2016 年度 世 界 史

2016 年度
世 界 史
■ 大学・学部(日程):北海道大学(前期)
■ 出題構成(時間/配点):90 分/150 点
大問
1
2
3
形 式
分野・内容 等
空欄補充・単答・論述(約 60 字×4問,約
唐宋変革期の中国と北方諸民族
90 字)
単答・論述(約 30 字,約 60 字,約 90 字,
イスファハーンの歴史
約 150 字)
単答・論述(約 30 字,約 60 字×3問,約
戦間期の世界
90 字)
難易度
標準
標準
標準
※難易度は北大受験生を母集団とする基準で判定しています。
■ 出題傾向
・長文下線部問題の一部として小論述が複数出題される。教科書レベルの問題が多いものの,テーマ
によっては解答欄内に収めるのに苦労しそうなものもある。なお,論述問題には字数指定がないの
で,解答欄の行数(1~5行;1行当たり約 30 字)から分量を判断することになる。
・政治的事件のほかに社会・経済関係の出題も多く,貿易品や宗教・文化などに関する設問も散見さ
れる。また,歴史用語の意味を説明させる論述問題がしばしば出題される。
・年度によって多少変動はあるが,全体的に見ると地域・時代の偏りはあまりない。
・基本事項が重視されており,難易度は概ね標準的である。
・小問数や総論述字数は年度によって変動があり,近年は約 30~150 字で解答する論述問題が7~15
問出題されることが多い。
■ 2016 年度入試の特記事項
・小問数・難易度はともにほぼ例年並みであった。論述問題については,2016 年度は問題数 14 問・
総論述字数約 960 字であり,2015 年度の問題数 13 問・総論述字数約 900 字からやや増加した。
・現代史からの出題が多く,戦間期を扱った3はすべての小問が現代史からの出題であったが,戦
後史からの出題は2-問8の1問のみであった。例年,大問1題は中国史をテーマに出題されて
おり,2015 年度は大問単位での出題は見られなかったが,2016 年度は1で出題された。
・1の問3・問6は文化に関する論述問題であった。文化史は学習が後回しになりがちであるが,
政治史と関連付けて学習できていたかで差がついただろう。
・2の問3では,ユグノー戦争の勃発から終結までの経緯を具体的に説明するには,正確な知識が
必要であった。問5は苦手とする人が多い東南アジア史からの出題であり,(イ)の特産品は盲点だ
っただろう。問8は戦後史からの出題であったが,標準的な内容だったので確実に得点したい。
・3の問3-(イ)の国際連盟が抱えていた問題については,のちの国際連合との比較や,第二次世
界大戦に至る国際情勢の動きを踏まえて具体的に説明したい。問4の論述問題は,「ルール占領」
は基本用語だが,その「背景」という通常とは異なる切り口からの出題にとまどった受験生もいた
と思われる。
■ 求められる力とその養成
・社会・経済史や文化史なども含めて基礎事項を確実に押さえるとともに,事項の暗記に留まらず,
歴史事象の因果関係などに関する理解を深めておきたい。また,地域についても,北大世界史では
幅広い地域について出題されるので,あらゆる地域・時代を網羅した学習を心掛けたい。
・論述問題が多いが,1問当たりの字数は多くないので「簡潔に」まとめる練習をしておきたい。
・標準的な問題が多いので,些細なミスが合否を分けると思われる。ケアレスミスに十分気をつけた
い。中国史が頻出なので,歴史用語の漢字は正しく書けるようにしておこう。
・このような北大世界史の対策としては,Z会の通信教育などを活用して問題演習に数多く取り組み,
幅広い時代・地域の知識を確実なものとし,短時間で論述をまとめ上げる力を養成したい。