「Civil Infrastructure Platform」への参画について

2016 年 4 ⽉5⽇
株式会社 東芝
インダストリアル ICT ソリューション社
社会インフラシステム向け Linux®の普及を推進する
「Civil Infrastructure Platform」への参画について
当社は、Linux®の普及を推進する The Linux Foundation が運営する、社会インフラ向け協業プロジェク
ト「Civil Infrastructure Platform(以下、CIP)」に、設⽴メンバーおよびボードメンバーとして参画しました。
家電などの組込み製品から発電プラント向けコントローラなどの重要な社会インフラシステムまで、多くの製品やシ
ステムに Linux®を適⽤してきた知⾒・ノウハウを活かし、⼈々の⽣活や社会を⽀える社会インフラシステム向け
に、⾼信頼かつ⻑期間の保守を可能とする基盤ソフトウエアの実現を⽬指します。
The Linux Foundation は、Linux® および共同ソフトウエア開発の発展に取り組む⾮営利のコンソーシア
ムです。The Linux Foundation には、コネクテッドカー注1向けの共通 Linux®基盤を開発する
「Automotive Grade Linux(AGL)」や、PaaS 注 2 の発展をめざす「Cloud Foundry Foundation」などの
社会が直⾯する課題に対して、複数の企業や開発者が集まり解決⽅法を共同開発する「協業プロジェクト」が
あります。CIP は、今回新たに設⽴された、社会インフラシステム向けに OSS 注 3 の開発に取り組む「協業プロジ
ェクト」です。
Industrie4.0 や Industrial Internet など、世界的な IoT/ICT 技術の利活⽤が急速に拡⼤している現
在において、社会インフラシステムでもネットワーク化の動きは拡⼤しており、OSS である Linux®の社会インフラ
におけるシステム基盤ソフトウエアとしての重要性は⾼まっています。
社会インフラシステムは、常に安⼼・安全であることが求められ、強固なセキュリティと共にシステムの信頼性、
安定性、相互接続性等を確保しなければならないという課題があります。従来、企業はシステムごとに独⾃で課
題解決を⾏っていましたが、Linux®を活⽤することの重要性が⾼まり柔軟な対応が求められていく中で、社会
全体の共通課題として解決していくことが必要とされています。
CIP では、この共通課題を解決するために⼈々の⽣活を⽀える社会インフラシステム向けに、安⼼・安全で信
頼性が⾼く、強固なシステムセキュリティを確保した OSS 基盤と、社会インフラシステム特有の 10 年から 30 年
間の⻑期に渡るライフサイクルをサポートする保守を提供すべく取り組んでいきます。
当社は、ボードメンバーとして CIP に参画するとともに、CIP 内部の技術委員会である Technical Steering
Committee(TSC)の主要メンバーとして活動します。また、他の CIP メンバーともに、今後の社会インフラシステ
ムを⽀える OSS の開発に取り組んでいきます。
■ Civil Infrastructure Platform
https://www.cip-project.org/
注1 コネクテッドカーとは、ICT 端末としての機能を有する⾃動⾞のことであり、⾞両の状態や周囲の道路状況などの様々なデー
タをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を⽣み出すことが期待されている。
注 2 PaaS(Platform-as-a-Service)とは、アプリケーションソフトが稼動するためのハードウェアや OS などの基盤(プラットフォー
ム)を、インターネット上のサービスとして利⽤できるようにしたものです。また、そのようなサービスや事業モデルのことです。
注 3 OSS(Open Source Software) とは、プログラミング⾔語で書かれたコンピュータプログラムのソースコードを広く⼀般に公
開して、改良や再配布を⾏うことが誰でも⾃由にできるソフトウエアのことです。OSS は、あらゆるユーザーが良質のソフトウェアを利
⽤することを可能とし、ソースコードを共有の知的財産として扱い、修正や改良を重ねていくことで、より良いソフトウェアに育んでいく
ことを志向しています。OSS として提供されている代表的なソフトウエアとして、Linus Torvalds ⽒によって開発された Linux®があ
ります。
※Linux は、Linus Torvalds ⽒の⽇本およびその他の国における登録商標または商標です。