平成 28 年度入学式 告辞

平成 28 年度入学式
告辞
告
辞
本日ここに、鹿屋体育大学体育学部198名、体育学研究科24名
合計2
22名の新入生を迎え、平成28年度の入学式を挙行できますことは、国立大
学法人鹿屋体育大学の教職員ならびに在学生にとりまして、大きな喜びとする
ところであります。
そして、今日までご子弟を温かく見守り、ご支援を惜しまれなかった保護者
の方々をはじめ、関係各位の皆様方に、心からのお祝いを申し上げます。
また、御来賓の皆様には、御臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。
さて、平成23年に制定された「スポーツ基本法」では、
「全ての国民はスポー
ツを楽しむ権利を有する」ことが法律で謳われています。
さらに、昨年10月には「スポーツ庁」が発足しました。
このように、近年、スポーツが有する文化的・社会的意義は今や国際的にもゆ
るぎないものとして生活の中に根付いてきております。
ところで、1992 年の「新ヨーロッパ・スポーツ憲章」では、
「スポーツ」を「体
力向上、精神的充足感の表出、社会的関係の形成、競技力向上を目的とするあ
らゆる身体活動の総体」と定義しております。
つまり、スポーツを実施する時の動機や目的を基にスポーツを考えると「健
康スポーツ」「教養スポーツ」そして「競技スポーツ」に分類できます。
鹿屋体育大学は「スポーツ」の研究と教育を専門とする大学であり、また、
スポーツ科学や体育科学は、人間が健康で文化的な生活ができるよう、身心を
育成することを対象とした学問であります。
それぞれのスポーツの目的に合った身心を創造するためには、科学的に裏付
けられた理論と方法に従った科学的な指導が必要になります。
今日(こんにち)、健康で文化的な生活に資する体育・スポーツ活動を科学的
にアプローチする必要性がますます高まっています。
スポーツの科学的アプローチは主として自然科学的手法や人文社会科学的手
法が用いられてきましたが、現在では、スポーツの出来栄え、すなわち、スポ
ーツパフォーマンスを独自の科学的に分析・統合する手法、つまり、スポーツ
パフォーマンス科学が新しく用いられるようになってきております。
鹿屋体育大学は、これらのスポーツ科学をさらに発展させる使命があり、そ
の研究成果を基に体育・スポーツを教育し、社会に貢献することを目的とした
大学であります。
皆さんには、将来、
「健康スポーツ」
「教養スポーツ」そして「競技スポーツ」
の専門家として成長していただきたいと思います。
そのスポーツの専門家としては、主に4つの道があります。
第1の道は、スポーツ指導者であります。指導者には学校教育における体育
教員としての指導者、競技選手を指導するコーチやトレーナー等の競技スポー
ツでの指導者、健康体力づくりを目指す人を指導する健康スポーツでの指導者
であり、健康で文化的な生活を目指す高い資質の生活能力を発揮できるように
する「教養スポーツ」での指導者などであります。
第2の道は、スポーツ科学の研究者であります。自らの最も興味があり得意
とする学問領域の知識と技術を屈指してスポーツ科学の研究を専門とする研究
者であります。
第3の道は、オリンピックに代表されるトップアスリートを目指す道です。
授業や課外活動を通して優れた体力と技術及び知識を身に付け、日本や世界の
チャンピオンを目標としたトップアスリートを目指すことであります。
そして、第4の道は、スポーツ行政の専門家としての道であります。国民が
健康で文化的な生活を遂行すると同時にスポーツをエンジョイするためには、
スポーツ行政が重要であることは言うまでもありません。
皆さんは、4年間の学生生活を通じて自分に最もふさわしい専門家としての
人生をスタートしていただきたいと思います。
そのような人生の目標を達成させるためにも、皆さんは、これからの4年間
を教職員と一緒になって、体育学、スポーツ科学を学習し研究していただきた
いと思います。そして、これからの社会に必要なリーダーとしての能力を備え
ていただきたいと思います。
最後になりましたが、改めまして本日ここに、御来賓各位ならびに保護者の
方々の御列席を賜りましたことに厚く御礼申し上げるとともに、新入生の皆さ
んへの期待と激励を述べて、告辞といたします。
平成28年4月5日
鹿屋体育大学長
福永哲夫