「第四次浦添市総合計画 後期基本計画(素案)」に対するご意見と市の

「第四次浦添市総合計画 後期基本計画(素案)」に対するご意見と市の考え方
1.パブリックコメントの概要
(1)実施期間
平成 28 年2月 24 日(水)~平成 28 年3月 23 日(水)
(2)閲覧方法
ア 市ホームページ
イ 浦添市役所 4階 企画課
ウ 浦添市役所 8階 市政情報センター
(3)意見提出方法
ア 電子メール
イ FAX
ウ 郵送
エ 持参
(4)提出があった意見
ア 個人(FAX)2件
イ 団体(FAX)1件
計 3件
2.意見の内容・市の考え方
1
意見・理由等(個人)
政策2 施策2-1
「一人ひとりの個性を伸ばす就学前(幼稚園)教育の充実」についての意見
【意見】
提案されている「就学前(幼稚園)教育の充実」施策の抜本的な見直しが必要で
す。「子ども・子育て支援新制度」の1号認定(3歳からの幼時教育)が早期に
実現できる具体的計画を策定してください。
【理由】
1.浦添市の就学前教育の最大の問題点は、3歳児からの3年保育が保証されて
いないことです。全国的にみれば、最悪レベルです。
「子ども・子育て支援新
制度」では「満3歳以上で幼稚園等の教育を希望する子は全員幼稚園等の利
用ができる」(1号認定)となっていますが、浦添市の3歳児の幼稚園利用
は、限りなくゼロに近い実態です。(二つの私立幼稚園のみで実施)
2.「保育園及び幼稚園の整備は、市町村の責務」ですが、法令等に違反し喫緊
の課題であるにもかかわらず、今回の計画でも具体的な計画も目標値も示さ
れていません。(第3次てだこ親子プラン)も同様です。)
3.全国では、1号認定の3歳児からの3年保育(幼稚園教育)は十分に保障さ
れています。よって、「待機児童問題」のようにマスコミ等に取り上げられ
ないのです。
4.3歳になると全ての子どもが保育園(勿論、ゼロ歳からも可)か幼稚園(認
定子ども園含む)に入ることによって、全ての子どもを社会的に支える構図
となります。
5.「希望する子が3歳から全員、幼稚園での教育を受けることが出来る」こと
は「子どもの貧困対策」においても欠かすことができない重要な施策です。
公立幼稚園の保育料は新制度移行によって、保育園同様に「所得に応じ市町
村が決定」するものです。深夜勤務等で保育園利用が困難な経済的に厳しい
家庭の子も3歳からの十分な保育・教育が可能となるのです。
6.ご承知のとおり、欧州を中心に「世界の先進国では「幼児教育重視策が行わ
れています。「3歳からの保育・幼児教育の無償化」が一般的になっていま
す。「子ども・子育て支援新体制」は、こうした世界の流れに沿ったもので
す。その潮流の中で、日本でも幼児教育無償化の段階的な取組みが始まって
います。浦添市の3歳児はその対象にもならない現状なのです。
「子ども・子育て支援新制度」の1号認定の完全な実施は市の責務です。以上の
理由により、その責務が計画的に果たされるよう具体的計画を策定し下さい。
市の考え方
3年保育につきましては、施策2―1「施策のめざす方向」の中で3年保育の
導入や教育内容の充実が示されています。
「具体的な取り組み」2―1―1①におきまして「浦添市幼児教育振興アク
ションプログラム(現在作成中 3月末に答申予定)に基づき就学前の幼児教育
の充実を図ること」が記載されており、本アクションプログラムが3年保育の
具体的な計画となっております(本アクションプログラムの中で3年保育の具
体的な実施スケジュール案を示す予定です)。
2―1―1②におきましても、3年保育を計画的に推進していくという表現
があり、施策展開の方向性が示されています。
以上のことから、文案の修正は行わず、3年保育を計画的に推進してまいり
たいと考えます。
貴重なご意見ありがとうございました。
2
意見・理由等(個人)
政策2 施策2-1
「一人ひとりの個性を伸ばす就学前(幼稚園)教育の充実」についての意見
【意見】
指標では「私立幼稚園における預かり保育」を、平成 26 年度実績 398 人を平成
32 年度目標値 720 人としています。浦添市では5年後も現在の幼稚園の預かり
保育を継続し拡充する計画ですが、本当にこれでよいのでしょうか。計画の見直
しをお願いします。
【理由】
1.沖縄県の幼稚園の預かり保育は沖縄の戦後の歩みの中で形づくられました。
「5歳になれば公立の幼稚園へ」の沖縄特有の制度の中で、保育を必要とす
る子も幼稚園に入園しその結果、幼稚園降園後の居場所が必要となり、その
居場所を学童保育所が担っていました。しかし、学童保育(放課後児童健全
育成事業)は、就学後の児童を対象としているため、幼稚園児の学童保育の
利用が制限され幼稚園の「預かり保育」が沖縄県で普及しました。
2.幼稚園の預かり保育はこのような理由で保護者のニーズが強く、それを踏ま
えれば、今回の素案の預かり保育の大幅増の計画も理解できますが、この計
画は浦添市の幼稚園の預かり保育の様々な問題や日本の子育て支援制度を
踏まえない計画となり今後大きな問題となることは必然です。
3.本来の幼稚園の「(一時)預かり保育」と似て非なる沖縄の「預かり保育」
は①幼稚園児の健やかな育ちにとって問題の多い保育となっていること②
幼稚園関係者にも制度を超えた「無理」な運営となっていること③保護者や
市町村にとっても財政的負担が大きいこと・・・等々がその理由です。
4.そのため、
「子ども・子育て支援新制度」のスタートに併せて「預かり保育」
の是正が県内市町村で始まっています。是正は、認定子ども園にするか、以
下の組み立てしかありません。現在の預かり保育拡充は、過渡期の対応であ
ることを是非ご理解下さい。預かり保育是正するには①保育所での5歳児受
入れの拡充を行うこと②根強い「幼稚園神話」の誤解を解く啓蒙活動を行う
ことです。
5.この取り組みは、1号認定の3歳児からの幼稚園受入れを可能にする方策で
もあります。保育の必要な子が、4歳あるいは5歳になっても幼稚園でなく
保育所で就学前の保育と教育を受けることによって、幼稚園施設の余裕がで
き、そのスペースに3歳児クラスの設置が可能にもなるからです。
市の考え方
施策2―1の目標値として、市立幼稚園における預かり保育の受入れ人数増を
掲げています。預かり保育に対するニーズがあることはご承知のとおりであり、
一定のニーズがある限り、幼稚園の預かり保育に取り組むことを施策の方向性と
して示すことは、必要なことだと考えます。
一方で、施策3-3「具体的な取り組み」3―3―1①におきまして「第3次
てだこ親子プランを推進する」とあり、当プランにおきまして保育所の施設数・
定員数の増加を目指すことが記載されており、当プランに基づき推進していきた
いと考えています。
保育所の施設整備、定員増を推進することにより、保育所における5歳児保育
についても拡充が図られ、保護者の多様なニーズに対応することが可能となりま
す。
以上のことから、文案の修正は行わず、幼稚園の預かり保育及び保育所整備
の支援を推進してまいりたいと考えます。
貴重なご意見ありがとうございました。
3
意見・理由等(団体)
政策2 施策2-2
「生きる力をはぐくむ学校教育等の充実」についての意見
【意見】
私たち当山小学校区8自治会では、当山小学校の過大規模校解消のため分離新設
を浦添市に求めています。市議会でも同趣旨の陳情が全会一致で採択され、また
市議会議員提案の決議も全会一致で採択されています。しかし、本計画(素案)
では「学校施設については、計画的な改築・改修・改善を行うとともに、時代に
対応した設備等の整備が求められています」と新設校について全く触れられてい
ません。
小学校等の分離や新設は、総合計画に位置づけることが必要です。前記計画の策
定にあたって十分な検討がなされなかったために現在の様々な事態が招じまし
た。これは、当山小学校区だけではありません。他の 10 小学校は、適正規模で
すか?本計画の「生活創造都市」政策や浦添市都市マスタープランとの整合性は
とれていますか?「生きる力をはぐくむ学校教育等の充実」には、もっとも基盤
となる小学校の適正規模化が必要です。本計画に「小学校の適正規模化の計画」
を盛り込んでください。
【理由】
1.学校教育法施行規則では、「小学校の学級数は 12 学級以上 18 学級以下を標
準とする」としています。義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令では、適
正な学校規模の条件を「学級数がおおむね 12 学級から 18 学級までである
こと」としています。当山小学校は 31 学級で数年後は数学級増の見通しで
す。更に、この学級数増には含まれていない都市モノレールてだこ浦西駅の
開設と地域開発が進行しており、前述見通しを凌ぐ増加になることは明らか
です。
2.過大規模校により特別教室は普通教室に用途変更され、小規模クラスの見通
しも立たない等々、諸問題が噴出しています。
※過大規模校で生じる問題は、「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等
に関する手引き」(平成 27 年1月 27 日 文部科学省)をお読み下さい。
以上の理由により、「学校教育等の充実」の課題のトップに「浦添市立小学校・
中学校の適正規模化」を盛り込んでください。浦添市では「適正規模」の定義も
示していません。
市の考え方
施策2-2の現状と課題「学校施設については、計画的な改築・改修・改善を
行うとともに、時代に対応した設備等の整備が求められています」について、
「新
設校について全く触れられていません。」とのご意見ですが、これは、施設整備
全体について包括して課題を記載するものと考えておりますので、記載していま
せん。
しかし、学校の施設整備について、規模の適正を考慮しないわけではなく、施
策2―2「具体的な取り組み」2―2―3①に「将来の児童生徒数の動向及び学
校規模の適正を考慮しながら計画的な施設整備を推進します」と記載しており、
その方向性は示しております。
以上のことから、文案の修正は行いませんが、学校規模の適正を考慮しつ
つ、学校の施設整備を推進してまいりたいと考えます。
貴重なご意見ありがとうございました。