ドル安・円高はやや行き過ぎの面も - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 4 月 8 日
ドル安・円高はやや行き過ぎの面も
1.ドル円は黒田バズーカⅡ前の水準に
日銀の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を受け、1 月 29 日には一時 121 円後半まで上昇し
たドル円でしたが、4 月に入りドル売り・円買いが強まり、7 日のニューヨーク外国為替市場で 107 円 70 銭
前後と、約 1 年半ぶりの水準まで下落しました(図表 1)
。
2014 年 10 月 31 日に日銀が「量的・質的金融緩和」を拡大(黒田バズーカⅡ)し、ドル円の水準を一気に
120 円前後まで引き上げましたが、この円安が帳消しになった格好です。
このドル円の動きについては、
2 月に開かれた 20 か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議において、通貨の競争的な切り下げを

回避することで合意し、日銀のサプライズ緩和による円の大幅な下落への期待が後退したこと
米連邦準備制度理事会(FRB)が 3 月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利見通しを引き下

げるとともに、イエレンFRB議長が世界経済の減速を背景に、利上げを慎重に進めていく姿勢を示し
たこと(図表 2)

日銀や欧州中央銀行(ECB)などの、金融政策の手段や効果が限られてきているとの懸念

米大統領選の有力候補者が日本や中国の通貨安誘導を批判していること
(円、ポイント)
図表1. ドル円とドル指数
130
6.0
120
5.0
110
4.0
100
3.0
図表2. 米金利と期待インフレ率
(%)
2.0
90
1.0
80
0.0
70
政策金利
(注)ドル指数:主要10通貨に対するドルの動きを示すブ ルームバ ーグ・ドル・スポット指数
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
5年債利回り
16/1
15/1
14/1
13/1
12/1
11/1
10/1
09/1
08/1
07/1
06/1
05/1
(年/月、日次)
ドル指数
04/1
ドル円
03/1
07/1
07/7
08/1
08/7
09/1
09/7
10/1
10/7
11/1
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
-1.0
(年/月、日次)
期待インフレ率(5年)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
図表3. 投機筋のポジション(日本円)
(枚)
図表4. 投機筋のポジション(ドル指数)
(逆目盛、円)
100,000
(ポイント)
(枚)
75 100,000
50,000
85
0
95
105
80,000
100
60,000
95
90
40,000
85
円のネットポジション(左目盛)
20,000
(年/月、週次)
16/1
15/1
14/1
13/1
12/1
11/1
10/1
09/1
08/1
07/1
06/1
05/1
75
ドルのネットポジション(左目盛)
ドル円(右目盛)
(出所)米商品先物取引委員会(C FTC)、 Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投 信作成
80
0
16/1
15/1
14/1
13/1
65
12/1
-200,000
11/1
70
135 -40,000
10/1
125 -20,000
09/1
-150,000
08/1
115
07/1
-100,000
06/1
105
05/1
-50,000
(年/月、週次)
ドル指数(右目盛)
(出所)米商品先物取引委員会(C FTC)、 Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投 信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
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投資環境
2016 年 4 月 8 日
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など、ドル売り・円買い材料が増える中、投機的な動きもドル円の下落を加速させたとみられます(図表 3、
4)
。
安倍首相が恣意的な為替介入は慎まなければならないと発言したことで、為替介入への警戒が後退したこと
も、投機的な円買いを加速させた可能性があります。また、米金利が、利上げ開始でも落ち着いた動きになっ
ていることに加え、米国の期待インフレ率は比較的高いことから、名目の金利からインフレ率を差し引いた実
質金利で見るとドルの魅力はさほど高くないことも、ドル買いを弱めているとみられます。
2.やや行き過ぎの面も
もっとも、黒田バズーカⅡを受けた急激なドル円の修正は完全に打ち消された格好になりましたが、日米金
融政策の方向性は変っていません。マネタリーベースについても日本は拡大が継続するのに対し、米国は当面
横ばいが見込まれます(図表 5)
。短期間の急激な円安は行き過ぎだった可能性がありますが、完全に帳消し
にするのもやや強引と思われます。
日米金利差とマネタリーベースの比率からドル円を推計すると、方向性はドル高・円安地合い(図表 6)
。
行き過ぎた円安は修正され、現在は日米の金融政策の方向性の違いから見た妥当水準から大きくかい離するド
ル安・円高の進行とみることもできます。
今後は、各国が財政出動などで協調し景気浮揚を図ることができるか、米国が世界経済への影響に配慮しつ
つ、堅調な米経済を背景に緩やかながらも利上げを継続していけるかなどに加え、リスクオフ(回避)の一因
となる増産凍結などの原油価格をめぐる動きも確認していく必要があります。投機的な円買いのポジションが
いつ巻き戻すのかも注目材料です。また、過度な為替変動(円高)に対する為替介入については、実施するこ
とは可能とみられます。
ドラギECB総裁はECB年次報告書で、「世界経済の見通しは不透明で、デフレ圧力にも直面している。
さらに、欧州の方向性のほか、衝撃に対する同地域の耐久力についての疑問にも直面している」と指摘すると
ともに、一段の刺激策を示唆しました。日本でも月末に、
「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)の公表と
ともに、日銀金融政策決定会合を控えます。国内の金融市場が不安定な動きになる中、円高・株安を受けた日
銀の次の一手も期待したいところです。
図表6. 金利差、マネタリーベースから見た
図表5. 日米のマネタリーベース
(2007/1=100)
500
450
(QE2)
400
推計値
110
米国の量的緩和
(QE1)
100
200
90
日銀の
異次元緩和
150
100
50
80
70
日本
(年/月、月次)
(注)日米金利差とマネタリーベース の比率 からドル円を推 計
16/1
15/7
15/1
14/7
14/1
13/7
13/1
12/7
12/1
11/7
11/1
10/7
10/1
07/1
07/7
08/1
08/7
09/1
09/7
10/1
10/7
11/1
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
米国
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
09/7
60
0
09/1
250
ドル円
120
350
300
ドル円の妥当水準
(円)
130
(QE3)
(年/月、月次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
(シニアストラテジスト 鈴木和仁)
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