市老連だより 27 - 大阪市老人福祉施設連盟

市老連だより 27
平成 28 年 3 月 31 日
一 般 社 団 法 人
大阪市老人福祉施設連盟
施 設 長 各 位
一 般 社 団 法 人
大阪市老人福祉施設連盟
代表理事 後藤 静男
第128回 社会保障審議会 介護給付費分科会 レポート
時下、ますます、ご清祥のこととお慶び申しあげます。
さて、既に周知のことと思われますが、標題について概要ご報告いたします。
①処遇改善加算|取得事業所、平均給与1万3170円増
厚生労働省は3月30日、社会保障審議会の「介護給付費分科会」を開催し、「2015年度介護従事者処遇状
況等調査の結果(概要)」を議題としました。
2015年度介護報酬改定では、【介護職員処遇改善加算】を拡大して、上乗せ評価の新区分の【介護職員処
遇改善加算(Ⅰ)】を創設。算定要件は、「キャリアパス要件」として、(i)賃金体系の整備、(ii)研修の実施―の
いずれも満たすことなどを求めています。
厚労省は調査結果を報告し、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得した施設・事業所の介護職員(月給・常勤の
者)の平均給与額は改定前の2014年9月と改定後の2015年9月を比較すると1万3,170円増加していた (2014
年9月27万4,250円、2015年同月28万7,420円)。
また、介護職員処遇改善加算の届出は、事業所全体(総数13万8,780)のうち、「している」88.5%、「して
いない」9.6%。加算種類別に届出を見ると、同加算を届出した事業所のうち、加算(Ⅰ)が75.1%、加算(Ⅱ)
が20.8%、加算 (Ⅲ)が1.2%、加算 (Ⅳ)が1.6%という状況でした。賃金の引き上げ方法(複数回答)は、定
期昇給59.8%、手当50.3%、賞与等19.1%などの順でした。
新設の加算(Ⅰ)の届出が困難な理由(複数回答)は、「キャリアパス要件Ⅰの賃金体系の整備が難しい」が
60.0%で最多となり、「キャリアパス要件Ⅱの研修の実施が難しい」は21.0%、「職場環境等要件が難しい」
は11.5%でした。
他方、加算を届出していない事業所の理由(複数回答)は、「事務作業が煩雑」45.4%、「利用者負担の発
生」36.7%、「対象の制約のため」32.1%と上位を占めました。
結果について、厚労省は「処遇改善加算の1万2,000円相当に対して実績値は1万3,170円で、加算額以上に
増額されており、加算には十分な効果がありました。差額分は事業所の努力がされたものと考えている」と
述べています。
②訪問看護体制減算の該当事業所、改定後約10%減
3月30日の社会保障審議会「介護給付費分科会」では、このほか、「2015年度介護報酬改定の効果検証及
び調査研究に係る調査(2015年度調査)の結果概要」などを議論しました。結果概要は下部組織の「介護報酬
改定検証・研究委員会」で3月16日に了承された「看護小規模多機能型居宅介護のサービス提供の在り方に
関する調査研究事業の結果概要」など7調査について。
同調査は、2015年度介護報酬改定で、基本的な視点に中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の強化を
打ち出し、【訪問看護体制強化加算】、【訪問看護体制減算】、【総合マネジメント体制強化加算】の創設
1
などを行っており、サービス提供への影響・効果を検証するもの。157事業所から回答を得ました。
2015年の基準改正で、看護小規模多機能型居宅介護の登録定員の上限が25人から29人とされ、2014年時
点の登録定員は全体(117事業所)のうち101事業所が上限の「25人」だったのに対して、2015年時点では、
全体(157事業所)のうち73事業所が「29人」としていました。
また、改定で新設された【訪問看護体制強化加算】の算定要件への該当状況に関し、改定前の2014年7月
~9月実績で該当していたとみられる事業所は12.0%だったのに対して、改定後の2015年は21.0%に増加。
一方、体制が整っていない事業所に対する【訪問看護体制減算】の算定要件に該当していたとみられる事
業所は、改定前の2014年同月実績で20.5%だったのに対して、改定後の2015年は10.8%に減少しています。
さらに、過去1年間の利用終了者の終了理由は、「入院」が 36.5%、「在宅死亡」が23.8%でした。
厚労省は結果について、「中重度の要介護者対応が充実してきたのではないか」と総括してコメントして
います。
③特養は死亡退所80%以上5割、老健は20%未満8割
3月30日の社会保障審議会「介護給付費分科会」では、「2015年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究
に係る調査(2015年度調査)の結果概要」などを議題とし、このほか、「介護保険施設等における利用者等の
医療ニーズへの対応の在り方に関する調査研究事業の結果概要」も報告されました。
調査は介護保験3施設などの利用者等への医療提供の適切なあり方について、見直しの検討が求められて
いるため、介護保険施設での利用者の医療ニーズ、医療提供の状況、看取り、ターミナルケアについて実態
を把援するもの。介護老人福祉施設(特養老人ホーム)798施設、介護老人保健施設(老健施設)833施設、介護
療養型医療施設588施設、医療療養病床を持つ医療機関370施設から回答を得ました。
調査結果では、退所者に占める死亡退所者の割合を見ると、介護老人福祉施設は80%以上の施設が約5割
に上り、6か月間の死亡退所者がすべて施設内での死亡の施設が約3割。他方、介護老人保健施設では、死亡
退所者の割合が20%未満の施設が約8割。死亡退所者がすベて施設内の死亡の施設は9割近くに上り、施設差
が見られる結果となった。
また、看取りの実施方針は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設で約7割、介護療養型医療施設で約8割
が「看取り期に入った入所者に対して看取りを行っている」と回答。看取りを実施している場合、介護老人
福祉施設、介護老人保健施設で、各8割以上が看取りの計画を立てていました。死因は介護老人福祉施設・
介護老人保健施設では「老衰」が約半数だったのに対して、介護療養型医療施設では「肺炎」、「老衰」が
それぞれ約25%でした。
他方、入院・入所者の要介護度をみると、介護療養型医療施設床で要介護4・5の者が約8~9割を占めてお
り、他の施設類型に比べ割合が高く、医療の必要性が高くはない医療区分1の人の割合は、介護療養型医療
施設では5割を超えましたが、医療療養病床では約2割でした。
厚労省は7調査に関して、委員から分析の追加を要望された点などをさらに分析して、5月以降の分科会に
最終結果を報告するとしています。
当日の配布資料などについては、厚生労働省のHPにアップされています。
あわせてご覧ください。
URL: http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698
【発信元】
一般社団法人 大阪市老人福祉施設連盟 事務局
〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町 12-10
市立社会福祉センター311 号
TEL:06-6765-3611 FAX:06-6765-3612
2