2016 年 4 月 6 日 アイドママーケティングコミュニケーション(9466) 担当 織田真由美 レーティング:新規 NEUTRAL スーパーなど小売業の販促をアウトソーシングで受託。増収続くが株価に割安感乏しい。 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 単 12/3 4,985 +7.9 単 13/3 5,198 +4.3 単 14/3 5,790 +11.4 単 15/3 6,574 +13.5 単 16/3(予) 7,118 +8.3 第 3 四半期累計期間 単 15/4-12 5,502 株価(2015/4/6) 期末発行済み株式数(15/12 末) 期末自己株式数(15/12 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(15/3 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(15/12 実績) PBR CFPS(15/3 実績) PCFR EV/EBITDA(15/3 実績) 営業利益 (百万円) 497 479 741 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 伸び率 (%) 純利益 (百万円) 伸び率 (%) -3.6 +54.7 416 466 506 483 724 +18.5 +12.0 +8.6 -4.5 +49.9 223 220 264 235 487 +32.7 -1.3 +20.0 -11.0 +106.7 EPS (円) 38.18 37.67 44.45 38.89 79.99 1 株配 (円) 0.00 15.00 17.00 0.00 0.00 635 1,151 6,060 7,781 7,033 22.0 0.0 14.4 259.60 4.4 63.9 18.0 - 633 423 69.96 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 株価チャート(日足) 倍 出所:アイドママーケティングコミュニケーション、ブルームバーグ、今村証券 前期は四半期財務諸表を作成していないため、対前年同期比は記載せず。 2015 年 11 月 19 日付で普通株式 1 株につき 100 株の割合で株式分割を実施し、2016 年 3 月に公募 70 万株を実施。2016 年 3 月期の EPS はこれらを考慮して算出。 3 月 18 日に東証マザーズ市場に上場。新聞の折込広告(チラシ)など食品スーパーやドラッ グストアなどの小売業の販売促進を支援。折込広告の制作のみならず、売上データやトレンド情 報に基づいた販促の企画や店舗内外の POP 広告、スマートフォンを利用した販促メディアの企 画・制作を行う。 国内景気の低迷やインターネット通販市 場の拡大などの影響から全国スーパー売上 高は低迷(資料1参照)、流通小売業界では 競争が激化、消費者に対する訴求力や消費 者目線の販売促進活動が必要不可欠のもの となっている。また、コスト削減圧力も強 いことから、販売促進活動においてはデー タ分析などに基づいた科学的かつ効率的な マーケティングが求められている。 こうした中で、同社は折込広告等の販促 物のデザインや制作、印刷・配布手配などのサービスのみならず、データ分析やトレンド情報に 基づいた企画提案、顧客のオフィスに常駐し販売促進を支援するサービスを展開している。食品 アイドママーケティングコミュニケーション(9466) 1 2016 年 4 月 6 日 スーパーなどからみれば販売促進部門を丸ごと外部に委託することができることになる。 強みは、① スーパーマーケットやドラッグストアなど特定業界に特化していること(資料2 参照) 、② 売上データや気象データ、トレンド情報などを独自分析したシステムを活用した販促 が可能なこと、③ 顧客先での常駐サービス、などが挙げられる。結果として顧客のリピート率 は高く、安定したストック型のビジネスモデルを確立、売上高は増加傾向が続いている(資料3 参照) 。常駐サービスは 2016 年 1 月末時点で 11 社において提供している。 同社の成長のカギを握るのは、① 顧客の増加、② 顧客の成長だ。 顧客の増加 ターゲットとしているのは年商 100 億円以上のスーパーマーケットやドラッグストアで、基 本的に1地域で1社との契約としている。年商 100 億円以上のスーパーマーケットの市場規模は 約 15 兆 2 千億円、 ドラッグストアは約 4 兆 8 千億円、合計の市場規模が約 20 兆円とみられる中、 同社の潜在市場規模は約 20 兆円に平均販促比率 1.5%(売上に対する販促費の比率の平均)を乗 じた 3000 億円と試算される。1地域に複数のスーパーがあることを考えると実際の同社の潜在 市場規模はその 10 分の1から 15 分の1程度とみる必要があろうが、15 分の1程度としても 200 億円程度の市場があるとみられ、現状の 3 倍近くに拡大する余地がある。 顧客の成長 顧客が新規に出店をしたり、M&A(買収・合併)などによって顧客のグループ規模が拡大 することも業績にプラスの影響をもたらす。出店等によって折込広告の部数が増加するからだ。 反対に店舗を閉鎖したり、M&Aされる場合にはマイナスの影響が想定される。 既存のマーケットに加えて、今後の成長戦略として同社が掲げるのが食品メーカーの広告市 場への参入だ。食品メーカーに対して、同社の強みである「購買データ」 、 「市場データ」などの データ分析やトレンド情報を活用しての食品や飲料の広告、販促支援のサービスを提供する方針 だ。具体的にはスマートフォンなどのアプリを活用してキャッシュバックを行うなどの方法を検 討している。 一方、リスク要因としては、特定の取引 先の依存が高いことだ。常駐サービスを提 供している顧客への依存が高いことはもち ろんのこと、最大顧客であるバローホール ディングス(東証 1 部上場・9956)への依 存度は 5 割以上だ(資料4参照)。何らかの 要因によって取引関係に問題が生じたり、 販売促進政策に変更等があった場合の影響 は大きい。現状ではそうした問題はみられ ないが、リスク要因として認識しておきた い。 アイドママーケティングコミュニケーション(9466) 2 2016 年 4 月 6 日 2016 年 3 月期の業績予想は増収増益見通し。前期に獲得した新規の大型案件が寄与している。 前期は新規案件に係る専任チームの組成を行ったことなどで減益となったが、今期は一転して大 幅増益見通しだ。 今期 2017 年 3 月期についても堅調な業績が期待できそうだ。2016 年 3 月期までの 5 年間の平 均増収率である 9%程度の増収を見込むと売上高は 78 億円程度、利益率は 2016 年 3 月期並みの 水準を維持できるとして経常利益は 8 億円程度と 2 桁増益が見込まれる。ただ EPS は 83 円程度 となり、足元の株価 1,151 円(4 月 6 日現在)に対する PER は 13.9 倍と割安感は乏しい。投資 判断はNEUTRALとする。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 アイドママーケティングコミュニケーション(9466) 3
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