29P-0645

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信頼性・操作性に優れた医薬品有害事象解析システムの開発
馮 春来 1 ,角山 香織 1 ,
◯藪内 弘昭 1,2 ,五島 誠 2 ,多門 啓子 2 ,赤松 香奈子 1 ,
1 1
京大院薬,2 京都コンステラ・テクノロ
栄田 敏之 1 ,村上 竜太 2 ,奥野 恭史(
ジーズ)
【背景・目的】
米国の Adverse Event Reporting System (AERS)に代表される医薬品有害事象の
自発報告制度は、承認段階では見過ごされていた副作用を検出するシステムとし
て、医薬品の安全保持に大きな役割を果たしてきた。また、近年では、これら集
積された大規模データベースから、統計的に有意な有害事象を抽出するマイニン
グ手法も報告されており、世界的に pharmacovigilance のシステム的な取り組み
が加速化されている。しかしながら、AERS 等の報告制度は任意の報告者による自
発的報告に基づくため、集積データの質に大きな課題を有している。そこで本研
究では、AERS に集積された有害事象関連データの整理と修正を丹念に行い、大規
模データから有用な情報を抽出するデータマイニング技術を実装することにより、
医療従事者が気軽に利用できる有害事象解析システムの開発を行った。
【方法】
FDA 提供の AERS(2004∼2009 年度)の有害事象データについて、テキストマイ
ニングおよびマニュアルキュレーションによるデータ整理を行い、独自データベ
ースを構築した。また、解析システムとして、4 種類のアルゴリズム(PRR、ROR、
GPS、BCPNN) による副作用シグナル検出、Web ブラウザを介した解析結果の可視化、
ユーザーフレンドリーなインターフェイスの実装を行った。
【結果・考察】
本研究により、約 160 万件の副作用発症例をカバーする、信頼性の高い統計解
析が可能となった。特に、臨床・調剤現場においては、エビデンスに基づいた合
理的な投薬設計・指導を支援するシステムとして期待される。