「月と星の動き」 (小学4年生向け) 学習投影 1、プラネタリウム利用の特色 (1)街明かりやスモッグ(空気の汚れ)などの影響を受け、夜空を見あげても明るい星がいくつ か見えるだけですが、プラネタリウムでは満天の美しい星空をご覧いただけます。 (2)実際に観察すると何日もかかってしまう月の動きや形の変化を瞬時に表現できます。また、 任意の時間設定の星空や星の動きが自由に演出できるため、観覧する児童全員が同じ条件で学 習することが可能です。 2、学習目標 (1)月は時間が経つと位置を変えるのかどうかを予想し、実際にはどのように動いたか確かめる。 →月は時間の経過とともに、太陽と同じように東から西へ動き、日によって形が違っている ことを観察する。 (2)星には明るさや色に違いがあることを確かめる。 →季節を代表する明るい星(一等星)とその近くにある暗い星、また、赤っぽい星と青白い 星を見比べてみる。 (3)観覧当日の午後8時 30 分ごろに見える主な星座を探す。 (4)星座は時間が経つと位置を変えるのかを予想し、実際に動いたかどうかを確かめる。 (5)星座は時間が経つと位置を変えるが、星の並びは変わっているかどうかを確かめる。 3、指導展開の例 (1) 事前指導 【月】 ① 太陽や月について知っていることを話し合う。 ② 月の観察方法について話し合い、実際に様々な形をした月の動きを観察する。 ③ 観察結果から月の動きをまとめる。 【星】 ① 星の明るさや色、知っている星座について話し合う。 ② 星の動きについて知っていることを話し合う。 ③ 星の動きの観察方法について話し合い、実際に星の動きを観察する。 ④ 観察結果から星の動きをまとめる。 (2) プラネタリウムでの学習 学習内容 学習の要点 プラネタリウムの様子 導入 昼間の景色を説明し、 南中時の太陽の位置から 方位を確かめる。 太陽の動き 1日の太陽の動きを確かめる。 南中時から日没までの太陽の 朝:東の空から昇る 動きを再現する。 昼:南の空で一番高くなる 夕:西の空へ沈む 当日、午後8時 30 分ころの 府中での夜空へ 街の中から見える星空 博物館から見た昼間の景色 南中時の太陽 東西南北をドームに表示 「月」の学習はオート番組 ※星は消えた状態になる。 月の形 (1)満月 (2)半月 (3)三日月 いろいろな形をした 月があることを確かめる。 月の画像により それぞれ形の違う月を紹介 月の形と見える位置 (1)満月 (2)半月 (3)三日月 それぞれの月が 夕方には空のどこに 見えているかを考える。 説明図で 夕方に見える月の位置を紹介 同じ夕方でも月の形によって 見える方角や高さが違うことを 確かめる。 月はひとつ 毎日、形は違って見えるが 月はひとつであり 太陽に照らされて光っている。 半月と満月を比べて、同じ 模様があることを確認する 月の動き 夕方、東の空低いところに見える 時間を約12時間進めて 満月が時間とともに 満月の動きを再現する。 どのように動くかを確かめる。 月の形と動き:まとめ 月はいろいろと形を変える。 説明図で「まとめ」 月は太陽と同じように 東の方から昇って 南の空高いところを通り 西の方へ沈む。 ※再び星を点灯させる。 ※ここまでオート番組 一等星や星の並びの名前 町の中でも見える明るい星や 季節を代表する星の並びを 確かめる。 例:【春】春の大曲線 春の大三角 【夏】夏の大三角 【秋】秋の四辺形 【冬】冬の大三角 冬のダイヤモンド 当日、午後8時 30 分ころの 府中での夜空に戻る 府中での夜空から 山奥へ出かけたことを想定し 満天の星空へ (当日の午後8時 30 分ころ) 星の明るさと色 今夜の星空案内 南の空に見える星および 星座の動き 星には明るさや色に違いが あることを確かめる。 季節を代表する星座を観察し 星の並びを確かめる。 また、主な星座にまつわる ギリシア神話などを紹介する。 南の空に見える星座を目印に、 時間の経過によって どのように動くかを予測する。 目印とした星座の動きを 観察する。 星空の時間を 数時間ずつ進める。 観察した結果から 「時間の経過によって 星座は位置を変えるが 星の並びは変わらない」ことを 確かめる。 ※星を消した状態にして 時間を午後8時 30 分に戻す ※再び星を点灯させる。 北の空に見える星および 星座の動き(発展的学習) おおぐま座の北斗七星や カシオペヤ座などを目印に 時間の経過によって どのように動くかを予測する。 目印とした星座の動きを 観察する。 星空の時間を 数時間ずつ進める。 観察した結果から 「南の空に見える星と同様に 時間の経過によって 星座は位置を変えるが 星の並びは変わらない」ことを 確かめる。 ※星を消した状態にして 時間を午後8時 30 分に戻す ※再び星を点灯させる。 星の動きを再確認 観覧している児童が自分自身で 目印にする星座を決めて その動きをもう一度観察し 確かめる。 午後8時 30 分から 翌日の日の出をむかえる。 プラネタリウムの特性を活用し学習指導要領から一歩進んだ内容で投影することも可能です。 現在の指導要領では中学2年生で「地球の自転と公転」を学習するまでは「天動説」ですが、学校で の授業と合わせて、当館のプラネタリウムで学習することにより、小学4年生でも「地動説」を理解す ることも可能と考えます。特に、実際の動き等を観察した後、子供たちが「どうしてそのよう動きをす るのだろうか」と疑問を持つような場合は、通常の内容に下記【例1~3】を追加することができます。 【例】1、南の空に見える星の動きを太陽や月の動きと同定させる。 2、北の空に見える星は北極星を中心に、時計の針とは反対周りに動いている。 3、1と2を踏まえて、天球上の星は南と北とで別々の動きをしているのではなく、 地球の自転により全ての星が北極星を中心として動いて見える。 ※地軸の北側を延長した先に「北極星」が位置していることも解説する。 また、授業の進度に合わせた投影も可能ですので、事前に担当者へご相談ください。 ただし、他の学校と同時に行う場合などは、ご希望に添えない場合もあります。
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