2016 年 4 月 8 日 プレスリリース 国内 M2M 市場に関する調査を実施(2016 年) -拡大が続く M2M ビジネス、適用領域の広がりがマーケットを牽引- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の M2M 市場の調査を実施した。 1.調査期間:2015 年 9 月~2016 年 1 月 2.調査対象:国内外の IT 事業者(SIer 等)、通信事業者(キャリア)、MVNO(Mobile Virtual Network Operator: 仮想移動体通信事業者)や MVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNO 事業者を支援する事業者)、デバ イスメーカー、ユーザ企業等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用 <M2M とは> 本調査における M2M(Machine to Machine:機器間通信)とは、人が介在せずに、主に携帯電話/PHS 通信規 格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。 <M2M 市場とは> 本調査における M2M 市場規模は、M2M を実現するための、デバイスやモジュール、M2M プラットフォーム、 システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービス などを対象とし、累計金額ベースで算出した。 【調査結果サマリー】 2015 年度の国内 M2M 市場は累計金額ベースで 1,620 億円の見込 2014 年度の国内 M2M 市場は堅調に推移しており、累計金額ベースで 1,490 億円となった。2015 年度は M2M 回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大した他、ビジネス環境が整ってきた MVNO においても、多様なサービスが開始された。2015 年度の同市場規模は累計金額ベースで 1,620 億円の見込みである。 スマートメーター関連での需要が牽引し、エネルギー分野の M2M 累計回線数が増加 2014 年度末の国内 M2M 累計回線数を分野別にみると、エネルギー関連が 410 万回線(構成比 27.0%)と最も多かった。エネルギー分野については、スマートメーター関連での需要が牽引し、回線 数が増加している。スマートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加、電力自由化な どの追い風もあり、今後も更なる拡大が見込まれる。 2020 年度の国内 M2M 市場は累計金額ベースで 2,000 億円を予測 国内 M2M 市場は、2016 年度以降も依然としてエネルギー分野が牽引役となり、全体としては拡大 基調が続くものの、今後は M2M 回線あたりの単価が低下する見通しであることから、2020 年度の同 市場規模は累計金額ベースで 2,000 億円になると予測する。 ◆ 資料体裁 資料名:「IoT で拡大する M2M 市場 2016」 発刊日:2016 年 2 月 5 日 体 裁:A4 判 171 頁 定 価:180,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 4 月 8 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 2014 年度の国内 M2M 市場は堅調に推移しており、累計金額ベースで 1,490 億円となった。2015 年 度は M2M 回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大した他、ビジネス環境が整ってきた MVNO(仮想移動体通信事業者)においても、多様なサービスが開始された。一方で、設備機器・監視 分野や自動車関連分野ではエネルギー分野ほどの伸びを見せなかったこともあり、伸び率自体はやや 鈍化する傾向にある。2015 年度の国内 M2M 市場規模は、累計金額ベースで 1,620 億円を見込む。 国内 M2M 市場は、2016 年度以降も依然としてエネルギー分野が牽引役となり、拡大基調が続くもの の、今後は M2M 回線あたりの単価が低下する見通しであることから、市場拡大にはややブレーキがか かり、2020 年度の同市場規模は累計金額ベースで 2,000 億円になると予測する。 図 1.国内 M2M 市場規模予測(累計金額ベース) (単位:億円) 2,000 1,910 1,840 1,970 2,000 2019年度 予測 2020年度 予測 1,740 1,620 1,500 1,490 1,000 500 0 2014年度 2015年度 見込 2016年度 予測 2017年度 予測 2018年度 予測 矢野経済研究所推計 注1.M2M 市場規模は、M2M を実現するための、デバイスやモジュール、M2M プラットフォーム、システム構築やアプリ ケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象とし、累計金額ベー スで算出した。 注2.2015 年度は見込値、2016 年度以降は予測値 2. 注目すべき動向~分野別の国内 M2M 累計回線数 2014 年度末の国内 M2M 累計回線数を分野別にみると、「エネルギー関連」が 410 万回線(構成比 27.0%)と最も多かった。以下、「設備・機器監視(同 23.0%)」「流通関係(同 20.4%)」「自動車関連(同 17.8%)」「その他(同 11.8%)」と続いている。(図 2 参照) エネルギー分野については、スマートメーター関連での需要が牽引し、回線数が増加している。スマ ートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加 ※1 、電力自由化などの追い風もあり、今後 も更なる拡大が見込まれる。また BEMS(ビルディング&エネルギー・マネジメント・システム)に関しても、 省エネ志向の定着に加え、経済産業省がとりまとめた「ZEB ロードマップ」により 2030 年までに新築建築 物の平均で ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を実現する目標※2 があり、奏功要因になると考える。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 4 月 8 日 プレスリリース また、新たな需要が生まれることで注目される分野は、流通分野及び設備・機械監視分野である。流 通分野では、省エネ対応のための店舗エネルギー監視やデジタルサイネージなどのデジタルマーケテ ィング分野が牽引して、大手流通小売チェーン業態を中心に M2M の浸透が進む。また品質管理などを 目的とした店舗内トラッキングでも、M2M の導入が進むとみる。 一方で、ものづくり領域の製造現場などの設備・機器監視分野では、これまで工場の生産設備などへ の遠隔監視や予防保全用途が中心だったが、センサーネットワークビジネスにおいて新たな需要喚起 が期待されており、周辺環境も盛り上がりを見せている。M2M 導入事例を見ると、テレマティクスやコネ クテッドカー用途などの自動車関連についても設備・機器監視と並び、需要拡大の見込みである。 ※1.参考資料:スマートハウス・ZEH 関連主要設備機器市場に関する調査結果 2014 http://www.yano.co.jp/press/press.php/001274 ※2.参考資料:ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場に関する調査結果 2014 http://www.yano.co.jp/press/press.php/001265 図 2.分野別の国内 M2M 累計回線数(2014 年度末) (単位:千回線) その他, 1,800, 11.8% 自動車関連, 2,700, 17.8% 流通関連, 3,100, 20.4% エネルギー関 連, 4,100, 27.0% 設備・機器監 視, 3,500, 23.0% 2014年度末 国内M2M累計回線数 15,200千回線 矢野経済研究所推計 注3.累計回線数 注4.M2M 累計回線数を以下の利用分野別に分類した。 ・エネルギー関連・・・HEMS(ホームエネルギー・マネジメント・システム)、BEMS、電力・ガス・水道等のテレメタリング/自 動検針、スマートグリッドなど ・設備・機器監視・・・工場など産業分野での遠隔監視・制御、重機・建機、エレベータ、自動販売機、MFP[Multifunction Peripheral;プリンタやスキャナなどの複合機能を持つ OA 機器]など ・流通関連・・・決済、店舗内トラッキング、店舗エネルギー監視、デジタルマーケティングなど ・自動車関連・・・運輸・交通分野での位置情報・運行管理、テレマティクス、コネクテッドカーなど ・その他・・・河川・火山情報収集、各種環境計測、農業・畜産での営農支援、橋梁や道路、大規模構造物などのインフラ 監視、セキュリティや各種見守りサービスなど Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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