国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 物質科学研究センター Materials Sciences Research Center ご挨拶 物質科学研究センターは,日本原子力研究開発機構(原子力機構)が所有 する中性子と放射光などを使った先端的な微視的構造・機能解析ツールを 駆使し,原子力科学,原子力利用に資する物質・材料科学研究を推進するこ とを目的として,平成28年4月1日に量子ビーム応用研究センターを改組して 生まれました. 当研究センターでは,研究開発方針として下記のような3つの大きな柱を立 てています. ●中性子や放射光を用いた先端分析技術を開発・高度化し,それらによって物質の微視的構造と機能の相関を解明し,幅広い科学 技術・学術分野における革新的成果・シーズを自らが創出する ●中性子と放射光の相補利用を推進し,次世代を担う革新的な原子力材料(原子炉構造材,水素再結合触媒,アクチノイド分離剤 等)を始めとする機能性材料開発に資する ●原子力基礎工学研究や先端原子力研究,福島復興研究等に対し,先端分析技術によって得られる新たな知見を提供することで, 当該研究の推進を加速する 当研究センターは,茨城県那珂郡東海村にある原子力科学研究所の研究用原子炉JRR-3と兵庫県佐用郡佐用町にある大型放射 光施設(SPring-8)に,それぞれ中性子と放射光を利用した微視的構造解析装置を所有し,それらの維持・高度化を行うだけでなく, その両者において放射性物質を取り扱うことのできる設備及び知識と技術も有しています.これは,国内の他の研究組織が持たな い当研究センターの大きな特徴です.また,中性子と放射光実験装置の相補利用を積極的に推進する枠組みを発展させるとともに, 中性子利用及び放射光利用を専門とする研究者が,お互いの強味を活かして連携することで,原子力科学分野,物質・材料科学分 野における我が国の国際的な研究競争力の維持や優秀な研究者の育成に一体的に貢献できる組織体制を取っています. なお,平成28年4月1日付けで量子科学技術研究開発機構(量子機構)が発足するのに伴い,それまで原子力機構で行ってきた量 子ビーム応用研究業務と施設の一部が原子力機構から量子機構に移管されますが,国内で最大の研究用原子炉JRR-3及び大強度 陽子加速器施設(J-PARC)の一部である世界最高強度を誇るパルス中性子源を有する物質・生命科学実験施設(MLF:Materials and Life Science Experimental Facility)は移管対象施設ではありません.また,SPring-8に原子力機構が設置した,SPring-8内で唯一放射 性物質等を扱うことのできる実験装置が設置されている放射化物実験棟(RI実験棟)も引き続き原子力機構が運用していくことになり ます.これらの原子力機構の施設及び最先端分析装置と,これまでに培った国際的な研究ネットワークを活かし,上記に掲げた大き な柱で研究開発を行ってまいります. 今後とも皆様方のより一層のご理解・ご支援を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます. 平成28年4月1日 センター長 武田全康 組織図 物質科学研究センター (Materials Sciences Research Center) 平成28年4月1日現在 センター長 室長 武田全康 研究推進室 室長代理: 吉井賢資 松林政仁 東海 中性子材料解析研究ディビジョン 多重自由度相関 研究グループ ディビジョン長 グループリーダー サブリーダー: 長壁豊隆 (兼)武田全康 (兼)武田全康 階層構造 研究グループ イメージング・分析技術 研究グループ 応力評価技術 研究グループ グループリーダー 熊田高之 グループリーダー サブリーダー: 酒井卓郎 (兼)松林政仁 グループリーダー サブリーダー: 盛合 敦 秋田貢一 播磨 放射光エネルギー材料研究ディビジョン ディビジョン長 アクチノイド化学 研究グループ グループリーダー サブリーダー: 鈴木伸一 (兼)矢板 毅 矢板 毅 環境・構造物性 研究グループ 放射光分析技術 開発グループ 電子構造物性 研究グループ グループリーダー 西畑保雄 グループリーダー サブリーダー: 菖蒲敬久 岡本芳浩 グループリーダー 山上 浩志 サブリーダー: 岡根哲夫
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