ケミカルプロフィル オクチル酸 (2―Ethylhexanoic acid) セトン,酢酸エチル,氷酢酸,エーテルに易 化審法 C A S EINECS 消防法 別 (既)2―608(C4∼30 のアルカン酸) 149―57―5 205―743―6 危険物第 4 類第 3 石油類(非水溶性液 体) 名 2―エチルヘキサン酸 溶。 " 毒 性 急性毒性: 経口,ラット,LD50 3200mg/kg − C4H9−CH−COOH # C2H5 CO2H C8H16O2;分子量:144.2 製 法 プロピレンと水性ガスのオキソ反応によりブチ ルアルデヒドを経由して 2―エチルヘキサナール ! 概 要 が得られるから,これを酸化すればオクチル酸が 得られる(図 1) 。 オレフィンからオキソ法で誘導される合成脂肪 酸の一つである。 $ 〈一般物性〉 生 産 2007 年の国内生産は 4 万トン弱であり,国産 外 観:不快臭と甘味のある透明な液体 比 重:0.906(20/4℃) メーカーは協和発酵ケミカルとチッソの 2 社とみ 沸 点:227.6℃ られる。 粘 度:7.7kPa・s(20℃) 協和発酵ケミカルは四日市工場に年産 4 万トン 引火点:115℃(開放式) の生産設備をもっており,世界的にみても大手メ 発火点:371℃ ーカーの一つである。 溶解性:水,エタノール,ベンゼンに可溶。ア 協和発酵ケミカルは,オクチル酸の生産能力を CH3CH=CH2+CO+H2 !" CH3CH2CH2CHO (C2H5) CHO !" CH(CH (C2H5) COOH 2CH3CH2CH2CHO !" CH(CH 3 2) 3CH 3 2) 3CH 図1 2009年2月号 Vol.38 No.2 89 Chemical Profile 表1 メーカー・生産量(2007 年) (単位:トン) メーカー 工 場 協和発酵ケミカル 四日市 チッソ 五 合 計 井 生産量 35, 000∼40, 000 数千 または微減という傾向である。このうち,OXEA 社などからの輸入品が 1000 トン程度あるとみら れ,国内生産の約 90% がアジアをはじめとする 海外需要向けである。 オクチル酸の用途は,金属石けん(ドライヤー, 40, 000 弱 (シーエムシー出版推定) 安定剤,触媒,促進剤,潤滑剤) ,可塑剤,界面 活性剤,アルキド樹脂,脂肪酸クロライド,化粧 品原料などである。主に新冷媒対応の空調機器向 06 年 4 月に 1 万トン増強し,年産 4 万トンとし け冷凍機油の原料として使用されるほか,特殊可 た。この設備増強により,特にアジアマーケット 塑剤,安定剤,樹脂原料など特殊機能性素材の原 を中心に高品質な製品の安定供給を可能にする体 料としても広範に使用されている。近年はアジア 制を整備し,千葉工場で生産しているイソノナン における需要が拡大しており,今後もアジアを中 酸とあわせて,世界基準での合成脂肪酸のリーデ 心とする需要の伸びが期待されている。 ィングカンパニーをめざしていくとしている。 " ! 需 要 輸入品を合わせた 2007 年の国内需要は 4000∼ 価 格 価格:200∼300 円/kg 荷姿:ローリー,180kg ドラム,15kg 缶 5000 トン規模であるとみられ,近年は横ばい, 90 ファインケミカル
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