新潟が発信する、私たちの「ナチュール」

構成・文/高野麻衣(コラムニスト)
新潟県村上市出身。上智大学文学部卒(西洋文
化史)
。著書『フランス的クラシック生活』
(ルネ・
マルタンと共著、PHP 新書)
、
『マンガと音楽の
甘い関係』
(太田出版)好評発売中!
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新潟が発信する、私たちの「ナチュール」
暮らしのなかにはいつも、さまざまな音楽が溢れています。
「難しくてわからない」と思っている方でも、お店のBGMや
テレビや映画、フィギュアスケートの演技などで無意識に耳
にして「この曲知ってる」
「どんな人がつくったんだっけ?」と
感じることができる――それが、300 年あまりを生き抜いて
きたクラシック音楽の、なによりの強みです。
クラシックをモチーフにしたドラマや映画、とりわけ音楽
マンガはいつの時代も大人気で、そんな作品を通して、クラ
シックに興味を持ちはじめる方もたくさんいますよね。
だから私たちは、いつも探しています。
「聴いてみたいな」
と思ったら、フラッと足を踏み入れられるコンサート、クラ
シック・ファンが、初心者の友だちを安心して連れていける
コンサートを。
それはただ、有名な曲を安価で並べるということではあり
ません。
気軽だけれど、どの日どの公演でも世界から集まった一流
アーティストの研ぎ澄まされた音と、揺さぶるような感動に出
会える。
コンサートホールの公演は、開演前にプ
ロジェクションマッピングで「ナチュール」
の世界を演出
一流アーティストの研ぎ澄まされた音を、最高の音響を
誇るコンサートホールで、しかも気軽に味わえる
2
有名な曲もあるけれど、隠れた名曲も、一流の音楽ナビ
ゲーターが「ここだけの打ちあけ話」のように紹介してくれる。
なによりチューリップ咲き誇る春の日に、みんなで音楽を
分かちあった最高の思い出ができる。それこそが、
「ラ・フォ
ル・ジュルネ(はちゃめちゃな日々)
」というクラシック・フェ
スの醍醐味なのです。
音楽ナビゲーターは、新潟市の姉妹都市フランス・ナント市
生まれのムッシュー・マルタン。マルタンさんが今年、私たち
に教えてくれるのは、300 年の時空を超えた「音楽家たちと
自然(ナチュール)
」の物語です。
キラキラ輝く信濃川の川辺。美しい芝生と花々に囲まれた
白山公園のなかで、最高の音響を誇るりゅーとぴあのホール
たち――いまや世界中で愛される「ラ・フォル・ジュルネ」で
すが、
「ナチュール」の物語を自然のなかで愉しむという点に
おいて、新潟以上の好条件はありません。
ほんの少しの勇気で最初の一歩を踏み出したら、あとはお
まかせください。あなたもきっと、クラシックと新潟の街が、
大好きになるはずです。
新潟の春を彩るチューリップ。
空中庭 園を中心に、チュー
リップの花絵アーチや花あそ
びなどが楽しめる
新潟ならではのグルメやオリジナルメニューな
どがそろうライン広場で食も堪能