2016年 代ゼミ春闘 - 労働組合 東京ユニオン

支部ニュース
2016-1号 4/6 東京ユニオン・代ゼミ支部発行
2016年 代ゼミ春闘
去る 3 月 11 日(金),組合は学園に対し 2016 年度「春闘要求書」を提出し,3 月 28 日(木)に団体
交渉を開催しました。要求の内容を次に掲載します。昨年度同様,組合としては職員の皆さんのご意見
もうかがって,今後の参考としたいと考えています。お気軽に声をお寄せください。
春闘要求書
<前文略>
ここに 2016 年春闘要求書を提出します。貴学園の誠意ある回答を求めます。
一 決定権をもつ理事長・副理事長の団体交渉出席と対応について
1.団体交渉には,決定権および回答の責任能力を持つ理事長及び副理事長が出席すること。
2.2014 年度に行われた校舎集約・人員整理について,決定権をもつ理事長・副理事長からの発言は今
日に至るまで行われておりません。団体交渉の場において,理事長及び副理事長が自身の言葉で,
その経緯を説明し,経営責任や職員に対する謝罪について言及すること。
3.団体交渉の場において,理事長及び副理事長が,代々木ゼミナールの今後の経営について理 念・
方針を明らかにすること。
二 賃金・労働時間に関する要求
今春闘においては,給与規程にもとづき以下の賃金アップを提示します。
1.正職員の基本給について,4%引き上げる。
2.非正規職員(契約・パート)について 12,000 円のベースアップを行う。
3.転居をともなう異動における単身赴任者について以下の手当を支給する。
a.単身赴任手当(別居手当)
b.一時帰宅旅費 年 12 回以上
c.家族の赴任地訪問旅費
4.退職金について,勤続年数ポイント及び資格(等級)ポイントの単価を現行の 1 ポイント 10,000 円から
1 ポイント 20,000 円に改善する。
三 定年に関する要求
1.定年の定めを廃止する。
2.上記1が当面実現できない場合には,1への移行措置として定年を 65 歳に引き上げる。
四 その他の要求
1.配転・出向について
a.組合員を対象とする人事異動については,事前に組合との協議を行う。組合員を他の部署へ配置
転換する場合,あるいは他社に出向させる場合には,組合及び本人の同意を条件としてこれを行
う。
b.転居をともなう異動の場合,住宅を確保し,当事者に提供する。
2.組合活動の保障について
学園内の会議室,及び学園の電話,コピー,ファクシミリ,掲示板の使用に関して労使協定を締結
する。
3.内部告発者の保護について
雇用形態を問わず,すべての労働者が職場や社会に悪影響を及ぼす可能性のある情報を告発した
ことを理由に,告白時点はもちろん,将来にわたっても労働条件その他に関し,一切の不利益な取り
扱いを禁ずる。
五 新DRAFTについて
3月 10 日,新DRAFT制度に関する説明が福岡校で行われた。組合に何ら資料提示もされずに社
内に周知する学園の対応に抗議する。
六 交渉資料の開示
交渉にあたっては,以下の経営に関する資料の書面による手交および説明を求めます。
1.財産目録・貸借対照表・収支計算書・事業報告書及び監査報告書(過去 5 年分)。
2.2016 年度分の上記財務諸等は,5 月 31 日までに手交するものとする。
七 回答書の提出
上記,要求事項について団体交渉当日までに書面で回答すること。
以上
今年の春闘,世間では……
日本経済を取り巻く環境は,世界的な株安傾向,中国経済の減速,原油安などの変化や特徴を背景に
不安定なものとなっています。大手製造業の労使交渉で「過去最高」というベースアップ回答が続出し
た昨年と比べて,今春闘では経営側の姿勢は慎重となり,労働組合側の賃金要求も控えめとなりました。
内外の経済動向のような要因は常に変動するものですが,好条件がそろっていなければ目標が削がれて
しまう類の脆弱な経済政策しか用意されていないのですから,賃上げ状況の変調は当然の帰結といえま
す。
アベノミクスの「三本の矢」。大規模な金融政策により株価上昇や円安などの現象がある程度の水準
で現れました。しかし,財政政策は的外れ,実効ある成長戦略はついに示されず,経済的な恩恵は一部
にとどまって,景気回復・経済成長の果実が広がっている感はありません。失敗に煙幕を張った安倍政
権は,新たなプロパガンダ「新三本の矢」(「希望を生み出す強い経済」「夢を紡ぐ子育て支援」「安
心につながる社会保障」)で,世間をなめているとしか思えない非現実的な数値目標を掲げました。
戦前のように権力を縦横に振える政治体制への願望を持つ現政権には,支持基盤の大企業・資本家さ
え安泰であれば,あとは何とかなる(経済的徴兵を含む安全保障も)と考えているのでしょう。「保育
園落ちた日本死ね」と題する匿名ブログに対する首相や与党議員の本音発言がはしなくも表しているよ
うに,「一億総活躍」「女性が輝く」といくら唱えても,彼らの目には,その他大勢,とりわけ女性は
歯車や道具としてしか映っていないようです。支払い能力のある企業にマネーを吐き出させ,購買力を
備える分厚い中間層を作り出さないと,財政再建,経済再生は夢物語に終わると思うのですが……。
トリクルダウン効果などという絵空事を未だに唱えている現政権に本気で格差是正に取り組む姿勢
はなく,私たち労働者の生活を改善する政策を期待することができないことは確かではないでしょうか。
再生に向けて代ゼミは待ったなし
―労働条件の向上を反転攻勢の機会
に!
昨年の校舎縮小・人員削減により経営者が自ら招いた強い逆風にさらされる代々木ゼミナールは,さ
らに厳しい状況に置かれています。縮小して出直した代々木ゼミナールが再生するためには,幾何級数
的に生徒を増やしていかなければならないはずです。しかし,前年後半のように世上で名称が露出する
こともなくなった今年度の募集期,そのような勢いは残念ながら感じられません。
今春闘で労働組合東京ユニオン・代々木ゼミナール支部は,昨年実現できなかった基本給の4%の引
き上げ,非正規職員の 12000 円のベースアップを要求しています。
今年の春闘,連合のまとめによれば,正社員については昨年と比較して賃金の引上げ額が減っている
一方,非正規労働者のそれは昨年を上回る水準になっているとされています。しかし,この給与では生
活を支えることができないとして退職したパート職員もいるのが代ゼミの現実です。すべての職員の待
遇の底上げを自らの手で勝ち取らなければなりません。
次号では春闘の第 1 回交渉について,概略をお知らせする予定です。また,既報のように組合は賃金
交渉と並行して昨年の大リストラに関する団体交渉をめぐって東京都労働委員会の場で闘っています。
その経過も,今後この支部ニュースでお伝えしていきます。
GU
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