地域包括ケアシステムを考える ~口腔ケアの角度から~ 多職種協働による人材育成事業 「在宅医療・介護連携研修会」に参加して 欲が戻り自己摂取が可能にな アマネージャー、ホームヘル 高齢者を中心とした情報を共 パーなど、多くの職種の方々 日長女からは「最期まで口か 有し、切れ目ないサービスが りました。数か月後、誤嚥性 ら食べられて良かった」と人 提供されました。 が連携し、在宅療養の認知症 生の最期まで食べる楽しみを 肺炎で永眠されましたが、後 維持できたことに安堵した思 これがまさに今後展開され る地域包括ケアシステムの動 転換します。 口腔管理」と題し、講演が行 ケアにおける認知症高齢者の 【事例 】要介護 の 歳男性 歯科診療所)から「地域包括 食事の経口摂取が困難となっ や在宅療養の方が、認知機能 きです。施設入居している方 いを語られました。 今後、高齢者が病院外で診 療や介 護を 受けることができ 嚥下障害、肺炎を患ったこ の男性は、点滴だけの栄養で ても、自分の口から食べる楽 宣言書」を残していたことや 本人が平成 とに大きな不安がありました が口から食べる訓練をするこ みました。家族は嚥下障害者 胃がん術後、アルツハイマー い」と繰り返し、口から食べ 型認知症を患ったこの女性は、 るリハビリに前向きに取り組 要介護状態となっても住み慣 2 0 2 5 年 を 目 途 に、 重 度 な 団塊の世代が ※地域包括ケアシステムとは しみを得られるよう、多職種 るさまざまな職 種の人が情 報 長女からも「経管栄養は望ま が「うどんを食べたい!」と れた地域で自分らしい暮らし やったら生きている意味がな を 共 有し、 高 齢 者が住み慣れ ない」との希望があり、食事 いう本人の希望を叶えるため 歳以上となる を人生の最期まで続けること 介 護・ 予 防・ 生 活 支 援 が 一 体 的に提供される体制のこと。 【お問い合わせ先】 こ の 事 例 で は、 歯 科 医、 歯科衛生士、看護師、内科医、 三好市役所保険医務課 かたち 組みが必要です。 た自宅で生活を続けていくため の経口摂取に取り組みました。 ができるよう、住まい・医療・ エ ン シ ュ ア リ キ ッ ド( 栄 養 下 腿 浮 腫 が 見 ら れ た た め、 年に「尊厳死の 協力していく必要があります。 最 初 は ト ロ ミ の あ る 水 分、 に、多職種がチームを組んで 食 事 形 態 は 全 粥・ 極 刻 み で、 支援を行いました。 たかが歯、されど歯! 口の中のケアはとても大切 な こ と で す。 が ん 治 療 前 に 口 したことで合併症の発生が に減少したことが実証 ジュースのようなもの)やミ 分の されています。 キサー食などの支援を行った 75 言語聴覚士、理学療法士、ケ (☎72 7 - 613) な い よ う に 注 意 す べ き で す。 薬物依存症の人々を密着取材 年、クスリはなぜダメなの かを現場から報告。クスリは 早くて小学 年生あたりから 始め、どんな家庭環境でも起 こり得ます。決して他人事で はなく、大人たちがクスリを 勉強し、子供たちに教えなけ ればならないと訴えます。 親に虐待を受けている子ど もは、親を売ることができな い の で 他 人 に は 言 え ま せ ん。 周囲が気をつけてあげないと いけないのです。地域の人が 気をつける良い方法があいさ つです。誰かに話を聞いてほ しいと願っている方がきっと いると思います。話を聞くこ とで誰かの命が救えるかも知 れないのです。日本という社 会は少数派という人たちを個 性と尊重しないで、差別の対 象にし、差別偏見をしている ことがあります。普段見えて いない社会の一面で、たくさ んの弱い立場の方々が頑張っ て生活をしています。人権は、 人が生きて行くために、どう しても必要なもの、侵害され てはならないものなのです。 社会全体で見守る 5 ところ苦悶表情は軽減し、意 2 1か月後実家に逃げましたが、 母がいなくなり少年は、これ で母を傷つけることがないか ら良かったと思いました。も うガスがないと生きて行けな い状態になり、マンションの 8階で死のうと思ったその時、 尊敬する父のことを思いだし 部 屋 に 戻 り ま し た。 し か し、 薬物依存の中毒症状によりガ スが欲しくて仕方がない。結 局 本のガスを吸い死にそう になりましたが、救急車を呼 び助かりました。 病院にかけつけた父は「ば か野郎」と息子を殴りました たが、手のひらを引き寄せ息 子を抱きしめました。父にば れて嬉しかった。これが欲し かったから、今までも苦しん できたのです。溢れる涙をぬ ぐいやっと何でも話せる親子 になりましたが、小6のいじ められた時に相談ができてい たら、母が夫に早く相談して いたら、もっと早く解決して いたかも分からない。もう一 つ彼は薬物教育は受けてはい なかったのです。何かの要因 があるからそうなるのであ り、周りは子どもとのコミュ ニケーションを大切にし、些 細な問題行動に対しても逃げ 3 研修会では、木村年秀歯科 医(まんのう町国民健康保険 間、中 の2月期同じクラス 刑務所取材を通じて のいじめられていた男子を助 けたことで、またいじめられ 覚醒剤をはじめ凶悪な少年 犯罪やこれまで例のなかった るようになりました。助けて 異様な事件が増加の一途をた あげた少年はいじめる側に加 どり、その対象は小学生にま わり、中2になってもいじめ は続きました。 で及んでいます。 そんな時、何気なく手にし 子どもたちは悩みながら も、大人たちにたくさんのサ たガスライターですが、精神 インを送っています。講演会 的に追い詰められてなければ で家田荘子さんは、子どもた 薬物依存に落ちて行くことは ちがどう苦しみ、どう克服し なかったかも知れません。3 た か、 取 材 し て 得 た 内 容 を お か 月 を 過 ぎ る 頃 に は 薬 物 依 存 話 す る こ と で「 見 た く な い、 になり、全てにおいてやる気、 知 り た く な い 」 の で は な く、 判断力を失う生活になり、や 知ることで同じ過ちを繰り返 がて母にガスを吸っている姿 さないように参考にしていた を見られても平気。母は「止 めなさい」と怒るだけで、誰 だきたいと語られました。 かに相談していません。聞い 薬物依存の少年 てほしいことがいっぱいあっ たのに、母はなぜガスを吸っ 父はエリート社員で海外勤 務 が 長 く、 少 年 は 日 本 で 教 育 て い る の か を 聞 こ う と は し な を受けるために母と帰国しま かったのです。やがて母に缶 した。しかし日本語がおかし を投げつけるようになり、こ い と、 ク ラ ス 全 員 か ら い じ め こ ま で き て も 母 は 心 配 を か け られるようになり、担任はそ たくないと、夫に相談をして れを見抜けず、いじめは長期 はいません。相手が薬物の場 間に及びました。誰かに話し 合は絶対他人の手を借りるこ たかったけど話せない。だか とが原則です。 ら少年は毎日飼い犬に話をし やがて母親に暴力を振るう ようになり、母親の髪の毛を ていました。 引っ張り、家の中をひきずり 回すようになりました。母は 中学校になってやっといじ めから解放されたのもつかの 1 地域包括ケアシステムの 食事中にむせや苦悶表情、両 による支援の充実を図る取り 83 い。食べて死ねたらそれでい 5 腔 ケ ア( 口 の 中 の 手 入 れ ) を 委 員、 行 政など高 齢 者に関わ や摂食嚥下機能の低下により 研修会 」 が 開 催 さ れ ま し た 。 われ、口腔ケアと食事支援の 在 宅 療 養 と な り「 食 べ れ ん の 88 取り組みが発表されました。 5 パー、ケアマネージャー、民生 【事例 】要介護 の 歳女性 の 医 療 か ら、「 地 域 完 結 型 」 や薬剤師、保健師、ホームヘル 講師:家田 荘子 さん(作家) 2 70 4 9 1 の医療 へ 医 療 提 供 の か た ち は 住民・医療者・行政が一体となり、 「地域医療」 を守っていくため、様々な情報を発信します 一緒に生きていこう ~あなたの愛を求めています~ 1 る体制を整備していかなければ 地域包括ケアシステムを築 いていく上で、「病院完結型」 なりません。このためには医師 月 日、 三 好 保 健 所 主 催 に よ る「 在 宅 医 療・ 介 護 連 携 25 地域医療 を守るために 2016.4 10 11 市報 みよし 2 私たちの大切な 三好市役所人権室 ☎72-7622
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