平成28年4月

内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
石 原 伸 晃 殿
要
佐
請
賀
県
書
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関
する要請
平成27年10月5日に大筋合意したTPP協定については、平
成28年2月4日、ニュージーランドにおいて協定交渉参加12か
国による署名が行われ、現在、各国において国内承認手続きが進め
られています。
我が国においては、平成28年3月8日に、TPP協定本体の承
認案と関連法案が閣議決定され、同日国会に提出されました。これ
を受けて、国会では3月24日、衆議院に「環太平洋パートナーシ
ップ協定等に関する特別委員会」が設置されました。
大筋合意以降、国は、合意内容や
「総合的なTPP関連政策大綱」、
関連対策予算、経済効果分析などを公表し、それらに関する説明会
などを各都道府県単位でも実施してきました。
そうした中、県内では、TPPについては、「関税撤廃が見込まれ
る米国市場は魅力的」
、「関税手続きの簡素化が図られると良い」と
いったプラスの声がある一方、現在でも、農業者を中心に「国内の
需要が減少する中で、輸入牛肉によって和牛の価格が引き下げ圧力
を受けるようになると、益々、先行きが読めず不安だ。
」、
「米の生産
やその他の品目については、間接的なことも含めて影響があると思
う。」、「中山間地域など条件の厳しい地域が疲弊により荒れていく
ことが心配される。
」などの声が上がっており、依然として不安や懸
念が解消されていない状況にあります。
こうしたことから、以下について、強く要請します。
(1)TPPについては、国民に対し地域経済に与える影
響について、現場にできるだけ近いところで丁寧に情
報提供と説明を行うこと。
(2)農林水産業は、国の礎であり、また、本県にとって
も重要な産業であることから、TPPが発効された場
合も、また、発効されなかった場合のいずれの場合で
も、将来にわたって農林漁業者が夢と希望を持って経
営に取り組み、また、次の世代へ引き継いでいけるよ
う、経営安定対策や体質強化対策等について、万全の
措置を講じるなど、責任を持って適切に対応すること。
平成28年4月8日
佐賀県知事
山口 祥義