こ こ だ け は 押 さ え た い 診療報酬 2016 ダブル改定へ布石 多職種が活躍する チーム医療を推進 3 年に一度行われる介護報酬改定に対し、 診療報酬は 2 年 定 改 改定の基本的視点 こへの布石として、診療報酬側から介護にアプローチす るさまざまな見直しが図られています。押さえておきたいポイントを 2016 年診療報酬 改定率はプラス 0. 49% 視点 1 ○ 「 病床の機能分化・連携 」の促進 ○ 多職種の活用による「チーム医療の評価 」、「 勤務環境の改善 」 ○ 質の高い「 在宅医療・訪問看護 」の確保 等 視点 2 「 かかりつけ医等 」のさらなる推進など、 患者にとって安心・安全な医療を実現すること 視点 3 重点的な対応が求められる医療分野を充実すること 視点 4 効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高めること ○ かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の評価 等 ○ 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価 ○ 認知症患者への適切な医療の評価 ○ イノベーションや医療技術の評価 等 ○ 後発医薬品の価格算定ルールの見直し ○ 大型門前薬局の評価の適正化 ○ 費用対効果評価( アウトカム評価 )の試行導入 等 消費税引き上げが延期されたこともあり、厳しい財政事 て、 「かかりつけ薬剤師 」が創設されたことがあります。か 情のもと、改定率は−0. 84%。しかし、薬価や材料価格を かりつけ医の「 薬剤師版 」といえます。患者が選んで、契 引き下げ、医師等の技術料にあたる診療報酬本体は+ 約書を取り交わし、患者がどこの医療機関で処方してもらっ 0. 49%としました。背景には、人口減少もあいまって地方の ても、一元管理をします。背景には、薬の無駄を見過ごせ 救急医療機関が危機に瀕しており、勤務環境を良くして人 なくなっていることがあります。視点 4にあるように、政府を 材を確保したいという狙いがあります。 あげて推進している後発医薬品(ジェネリック)の推進や、 に続くプラス改定です。内訳は、医科が+0.56 点 1は、「 地域包括ケアシステム」の推進と「 病床の機能 %、歯科が+0.61%、調剤が+0.17%。一方、 分化・連携 」。前回の改定で目指された「 病院から在宅 − 1. 22%、 材料価格では− 0. 11%の引き下げ。 全体では− 0. 84%のマイナス改定となりました。 うあり方にもメスが入ります。 視点3の「重点的な対応が求められる医療分野 」として、 認知症患者への対応が図られました。認知症患者へのか 護へのつなぎ目のない流れづくり、在宅医療や訪問看護の かりつけ医を推進。病気やケガをしたとき、病院への入院を 充実は、ケアマネジャーにとって特に関係の深い項目です。 拒否されないよう、他職種チームによる認知症ケア加算も新 視点 2の「かかりつけ医 」のさらなる推進。今回の大き 問われたことから、 「 患者のための医薬分業 」を進めるとし 月刊ケアマネジメント 2016.4 近隣病院からの処方箋に依存する、いわゆる門前薬局とい へ 」が、引き続き推進されます。退院支援など医療から介 な特徴としては、政府の規制改革会議で薬剤師の役割が 8 特集 「 地域包括ケアシステム 」の推進と、 「 病床の機能分化・連携 」を含む医療機能の 分化・強化・連携を一層進めること 上図は今回の診療報酬改定の基本的考え方です。視 乖離を埋めるなどの適正化が行われ、薬価では 診療報酬改定 「 病床の機能分化・連携 」や「 かかりつけ医機能 」等の充実を図りつつ、 「イノベーション」、「 アウトカム 」等を重視。 ⇒ 地域で暮らす国民を中心とした、 質が高く効率的な医療を実現。 全体の改定率は+0.49%。2014年度の+0.1% 薬価と材料価格については、市場実勢価格との 2016 図 2016 年度診療報酬改定の基本的考え方 に一度。2 年後の 2018 年はダブル改定です。今回はそ まとめました。 ここだけは押さえたい 設されました。 それでは次ページ以降、ケアマネジャーや介護保険事業 者が押さえておきたい改定項目をみていきましょう。 月刊ケアマネジメント 2016.4 9
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