第3章 関連する計画等と必要とされる地域公共交通網(PDF

第1 編
第
3
章
関連する計画等と必要とされる地域公共交通網
地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
1 関連する計画等
(1) 第四次宇部市総合計画等
●「第四次宇部市総合計画」は平成 22 年 3 月に策定され、まちづくりに向けたコンセプト、
求める都市像を実現するための交通の施策が示されています。
●まちづくりに向けたコンセプト
第四次宇部市総合計画基本構想では、 元気 を合言葉に、まず「ひとが元気」
になり、次に「地域が元気」になり、そして「まちが元気」になることをコンセプ
トとして、誰もが住みたい、住み続けたいと思えるまちを目指しています。
●求める都市像
まちづくりの基本理念である「共存同栄・協同一致」、「人間が尊重される都市づ
くり」を基本とし、まちづくりの合言葉である 元気 ある都市を、行政や市民や団体、
高等教育機関などが協働し、実現していくことが求められています。
みんなで築く 活力と交流による元気都市
∼地域資源を共有し、みんなの元気を発信する協働のまちをめざして∼
●公共交通の取組目標
地域特性に対応しつつ、利用しやすい生活交通体系の構築、情報提供の充実、利
用意識の醸成を行い、移動に不自由している高齢者や学生等の移動手段の確保を図
るとともに、中心市街地活性化などのまちづくりの手段とするため、生活交通の活
性化・再生を行います。
●中期実行計画の施策体系における地域公共交通の位置付け
【取組の方向性】
地域経済の活性化
健康で心豊かなまちづくり
安心・安全なまちづくり
【施策】
01 産業力強化・雇用対策
1 中心市街地のにぎわい創出
02 低炭素まちづくり
2 生活交通の活性化・再生
03 ときわ公園全国ブランド化
3 再生可能エネルギー導入促進対策
04 観光・にぎわい
4 環境ビジネスの創出
05 中山間地域
5 家庭における環境活動の促進
6 実践的な環境教育の推進
7 協働による環境にやさしいまちづくり
8 環境保全対策
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まちづくりの共通基盤
●「宇部市まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、長期的な人口の将来展望に基づき、人
口減少の幅を抑制し、持続可能な都市づくりを目指して、平成 27 年 10 月に策定され、
政策の基本目標、具体的な施策展開が示されています。
●政策の基本目標
国の総合戦略が示す政策4分野ごとの基本目標及び「宇部市人口ビジョン」を
踏まえ、
「安定した雇用を創出する」、
「新しい人の流れをつくる」、
「若い世代の結婚・
出産・子育ての希望をかなえる」、「地域資源を活用した多様な地域社会の形成を
目指す」、また「にぎわいエコまち計画に基づく都市基盤の整備」の5つの基本目
標を掲げ、今後、本市が地方創生に取り組んでいく上での方向性を示します。
●5 つの基本目標における公共交通に関連する取組
4 地域資源を活用した多様な地域社会の形成を目指す
公共交通の利用が不便な地域における移動手段確保のために、地域特性に応じ
た交通手段を地域の力で実現するための支援を行います。
5 「にぎわいエコまち計画」に基づく都市基盤の整備
公共交通による中心市街地へのアクセスと地域内の回遊性の向上を図るととも
に、効率的な土地利用や都市機能の集積を進めます。
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地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
(2) 宇部市まち・ひと・しごと創生総合戦略
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第 3 章 関連する計画等と必要とされる地域公共交通網
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第 3 章 関連する計画等と必要とされる地域公共交通網
地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
(3) 宇部市都市計画マスタープラン
● 平成 27 年度に改定した「宇部市都市計画マスタープラン」は、都市の将来像、都市づ
くりの目標、都市づくりの方針、公共交通軸を示しています。
●都市づくりの目標
「都市空間の再編で活力を高める都市づくり」「安心して暮らしをみんなで築く都
市づくり」「宇部らしい環境を交流につなげる都市づくり」に取り組み、『多極ネッ
トワーク型コンパクトシティ(集約型都市構造)の実現』を目指します。
●都市拠点、地域拠点、地域コミュニティ核の位置と公共交通軸
都市拠点
市民に対して多様なサービス(行政、商業、医療、福祉、子育て支援、
文化施設)を提供し、市外に対しても市の顔として市の魅力を伝える
地域
地域拠点
都市拠点と互いに補完しながら、市民に対して多様なサービス(商業、
医療、福祉)を提供する地域
地域コミュニティ核
小学校区を基本に、日常生活において必要とされる基礎的なサービス
(行政、医療、福祉)を提供するとともに、コミュニティ活動の中心と
なる地域
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●「宇部市にぎわいエコまち計画」は平成 27 年 3 月に策定され、まちづくりの方向性(多
極ネットワーク型コンパクトシティへの転換)、目指す将来の都市像及びそれを達成す
るための公共公通の役割が示されています。
●宇部市が目指す「にぎわいエコまちづくり」
都市拠点、地域拠点、地域コミュニティ核を結ぶ公共交通を軸とし、それぞれの
拠点や地域コミュニティ核が機能を補完しあう「多極ネットワーク型コンパクトシ
ティへの転換」、限りあるエネルギーを効率的に利用する「エネルギー利用のスマー
ト化」、中心市街地の魅力を高める「市の顔としての中心市街地の魅力向上」をまち
づくりの方向とし、住民と民間企業、大学、行政が一体となって、中心市街地の活
性化と合わせた環境負荷の少ない「にぎわいエコまちづくり」を目指します。
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地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
(4) 宇部市にぎわいエコまち計画(低炭素まちづくり計画)
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第 3 章 関連する計画等と必要とされる地域公共交通網
地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
●拠点間移動を支える地域公共交通網の確保
地域拠点や地域コミュニティ核をつなぐ、鉄道、バスによる公共交通軸(主要幹線、
地域内幹線)を対象として、公共交通分野で取り組むべき施策を実施していきます。
今後、人口減少等により公共交通利用者数の減少が懸念されますが、拠点間移動に
応じた改善や、地域公共交通網沿線に居住機能を誘導することで利用者数を確保し、
都市拠点、地域拠点や地域コミュニティ核間の地域公共交通網の確保を図ります。
▼都市拠点、地域拠点、地域コミュニティ核候補地と公共交通軸(案)
都市拠点
バス路線
鉄道
地域拠点
用途地域
地域コミュニティ核
JR 軸
主要幹線軸
地域内幹線軸
新山口駅
厚狭駅
楠(船木)
厚東駅
小野田駅
宇部駅
厚南
宇部駅周辺(西宇部)
小羽山
黒石
原
藤山
鵜の島
中心市街地
宇部新川駅
見初
川上
東岐波
上宇部
琴芝
常盤
神原
恩田
西岐波
岬
※地域コミュニティ核については、平成 27 年度に改定した「宇部市都市計画マスタープラン」
で位置付けています。
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●「宇部市の公共交通の総合的な方針」は、宇部市の公共交通のあり方検討協議会の意見
具申書での提言を踏まえて、平成 26 年度に策定されたものであり、「持続性の高い公共
交通体系の確立」、「バス路線台帳(*)による定期的な情報の開示」、「見直し基準による評
価と改善のための取組」が示されています。
●見直し基準による評価と改善のための取組
見直しについては、地域住民だけではなく、市、交通事業者、市民・利用者代表
で構成し、法定協議会である「宇部市公共交通協議会(道路運送法関係)」の場での
協議、検討などを行っていきます。
また、交通不便地域や見直し対象地域では、新たな交通手段の導入に向けて、交
通政策担当者や地域支援員が地域に伺い、公共交通に関する問題点を洗い出して整
理するとともに、問題解決に向けたアイディアや活動の方向性について話し合い、
地域に適した交通手段の実証運行などを実施していきます。
方針での評価と改善の取組のイメージ
1 日に乗降客数
5 人以下の
停留所を見直し
経常収支率 30%未
達成の系統や路線の
沿線で見直し
全体的な効率化や
最適化
収支率 5%以上
を目標
1 便あたり 10 人
未満の系統又は
区間を見通し
新たな交通手段
の創設
収支率 20%以上
を目標
収支率 20%以上
を目標
市街地及び郊外部
中山間地域
凡例: 人口集積 高 中 低 主要幹線路線 地域内幹線路線 コミュニティ交通
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地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
(5) 宇部市の公共交通の総合的な方針
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地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
(6) 宇部市観光戦略アクションプラン
●「宇部市観光戦略アクションプラン」は、平成 27 年 10 月に策定され、
「安定した雇用」、
「新しい人の流れをつくること」を目的にして、観光まちづくりを実現するための交通
利便性の向上を含む 10 の戦略が示されています。
●観光戦略の体系
10 の戦略があり、戦略 1 では、空港及びJR主要駅、中心市街地からのアクセス
強化、戦略2では、空港、鉄道、港の活用を掲げています。また、戦略8では、二次
交通の機能充実として、空港やJRの主要駅と市内観光地を結ぶ利便性の向上、乗継、
時刻表の案内等をわかりやすく提供することが掲げられています。
(7) 鉄道沿線まちづくり(検討中)
● 平成 27 年度から山口県、宇部市、山口市、山陽小野田市、国土交通省、西日本旅客鉄
道株式会社は、JR宇部線での鉄道沿線まちづくりに関する勉強会を開催しています。
●鉄道沿線まちづくりガイドライン(第一版)
鉄道沿線まちづくりは、鉄道沿線を軸に、交通結節点である駅周辺に福祉、子育て
支援、買い物等の生活支援機能を誘導するとともに、拠点病院、大規模商業施設、文
化施設等の高次の都市機能については沿線の市町村間で分担・連携し、あわせてサー
ビス向上等によって、フィーダー(支線)交通を含む公共交通機能の強化を図るもの
としています。また、地域公共交通網形成計画の検討・作成プロセスと連携する必要
があると掲げています。
鉄道沿線まちづくりのイメージ
拠点病院 山口宇部空港
文化ホール等 ときわ公園
新山口駅
大規模商業施設
阿知須駅
宇部駅
草江駅
常盤駅
宇部岬駅
JR 小野田線
宇部新川駅
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JR 宇部線
● 上位計画・関連計画等では、
地域公共交通は、市民の生
公共交通の現状や関連する計画等からの本計画の地域区分
活を確保するための重要な
生活基盤であると位置付け
られています。
● 第四次宇部市総合計画で掲
北部
(楠地域)
げる求める都市像「みんな
で築く 活力と交流による
北部
(厚東・二俣瀬・小野)
元気都市」、宇部市にぎわい
号
西部
ク型コンパクトシティを実
正化計画と連携し、立地適
正化と地域公共交通網形成
の両輪で都市機能集積、居
住誘導を促進します。
東部
中央部
宇部新川駅
JR 小野田線
共交通が担うことが求めら
● 現在策定中の宇部市立地適
国道
宇
宇部駅
基盤となる多極ネットワー
れています。
部
JR 山陽本線
ちづくり」を目指し、その
現するための軸を、地域公
道
路
190
山陽自動車宇部下関線
口
利でエコな移動ができるま
厚東駅
山
方針の「公共交通など、便
JR 山陽新幹線
国道2号
エコまち計画で掲げる基本
JR 宇部線
宇部港
0
2.5
5
山口宇部空港
km
※本計画では、公共交通の現状や関連計画である宇部
市都市計画マスタープランなどを基本に、地形、地理
的条件等を考慮し、市域を「中央部」、
「西部」、
「東部」、
「北
部(厚東・二俣瀬・小野地域)」、「北部(楠地域)」の
5地域に区分して検討していきます。
本計画と上位・関連計画の計画期間との関係
平成
平成
26
27
年度
年度
平成
平成
28
29
年度
年度
平成
平成
30
31
年度
年度
平成
32
年度
平成
33
年度
(2014年度) (2015年度)(2016年度) (2017年度) (2018年度) (2019年度)(2020年度) (2021年度)
総合計画基本構想
(12 年)
総合計画
中期実行計画
総合計画
後期実行計画
(4 年)
(4 年)
まち・ひと・しごと創生総合戦略
(5 年)
都市計画マスタープラン
にぎわいエコまち計画
(10 年をめど)
地域公共交通網形成計画
(6 年)
立地適正化計画
(策定中)
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地域公共交通網形成計画策定に向けた地域及び必要とされる地域公共交通網の整理
2 関連する計画等で示された地域公共交通施策
第1 編
第 3 章 関連する計画等と必要とされる地域公共交通網