2016年04月06日 - 日本イーライリリー株式会社

Press Release
日本イーライリリー株式会社
2016 年 4 月 6 日
〒651-0086
神戸市中央区磯上通 7-1-5
EL16-22
本資料は、米国イーライリリーが 2016 年 3 月 22 日(米国現地時間)に発表したニュースリリースを日本語に翻訳し
たもので、内容及び解釈については原本である英語が優先されます。なお、適応症と安全性重要情報など一部情報
は海外のもので、日本の情報ではありません。また、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変又は追記してい
る部分があります。
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リリーの Taltz (イキセキズマブ)、中等症から重症の尋常性乾癬を
適応症として、米国食品医薬品局の承認を取得
2016 年 3 月 22 日インディアナポリス― イーライリリー・アンド・カンパニー(以下リリー)(NYSE:LLY)は本日、
米国食品医薬品局(FDA)が、全身療法又は光線療法の適用となる成人の中等症から重症の尋常性乾癬患
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者さんの治療薬として Taltz (イキセキズマブ)皮下注製剤 80mg/mL を承認したことを発表しました。Taltz は、
イキセキズマブ又はその添加物に対する過敏性反応(アナフィラキシーなど)の既往のある患者さんに対して
は、使用すべきではありません。Taltz は、乾癬の炎症を誘発するタンパク質であるインターロイキン-17A(IL1
17A)へ特異的に結合します 。
2
乾癬は、皮膚に現れる慢性の自己免疫疾患です 。米国における乾癬の罹患者は約 750 万人で、そのうち約
3
20%の患者は中等症から重症の尋常性乾癬です 。尋常性乾癬は乾癬で最もよく見られる病態で、盛り上がっ
3,4
た紅い皮疹を死滅した皮膚細胞が銀白色に盛り上がって覆う形で現れ、通常痛みや痒みを伴います 。乾癬
の明確な原因は分かっていませんが、遺伝的及び環境的要素がこの疾患の発症に関与していることが知られ
3
ています 。
「未だ多くの乾癬患者さんが、この疾患を上手に管理できる薬剤を探し続けています」と、リリーU.S.A.のプレジ
デント Alex Azar は述べています。「Taltz の承認により、患者さんが皮膚病変のほぼ消失又は完全な消失を
得るのに貢献しうる新たな薬剤を提供できることを誇りに思っています。」
FDA による Taltz の承認は、これまで行われた世界 21 か国の 3,800 名以上の中等症から重症の尋常性乾
癬患者さんを対象とした 3 本の大規模の第Ⅲ相臨床試験の結果に基づくものです 5。3,800 名には、Taltz 投
与群、プラセボ投与群、もしくは実薬対照群(米国で乾癬の適応で承認されているエタネルセプト)として試験へ
5
の参加した患者さんが含まれています 。この臨床試験プログラムは、3 本の第Ⅲ相多施設共同二重盲検比
較試験、UNCOVER-1、UNCOVER-2、UNCOVER-3 を含み、中等症から重症の尋常性乾癬患者さんにおけ
る Taltz の安全性及び有効性が示されました。3 試験全てにおいて、12 週目の Taltz(初期投与量 160mg を
投与後、2 週間ごとに 80mg を投与)の安全性及び有効性を 12 週目にプラセボと比較評価しました。
UNCOVER-2 及び UNCOVER-3 では、エタネルセプト*(50mg を週 2 回)を 12 週間にわたって投与した対
照群を含みました。また、UNCOVER-1 及び UNCOVER-2 では、60 週までの維持期間中の Taltz の奏効率
も評価されました。
これらの臨床試験では、12 週時点の複数の主要有効性評価項目は、PASI(Psoriasis Area Severity Index)
75 の達成および、sPGA(static Physician’s Global Assessment)0 または 1 を達成しベースラインから少な
くとも 2 ポイント改善することとしました。PASI は、病変部の皮膚の紅斑、肥厚、鱗屑の評価(それぞれ 0 から
4 までの重症度に分類)と全身に占める皮疹面積の割合により、乾癬の重症度を判定する指標です。一方
sPGA は、医師による特定時点における皮疹の重症度の総合評価で、FDA が有効性の評価に採用している
指標です 6 。
3 試験すべてにおいて、12 週時に、Taltz 投与群の 87%~90%で尋常性乾癬の有意な改善(PASI 75)が認
められました。さらに、Taltz 投与群の 81%~83%が sPGA 0 又は 1 を達成しました。Taltz 投与群の大半
(68%~71%)が、皮膚病変のほぼ消失(PASI 90)を達成し、35%~42%が乾癬局面皮疹の完全消失(PASI
100、sPGA 0)を達成しました。プラセボ投与群では、7%以下が PASI 75 を、7%以下が sPGA 0 又は 1 を、
3%以下が PASI 90 を、1%以下が PASI 100 及び sPGA 0 をそれぞれ達成しました。
UNCOVER-1 及び UNCOVER-2 では、12 週時で Taltz が奏効した患者さん(sPGA 0 又は 1 かつベースライ
ンから少なくとも 2 ポイント改善)のうち、75%が 60 週の最終観測時でも同様の奏効を維持していました。
また Taltz は、12 週時での PASI 75 及び sPGA 0 又は 1 を含む皮膚病変の消失全レベルにおいて、米国で
乾癬に対して承認されているエタネルセプト*よりも、統計学的に優れていました。2 つの実薬対照試験
(UNCOVER-2 及び UNCOVER-3)への米国の参加施設における結果の併合解析によると、Taltz とエタネル
セプト*の奏効率は、PASI 75 についてはそれぞれ 87%対 41%、sPGA 0 又は 1 についてはそれぞれ 73%
対 27%でした。
Taltz の安全性情報は、比較試験及び非比較試験に参加した中等症から重症の乾癬患者さん 4,204 人のデ
ータベースから収集しました。
Taltz は感染症のリスクを上昇させる可能性があり、Taltz 投与群では、プラセボ投与群に比べて感染症の発
現率が高くなりました(27%対 23%)。Taltz 投与群では、上気道感染症、口腔カンジダ症、結膜炎、白癬感染
が、プラセボ投与群に比べて高頻度で認められ、重篤な感染症も認められました。臨床的に重要な慢性又は
急性の感染症の徴候又は症状が認められる場合、医療機関を受診するよう患者さんに指導してください。重篤
な感染症が認められる場合、感染が落ち着くまで Taltz の投与を中止してください。
Taltz に関するその他の警告及び注意には、投与前に結核、過敏性反応、炎症性腸疾患及び予防接種に関し
て評価を行うことが含まれます。重要な安全性情報については、以下を参照してください。
UNCOVER-2 及び UNCOVER-3 における比較導入期(0~12 週時)の重篤な有害事象の発現率は、エタネ
ルセプト*で 0.7%、Taltz で 2%であり、有害事象による治療中断率はエタネルセプト*で 0.7%、Taltz で 2%で
した。感染症の発現率はエタネルセプト*で 18%、Taltz で 26%であり、重篤な感染の発現率はエタネルセプト
*
と Taltz ともに 0.3%でした。
「乾癬皮疹の完全消失は乾癬治療の重要なゴールです」と筆頭著者でありセントルイス医科大学皮膚科学の
臨床教授である Craig Leonardi 医学博士は述べています。「Taltz の承認により、医師は患者の皮膚病変の
ほぼ消失又は完全消失の達成に寄与できる選択肢を持つことになります。事実、10 人中 4 人が皮膚病変の
完全消失を達成しました。これらの試験結果により、医師は、Taltz による治療で奏功状態を維持することがで
きると患者さんを安心させることができます」。
Taltz は 2016 年の第 2 四半期から米国で提供可能となります。
*
エタネルセプトは、米国において乾癬の適応で承認されていますが、日本においては乾癬の適応では未承認
です。
【米国における承認内容】
効能効果
全身療法又は光線療法が適応となる中等症から重症の成人の尋常性乾癬
重要な安全性情報
禁忌
Taltz は、イキセキズマブ又はその添加物に対する過敏性反応(アナフィラキシーなど)の既往のある患者さん
に対しては、使用すべきではありません。
警告及び使用上の注意
感染症
Taltz は感染症のリスクを上昇させる可能性があり、Taltz 投与群では、プラセボ投与群に比べて感染症の発
現率が高くなりました(27%対 23%)。Taltz 投与群では、重篤な感染症も認められました。臨床的に重要な慢
性又は急性の感染症の徴候又は症状が認められる場合、医療機関を受診するよう患者さんに指導してくださ
い。重篤な感染症が認められる場合、感染が落ち着くまで Taltz の投与を中止してください
治療前の結核評価
Taltz を投与する前に結核(TB)感染について、患者を評価してください。活動性結核感染患者さんには Taltz
を投与しないでください。潜伏性結核については、Taltz 投与前に治療を開始してください。Taltz による治療中
及び治療後は、活動性結核の徴候及び症状を注意深く観察してください。
過敏性反応
臨床試験において、Taltz 投与群に血管浮腫及び蕁麻疹(各 0.1%以下)などの重篤な過敏性反応が報告され
ています。重篤な過敏症反応が認められた場合は、直ちに Taltz の投与を中止し適切な治療を開始してくださ
い。
炎症性腸疾患
臨床試験では、クローン病及び潰瘍性大腸炎(増悪を含む)が、Taltz 投与群(クローン病 0.1%、潰瘍性大腸
炎 0.2%)において、プラセボ投与群(0%)に比べて、高頻度で認められました。Taltz 投与中は、炎症性腸疾
患の発症または増悪について患者を観察してください。
予防接種
Taltz による治療を開始する前に、現在の予防接種ガイドラインに沿って、年齢に応じた全ての予防接種を行う
ことを検討してください。生ワクチンは Taltz と同時に投与しないでください。
有害事象
最も多く報告された Taltz による治療に関連する有害事象(1%以上)は、注射部位反応、上気道感染、悪心、
及び白癬感染でした。
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Taltz について
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Taltz (イキセキズマブ)は、サイトカインであるインターロイキン 17A(IL-17A)に特異的に結合し、IL-17 受容
体との相互作用を阻止する IgG4 モノクロナール抗体です。IL-17A は自然発生するサイトカインで、通常の炎
症性及び免疫反応に関与します。Taltz は炎症性サイトカイン及びケモカインの活性を抑制します。
UNCOVER 試験について
UNCOVER-1、UNCOVER-2、UNCOVER-3 試験は第Ⅲ相多施設共同二重盲検比較試験で、世界 21 か国
の 3,800 名を超える中等症から重症の尋常性乾癬患者を評価しています。3 本の全試験は、異なる投与用法
量のイキセキズマブ(初期投与量 160mg を投与後、2 週間または 4 週間ごとに 80mg を投与)の安全性及び
有効性を 12 週後にプラセボ群と比較して評価しました。UNCOVER-2 及び UNCOVER-3 試験はエタネルセ
プト(50mg を週 2 回)を 12 週間にわたって投与した対照群も含みました。UNCOVER-1、UNCOVER-2 では
安全性および有効性の評価を 60 週まで続けました。
中等症から重症の尋常性乾癬について
乾癬は、皮膚に現れる慢性の自己免疫疾患です 3。これは、免疫システムが皮膚細胞の成長サイクルを加速
させるよう間違ったシグナルを送ることによって発症します 3。乾癬は米国で最もよく見られる炎症性疾患であり、
米国における乾癬の罹患者は約 750 万人で、全世界での乾癬の罹患者は 1 億 2 千 5 百万人です 3。乾癬で
最もよく見られるのは、尋常性乾癬で、盛り上がった紅い皮疹を死滅した皮膚細胞が銀白色に盛り上がって覆
う形で現れます 3。乾癬患者の約 20%は中等症から重症の尋常性乾癬です 4。
イーライリリー・アンド・カンパニーについて
リリーは、世界中の人々のより豊かな人生のために、革新的な製品に思いやりを込めてお届けすることを目指すグ
ローバルなヘルスケアリーダーです。当社は、真のニーズを満たすべく高品質の医薬品の創造に献身した 1 人の男
性により 100 年以上前に創立され、現在も当社のすべての事業においてそのミッションに忠実であり続けています。
世界中で、イーライリリー社の従業員は人々の人生にインパクトを与えるような医薬品を発見し、それを必要とする
人々に提供し、疾患についての理解や管理を向上させ、慈善活動やボランティア活動を通じて地域社会へ還元して
います。イーライリリー社の詳細については www.lilly.com 及び http://newsroom.lilly.com/social-channels をご覧
ください。
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、人々がより長く、より健康で、充
実した生活を実現できるよう革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合
失調症、うつ、双極性障害、注意欠如・多動症(AD/HD)、疼痛、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸
膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん、悪性リンパ腫、胃がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症などの治療薬
を提供しています。また、アルツハイマー型認知症、関節リウマチ、乾癬などの診断薬・治療薬の開発を行っていま
す。詳細はウェブサイトをご覧ください。http://www.lilly.co.jp
This press release contains forward-looking statements (as that term is defined in the Private Securities Litigation Reform Act of 1995) about Taltz (ixekizumab) as a treatment for moderate-tosevere plaque psoriasis, and reflects Lilly's current belief. However, as with any pharmaceutical
product, there are substantial risks and uncertainties in the process of development and commercialization. Among other things, there can be no guarantee that ixekizumab will receive additional
regulatory approvals or be commercially successful. For further discussion of these and other risks
and uncertainties, see Lilly's most recent Form 10-K and Form 10-Q filings with the United States
Securities and Exchange Commission. Except as required by law, Lilly undertakes no duty to update forward-looking statements to reflect events after the date of this release.
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1
Krueger JG, Fretzin S, Suárez-Fariñas M, et al. IL-17A is essential for cell activation and inflammatory gene
circuits in subjects with psoriasis. J Allergy Clin Immunol. 2012;130(1):145-54.
2
Psoriasis media kit. National Psoriasis Foundation website. https://www.psoriasis.org/sites/default/files/formedia/MediaKit.pdf. Accessed March 22, 2016.
3
Psoriasis. American Academy of Dermatology website. https://www.aad.org/media-resources/stats-andfacts/conditions/psoriasis. Accessed March 22, 2016.
4
About psoriasis. National Psoriasis Foundation website. https://www.psoriasis.org/about-psoriasis. Accessed March 22, 2016.
5
Data on File, Lilly USA, LLC. TAL20160303C.
6
Feldman SR, Krueger GG. Psoriasis assessment tools in clinical trials. Ann Rheum Dis. 2005;64:ii65-ii68.
http://ard.bmj.com/content/64/suppl_2/ii65.full. Accessed March 22, 2016.
®
PP-IX-US-0334 03/2016 ©Lilly USA, LLC 2016. All rights reserved. Taltz is a registered trademark owned or licensed
by Eli Lilly and Company, its subsidiaries, or affiliates.