Ⅰ 1 しごと・ひと・まち創生総合戦略策定の趣旨 総合戦略策定の背景及び目的 現在、日本では、少子高齢化と人口減少が進行しており、地域経済の衰退やコミュニテ ィの崩壊等の問題が顕在化してきています。 このような状況の中、国は、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めを かけ、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維 持していくため、平成 26 年 11 月に「まち・ひと・しごと創生法(以下「法」という。)」 を公布し、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことが できる地域社会の形成、地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保、地域における魅力 ある多様な就業の機会の創出を一体的に推進すること、すなわち「まち・ひと・しごと創 生」を掲げ、その理念に基づいた計画を策定することを地方公共団体に求めました。 これを受け、荒川区では、持続可能な地域社会を維持するためには、まず「しごと」が 「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立することが重要であり、そ の好循環によって「まち」が活力を生み出すとの考えから、 「荒川区しごと・ひと・まち創 生総合戦略」として計画を策定することとしました。 (以降、本計画では「まち・ひと・し ごと創生」を「しごと・ひと・まち創生」と表記します。) 荒川区は、現在のところ人口が増加傾向となっているものの、何も対策を打たなければ、 将来的に人口減少に転じる可能性もあります。そこで、荒川区の人口規模を将来に渡って 維持し、持続可能で活力ある地域社会を築き、 「荒川区基本構想」で掲げた「幸福実感都市 あらかわ」を実現していくためには、現時点から中長期的な視点で対策を進めていく必要 があります。また、荒川区だけのことに留まらず、日本社会全体が再びその力を取り戻し、 持続可能な社会を築いていくためには、日本全体でヒト・モノ・カネといったパイを奪い 合うような「ゼロサム」的な考え方ではなく、全国の自治体が互いの良い部分を活かして 協力・連携し合い、互いに発展していく「プラスサム」の関係を築き、全国における各地 域の活性化を図っていく必要があります。 「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」は、 「荒川区人口ビジョン」において示した 人口動向分析や将来人口推計結果等を踏まえ、荒川区の人口規模を将来に渡って維持し、 持続可能で活力ある地域社会を築いていくとともに、全国の自治体との連携、交流を推進 することにより共存共栄を図っていくための戦略書であり、この戦略の実現により、しご と・ひと・まち創生を実現し、誰もが幸福を実感できる地域社会を築いていくために策定 するものです。 2 2 総合戦略の位置付け 荒川区では、平成 19 年 3 月に「荒川区基本構想」を策定し、概ね 20 年後の区の目指す べき将来像として「幸福実感都市あらかわ」を掲げ、6 つの都市像を示しました。 そして、基本構想に掲げる「幸福実感都市あらかわ」を実現するため、6 つの都市像ご とに施策の体系と方向性、目標とする指標等を示した戦略書である「荒川区基本計画」を 平成 19 年 3 月に策定しました。また、「荒川区基本計画」に基づき、重点的に取り組む事 務事業の具体的な取組を明らかにする「荒川区実施計画」を策定しています。 「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」は、「荒川区基本計画」、「荒川区実施計画」 に掲げた目標や方向性、政策・施策の内、特に人口減少に歯止めをかけ、将来にわたり活 力ある地域社会を維持していくことに寄与する取組に焦点を当てて再構成するとともに、 全国の自治体との連携、交流の推進に関する取組をはじめとする新規の取組を追加し、 「し ごと・ひと・まち創生の実現」を目指す計画として策定します。 なお、「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」は、「まち・ひと・しごと創生法」第 10 条第 1 項の規定に基づき策定するものです。 3 図表 1 荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略の位置付け 「幸福実感都市あらかわ」の実現 「しごと・ひと・まち創生」の実現 基本構想 基本計画 荒川区しごと・ひと・ 全国連携 まち創生総合戦略 の視点 実施計画 人口減少に歯止めをかけ、将来にわたり 全国の自治体との連携、 活力ある地域社会を維持していくことに 交流等、新規の取組を追加 寄与する取組に焦点を当て再構成 3 総合戦略の計画期間 「荒川区しごと・ひと・まち創生総合戦略」の計画期間は、平成 27 年度から 31 年度ま での 5 年間とします。 4
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