岐阜市地球温暖化対策実行計画改定業務委託仕様書

岐阜市地球温暖化対策実行計画改定業務委託仕様書
第1章
総
則
第1条 (業務の名称)
本業務の名称は「岐阜市地球温暖化対策実行計画改定業務委託」
(以下「本業務」という。)
とする。
第2条 (業務の目的)
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき策定した「岐阜市地球温暖化対策実行計画
※
(平成 23 年 3 月)
」は平成 27 年度末で策定から 5 年が経過した。この間、国内外におい
て地球温暖化対策を取り巻く状況は大きく変化している。
国内では東日本大震災を契機として、エネルギーに対する政策の大きな転換が起こり、
それに対応する形で国の新たな温室効果ガスの削減目標も設定された。国際的には世界各
国が 2020 年以降の温暖化対策に取り組む新しい枠組みを決めるための国際会議(COP
21)がパリで開催され、すべての国が参加する「パリ協定」が採択された。
本市においてもスマートシティ岐阜の推進など新たな取組を展開していることから、こ
れらの情勢変化等を踏まえ、岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を改定するも
のである。計画の見直しにあたっては、国、岐阜県及び本市等の地球温暖化対策に関する
最新の動向等を踏まえ、本市の温室効果ガス排出量の推計を行うとともに、市域の温室効
果ガスの削減目標や削減対策、対策の取組状況が適切に反映される対策指標を設定し、よ
り実効性のある計画へ改定する。
また、岐阜市地球温暖化対策実行計画の事務事業編にあたる「環境アクションプランぎ
ふ」についても、平成 28 年度で計画期間を満了することから、区域施策編と一体となって
地球温暖化対策を推進するため、新たな 5 年間の計画として同時に改定する。
第3条 (業務場所)
岐阜市長の指示する場所
第4条 (業務期間)
契約締結日 から
平成 29 年 3 月 31 日まで
第5条 (仕様書の適用)
本業務を行うにあたり、受注者は本仕様書に従って執行しなければならない。なお、本
仕様書に明記なき事項であっても本業務の目的の遂行にあたって必要なものについては、
受注者は発注者と協議の上、実施するものとする。
※地方公共団体実行計画(区域施策編)
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第6条 (疑義の解釈)
本仕様書、記載事項及び業務遂行上疑義が生じた場合は、速やかに発注者と協議し、発
注者の意図を十分に理解し業務を遂行すること。
第7条 (中立性の保持)
受注者は、
常にコンサルタントとしての中立性を保持するように努めなければならない。
第8条 (秘密の保持)
受注者は、本業務において知り得た機密事項を第三者に漏らしてはならない。
第9条 (管理技術者及び担当技術者等)
受注者は、業務の履行にあたり、管理技術者、担当技術者及び照査技術者を定め、あら
かじめ市に届出しなければならない。
管理技術者、担当技術者(地球温暖化対策)及び照査技術者は、地球温暖化対策の推進
に関する法律に基づく地方公共団体実行計画の策定及び改定業務、地方公共団体における
エネルギービジョン等の計画策定及び改定業務、温室効果ガス排出量の推計等の地球温暖
化対策に関する調査・分析業務等に関する高度な知見・業務経験を有する者とする。
また、担当技術者(都市計画)に都市計画に関する高度な知見・業務経験を有する者を
配置することとする。
各技術者はプロポーザル募集の際に提出した書類に記載した者とし、発注者の承諾がな
い限り、それらの者を変更してはならない。
第10条
(資料の貸与)
本業務の遂行上必要な資料の収集、調査、検討等は、原則として受注者が行うものであ
るが、現在発注者が所有し、業務に利用できる資料はこれを貸与する。この場合、貸与を
受けた資料については、そのリストを作成の上、発注者に提出し、業務完了とともに返却
すること。
第11条
(議事録)
受注者は、本業務の実施期間中、
発注者と緊密な連絡のもとに業務を遂行するとともに、
打合せ(全 8 回程度)及び協議の都度、その内容を記録した打合せ議事録を発注者に提出
し、承認を受けなければならない。
第12条
(提出書類)
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受注者は、業務の着手及び完了にあたって発注者の契約約款に定めるもののほか、下記
の書類を提出しなければならない。
(1)業務着手届(管理技術者届を兼ねる)
(2)担当技術者届及び照査技術者届、管理技術者・担当技術者及び照査技術者の経歴書
(資格証の写しを含む)
(3)業務実施計画書
(4)業務工程表
(5)業務完了届
(6)成果納品書
(7)請求書
(8)その他発注者が指示する書類
第13条
(その他注意事項)
(1)本業務の遂行にあたっては、必要に応じて関係機関と十分協議の上で進めること。
(2)本業務に係る印刷物の版権は、発注者に帰属すること。
(3)受注者は、成果品の納入後であってもその不備が発見された時は、速やかに受注者
の費用を持って訂正すること。
(4)受注者は、関係する官公庁との協議を必要とする場合には、発注者担当員に承諾を
得た上で迅速に対応すること。
(5)受注者が関係する官公庁等から交渉を受けた時には、遅滞なくその旨を発注者担当
員に申し出て協議すること。
(6)経済波及効果などの業務実施に必要な情報(地域経済循環分析用データ等)の収集
に費用を要する場合は、受注者の負担により調達すること。
第14条
(検査及び引渡し)
受注者は業務完了後速やかに業務完了届を提出し、発注者の検査を受けなければならな
い。業務の検査に合格後、本仕様書に指示された提出図書一式を納品し、発注者の検査員
の検査合格をもって業務の完了とする。
第15条
(支払い)
本業務完了後、発注者の完了検査を合格した後、受注者は発注者に請求書を提出するも
のとする。
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第2章
業務内容
第1条 (準拠資料等)
本業務の遂行にあたっては、本仕様書、業務委託契約書、その他業務遂行上必要となる
技術基準、関係諸法令及び参考図書に基づき実施しなければならない。
なお、技術基準については、
「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定
マニュアル(環境省、平成 21 年 6 月)」、「地方公共団体における地球温暖化対策の計画的
な推進のための手引き(環境省、平成 26 年 2 月)」、
「地方公共団体実行計画 (事務事業編)
策定・改訂の手引き (環境省、平成 26 年 3 月)
」等に準じることとする。
また、業務期間中に関連する新たな要領、マニュアル等の資料が公表された場合は、そ
れらの最新の知見に基づき、業務を遂行するものとする。
第2条 (業務概要)
【区域施策編の改定】
(1)これまでの取組評価と課題抽出
現行計画のこれまでの取組状況について、各施策の実績および目標の達成状況を整
理し、課題の抽出および取組評価を実施する。
課題の抽出にあたっては、現行計画の策定当時から新たに顕在化した課題も対象に
整理することとする。
(2)計画の基本的事項の整理
計画の目的、位置付け、役割、計画期間等の整理を行う。整理にあたっては、現行
計画や関連する計画との整合性を図る。また、地球温暖化の現状、国際的な動向(気
候変動枠組条約締約国会議、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の動向など)、国
や岐阜県の動向(国の新たな温暖化対策計画、温室効果ガス削減目標及びその設定に
関する根拠資料、適応策に係る情報など)、他自治体の先進事例等の地球温暖化対策に
係る情報を調査・整理し、それらに基づき、本市の計画に反映すべき事項を検討・提
案する。
(3)市内の温室効果ガス排出量の算定・分析
①
データが入手可能な最新年の温室効果ガス排出量について、地域全体の総量、
部門別、温室効果ガスの種類別、排出起源別排出量をそれぞれ推計する。また、
市内の吸収源による吸収量についても算定を行う。
算定にあたっては、現行の手法について簡便性や精度の向上を図り、本市にお
ける温室効果ガス排出量及び吸収量の実態をタイムラグが少なく適切に反映し継
続的に把握が可能な改善策を検討し、算定ツール(エクセル等)を作成する。
なお、本業務により考案された算定ツールを用いて、過去の必要な温室効果ガ
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ス排出量についても当該算定手法を用いて算定し、従来手法による算定結果と比
較検証する。
②
温室効果ガス排出抑制に向けて今後実施すべき対策・施策を検討するために、
算定した温室効果ガス排出量について、動態変化の整理やその要因分析を行う。
分析にあたっては、社会的な動向や国・岐阜県・本市のこれまでの対策効果につ
いても考慮する。
(4)温室効果ガス排出量の将来推計及び削減目標の設定
①
温室効果ガス排出量の将来推計
本市の温室効果ガス排出量及び吸収量の現状趨勢ケース(2020 年、2025 年、2030
年、2050 年)を推計する。
②
温室効果ガスの削減目標の設定
本市の温室効果ガス排出量等の短期目標(2020 年)
、中期目標(2030 年)およ
び長期目標(2050 年)を部門別に定める。
なお、目標は現行計画との整合性を図ることを基本とするが、現行計画の進捗
状況、本市の温室効果ガス排出特性、国・岐阜県等の温室効果ガス排出量削減目
標及び排出削減策で見込まれる効果等を十分に考慮したものとするとともに、必
要に応じて新たな目標の設定を検討・提案する。
(5)施策の検討
温室効果ガスの削減目標を達成するために必要となる温室効果ガス排出削減対策
を検討する。
①
現行計画の施策体系をベースとして、前項までの分析等を踏まえた施策の加除、
内容の変更等を行う。
②
重点対策については、現行計画を踏襲しつつ、今回の見直しにより必要に応じ
て新たな施策の追加を検討する。
③
重点対策の目標は、現行計画の踏襲を基本とし、達成状況等に応じて必要な見
直しを行う。
④
適応策については、国が策定した気候変動の影響への適応計画を踏まえ、新規
施策としての追加を検討する。
⑤
ZEB・ZEH の推進、集約型都市構造への転換による面的対策、様々な再生可能
エネルギーを活用した水素・低炭素社会の推進、エネルギー地産地消の促進、カ
ーボンプライシングの活用など地球温暖化対策の先進事例を参考に本市の計画に
反映すべき新たな対策(施策)を提案する。
(6)対策のロードマップの作成
主に重点対策を対象とした 2050 年までのロードマップを作成する。
省エネや再生可能エネルギー導入など各種対策の取組状況が適切に反映され、その
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効果が把握可能な指標(原単位指標、エネルギー消費指標、導入指標(省エネ機器、
太陽光発電、次世代自動車、省エネ住宅等)など)を部門別に複数設定するとともに、
施策・対策の実施による温室効果ガス排出削減効果の評価方法や計画へのフィードバ
ック方法を検討する。
(7)経済波及効果
前項までの分析・検討結果を踏まえ、岐阜県産業連関表による経済波及効果分析シ
ステム(Ripple)等を活用し地球温暖化対策に係る経済波及効果を算定する。また、
LCC の視点から対策の経済的合理性を評価・検討する。
(8)推進体制の検討
推進体制については、
現行計画の方向性を踏襲しつつ、現在の実情と照らし合わせ、
必要に応じて見直しを行う。
①
市民、事業者、行政が果たすべき役割を整理する。
②
各主体が連携した推進体制を構築する。
③
進捗状況の把握と評価を行うための PDCA サイクルを構築する。
(9)計画書の作成
岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の本編及び概要版等を作成する。作
成に当たっては、コラムや写真、イラスト等を効果的に用い、簡潔かつ分かりやすい
計画書とする。なお、コラムにおいては「国立大学法人岐阜大学医学部附属病院 ESCO
事業」の紹介及び本事業により得られた成果等を掲載する。
(10)会議等の運営・ 開催支援(事務事業編の改定と共通)
庁内検討会議(全 3 回程度)、岐阜市地球温暖化対策実行計画協議会(全 3 回程
度)の運営支援を行う。なお、会議では区域施策編及び事務事業編の改定について
同日に審議する。
①
会議資料及びパブリックコメント実施に関する公表用資料の作成
②
会議への出席及び必要に応じ資料説明
③
議事録の作成(「自然共生部の議事録の取り扱いについて」に基づき委員等の発
言要旨とする。)
④
パブリックコメントで寄せられた意見の整理、回答原案の作成等
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【スケジュール案】
8月
第1回協議会(共通:見直し方針、区域施策編:現況推計及び要因分
析、前回計画の達成状況、削減目標(案)、事務事業編:温室効果ガス排
出量の分析・考察及び削減目標(案))
11月
第2回協議会(区域施策編:削減目標、対策及び施策、計画書素案、
事務事業編:重点施策及び具体的取組項目、推進手法及び点検評価手法、
事務事業編素案)
12月
パブリックコメントの実施
1月
意見の集約、計画書修正案の作成
2月
第3回協議会(計画書修正案の合意)
3月
最終計画書の公表
【事務事業編(環境アクションプランぎふ)の改定】
(1)削減目標の検討
発注者が行う計画の基本的事項の整理及び温室効果ガス排出量の分析・考察に基づ
き、温室効果ガスの削減目標を、ガスの種類別および部門別に検討する。検討にあた
っては、現行プランおよび本業務で新たに策定する岐阜市地球温暖化対策実行計画
(区域施策編)の考え方と整合を図るものとする。
その他に、用紙類の使用や印刷物の作成、廃棄物量、水道利用量などのその他の環
境配慮項目についても目標を検討する。
なお、発注者が行う計画の基本的事項の整理及び温室効果ガス排出量の分析・考察
の内容は下表に示すとおりである。
計画の基本的事項 計画の目的、位置付け、役割、計画期間(平成 29 年度から平成
の整理
33 年度とする)等の整理を行う。
温室効果ガス排出 以下に係る活動項目を対象に、使用実績の整理、温室効果ガス排
量の分析・考察
出量の算定(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素等)、動態変化
の要因分析、目標達成の評価等を実施する。
・電気の使用量
・都市ガスの使用量
・LP ガスの使用量
・燃料の使用量(ガソリン)
・燃料の使用量(灯油)
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・燃料の使用量(軽油)
・燃料の使用量(A 重油)
・車両用天然ガスの使用量
・車両用 LP ガスの使用量
・水道の使用量
・井水の使用量
・コピー用紙の購入量
・印刷物の購入量
・庁内からの廃棄物発生量
(2)重点施策の検討
現行プランの重点 7 項目をベースに、新たな 5 年間で取り組むべき重点施策を検討
する。検討にあたっては、現行プランにおける取組状況や課題等を踏まえるとともに、
区域施策編との整合を図る。地方自治体カーボンマネジメント・強化事業(環境省)
等の補助金を活用した新たな施策の事業化を検討する。
(3)具体的取組項目の検討
市が取り組むべき具体的な項目について、現行プランをベースとして「職員の日々
の取組」
、
「施設、設備の改善による対策」、「業務の改善による対策」のそれぞれにつ
いて検討する。特に、
「施設、設備の改善による対策」においては、別途発注する「ス
マートシティ岐阜推進プラン策定業務委託」と整合性を図り、公共施設の新・改築時
や設備の更新時等に活用可能な指針を示す。
(4)推進と点検評価手法の検討
「岐阜市環境管理システム(GEMS)」マニュアルにより、取組を点検評価する。GEMS
の各種帳票等については、前項までの検討結果を必要に応じて反映する。
また、GEMS の運用に関して、指定管理者により管理されている施設に対する運用方
法などについて、改善に向けた提案を行う。
(5)計画書の作成
「環境アクションプランぎふ」の本編を作成する。作成に当たっては、見やすさ、
分かりやすさに配慮し、職員の取組を後押しする内容とする。
第3条 (関係する計画及び他業務等との整合性)
業務の実施及び報告書並びに各種成果品の作成にあたっては、以下の岐阜市において関
係する各種計画、業務完成図書などの内容及び国や岐阜県等における地球温暖化対策の動
向などを把握し、整合性を十分に図り業務を遂行する。
特に、今年度実施を予定している「スマートシティ岐阜推進プラン策定業務委託」と内
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容及び業務の進捗について整合性を図り、両業務の目的を遂行することに留意する。
(1)岐阜市環境基本計画(平成 25 年 7 月)
(2)岐阜市地球温暖化対策実行計画(平成 23 年 3 月)
(3)環境アクションプランぎふ 2012(平成 24 年 3 月)
(4)スマートシティ岐阜実証事業予備調査業務委託(平成 23 年度)
(5)スマートシティ岐阜実証事業効果検証業務委託(平成 26~27 年度)
(6)スマートシティ岐阜推進プラン策定業務委託(平成 28 年度)
(7)岐阜市総合計画(平成 25 年 3 月)
(8)岐阜市都市計画マスタープラン(平成 22 年 5 月)
(9)岐阜市中心市街地活性化基本計画(平成 26 年 7 月)
(10)岐阜市総合交通戦略(平成 26 年 3 月)
(11)岐阜市地域公共交通総合連携計画(平成 25 年 8 月)
(12)岐阜市住宅マスタープラン(平成 23 年 3 月)
(13)岐阜市ごみ処理基本計画(平成 22 年 3 月)
(14)岐阜農業振興地域整備計画(平成 27 年 12 月)
(15)岐阜市森林整備計画(平成 27 年 3 月)
(16)岐阜市緑の基本計画(平成 21 年 10 月)
等
第4条 (成果品)
(1)
業務報告書 (キングファイル形式)
2部
(2)
打合わせ議事録
1式
(3)
上記(1)~(2)及び下記 a~c の電子データ(CD-ROM、a~c のホームページ
公表用データは PDF とする)
2式
a.岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)
b.環境アクションプランぎふ(岐阜市地球温暖化対策実行計画(事務事業編))
c.岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)概要版(A4 カラー、8 頁程度、
観音折り)
(4)
温室効果ガス排出量及び吸収量の算定ツール及び算定手順説明書
(CD-ROM)
1式
以
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9
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上