活躍するプライベートバンカー紹介(第 4 回) 荒賀 俊介 氏 野村證券株式会社 所沢支店ファイナンシャル・コンサルティング課 課長 2015 年 8 月シニア PB 資格認定 PB 資格を活かして、お客様との関係を深める 現在、所沢支店課長として、自身の営業活動と並行して、課員に同行して顧客訪問した り、本社・税理士法人・保険会社等とのコーディネイトも行っています。野村證券では、 「コンサルティング営業」を軸としており、そのためにはヒアリング能力が不可欠です。 一定以上の知識レベルがないと効果的なヒアリングができませんので、シニア PB 資格は 大いに役立っています。 当初は、上場会社や海外を担当する部署に行きたいという希望があり、最初に証券アナ リスト(CMA)および国際公認投資アナリスト(CIIA)の資格を取得しました。そのお 陰もあってか横浜支店および名古屋ウェルスマネジメント部等を経験しました。その後、 リテールに必要な知識として汎用性のある CFP、1 級ファイナンシャルプランニング技能 士も取得しました。 そして、こうした知識を集大成し、かつ実用性の高い資格はないだろうかと思っていた ところに創設されたのが PB 資格でした。PB 資格を取得する過程で得た知識・ノウハウ は、業務に非常に役立っていますので、PB 資格の知名度向上と資格取得者の増加を願っ ています。 また、PB 資格者の方々には、CMA やその上級資格の CIIA にも挑戦して頂きたいと強 く希望します。FP も含め、これらの資格はお互いに補完し合っており、かつ複数持つこ とのシナジー効果があると考えているからです。 さて、富裕層であるか否かを問わずお客様との関係で一番大切なものは、リレーション シップ・マネジメント(RM)だと考えています。そのお客様の本業のバックボーンであ ったりファミリーミッションを知らなくては、本当の営業はできないと思います。プライ ベートバンカー試験の筆記試験(投資政策書)でも、出題された当該顧客の「想い」を最 優先に考えました。実際の業務でも、表面的には金銭的な問題だけで相談したいという場 合でも、継続的な RM を重ねているうちに実際の悩みは「お金」ではない場面は少なくあ りません。富裕層ビジネスを担当している方々だけではなく、リテール業務や金融機関以 外の方々にも当該資格の受験をお勧めしたいと思っています。お客様の家族が抱えている 問題は、富裕層ビジネスだけに限らないからです。 ただ、PB 資格は、千手観音の様に万能なものではなく、あくまで取得してスタートが 始まるもので、日々の自己研鑽が必須だと思います。例えば、海外の超富裕層では、子供 にまず歴史を勉強させます。イギリスの教科書である「帝国の衝撃」等も熟読してみては 如何でしょうか。広い視野を持つことが、お客様との関係を深めるのに役立つと考えてい ます。 プライベートバンカーのあるべき姿としては、こちらから一方的に提案するばかりでな く、まず当社の営業方針や経営・財務状況も併せてコミットしていかないと本当の意味で の役割を果たせないと思います。そして、お客様の家族の視点や経営者の目線、さらに政 府の目線(税制等)と複合的に見ていくことが大切なのではないかと考えています。 以 上
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