特記仕様書 - 大阪府タウン管理財団

(入札資料4)
特記仕様書
1.業務目的
大阪北摂霊園 1 区里道下外カーブ部の斜面は、平成 25 年 8 月の台風 18 号の影響で表層
部が滑落し、山肌が剝き出しの状況になっており、以前より周辺樹木が枯れる等の状況が
確認されている。
また、滑落部上部は伐採木の集積地となっており、台風による雨水の荷重増加も表層滑
落の一因と考えられるが、当該里道が 1 区 3 番墓所地すべり復旧工事用に造られたもので
あり、安定性を深く検討して施工されたものとは考えにくく、隣接地権者との敷地境界ま
での距離は十分に確保されているものの、急傾斜地で下部には東海自然道もあり、地山の
滑落・転石の発生は、ハイカー等に対し危険を及ぼす可能性があるため、滑落部周辺を含
め安定性の検討をし、最適な斜面滑落部の復旧工を設計するものである。
2.総則
(1)本業務の遂行にあたっては、本特記仕様書・参考図書、請負契約書に定めるほか、「測
量、調査及び業務委託等必携(大阪府都市整備部 H27.4)
」に準じること。
(2)本業務の作業により現地に立ち入る場合は、事前に監督員に連絡し立会のうえで実施す
るとともに、作業中は墓参者等とトラブルが生じないように注意すること。
(3)工程及び進捗に関して監督員と密に連絡すること。
3.設計業務
(1)計画準備
受注者は、業務の目的・主旨を把握したうえで、設計図書及び本特記仕様書に基づく
業務内容を確認し業務計画書を作成すること。
(2)資料の収集整理
受注者は、該当箇所での被災記録・写真、既存の調査資料や復旧工事・補修工事に関
する資料、該当箇所周辺の土地利用状況・近接の支障物件の資料を発注者を通じて収
集するものとする。
(3)斜面崩落部災害復旧対策工設計(1区里道下斜面崩落部)
①地形・地質調査
受注者は、被災斜面及び周辺の状況について、実測図面に基づき現地調査を行い、以下
の項目について調査するものとする。
・被災斜面と周辺の状況(被災範囲、特徴、植生)
、周辺土地利用(伐採木の堆積状況)
と地形、排水状況(集水範囲、排水施設の配置と構造)
・土質・地層の境界、地表水の侵食に対する抵抗性等
・湧水及び浸透水(位置、量、濁り)
・既存施設の種類、施工時期、構造・形状、変状の程度
・工事用進入路、施工ヤード等の適地
②斜面崩落メカニズムの解析
・斜面崩落原因の推定
(入札資料4)
受注者は、測量、現地調査結果を踏まえてボーリング調査及び土質試験を実施し、
その結果に基づき、斜面崩落の原因を究明すること。
・素因、誘因の検討
受注者は、上記斜面崩落形態に基づき被災発生の原因を素因、誘因に分けて検討す
るものとする。
・発生メカニズムの総合検討
受注者は、被災斜面の移動状況、すべり面の形状・位置、移動範囲、移動土量、す
べりに伴う法面周辺墓地への影響範囲等を総合的に検討するものとする。
③現状安定度の評価(安定計算)
受注者は、被災メカニズムの解析結果及びボーリング結果に基づき、安定度の検討に
使用する安定計算式、残留間隙水圧の分布、各地層の土質定数を設定して安定計算を
実施し、被災斜面及び既存施設の現状の安定度を決定するものとする。
④対策工法の比較選定
受注者は、被災箇所付近の地形・地質、被災メカニズム、規模、現状の安定度を考慮
して被災箇所の復旧工法(または補強工法)として適用可能な比較案を 3 案程度予備
選定し、施工性、経済性、維持管理、周辺景観の視点から比較検討を行い、最適な工
法を選定するものとする。
⑤比較一覧表の作成
受注者は、比較各案に関する検討結果をまとめ、比較一覧表を作成する。比較一覧表
には、構造特性、施工性、経済性、維持管理、景観について、特質及び問題点を記述
し、各比較案の評価を行い、最適構造形式を明示するものとする。
⑥概略設計計算
受注者は、比較形式各案の構造形式を想定し、主要部材の概略応力や概略安定計算を
行うものとする。
⑦周辺斜面の安定性検討
受注者は、現在、被災斜面の側部地山に投棄されている伐採木の除去の必要性につい
ても評価すること。
⑧施工計画
受注者は、決定した計画案について、制約条件(墓所、立木)に配慮し、工事用進入
路施工方法、施工順序等の施工計画を作成するものとする。
⑨成果品(電子データー・報告書:2 部)
・全体位置図
・平面図
・縦・横断図
・標準断面図
・構造図(展開図・土工図等)
・設計計算書(斜面の安定解析含む)
・数量計算書
(入札資料4)
・施工計画書
・報告書
・特記仕様書(案)
(施工に関するもの)
⑩概算工事費
受注者は、比較各案の設計図に基づき数量計算書を行い、概算工事費を算定するもの
とする。
⑪照査
照査技術者は、下記に示す事項について照査を行い、管理技術者に提出するものとす
る。
・基本条件の決定に際し、現地の状況のほか既存資料を収集把握しているかの確認
を行い、その内容が適切であるかについて照査を行う。特に、地形、地質条件、周
辺状況について設計の目的に対応した情報が得られているかの確認を行う。
・平面図、横断図を基に位置、周辺施設、及び地盤条件とその構造物の整合が適切
にとれているかの照査を行う。また、支障物件、周辺施設との近接等の施工条件が
設計計画に反映されているかの照査を行う。
・設計方針及び設計手法が適切であるかの照査を行う。
・設計計算書・設計図、概算工事費の適切性及び整合性に着目し照査を行う。
(4)関係機関との協議資料作成
受注者は、監督員の指示がある場合には、墓所使用者等への説明(協議)資料の作成を行
うものとする。
(5)貸与試料
設計に必要な資料は下記を標準とする。
①造成関連資料
・丈量図
・霊園全体図(縮尺 1/2000 ・ 1/5000)
・1区詳細図(縮尺 1/200)
②地質調査資料
・北摂霊園地質調査報告書(S44.12)
・北摂霊園 1 区 3 番法面復旧総合報告書
③参考資料
・6・7 区連絡道路法面災害復旧測量設計委託報告書(H17.2)
(6)準拠図書
設計に適用する主な基準を下記に示す。
①河川砂防技術基準・同解説(国土交通省)
②砂防施設技術指針(案)
(大阪府土木部)
③道路土工:盛土工指針(日本道路協会)
④道路土工:切土工・斜面安定工指針(日本道路協会)
⑤その他
(入札資料4)
4.測量業務
(1)作業内容
横断測量
中心杭を基準にして既存施設や地形の変化点等の距離及び地盤高を定め、横断図を作成
する。なお、横断図の縮尺は 1/100 を標準とする。
(2)留意事項
・測点杭は、必ず控杭を設置し、平面図に明示(距離、方向等)しておくこと。
・仮 BM の設置位置については、平面図に詳細位置がわかるように図示しておくこと。
・横断測量幅は、現地の状況・地形等に配慮し、決定すること。
(3)準拠図書
公共測量作業規程(国土交通省)
5.土質調査業務
(1)調査目的
調査は、1 区里道下斜面崩落部における被災メカニズムの解析、安定計算のために必要な
土質定数を設定するために行うものである。
(2)土質調査(ボーリング及び試料採取)の選定
ボーリング及び試料採取の実施にあたっては、調査箇所の状況を把握し、位置選定、打ち
止め高さ設定等について事前検討を加えて、監督員と協議のうえで行うものとする。
(3)ボーリングの検尺
ボーリングの打ち止め及び検尺方法は、監督員と協議のうえ決定するものとする。
(4)簡易貫入試験
簡易貫入試験は、滑落部側部の正常と思われる土質状況と斜面滑落部の軟弱な土層の状況
を調べ、適切な対策工法の基礎資料を得るために行う。