第 4号 4月 8日 入学式式辞 農業を学ぶ 農業で学ぶ

校長だより第 4 号 平成 28 年 4 月 8 日
平成 28 年度 入学式式辞
生きるもの全てに生命の息吹がみなぎる希望の季節を迎え、本日ここに平成 28 年度島根県立松江農
林高等学校入学式を挙行できますことは、誠に喜びに堪えないところでございます。ただいま入学を許
可しました新入生 160 名の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。皆さんの本校への入
学を私たち教職員一同、そして後ろにいる生徒ともに心から歓迎いたします。
また、本日は島根県教育委員会から高橋 泰幸 学校企画課長様、松農会会長 浅野 俊雄様、PTA
会長 野々村 卓也様をはじめ、ご来賓の皆様には公務ご多忙の中ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます
とともに、日頃から本校の教育活動に対し、格別のご理解とご支援をいただいておりますことに改めて
感謝申し上げます。ありがとうございました。
さて、本年度の入学式は 117 回目の入学式です。1900 年(明治 33 年)に創立した伝統ある松江農林
高校の生徒としての第一歩が今日から始まります。今日は皆さんに松江農林高校がどんな考えで教育活
動を行っているかお話ししたいと思います。
皆さんは本校を希望して、生物生産科、環境土木科、総合学科それぞれの学科に入学してくれました
ので、それぞれの学科で何を学ぶかはだいたい分かっていると思いますが、本校は、農業・農業土木や
農業関連産業のこと、そして福祉を学ぶ学校です。島根県の農業、園芸、土木・建設業、造園業、食品
産業そして地域の産業や文化を支える専門的な知識と高い技能をもった、将来のスペシャリストを育成
する高校です。そのために授業では体験的な学習が多くあり、その中で社会に出て役に立つ実践力を高
めていきます。そして、農業や関連産業、ヒューマンサービス分野の担い手となって地域を支えてく人
材育成を一つの目標にしています。そのために「農業を学ぶ」のです。将来のスペシャリストですから
高校 3 年間で完結するような教育ではなく、将来にわたって学び続ける生徒を育てるということです。
さらに本校は、農業・農業土木・福祉で学ぶ学校でもあります。どういうことかというと、農業や農
業土木、福祉などを勉強する中では、自然を相手にしたり、命あるものを育てたり、美しいものに感動
したり、温かい人間愛の精神を深め、他の人々に思いやりの心を持つことがたくさんあります。本校で
の学びをとおして社会人として必要な豊かな人間性などの心を鍛えていきます。これが「農業で学ぶ」
部分です。農業やそれぞれの学科の学習をとおして、人間性豊かで誠実な人材の育成をもう一つの目標
にしています。農業を学び専門的な知識を身につけ、農業で道徳心や人間性を高めていく、そんな学び
が本校にはあります。技術を鍛え、心を鍛え、皆さんの将来の可能性を広げる学校です。
みなさんはこれから様々なことを経験し、多くの壁にぶち当たり、それを乗り越えながら成長してい
くはずです。高校生活の様々な活動の中で、できること、できそうなこと、自分が得意とすることを増
やしてください。小さな力ではそれに見合った可能性しかありませんが、大きな力をつけていくとその
可能性は広がっていきます。大きな力をつけようと思えば、失敗も当然あります。しかしその失敗を恐
れず挑戦し続けてください。野球に例えると守備範囲が広い選手は捕れる範囲が広くなりますから、エ
ラーも多くなります。しかし、挑戦して失敗することに対しては拍手を送ることができる。そんな学校
でありたいと思っています。私たち教職員は皆さんの可能性を広げるために全力で応援していきたいと
思っています。
最後に、保護者の皆様にお願いです。子どもさんの成長のためには保護者の皆様と学校が連携しなが
ら協力し、それぞれの役割を果たしていくことが大切となります。改めまして、保護者の皆様には本校
教育へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、新入生の皆さんが本校で大きな花を咲かせて
成長してくれることを願って式辞といたします。
平成 28 年 4 月 8 日
島根県立松江農林高等学校 校長 吉川 靖