セーフティ、防災、インフラ維持管理分野での 日本版

⾃由⺠主党IT戦略特命委員会
セーフティ、防災、インフラ維持管理分野での
日本版IoTサービスプラットフォームの実装
2016年4月5日(火)
日本電気株式会社
本日、ご説明させていただきたいこと
1.
第5期科学技術基本計画にあるように、社会課題、とくに、地方創生のた
め、日本版IoTサービスプラットフォームの実装が急務です。
2.
早期に、日本版IoTサービスプラットフォームを実現するためには、実績豊
富なオープンソースである欧州のFIWAREの活用が有効です。
3.
2020年に向けて、セーフティ、防災、インフラ維持管理分野で、平成28年
度中に、IoTサービスプラットフォームの実証を開始して頂きたい。
4.
実証事業の推進・運営⺟体を検討する⺠間コンソーシアムの平成28年度中
の設⽴に向けて、国からのご支援を頂きたい。
5.
本番としての日本版IoTサービスプラットフォームは、平成29年度にオール
ジャパン体制で実装することをご提案いたします。
6.
日本版IoTサービスプラットフォームとサービスを運営する政府主導の運営
団体を平成30年度中に設⽴することをご提案いたします。
以上の政策を推進するため、センシング・データのプライバシー問題を明確に
した法整備をお願いいたします。
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日本版IoTサービスプラットフォームのあり方
都市や自治体の課題解決策はガラケー型からスマホ型へ
従来型の個別最適な解決策は⾼コストで横展開が効かず非効率だったが、ITの市
進歩で共通プラットフォームによる効率的な展開が可能になった
共同利⽤化(〜2015年)
個別の効率化(〜2000年代)
近隣⾃治体による共同利⽤の推進
分野別、⾃治体別の効率化、活性化
サービス
サービス
サービス
サービス
個別プラッ
トフォーム
個別プラッ
トフォーム
個別プラッ
トフォーム
個別プラッ
トフォーム
センサー
センサー
センサー
センサー
サービス
サービス
共同利⽤センター
センサー
センサー
内線型(共同利⽤混在型)
ガラケー型 (個別最適型)
欧州2014年5月リリース
共通プラットフォームによる効率化(2015年〜)
共通機能を⼀括して提供することで効率化、低コスト化
共通インターフェースにより、容易に新サービスを追加
サービス
サービス
サービス
サービス
サービス
サービス
サービス
センサー
センサー
共通インターフェース
共通プラットフォーム
スマホ型
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センサー
センサー
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センサー
センサー
センサー
欧州での共通プラットフォームに関する取組みと日本の課題
•
欧州では、2012年からEU主導で共通プラットフォームを実装し、数百
のプロジェクトが実施された
•
FIWAREは日本の共通プラットフォームの候補となるが、日本独自の社
会インフラとしてのサービスの実現に対して機能不⾜が懸念される
EUの官⺠連携ファンド(FI-PPP)による実証
第5期科学技術計画の構想
出所:『第5期科学技術基本計画(答申案)の概要』
スマートシティ系実証プロジェクト
健康、医療
製造
環境
都市
エネルギー
情報、通信
モビリティ
交通、物流、
農業
?
検討課題の例
• 2020年に向けて、社会インフラの基礎となるセーフ
ティ分野で活用できるか?
• 防災やインフラ維持管理分野で活⽤できるか?
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日本版IoTサービスプラットフォーム
FIWAREを基に日本独自のサービスに応えるための機能を追加
⽇本版の特⻑
① ⾼度な意思決定⽀援
エネル
ギー
環境
イン
フラ
防災
:::
スマート
生産
共通インタフェース(共通API)
日本版IoTサービスプラットフォーム
アナリティクス
IoT
セキュリティ
IoTネットワーク
• ビッグデータ分析や人工知能(AI)が示
す現状/予測を考慮した意思決定。
⇒アナリティクス
② 現実社会の正確な把握と制御
• ⼤量のセンサ情報や⾼精細映像の取得、
遅延のないモノの制御の実施。
⇒IoTネットワーク
③ 強固なセキュリティ
センサー/デバイス (日本の得意分野)
• 機密情報の漏洩防⽌やIoTデバイスへ
の不正な侵⼊・操作を防⽌。
⇒IoTセキュリティ
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日本版IoTサービスプラットフォームの実装
FIWAREの成果を活用することで、早期に日本版を実現すると共に、互換
性維持によるサービス資産の活用と海外へのインフラ輸出が可能
サービス
サービス
資産
FIWARE準拠のAPI
互換
日本独自のAPI
日本版IoTサービスプラットフォーム
アナリティクス
IoT
セキュリティ
IoTネットワーク
成果
社会インフラとしての信頼性を確保するため、
日本版拡張部分を非オープンソースとする
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海外インフラ輸出
実装に向けた体制と利活⽤の形態
プラットフォームを産官学の連携で構築し、サービスやセンサは多
様な企業/団体も参加してエコシステムを形成
・地域課題に応じたサービスを開発
サービス
サービス
プラットフォーム
実装
産官学連携による
オールジャパン体
制で実装
サービス
サービス
日本版IoTサービスプラットフォーム
アナリティクス
IoT
セキュリティ
IoTネットワーク
サービス実装
地場企業/ベン
チャ等が自由に
参加
デバイス
センサー/デバイス
・IoTデバイス/センサをインフラとして展開
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実装と運営体制に関するご提案
⺠間コンソーシアムによるオールジャパン体制でプラットフォームを実装、関
係省庁の外郭団体による推進・運営し、多様な企業/団体でエコシステムを形成
関係省庁
サービス利活⽤
⺠間コンソーシアム
推進・運営団体
プラットフォーム実装
ICTベンダ
通信事業者
:::
:::
大学
•
•
•
プラットフォームの運用と保守
データの管理
サービスの管理
サービス実装
ベンチャ
通信事業者
大学
ITベンダ
デバイス・ベンダ
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ベンチャ
:::
通信事業者
ITサービサ
警備会社
自治体
:::
実装と運営に向けたスケジュール
既存の資産(FIWARE)を活⽤し、いくつかの分野で実証事業を⽴上げ、
その結果を踏まえて、日本版の要件を定義して実装し、本格運用
平成28年度
平成29年度
平成30年度
分野別実証 (セーフティ、防災、インフラ維持管理等)
実証分野別のエコ
FIWAREを活用し
システムを形成し、
た実証事業
運営団体を設⽴
日本版IoTサービス
プラットフォームの実装
⺠間コンソーシア
ムを設⽴
実証事業の結果を踏まえ、日本独自の
アプリに対応した要件を追加。
日本版IoTサービ
スプラットフォー
ムの要件を定義
日本版IoTサービス
プラットフォーム
を実装
本格運用
コンテンツ拡充
適用分野拡大
全体を推進・運営す
る団体の設⽴
分野別の推進・運営
団体による本格運用
推進・運営団体設⽴
分野別のエコシステム
形成し、分野別の推
進・運営⺟体の設⽴
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日本版IoTサービスプラットフォーム実装と運用の課題
▌センシングデータのプライバシー問題
現状、店頭カメラで捉えた映像の扱いに関して、多様な制約が存在と認識
• 産業競争⼒懇談会(COCN)において、 NECを含む関連企業、有識者・⼤学関係者とと
もに「IoT時代におけるプライバシーとイノベーションの両⽴」を目的に、プライバシー
権に配慮した店頭カメラ映像の商⽤利用に対する自主ルール案を策定し、政府への提言を
実施
2020年に間に合わせるためにも、パブリックセーフティなど公共性の高い用途
を対象とした法制化や国⺠コンセンサス形成の後押しをお願いしたい
• 日本版IoTプラットフォームの運営⺟体に公的な性格を持たせることで、目的外利⽤を防
ぐ担保にもつながる
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セーフティ、防災、インフラ維持管理分野への実装
NECが注⼒する社会ソリューション事業
人が生きる、豊かに生きるための社会を実現し、未来につなげる
社会価値の創造
卓越したICT技術とインテグレーション⼒でグローバルな社会課題を解決
・・・
エネルギー・気象
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農業
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製造
流通・物流
交通
防災・セキュリティ
医療
NECのセーフティ、防災、インフラ領域での取組み
NECは、「安全」、「安心」分野で、とくに「セーフティ」、
「防災」、「インフラ維持管理」で強みをもつ
防災
地震・津波・土砂センシング
セーフティ
サイバーセキュリティ
•
•
•
インターポールとの提携
実践的サイバー防御演習 CYDER(総務省)
日本サイバー犯罪対策センター (JC3)に参画
フィジカルセキュリティ
•
•
世界No.1の顔認証、指紋認証
米国警察他含む各国警察の他、マイナンバーに絡
む国内自治体様へも納入
3D周辺認識・物体認識
街中監視サービスに導入され、
⾃動⾞盗難件数が約40%減少 (アルゼンチン)
•
•
台湾中央気象局と地震の早期検知に向けた実証
世界初、⼟中の⽔分量から⼟砂斜⾯の崩壊の危険度
をリアルタイムに把握(日本)
防災システム
•
•
•
地上波デジタル放送で災害情報を
提供可能な防災情報システム(フィリピン)
世界初、群衆⾏動解析技術による帰宅困難者対策
を含む総合防災システム(日本)
台湾で防災救急情報クラウドシステムを受注
インフラ維持管理
インフラ劣化診断
•
構造物の内部劣化状態をカメラで撮影
した表面映像から、計測・推定できる世界初の技術
故障予兆監視
•
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膨大なプラントデータ(ビッグデータ)を活用して設
備の異常を予兆の段階で検知するシステム(日本)
[ご参考] 第5期科学技術基本計画で扱われる11テーマとの対応
「インフラ維持管理」、「防災」の他、2020年に向けて「セーフ
ティ」で貢献
2020年に向けた新しい取組
『科学技術イノベーション総合戦略 2015』
(第5期科学技術基本計画)に記載された重要な取組
アナリティクス
IoT
セキュリティ
IoTネットワーク
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セーフティ
スマート生産
システム
スマート・フード
チェーンシステム
おもてなし
システム
地域包括ケア
システム
統合型材料開発
システム
新たなものづくり
システム
⾼度道路交通
システム
自然災害に対する
強靭な社会
インフラ
維持管理・更新
地球環境情報
プラットフォーム
エネルギー
バリューチェーン
日本版IoTサービスプラットフォーム
セーフティ分野におけるプラットフォームの活用
システム間の連携強化とセンサの共有による効率化
課題
同じ被写体に対して組織ごとのカメラで
個別に監視するため、警備システム間の
連携が困難。
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警備
(A社)
施設運営
(B社)
ドローン
(C社)
顔認証
群衆⾏動監視
物体認証
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警備システムへの投資を効率化
画像/映像を複数の組織で共有すると共に同一の
被写体を多面的に分析することで連携強化。
連携強化による新たなる効果の例
• B社で検知した群衆から、A社が人物特定
• B社の広域画像を基にC社のドローンを制御
施設運営
連携
(B社)
ドローン
(C社)
群衆⾏動監視
顔認証
日本版IoTサービスプラットフォーム
物体認証
警備
(A社)
連携
防災分野におけるプラットフォームの活用
情報共有による広域災害への対応
課題
自治体ごとに情報を収集しており、広域
災害、ゲリラ豪雨等の際の連携に課題。
自治体
(B町)
自治体
(A市)
自治体
(C村)
防災システムの広域化
自治体ごとに収集したデータを共有することで、
都道府県や市町村を越えて災害や被害状況を把
握するとともに、これらの壁を越えた対策の検
討が可能。プラットフォームの互換性により既
存の⾼度な防災システムとの接続も可能。
自治体
(B町)
自治体
(A市)
自治体
(C村)
連携
⾼度な防災
システム
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⾼度な防災
システム
プラットフォーム
インフラ維持管理分野におけるプラットフォームの活⽤
センサー情報を⼀元的な管理によるより深い分析
課題
同じ構造物に対して検査手法ごとに個々
のシステムで検査し、作業者が総合的に
判断するため、理解に限界。
個々の結果からさらに深い分析
個々の検査システムの結果をさらに人工知能を
投入し、作業者がより深く理解。
作業者が総合的に判断
振動検査
光学振動計測
打音検査
作業者がより深く理解
さらなる分析
人工知能投入
振動検査
打音検査
光学振動計測
日本版IoTサービスプラットフォーム
振動・温湿度
センサ
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カメラ
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打検ドローン
振動・温湿度
センサ
カメラ
打検ドローン
まとめ
1.
第5期科学技術基本計画にあるように、社会課題、とくに、地方創生のた
め、日本版IoTサービスプラットフォームの実装が急務です。
2.
早期に、日本版IoTサービスプラットフォームを実現するためには、実績豊
富なオープンソースである欧州のFIWAREの活用が有効です。
3.
2020年に向けて、セーフティ、防災、インフラ維持管理分野で、平成28年
度中に、IoTサービスプラットフォームの実証を開始して頂きたい。
4.
実証事業の推進・運営⺟体を検討する⺠間コンソーシアムの平成28年度中
の設⽴に向けて、国からのご支援を頂きたい。
5.
本番としての日本版IoTサービスプラットフォームは、平成29年度にオール
ジャパン体制で実装することをご提案いたします。
6.
日本版IoTサービスプラットフォームとサービスを運営する政府主導の運営
団体を平成30年度中に設⽴することをご提案いたします。
以上の政策を推進するため、センシング・データのプライバシー問題を明確に
した法整備をお願いいたします。
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