19 神津島の魅力がつまった「キンメダイ あしたばスープ」プロジェクト 企画提案者 : NPO 法人神津島観光協会 自 治 体 : 神津島村 事業実施者 :(株)アール・ピー・アイ 対象地域 : 神津島村 現状・課題 成 果 神津島には金目鯛をはじめとする海産物や明日葉などの地域資源があるが、観光客がお土産として購入し ❶地域資源を活用した新たな特産品「キンメダイ あしたばスープ」の開発(仕様の確定) たり首都圏での販路を開拓するにあたっては、島外への長距離輸送に耐える保存方法などの面で課題がある。 その他のデザイン案の候補 そこで、神津島産の金目鯛と明日葉を用いて、島の新しい特産品として「金目鯛と明日葉のフリーズドラ イスープ」を開発しブランド化を進めることにより、神津島の魅力・認知度を高めることを本プロジェクトの 主な目的とする。 光沢紙 (シンプルで高級) 光沢紙 (高級+親しみやすい) 実施内容 フリーズドライスープ クラフト紙 (オシャレ+美しい+素朴感) クラフト紙 パッケージデザイン案 (4個入り・1個入り) ❶キンメダイ あしたばスープの開発 素材の魅力や加工の難易度など資源を評価するとともに商品ターゲット 紙 クラフト紙 (素朴な手造り感) 地域住民、シェフ、フリーズドライ加工会社との連携により、最終的な商品の仕様、パッケージ原案ま でを確定することができた。 や食のシーンなどを想定し、「神津島を代表するような美味しくて身体 に良いスープ」をコンセプトに商品開発を進めた。設定したコンセプト をもとにレシピを確定し、製造会社のもとでフリーズドライの試作品を 開発。プロのシェフの意見などを参考に、計4回の改良を重ねた。 ❷キンメダイ あしたばスープのマーケティング調査 首都圏消費者を対象に、神津島に対する認知度・イメージ、地域特産 ❷特産品開発体制の整備 実行委員会メンバーを中心に地域住民自らが商品開発のノウハウを習得する機会となった。様々な地域 資源を活用した特産品を開発していくための島内・島外ネットワークを構築することができた。 ❸観光協会の機能強化 ワーキンググループの運営、試食アンケートの実施、製造業者との調整、事業継続のための資金計画立 案など地域活性化の中核的な推進主体となるような機能を果たした。 品やフリーズドライスープのニーズ・購入実態を把握し、商品開発や販 売戦略立案の参考データとするために、インターネットによるアンケー 課 題 ト調査を実施した。 ❸試食会の開催 ・首都圏での販路開拓の可能性・方向性を把握するため、竹芝客船 ターミナルにおいて、試作したフリーズドライスープに対する評価やニ ーズ、神津島のイメージを把握するための試食アンケートを実施した。 ❶商品化に向けたフリーズドライレシピの改善 里芋の食感や具材のばらつき軽減など製造会社と調整し、完成度を高める必要がある。 ❷本格製造に向けた島内の開発体制の確立 本格的な製造に向けて、明日葉、里芋、生姜、金目鯛を確保するための生産体制を確立する。また、 原材料の一次加工処理について、委託先の漁協女性部と調整・検討を行う。 さらに、島内における本事業の取組の認知度を高めるために、島民 に対しても同様の調査を実施した。 ・さらに、より多くの人に商品に関心を持ってもらうために、新中央空 港や東海汽船乗り場にて、パッケージデザインの投票を行った。 ❸製造コストに見合った資金収支計画の作成 製造加工費や原料代、商品パッケージや販促ツール作成費など、製造にかかる資金を確保する。それに 向けて、製造コストに見合った原価計算や販売価格の設定、資金計画策定が必要となる。 今後の展開 ❹開発品PR戦略の実施 ・商品形態は、お土産用の4個入りと島での観光体験の際に提供する 業務用 1 食入りの2パターンを考え、パッケージデザインおよびネー ミングをそれぞれ4案を作成した。 ・また、商品や販売方法のこだわりを整理し、販路開拓に向けて、バ イヤーと商談する際に使用するための商談シートの基礎となる「商品 企画シート」を作成した。 ❶商品の本格デビュー 原材料の収穫時期に合わせて、秋の産業祭りでのお披露目を目標とする。それに向けて、生産・加工体 制を確立し原材料を確保するとともに、商品完成後の販路先を確保する必要がある。 ❷観光施設や民宿などとの連携による島内で商品を提供する仕組みづくり 開発した商品は土産物店やスーパーで販売するだけでなく、観光体験の際に提供したり、飲食店や民宿 で提供するなど島内における話題づくりに向けた販路開拓を優先的に行う。 ❸地域資源(明日葉、金目鯛)を活用した特産品のシリーズ展開 和食だけでなく、フレンチ、イタリアン等様々なジャンルでの活用可能性が明らかとなった。 60 61
© Copyright 2024 ExpyDoc