平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査) 補助事業の名称: 成果報告書要約版 「再生可能エネルギー電力から水素製造・利活用を行う電力アグリゲーション・エネルギーマネジメント事業の成立性調査」 事業者名:丸紅株式会社、株式会社東芝 対象地域:宮城県南部の沿海部 実施期間:平成27年6月~平成28年2月 3.調査の結果 事業化の可否の結論:条件付で可 事業化予定時期:前提条件が整い次第 検討項目 1.事業の背景・目的 太陽光発電をメインとした再生可能エネルギーの普及に伴い、電力系統への出力 変動の影響が懸念され、太陽光発電等再生可能エネルギー電力に対し、ある一定 の条件での出力制御が規則として導入される動きにある。 本調査では、一定規模の地域における複数の太陽光発電所から、出力制御された 電力をアグリゲーションし、その受電した電力にて「水素発生エネルギー変換システ ム」を通じ、水素を製造/貯蔵し、当該水素を、燃料電池にて電気に変え電力にて 販売する、或いは燃料電池車等向けに水素のまま供給する 「電力アグリゲーション ・エネルギーマネジメント事業」が、事業として成立するかどうかの調査を行った。 ①EMSの構成 ②EMSの効果 実施方法 検討結果 電解電力が5MW級の「水素エ (株)東芝製の水素エネルギー供給シス ネルギー供給システム」(国内 テムH2OmegaTM(蓄電池システム、水電 製)の有無、開発状況、効率性解装置、燃料電池システム、水素タンク、 を調査した。 蓄熱装置、エネルギーマネジメントシス テムから成る)にて、事業性調査を行う こととした。 出力制御を受ける電力の有効 一定の条件の下で、出力制御を受けた 活用が出来ないかの調査を 電力をアグリゲートし、水素に変えて利 行った。 活用することにより、一定地域での再生 可能エネルギーの更なる普及、水素社 会の実現への効果が期待できる。 該当なし 該当なし ③再生可能エネル ギーに関する調査 (任意) ・事業実施体の妥当性を確認。丸紅(株)を中心とする特別目的会社が 2.補助事業の概要 先ず、基本検討として、受電パターン、「水素発生エネルギー変換システム」の基本 条件など調査対象事業の基本モデルの検討、並びに宮城県南部沿海部地域の太 陽光発電所・電力系統・水素需要の状況を調査した。 次に、詳細検討として、予測される出力制御に伴う受電パターン、電力アグリゲーシ ョン方法の検討、「水素発生エネルギー変換システム」のシステム構成やエネルギ ー変換の最適化につき掘り下げて調査を行った。 調査の最終検討段階においては、事業性に影響を及ぼす複数の条件や因子を提 示し、ある条件の下での基本モデルの事業性を検討した。事業に影響を与える主要 因子を抽出し、それらを変動させ事業性を検証するパラメータスタディを行い、最終 的に、投資リターン等の経済採算性評価を行った。 調査のまとめとして、調査対象事業の事業化が可能となる法制面、制度面、技術面 等からの克服すべき課題と解決策の提言を行った。 ④事業実施体制・事業 ・基本モデルの概要を確認。 事業主体になり、事業性に影響を及ぼ スキーム・スケジュー ・事業をスタートさせるための す主要因子の法制面、制度面、技術面 前提条件を調べた。 等の複数の条件が整うことを前提に ル 2020年の事業スタートを想定。 ⑤事業採算性評価 ⑥他地域への展開 ・ある前提条件をおいた基本 ・基本モデルの経済計算結果(20年間) モデルの経済計算を行った。 PIRR:4.99%、EIRR:8.60% ・事業性に影響を及ぼす主要 ・事業性に影響を与える主要因子として 因子を抽出した。 は、システム稼働時間、買電料金、水素 販売価格、EPCコスト等がある。 大規模太陽光発電所が多数 事業展開の可能性があるが、基本モデ ある九州地域での諸条件の検 ルと同様に、現行制度では問題点があ る。 討を行った。 検討対象事業が、運用スキー 既存制度の変更や弾力的運用、法律・ ムや事業で生成するものが水 制度面での課題の解決、技術面や運用 ⑦今後の展望・課題・ 素であること等、従来のエネル 面での課題の解決のみならず、CO2フ 対策 ギー事業ではない概念である リー水素の価値をどのように社会として 点を踏まえ現行制度を調べた。評価すべきかが課題でもある。 【水素エネルギー供給システムの構成】 4.地産地消型エネルギーシステムの概要 項目 一定規模の地域における複数の太陽光発電所から、出力制御された電 力をアグリゲーションし、その受電した電力にて「水素発生エネルギー変 換システム」を通じ、水素を製造/貯蔵し、当該水素を、燃料電池にて電 気に変え電力にて販売する、或いは燃料電池車等向けに水素のまま供 給する。 機器仕様 電解電力/発電電力 5.0/4.0MW 水素製造量/消費量 2060/2060Nm3/h 運転温度 800℃ セル面積 3520m2 システム 高温蓄熱 装置 低温蓄熱 装置 セル充放電効率 88% システム充放電効率 80% 冷媒/蓄熱材 運転温度 蓄熱材 運転温度 水素タンク 窒素ガス/NaCl 800℃ パラフィンなど 100℃近傍 16000Nm3 出典元:https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2013/07/68_07pdf/f04.pdf H2OmegaTM SOEC/SOFC 電 源 盤 水素貯蔵タンク
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