Unityを使った個人ゲーム開発における 「収益化」

Unityを使った個人ゲーム開発における
「収益化」の現状と未来
Throw the warped code out / ヘッドハイ
一條貴彰
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NO
シャッター音
はじめに
すべてはここから始まった
•
Unite 2013
“僕らが Unity で個人開発を始めた理由”
• 山村達彦さん
• 田村幸一さん
ゲーム作りに
再挑戦しよう!
一條 貴彰
• フリーランス / 個人ゲーム開発者
• 業務:ゲーム開発ツール専門コンサル
• ゲーム開発者が楽になるように!
• もっと面白いゲームが作れるように!
• 現:NIFTY Cloud mobile backend
エヴァンジェリスト….になりかけの人。
• 趣味
• 80’s洋楽シンセポップのレア音源コレクション
I’m not an engineer, but I’m a game developer.
プログラマーではありません。
Unityオペレーター?
ユニティ チョトデキル
でもコードは書きます
モデリングをします
作曲をします
シナリオを書きます
(ほぼ)ひとりでやっています
個人ゲーム開発
ゲームを作るには
(人生設計編)
ゲーム会社に就職する
• 大人数チームの一員として
• 最近はFree to Playの娯楽アプリ中心
• ユーザーにいかに楽しくお金を使ってもらうか
• はじめから作りたいものを作ることは
99%できない
趣味としてゲームを作る
• 本業の忙しさによる中断(再開しないことも)
• 大きく収入にはできない
• 日本独特の副業禁止文化
• 休みの時間、が辛い時間に…
起業する?
• めっちゃハイリスク
• スマホは超レッドオーシャン
• コンソールは超クオリティ合戦
• 気がつくと受託事業に埋もれていたり
• 仕事として、自分と従業員を食わせていく
• 本当にやりたかったことを見失う
ほかにも選択肢があるはず
仕事で収入を得る
+
個人ゲーム開発で収入を得る
仕事をしながら、個人ゲーム開発でも収入を得る
仕事/事業
創作
自分を使って実験中
本講演の目的
あなたの個人開発ゲームの「収益化」
収益化 ≠ マネタイズ手法
それより手前の段階
あなたのゲームから
価値を生み出せる状態にする
「ゲームを完成させる」
「目立たせる」
「発売する」
ゲーム開発の民主化
Unityを使って面白いのができた!で終わってしまわずに。
• 完成ゲームに育てあげる
• その存在をプレイヤーに伝える
• 配信・販売する
ここから、やっと「ゲーム」が「ゲーム」としての役割を全うする。
個人ゲーム開発者が開発活動を継続できて、初めて民主化
関連ツール・サービスとしては
Unity
Unity
Unity
Unity
Ads
IAP
Cloud Build
Analytics
「収益化」に持っていくまでの心得
完成させる
知ってもらう
販売する
『Back in 1995』ができるまで
『Back in 1995』 とは
• 3D”レトロモダン”アドベンチャーゲーム
• PS1/SS世代風のグラフィックと操作感
• 解像度は320 x 224
• ぶれるポリゴン・ゆがむテクスチャ
• キャラのポリ数は200前後!
Made with Unityコーナーで展示しているので、
観に来てね!
私が『Back in 1995』に至るまで
• 2008年:学生時代 HSPを学んでゲーム作るも挫折。
(単に3Dポリゴンのゲームに適していなかった)
• 2010年:(株)CRI・ミドルウエアに入社、営業として働く
• 2013年:仕事でUnityを触りだす
(旧ロゴ)
これならいける!
初めてのゲームリリース
・2014年3月(たぶん):
iOS / Android向け
Flappyなにがし風のミニゲーム
『ThroughSatl』
ゲーム開発経験ほぼゼロからの勉強。
10秒で終わるゲームに、1年かかった。
いくつかの失敗を経て….
2作目のリリース
・2014年11月: PlayStation Vita向け
背面タップ活用アクションゲーム
『CardBoard Cat EP』
https://www.youtube.com/watch?v=sq9eKo-NtzQ
次に何をしよう?
ヒントを求めて、過去ハマったゲームを遊び直す。
→初代PlayStationのゲーム。
「90年代のローポリ感が好き」だということに気がつく。
• 見た目が完全に90年代のゲームができたら、面白いのでは?
最初のスクリーンショット
ファーストトレイラー
https://www.youtube.com/watch?v=nx2ZK_CpGS8
その後、色々あって…
Steamで配信へ
配信元:
対象機種:
価格:
配信日:
株式会社Degica
PC/Mac/Linux
1,000~2,000円程度
2016年4月
『Back in 1995』の技術面
インターネットに書きました
私の開発メモブログ
「歪んだコードは投げ捨てろ」
http://ttwco.blogspot.jp/
という『Back in 1995』の経験から
完成させる
知ってもらう
販売する
完成させる
個人開発ゲームは、9割が完成しない
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•
コーディングしんどい
モデリング or 絵しんどい
シナリオしんどい
サウンドしんどい
しんどい…
• 自分の萎えポイントを理解する
• 何が苦手なのか?
• それは軽減したり、代替できないか?
適切に自分へムチを打つ
高額なツールを買って自分を追い込む?
おすすめしません。
自分一人で逃げることができてしまうため。
完成させるには
• 作業時間の確保
• 休日は殺せ。休憩時間を作れ。
• 1日20分だけでも作業を積む。
• 集中力の「購入」
• コワーキングスペースの利用
(月1万円前後)
コワーキングスペースにて:
ゲーム開発系コミュニティ続々登場
• 全国の「ゲーム制作部」ネットワーク発足!
関西ゲーム制作部、 関東ゲーム制作部
名古屋ゲーム制作部、 琉球ゲーム制作部
※共同制作ではなく、それぞれの作業をしています
※自主トレ場なので、受け身の姿勢では駄目ですよ☆
• その他の集中機会
• 勉強会
• 交流会
• もくもく会(自主トレ)
各種ゲーム展示会に参加する
• 展示会ドリブンおすすめ
• 個人開発ゲーム関連の展示会が、2か月間隔に開催される時期がある
• アドバイス
• 申し込んだことを、周囲の開発者に言いふらしまくる。
• TwitterやSNSなどで告知する。
個人開発ゲーム向け展示会
• BitSummit 4 th (京都)
• 2016/7/9~10
• 申し込み 4/8まで
• Tokyo Game Show 小規模向けのブース
• 2016/9/15~18
• 申し込み 6/10まで
• デジゲー博 2016 (東京)
• 2016/11/13
• 申し込み募集前
ここは写真をとれ!!!!メモしろ1!!
WELCOME
シャッター音!!
個人開発ゲーム向け展示会
• BitSummit 4 th (京都)
• 2016/7/9~10
• 申し込み 4/8まで
• Tokyo Game Show 小規模向けのブース
• 2016/9/15~18
• 申し込み 6/10まで
• デジゲー博 2016 (東京)
• 2016/11/13
• 申し込み募集前
カシャカシャタイムおわり
ゲームを知ってもらう
あなたの個人開発ゲームが目立つには?
存在した時点で
勝つ
『Back in 1995』の戦略
・ レトロ・懐かし系ゲームは8bit/16bitのドット絵(ピクセルアート)が主流
• “32bit世代 ローポリゴン”というジャンルをやっている人はいなかった
狂気
狂気の効能
• ゲームを特徴づける狂気は、すべてを持ってくる
• プレイヤー
• メディア
• 開発協力者
• タイトルを覚えてもらえなくても、ゲームを覚えてくれる
「あっ私にはむり」
もう一つの例
• ぬっそ (@NeoNusso) さん
「ACE OF SEAFOOD」
モデリングが苦手、の逆転の発想
リアルな魚がビームを放って戦う
狂気度高い
あなたの中に眠る
狂気
を、どうやって見つけるのか?
狂気をさがせ!
• あなたの興味が一番のソース
• 日本に100人ぐらいは愛好家がいるだろう、程度の何か
• 自分自身の狂気には気づきにくい
• 予想外の場所から狂気はこちらを見ている
• どこからネタが見つかるかは未知数
• 既にみんながやってる系統はNG
• 何でも美少女化する、とか…
狂気を見つけたらゲーム化する
「こんなゲームを作りたい」
↓
「こんなテーマのゲームがあれば、遊ぶ人はこう楽しんでくれる」
遊ぶ人の楽しむ心をデザインする
楽しむ心をデザインする
• 「Back in 1995」特有の体験
• 2016年にアナログスティック非対応
• ラジコン操作でキャラを動かす
• 上下で前進後退
• 左右で回転
「狂気」は心の芯
• スキルと関係がない自信
• 他の人との差別化が揺るがない
• パクられたら、しかたがない…
• どんな逆境になっても、ファンが応援してくれる
ニッチを狙うなら、その層を確実に落とす
• 狂気を軸に、トガる
• 刺さる人には、確実にファンになってもらう
• 刺さらない人からの風当たりは「Not for you」の精神
• 広いプレイヤーを獲得したい?
• マスを狙ってトガりを減らしていくゲームは大手の企業がやっていること
• せっかくの個人ゲーム開発、刺さる人に集中しよう
=この人たちは必ず楽しんでくれる、という安心感
Not for youの精神
• 『Back in 1995』に来た意見
• ドット絵(ピクセルアート)は芸術。
でも、初期ポリゴンゲームは単なる通過点だから、価値はない。
知るかバカ!
そんなことより開発だ!
販売する
個人開発ゲームでお金を得る方法
• イベントで手売りする・ショップに委託する
• いちばん手軽、伝統的
• コンシューマゲーム機やSteamで配信
• ゲーム機で開発するためにゲーム会社に入る、という必要はなくなった
• 個人開発者のためのパブリッシング事業者が増えてきた
• クラウドファンディングやパトロンサービス
• 日本でも本格スタート
コンシューマゲーム機やSteamで販売
• Steam
• Steamでの配信が可能なパブリッシャーとの契約
• Greenlight(投票によって販売権利を得る仕組み)
• コンシューマゲーム機
• 各機種で配信権をもつパブリッシャーとの契約
• 個人単位でゲーム機へ配信できるスキームも
• 過去はPlayStation Mobileや、Xbox Live Indie Games + XNAなど。
日本のパブリッシング支援事業者も増えてきました
パブリッシャー選びのコツ
• 自分の流儀、やっていること、ジャンルに「合っている」かどうかが大事。
• 日本的美少女に強い所
• ワールドワイド側に強い所
• 小粒系タイトルをやっているところ
・・・事業者のカラーに沿っていることが大事
新たな選択肢も
• クラウドファンディング「Crowdrive」
• ゲームに特化
• パトロンサービス「Enty」
• 作品ではなく、開発者本人に資金支援
完成させる
知ってもらう
販売する
←この先生きのこるには
生きのこる
現在の主流ゲームビジネスモデルの危うさ
• 無料広告アプリ
• 企業がテンプレート化したバズ狙いアプリを量産
• 広告はリジェクトに振り回される危険性
• ガチャ系アプリ
• スーパーレッドオーシャン
• ブースト規制
2つの道
1:定額販売
• 「Back in 1995」で実験中:
日本で、「尖った濃いゲーム」を作って売って生活していけるか
2:新たなビジネスモデルの模索
• F2Pでも、広告でもないもの?
個人ゲーム開発者はもっと
頑固ラーメン店主になるべき
頑固ラーメン店主になろう
• 個性的なラーメン屋から学ぶ
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スープ失敗で臨時休業
おめえはうちの客じゃねえ!
常連とは仲良く
ライバル店と仲良く
その店ならではの味
店によって方針が違う
ラーメンは文化
→
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→
→
→
→
→
特定の部分は妥協しない
お客さんを選ぶ権利を意識する
ヘビーユーザーと友達になる
商売敵ではなく、ともにシーンを盛り上げる
独自性を維持する
作り手の意図を最優先する
嗜好品としての価値意識を持つ
お客さんを選ぶ権利を意識する
• ターゲットではないプレイヤーには、お断り感はもっと出してよい
• 「Back in 1995」の場合は…
• 対象年齢30歳前後
• 今の学生から見たら、絵が汚いゲーム・・・。
• ファミコン世代から見たら、ドット絵が衰退した憎き原因!?
• スマホにリリースしない
• ゲーム機を買ったり、ゲームコントローラを買う能動的ゲーマーこそ大事
嗜好品としてのゲーム
• 漫画は「9番目の芸術」とも言われる。(フランス、バンド・デシネ)
• ゲームも嗜好品のステージに行くべき
• 大人の趣味
• 『Back in 1995』もその一つ
(25歳以下には良さが伝わらないという理由も…)
• 一握りの人だけわかる”良さ“のあるゲームを作ろう
何よりも大切なこと:
あなたが楽しむ
大事なところのおさらい
• いきなり仕事を辞めて、自分を追い込もうなんて考えないで
• まずは夜、土日祝、最低20分間ゲーム開発しましょう
• 途中までできたら、展示会や交流会で発表しましょう
• 徐々に制作活動の比率を上げていきましょう
• たまには、ゲーム開発とは別の趣味も。(心の逃げどころ)
自分だけのゲームを作ろう