こちら - 認定NPO法人まちぽっと

2016 年度東京都予算にみる地域医療の課題
伊藤久雄(認定NPO法人まちぽっと理事)
1.地域医療対策等に関わる 2016 年度東京都予算
(1)2016 年度予算(福祉保健局)
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
事
業
(既)脳卒中医療連携推進事業
(既)糖尿病医療連携推進事業
(既)在宅療養普及事業
(既)在宅医療等相互支援体制構築事業
(既)在宅療養環境整備支援事業
(既)在宅療養研修事業
(既)在宅療養移行支援事業
(既)在宅療養支援員養成事業
(既)在宅療養移行体制強化事業
(既)在宅療養推進基盤整備事業
(既)区市町村在宅療養推進事業
(新)暮らしの場における看取り支援事業
(新)地域医療構想推進事業
(新)東京都災害時医療救護活動・在宅医支援セ
ンター事業
(既)東京都リハビリテーション病院の運営
(既)外国人旅行者等への医療情報提供体制整備
(既)公立病院運営費補助
⑮
⑯
⑱
2016 年度
27
38
6
32
―
18
190
16
799
193
620
15
447
150
計
(注)
単位:百万円
2015 年度 増減(▲)
27
0
32
6
11
▲5
25
7
―
(注)
18
0
158
32
16
0
799
0
193
0
620
0
0
15
0
447
0
150
3,083
10
3,456
3,092
10
3.445
▲9
0
11
9,100
654
654
在宅療養環境整備支援事業は医療保健政策区市町村包括補助事業で対応
(2) 主な事業
<別紙資料
⇒
平成 28 年度在宅医療推進に向けた都の取組>
(新規事業-暮らしの場における看取り支援事業を含む)
2.新規事業の内容
○
地域医療構想推進事業
(医療介護総合確保法に基づく平成 27 年度東京都計画より抜粋)
・2015 年 3 月に国が策定した「地域医療構想策定ガイドライン」においては、地域医療
構想の達成に向けた病床の機能分化及び連携に当たっては、地域医療構想において定
めた構想区域における病床機能区分(高度急性期、急性期、回復期及び慢性期)ごと
の必要病床数に基づき、医療機関の自主的な取組及び医療機関相互の協議により進め
られることを前提として、これらを実効性のあるものとするために地域医療介護総確
保基金の活用等により、必要な施策を進めていく必要があるとしている。
・都は、現在、地域医療構想の策定に着手。この地域医療構想の中で病床機能区分ごと
の必要量を示していくこととしているが、地域医療構想の策定後、その実現に向けて、
病床機能の分化及び連携のための仕組みづくりや施設・設備整備等に対して支援を行
う必要がある。
・目標は、東京都の実情を踏まえて策定する地域医療構想の達成
・病床機能分化推進事業は、医療機関が回復期リハビリテーション病棟及び地域包括ケ
ア病棟等への転換を検討するにあたっての専門的な支援等を行うこと、また、病床機
能の変更に主体的に取り組む医療機関に対し、回復期リハビリテーション病棟及び地
域包括ケア病棟等の整備に要する費用の一部を支援することにより、都における地域
医療構想の実現と地域包括ケアの一層の推進を図る、としている。
・病床機能分化推進事業の目標
病床機能の変更等を行う医療機関数 40 施設
地域医療構想において不足している医療機能の確保
○
東京都災害時医療救護活動・在宅医支援センター事業
・東京都災害時医療救護活動・在宅医支援センターの機能確保に必要な経費を支援す
ることにより、災害発生時の即応体制及び平時における医療従事者への研修体制の整
備を図る(福祉保健局の「平成 28 年度主要事業予算内示概要」)
・東京都地域医療再生計画(2012 年度策定)では、次のように計画された。
・他県からの応援医療チーム(JMATを含む。)の参集拠点として都医師会館に「東京
都災害時医療救護活動・在宅医支援センター(仮称)」を整備し、各圏域の被害状況に
応じて医療チームを迅速に派遣し、円滑かつ持続的な医療救護活動ができる体制を確
立する。
・なお、2014 年度には東京都災害時医療救護活動・在宅医支援センター整備事業として、
都医師会の都医師会館の施設整備が予算化されている(どうして 2016 年度の新規事業
なのか分からない)。
3.福祉保健区市町村包括補助事業
(1)福祉保健区市町村包括補助事業とは
福祉保健区市町村包括補助事業(以下、包括補助事業)は、区市町村が地域の実情に応
じ、主体的に実施する福祉・保健・医療サービスの向上を目指す取組みを支援する事業で、
以下の 5 分野の事業がある。
医療保健政策
地域福祉推進
高齢社会対策
子供家庭支援
障害者施策推進
対象事業は、各分野の包括補助事業の基本的な枠組みとして、以下の 3 種別となってい
る。
① 先駆的事業(新たな課題に取り組む試行的事業)
② 選択事業(都が目指す福祉・保健・医療施策の実現を図るために掲げる事業の中から
区市町村が選択・実施する事業、または区市町村が独自に企画して実施する事業)
③ 一般事業(都が掲げる事業で区市町村が地域の特性に応じて主体的に取り組む事業)
(2)2016 年度予算
2016 年度の予算は下表のとおりである。予算額は各分野とも 2015 年度と変わらない。東
京都の「ひも付き」補助金ではない、包括補助事業を拡大していくことも今後の課題であ
る。
福祉保健区市町村包補助事業
2016 年度予算
事
業
名
医療保健政策区市町村包括補助事業
地域福祉推進区市町村包括補助事業
高齢社会対策区市町村包括補助事業
子供家庭支援区市町村包括補助事業
障害者政策推進区市町村包括補助事業
計
単位:百万円
予算額
2,500
3,566
3,780
8,794
13,235
31,875
(3)包括補助事業事例発表会
都は、区市町村の実務者等を対象に「包括補助事業事例発表会」を開催し、「優れた取組
みの拡大を図っている」としている。2011 年度(平成 23 年度)から 2015 年度(平成 27 年
度)の発表事例は以下のとおり。
発表事例一覧(2010 年度~2015 年度)
◆
医療保健政策区市町村包括補助事業
2011 年度
2012 年度
2013 年度
2014 年度
2015 年度
◆
杉並区
清瀬市
台東区
八王子市
小平市
中野区
目黒区
調布市
在宅医療推進協議会、在宅患者緊急一時入院病床確保に係る調査
がん対策推進事業(がん検診)
在宅療養環境整備支援事業(在宅療養支援窓口、在宅療養後方支
援病床確保事業、在宅療養推進協議会)
成人歯科保健対策 お口のパスポート事業
口腔ケア連携推進事業
がん予防推進計画策定の取組みについて
「がん検診受診率向上事業
摂食・嚥下機能支援推進事業
在宅療養環境整備支援事業
アレルギー相談事業
高齢社会対策区市町村包括補助事業
2011 年度
2012 年度
2013 年度
2014 年度
2015 年度
◆
板橋区
豊島区
多摩市
世田谷区
杉並区
八王子市
足立区
北区
杉並区
豊島区
大田区
多摩市
包括的支援一般福祉事業(在宅介護ファイルノート作成)
昼間等の随時訪問サービス
地域認知症ケアの推進
シルバーふらっとほーむ整備事業(シルバー交番との併設)
地域活動人材育成講座
高齢者にやさしいまちづくりのモデル調査・研究
安心おたっしゃ訪問事業
地域福祉サポーター養成研修事業
生涯現役社会に向けた高齢者の社会参加推進事業
見守りサポーター養成研修事業
子供家庭支援区市町村包括補助事業
2011 年度
2012 年度
2013 年度
2014 年度
2015 年度
八王子市
墨田区
多摩市
世田谷区
葛飾区
江東区
世田谷区
民間事業者による赤ちゃん・ふらっと整備を促進するための設置
費用補助事業
定期利用保育事業の事業開始支援事業
区市町村児童虐待対応力向上支援事業(虐待対策調整事業)
発達支援親子グループ事業
要支援家庭の早期発見・支援事業
送迎保育ステーション事業
子育て家庭対象に子育て支援情報を提供する為の子育て応援アプ
リ事業の実施
◆
障害者施策推進区市町村包括補助事業
2011 年度
2012 年度
2013 年度
◆
足立区
荒川区
中野区
豊島区
港区
世田谷区
区市町村発達障害者支援体制整備推進事業
留守番看護師派遣事業
経営コンサルタント派遣等事業
非常時避難誘導設備整備事業、視覚障害者外出支援事業
障害者防災用品普及啓発事業・家具転倒防止器具の取付
成人期発達障害者支援事業
地域福祉推進区市町村包括補助事業
2011 年度
2012 年度
2013 年度
2014 年度
2015 年度
江東区
日野市
練馬区
目黒区
東久留米市
品川区
世田谷区
調布市
八王子市
練馬区
ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ実施事業
介護人材育成研修等支援事業
福祉のまちづくり協働推進拠点事業
目黒区保健福祉サービス苦情調整委員制度
災害時要援護者避難支援体制の整備事業
ユニバーサルデザイン普及啓発事業
ユニバーサルデザイン・アドバイザー派遣他、普及啓発等事業
社会福祉法人指導検査強化促進事業
思いやり駐車区画整備事業
成年後見活用あんしん生活創造事業
(4)福祉保健区市町村包補助事業の課題
事例発表会で紹介された事例はあくまで「事例」であって、福祉保健区市町村包補助事
業を活用した事業のすべてではないであろう。しかし、この事例一覧で、いくつかの課題
を指摘することができる。
①
事例として紹介された市区町村が偏在していることである。紹介件数の多いところか
ら並べれば以下のようになる。
5件
世田谷区
3件
豊島区、杉並区、八王子市、多摩市
2件
板橋区、中野区、目黒区、足立区、江東区、練馬区、調布市
1件
港区、品川区、台東区、北区、大田区、墨田区、荒川区、足立区、葛飾区、小平市、
日野市、清瀬市
区部と市部でみても、区部は 18 区と多く、市部は 6 市と少ない。
②
福祉保健区市町村包補助事業を活用した事業の継続性はどうだろうか。5つの補助事
業すべてを検証する余裕がないので、医療保健政策区市町村包括補助事業で紹介された 6
市区、10 事業を検証してみた。
◇
板橋区
在宅医療推進協議会、在宅患者緊急一時入院病床確保に係る調査
在宅医療推進協議会は 2008 年度に発足し、継続している。在宅患者緊急一時入院病
床確保に係る調査は、2011 年度に(社)板橋区医師会に委託して高島平地域をモデルと
して実施された。その後の展開としては、数年間事業を継続し、引き続き検証を行い、
かかりつけ医の定着への取り組みを行うこととしていた。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/shisaku/houkatsu/23jirei.file
s/houkatsu01.pdf
板橋区の地域包括ケアシステムの構築における具体的取り組み(第5期介護保険事
業計画)においては、在宅医療・介護の連携として、定期巡回・随時対応型訪問介護
看護及び複合型サービスの拡大、在宅療養環境整備事業との連携、在宅医療連携拠点
事業との連携が提起されている。
◇
豊島区
がん対策推進事業(がん検診)
豊島区は 2011 年 4 月 1 日に豊島区がん対策推進条例と豊島区がん対策基金条例を施
行した(23 区初)。そして豊島区がん対策推進計画を策定し、がんの予防・普及啓発、
がん検診の推進、がん患者と家族の支援を柱とするがん対策を実施してきた。
豊島区のがん検診は、今日まで継続している。
◇
杉並区
在宅療養環境整備支援事業
在宅療養環境整備支援事業としては今日行っていないが、在宅療養環支援対策の充
実として4つの事業がある。すなわち、名称は変わったが事業は継続、発展している。
在宅医療相談調整窓口の設置
②
後方支援病床の確保
③
在宅医療推進協議会の設置
④
在宅医療の普及・啓発
◇
①
清瀬市
成人歯科保健対策
お口のパスポート事業
清瀬市のHPからは検索できない。福祉保健区市町村包補助事業の単年度事業とし
て終わった可能性がある。
◇
台東区
口腔ケア連携推進事業
台東区では、口腔ケア連携推進事業を継続し、区民の歯と口腔(口の中)の健康づ
くりに取り組めるよう、三ノ輪口腔ケアセンターを基点に相談対応や口腔ケアの普及
啓発を行っている。
◇
八王子市
がん予防推進計画策定の取組みについて
八王子市は、2013 年度(平成 25 年)から 2017 年度(29 年度)を計画期間とする「八
王子市がん予防推進計画」を策定した。
◇
中野区
摂食・嚥下機能支援推進事業
中野区では、2015 年 4 月から摂食・嚥下機能支援推進事業として、
「在宅療養(摂食・
えん下機能)支援センター」がオープン。摂食・えん下機能について歯科衛生士に電
話で相談できる。また、必要に応じて医療機関の紹介や医師・歯科医師による訪問診
療(自己負担あり)もご案内している。本人だけでなくご家族からの相談も可能。
相談者の個々の状況に応じて、摂食・えん下機能支援評価医養成研修、リハビリチ
ーム養成研修を受講した医師・歯科医師、看護師・理学療法士・ケアマネジャー等が、
食べやすい姿勢や食事の形態等のきめ細かな支援を提供している。
◇
目黒区
在宅療養環境整備支援事業
目黒区は、2012 年度から 2014 年度に在宅療養の推進として、在宅療養推進協議会(仮
称)の設置と推進施策の総合的な検討と実施を定めた。
2013 年度は、在宅療養を支える体制を構築するため「在宅療養推進協議会」を設置。
「在宅療養資源マップ」冊子を作成した。2013 年 8 月には「在宅療養支援窓口」を中
央包括支援センター内に設置し、退院時や在宅療養の継続など約 180 件の相談に応じ
た。事業は 2015 年度以降も継続している。
◇
調布市
アレルギー相談事業
調布市は 2013 年 11 月、調布市教育委員会「食物アレルギー事故再発に向けた取組
方針」を策定。この取組方針の目的は、①アレルギーに対する不安の軽減、②正しい
知識の普及、③受療行動へのつなぎ、促し、3つであった。現在、次の事業を行って
いる。
1 アレルギー専任相談員による相談
2 医師相談
3 アレルギー講演会
4 連絡会の開催
以上みたように、福祉保健区市町村包補助事業を活用して実施した事業医療保健政策区
市町村包括補助事業は、ほぼ継続、発展させているとみることができる。他の事業の検証
も必要である。
その他の課題として、事例発表がない事業があることや、1 例しか発表のない年度もある。
このことは、ただ単に予算を示して市区町からの事業提案を待つだけでは、発展性のある
事業提案が少ないということの表れではないだろうか。世田谷区や豊島区、杉並区、八王
子市、多摩市などの取組み姿勢を学ぶとともに、東京都の担当者も市区町村の担当者との
連携を密にしていくことが必要だと思われる。そしてそれは、この福祉保健区市町村包補
助事業だけでなく、他の補助事業すべてにいえる課題だと考える。
4.今後の課題
(1)東京都がやることは市区町村や医師会、医療機関の支援だが?
○
市区町村の体制は十分か、東京都との連携はどこまで可能か
○
東京都医師会、地区医師会の体制は
○
医療機関は
*
体制が不十分であったり、連携が不十分であると、結果として予算はつけたが執行
できず、予算を残すことになる。年度ごとの検証が必要である。
*
先にも触れたが、区市町村包括補助事業を拡大していくことが課題であるが、市区
町村の側の姿勢も課題になる。
(2)医療と福祉の連携、多職種連携はどうすすむか?
<事例>練馬区在宅療養推進協議会
○
協議会の事務局
地域医療課、高齢者支援課、医療環境整備課、高齢社会対策課、介護保険課(オブ
ザーバー、東京都福祉保健局医療政策部医療政策課より 2 名)
○
練馬区在宅療養推進事業計画案
<別紙資料
⇒
練馬区在宅療養推進事業計画案>
案に掲げられた課題
1 多種種連携の強化
①
医療と介護の連携
②
病院と在宅スタッフとの連携
③
情報共有
2 サービス供給体制の充実
①
人材の確保・育成
②
24 時間体制・後方支援病床の確保
③
相談・診療体制の充実
④
地域資源情報の提供環境
⑤
介護老人保健施設の調査研究
3 区民への啓発・家族の支援
①
区民への啓発
②
地域資源情報の提供体制の充実
③
地域における支え合いの強化
④
在宅生活支援の充実のための取組
4 在宅療養の現状の経年的把握
◇
①
在宅療養資源に対する課題の把握
②
看取りの実態の把握
研修や講演会などが大半だが、計画期間(2016 年度から 2018 年度)後の展開がどこ
まで可能か
◇
相談・診療体制の充実では、当然「高齢者相談センター」(地域包括支援センター)
があげられているが、充分か。たとえば、相談窓口は高齢者相談センター本所 4 か
所のみ設置されることになっているが、不十分なのではないか。
◇
地域包括ケアシステムに触れていない(都は、在宅療養移行体制強化事業で、「地域
包括ケアシステムにおける在宅療養移行体支援の意義や医療機関の役割を理解する」
としている)
。これは、練馬区の地域包括ケアシステムのあり方が固まっていないか
らだと考えられる。
(3)地域医療支援病院(二次医療圏)の体制は?
<地域医療支援病院とは>(福祉保健局HP・地域医療支援病院概要から)
○
目的
地域医療支援病院は、紹介患者に対する医療提供、医療機器の共同利用等の実施
を通じて、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援し、効率的な医療提供体制の
構築を図ることを目的としている。
○
根拠法
医療法第 4 条
○
承認条件
(H26.4.1 改正)
以下の要件を備えた医療機関からの申請により、都道府県医療審議会の意見を聴
いた上で、知事が承認する。
1 紹介患者に対し、医療を提供する体制が整備されていること。
・
紹介率 80%以上
(紹介率が 65%以上であって、承認後 2 年間で 80%達成することが見込まれる
場合を含む)
・
紹介率が 65%を上回り、かつ逆紹介率が 40%を上回ること。
・
紹介率が 50%を上回り、かつ逆紹介率が 70%を上回ること。
紹介率=((紹介患者数/初診患者数(※))×100
逆紹介率=(逆紹介患者数/初診患者数)×100
(※)初診患者のうち、地方公共団体又は医療機関に所属する救急自動車により
搬入された患者、救急医療事業において休日又は夜間に受診した患者及び自
他覚的症状がなく健康診断を目的とする当該病院の受診により疾患が発見さ
れた患者について、特に治療の必要性を認めて治療を開始した患者を除く。
2 共同利用させるための体制が整備されていること。
3 救急医療を提供する能力を有すること(次のうち、いずれか)
(1) 救急自動車により搬送された患者の数が 1,000 以上であること
(2) 救急自動車により搬送された患者の数が救急医療圏(二次医療圏)人口の
0.2%以上であること
4 地域の医療従事者に対する研修を行わせる能力を有すること
(年間 12 回以上
主催)
5
200 床以上の病床を有すること
6 集中治療室等の必要設備を有すること
7
集中治療室等の必置施設の構造設備が厚生労働省令で定める要件に適合するも
のであること
○
開設者
1 国、都道府県、区市町村、社会医療法人
2 厚生労働大臣の定めるもの(告示)
公的医療機関(社会保険関係病院等を含む。)、医療法人(特別医療法人を除く)、
公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、私立学校法人、社会福祉法人、独立行
政法人労働者健康福祉機構、
「エイズ治療拠点病院」又は「地域がん診療拠点病院」
であり、地域支援に実績を有する病院を開設する者
○
必置施設
1 集中治療室
2 診療に関する諸記録
学、細菌及び病理の検査施設
3 病院の管理及び運営に関する諸記録
5 病理解剖室
6 研究室
7 講義室
8 図書室
4化
9 救急
用又は患者輸送用自動車及び医薬品情報管理室
<別紙資料
⇒
地域医療支援病院医療圏別一覧(平成 26 年 4 月 1 日現在)>から
地域医療支援病院医療圏別一覧によれば、次の二次医療圏は地域医療支援病院が指
定されていないか、手薄である。今後、どう対応していくのかが課題である。
○
区東北部(荒川、足立、葛飾)
○
区東部(墨田、江東、江戸川)
○
西多摩
○
南多摩
○
島しょ
本稿は、自治労東京都本部衛生医療評議会総会におけるレジメに加筆修正したものである