麦の生育と管理 平 成 28年 4月 号 北部振興局集落営農・水田班 今後の麦の管理 ◎これまでの天候 11月 上 旬 か ら 1月 上 旬 ま で は 気 温 が 高 く 推 移 し 、 麦 の 生 育 は 前 進 化 し ま し た 。 し か し 、 1月 中 旬 以 降 は 気 温 が 低 下 し た こ と も あ り 、 生 育 が 抑 え ら れ ま し た 。 今後の降雨により根の活力低下を招かないように、額縁の補修等の排水対策を 行い、湿害に備えましょう。 ◎ミナミノカオリは実肥でタンパク質含有量向上を! 醤油・パン用小麦ミナミノカオリは、タンパク質含有量を高める必要があります。 タ ン パ ク 質 含 有 量 基 準 値 ( 11.5~ 14.0% ) を 必 ず 確 保 し ま し ょ う 。 施肥はタンパク質含有量が上がりやすい尿素や硫安の散布を行いましょう。 省力的な葉面散布でも施肥ができます。 実肥の施肥量と時期 施肥方法 窒素成分量 硫安・ 尿素散布 6 葉面散布 2.8 kg/10a kg/10a 施肥量(10a 当たり) 施肥時期 硫安 30kg または 尿素 13kg 出穂後 0 ~ 10 日 尿素 6kg/ 水 100L を 2 回散布 赤かび病防除と混用し同時散布 ※防除適期参照 裏 面 へ 防除適期 ◎赤かび病防除の徹底! ○赤かび病とは? 赤かび病の原因であるフザリウム菌は、人体に 有毒なかび粒が毒を発生させます。そのため、 赤かび病は混入すると規格外になります。 赤かび病は出穂期から乳熟期に多雨、曇天で 高 温 ( 20~ 27℃ ) の 場 合 に 多 発 し ま す 。 気象庁は今後も温暖多雨傾向と予報している ので、今年は例年以上に注意し適期防除に努 めましょう。 大麦 葯殻抽出期 小麦・裸麦 開花最盛期 大麦:出穂12~14日後 小麦:出穂7~10日後 裸麦:出穂5~7日後 + 7~10日後に2回目散布 ○赤かび病の防除法 赤かび病は2回防除が基本です! 1回 目 と 2回 目 の 薬 剤 を 変 え る こ と で 、 防 除 効 果 が 高 ま り ま す 。 赤かび病の防除効果は、水和剤または乳剤の方が粉剤よりも高くなります。 赤かび防除薬剤 麦種 薬剤名 使用時期 トップジンMゾル 収穫 14 日前まで 水和剤 小麦 裸麦・大麦 大麦 使用回数 希釈倍率 3 回以内 1,000 ~ 1,500 倍 出穂期以降は2回以内 シルバキュアフロアブル 収穫 7 日前まで 2 回以内 2,000 倍 チルト乳剤 25 収穫 3 日前まで 3 回以内 1,000 ~ 2,000 倍 トップジンM水和剤 収穫 30 日前まで 3 回以内 1,000 ~ 1,500 倍 トップジンMゾル 収穫 14 日前まで シルバキュアフロアブル 収穫 14 日前まで チルト乳剤 25 収穫 21 日前まで 出穂期以降は1回以内 1,500 倍 2回以内 2,000 倍 1回以内 1,000 ~ 2,000 倍 ◎カラスノエンドウ等の種子混入防止 カラスノエンドウ等の種子混入は麦の等級低下の要因となるだけでなく、産地全 体 の 評 価 の 低 下 に つ な が り ま す 。 小 麦 は バ サ グ ラ ン 液 剤 を 収 穫 45日 前 ま で 使 用 できますが、大麦は除草剤の使用時期が過ぎており除草剤は使用できません。 除草剤の使用時期以降にカラスノエンドウ等が圃場に残った場合には、抜き取り 除草を行いましょう。 産地全体の評価を守るために、雑草の種子混入を必ず防ぎましょう。 周囲への配慮を忘れずに農作業を! 堆肥の臭いや農薬の飛散は周囲とのトラブルの原因となります。 周囲に配慮した農作業を行いましょう。
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