジが登場する ICT 環境の変化には追いつ
メール・ポータルに続き Web 会議の利用も開始しています。現場の従
けない。そんな中で、経営戦略を実践する各プロジェクトに ICT を落と
業員や営業スタッフが利用する 1,200 台以上のタブレットに Skype を
し込み、見極めるためには、クラウドはなくてはならないものになって
導入し、現場状況をモニタリングしながら、図面やデータを確認しリモー
います。我々と一緒に、クラウドもまた進化と成長を遂げていってほし
トでもリアルタイムに打ち合わせする環境を整えていくことを目指して
いと願っています」という古村 氏の言葉とおり、Office 365 はお客様と
います。
一緒に成長していくクラウド サービスとしてあり続けていきます。
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本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/
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