『コーヒーバッグ』がブームの兆し

1/4
Press Release
トレンド総研
トレンドレポート
URL:http://www.trendsoken.com/
2016 年 4 月 5 日
~トレンド予測レポート~
コンビニコーヒー、サードウェーブコーヒーに続く「ネクストトレンド」
『コーヒーバッグ』がブームの兆し
大手メーカーも新製品を投入
トレンドの専門家が語る“バッグタイプ”注目の背景とは
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、2016 年のコーヒートレンドとして、『コー
ヒーバッグ』に注目し、レポートいたします。
【レポート内容】
1:【概要紹介】 今年注目の『コーヒーバッグ』とは
2:【生活者調査】 コーヒーに関する意識・実態調査
3:【専門家コメント】 『コーヒーバッグ』注目の背景
4:【企業取材】 『コーヒーバッグ』市場の実態
1:【概要紹介】 今年注目の『コーヒーバッグ』とは
近年、移り変わりが激しい「コーヒートレンド」。コンビニ
コーヒーや、トクホコーヒーなど、独自の特徴をもったコー
ヒーが次々と登場しています。ここ 1 年においては、1 杯
ずつ丁寧に淹れるスタイルのグルメコーヒーを指す「サー
ドウェーブコーヒー」が大きな話題になりました。
そんな中、2016 年は早くも新しいコーヒーの楽しみ方が
注目されつつあります。それが 『コーヒーバッグ』です。
『コーヒーバッグ』とは、ティーバッグのように淹れるコー
ヒーのこと。カップにお湯を入れて、コーヒーバッグを浸す
ことで、紅茶のように、簡単にレギュラーコーヒーを淹れ
ることができます。
最近では、大手メーカーやコーヒー専門店でも、こうしたバッグタイプのレギュラーコーヒーに注目する動きが加速。
新商品として『コーヒーバッグ』を投入する動きもあり、今後ますます人気が高まっていくと予想されます。
2/4
2:【生活者調査】 コーヒーに関する意識・実態調査
今回は、生活者のコーヒーに関する意識や、『コーヒーバッグ』に対する興味・関心の度合いを探るため、20~50 代
男女 500 名を対象とした調査をおこないました。
[調査概要]
・調査名:コーヒーに関する意識・実態調査
・調査期間:2016 年 3 月 8 日~3 月 11 日
・調査方法:インターネット調査
・調査委託機関:楽天リサーチ
・調査対象:20~50 代男女 500 名 ※コーヒーを飲む習慣がある方 (年代・性別 均等割付)
◆ ここ数年で「家庭でコーヒーを飲むことが増えた」人が約 7 割に
はじめに、「ここ数年で、コーヒーの種類や選択肢が増えたと思います
[グラフ 1]
か?」と聞いたところ、83%が「そう思う」と回答。また、「コーヒーを飲む機
会が増えた」と答えた人も全体の 64%にのぼっています。
続いて、コーヒーの中でも特に「家庭(自宅)での飲用」について質問を
しました。まず、「コーヒーを自宅で飲むことはありますか?」と聞くと、
87%が「ある」と回答。そのうち、「ここ数年で、家庭においてコーヒーを飲
むことが増えた」という人は 68%と約 7 割という結果になりました [グラフ
1] 。 さらに、「家庭用コーヒーのクオリティレベルがあがっていると思う」
と回答した人も 75%におよんでいます。
なお、「家庭用コーヒー」を選ぶ際のポイントとしては、「味が美味しい」
(69%)、「手軽である」(64%)、「香りがよい」(56%)、「価格が手頃であ
る」(54%)が上位となりました [グラフ 2] 。 味や香りに対する満足度を求める一方で、淹れる時や価格の手軽さも重
視したいと考える人が多い様子がうかがえます。
◆ 『コーヒーバッグ』を試してみたい…7 割超が回答
こうしたニーズをかなえるのが『コーヒーバッグ』です。バッグタイプの抽出方法を取り入れることで、本格的なレギュ
ラーコーヒーを手軽に楽しむことができます。
実際に、『コーヒーバッグ』を試してみたいと思うかを質問したところ、全体の実に 73%が「そう思う」と回答。『コー
ヒーバッグ』は生活者からの関心も高いアイテムであると言えます [グラフ 3] 。
[グラフ 2]
[グラフ 3]
3/4
3:【専門家コメント】 『コーヒーバッグ』注目の背景
続いて、生活者のトレンドに詳しい、商品ジャーナリスト・北村森さんに、『コーヒーバッグ』に注目が集まる背景につい
てお伺いしました。
◆ さまざまなトレンドを経て「多様化」するコーヒーの飲用スタイル
近年、コーヒーをめぐるトレンドが多発的に出現しています。
まず代表的なのが、90 年代から台頭してきた「シアトル系コーヒーチェーン」や、昨年話題になった「サードウェーブ
コーヒー」に代表される、海外発のトレンド。そして、「コンビニコーヒー」、「トクホコーヒー」のような新しい特徴を持った
コーヒーも話題になりました。
さらに、マシンの進化も目覚ましく、デザイン性にすぐれたエスプレッソマシンや、ワンタッチで本格的なコーヒーが楽
しめるカプセル式メーカーも売れ行き好調。最近では中高年を中心に家庭用サイフォンの人気も復活しています。
このように、さまざまなトレンドが生まれたことによって、ここ数年でコーヒーの選択肢は大きく拡大しました。これに伴
い、コーヒーの飲用スタイルも多様化。職場では缶やカップの自動販売機、コンビニに出かけた時にはおやつと一緒
に「ついで買い」、ゆっくり休憩したい時にはカフェで…といった具合に、シーンや目的にあわせてコーヒーをセレクト
する消費者も増えています。
◆ 2016 年は『コーヒーバッグ』に注目・・・「手軽さ」と「本格的な味わい」の両方をかなえるアイテム
また、コーヒー習慣の拡大に伴い、「家庭」での飲用機会も増加。前述の調査結果の通り、「ここ数年で、家庭にお
いてコーヒーを飲むことが増えた」という人は、コーヒー飲用者の約 7 割にのぼっています。
そして、この家庭用コーヒーにおいて、2016 年に注目したいのが『コーヒーバッグ』です。近年のコーヒートレンドは、
大きく分けて「より手軽に」あるいは「より本格的に」という 2 つの流れがありますが、『コーヒーバッグ』はその両方を満た
すアイテム。インスタントコーヒーやスティックコーヒーなどではニーズが満たせない、「レギュラーコーヒー」派のユー
ザーからも支持を集めると予想されます。
また、「バッグタイプ」というスタイル自体が、ティーバッグを通じて、すでに消費者の生活に溶け込んでいるという点も
ポイント。「コーヒー×バッグ」という組み合わせ自体は新しいものですが、どのようなものかは容易に想像がつくので、
生活者にとって受け入れやすいアイテムと言えます。
最近は、どのジャンルでも “その手があったか”という商品がヒットする傾向にありますが、この『コーヒーバッグ』はまさ
に、これまでありそうでなかったアイテム。レギュラーコーヒーなのに簡単に淹れられて、後片付けもラク、さらに濃さも
調整できる。今までとは異なる要素をもった新しいコーヒースタイルとして、ますます注目を集めていきそうです。
北村 森 (きたむら もり)
商品ジャーナリスト
『日経トレンディ』編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。退職後、
商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などととも
に地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』
(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)など。
4/4
4:【企業取材】 『コーヒーバッグ』市場の実態
さらに今回は、『コーヒーバッグ』市場に参入した企業として、日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 コー
ヒーグループの清水文子さんに取材をおこないました。
◆ 新たなコーヒーの飲み方に対して、消費者が「柔軟」かつ「積極的」に
当社では、2016 年 3 月末に缶コーヒーでお馴染みの「ジョージア」
ブランドから、バッグタイプの自宅用レギュラーコーヒー製品「ジョー
ジアカフェ コーヒーバッグ」を発売開始いたしました。アラビカ種
100%のコーヒー豆がたっぷり 9g 入ったメッシュのコーヒーバッグを
カップに入れ、お湯を注いで 1 分待つだけで、本格的な淹れたてで
味わうことができます。
開発段階では『コーヒーバッグ』の市場自体、まだ小さいものでした
が、今後拡大の可能性が高いと考え、製品化にふみきりました。というのも、近年は、フレンチプレスや水出し、サード
ウェーブ系など、消費者のコーヒー飲用スタイルの多様化が進んでおり、新たなコーヒーの飲み方に対しても「柔軟」
かつ「積極的」に試してみる風潮が出てきています。実際に消費者向けに実施したアンケートでも、手軽かつ本格的な
『コーヒーバッグ』というコンセプトは、非常に受容性が高いことがわかりました。
にもかかわらず、これまで『コーヒーバッグ』というスタイルが浸透していなかったのは、バッグの形態でコーヒーをおい
しく淹れるための技術的なハードルが高かったこと、さらにそれを手頃な価格で提供することが難しかったことにあると
考えられます。バッグタイプのコーヒーは、コーヒーとしての味のクオリティだけでなく、短時間で程よいコーヒーの濃さを
実現するのが非常に難しいのです。
当社でも、開発にあたっては、バッグの素材と豆の粒度のベストな組み合わせにはじまり、ブレンドや焙煎の検証な
ど、さまざまな苦労がありました。バッグの素材と豆の粒度を決定するのに、100 種類以上試すなど、『コーヒーバッグ』と
して製品化が可能な規格が固まるまで、実に 2 年もの開発期間を要しています。
◆ 開発企業が考える、『コーヒーバッグ』のメリット
『ジョージアカフェ コーヒーバッグ』のメリットは、なんといっても、その“手軽さ”と“本格的な味わい”を両立させた点で
す。忙しい朝でも、簡単に美味しいコーヒーを淹れることができるのは嬉しいポイント。ドリップパック式のように、お湯
を注ぐときに気を使う必要がなく、粉をこぼす心配ありません。
さらに、後始末もとても簡単。ドリップパックの場合は、カップから取り外す時に、粉や残りの水分などがこぼれてしまう
ことがありますが、バッグタイプであれば、ゴミ箱にポイっと入れるだけです。
また、簡単に淹れられるコーヒーといえばインスタントコーヒーを思い浮かべる方が多いと思いますが、『ジョージアカ
フェ コーヒーバッグ』は、インスタント不使用で、アラビカ種 100%のコーヒー豆をたっぷりと 9gも使っているので、手軽
であると同時に、より本格的な豆から淹れたコーヒーの味わいを楽しむことができます。さらに、抽出時間を変えれば
自分好みの濃さで楽しめるのも、『ジョージアカフェ コーヒーバッグ』ならではのポイントと言えます。
■このリリースに関するお問い合わせや取材、資料をご希望の方は下記までご連絡ください■
トレンド総研 http://www.trendsoken.com/ 担当:山口 真侑(やまぐち まゆ)
TEL:03-5774-8871 / FAX:03-5774-8872 / mail:[email protected]