記 者 発 表 資 料 平成28年3月30日 (担当)健康福祉局障害企画課 (内線)700-3120 (直通)214-8162 (担当)子供未来局子育て支援課 (内線)720-3270 (直通)214-8504 東日本大震災の被災者に対する医療費一部負担金免除を受けた 仙台市医療費助成受給者に対する助成金の過払いについて 仙台市では、心身障害者医療費助成制度および母子・父子家庭医療費助成制度 *1の支給対象者 に対し、対象者が医療機関等の窓口で支払った医療費一部自己負担相当額の全部または一部につ いて償還払いで助成金を支給 *2している。 このうち、国民健康保険制度(以下、 「国保」という。)加入者で東日本大震災被災者に対する *3 一部負担金免除措置 を受けている受給者の一部について、国保が負担した一部負担金免除分の 給付と市が支払った助成金との二重支給*4が生じ、医療費助成金の過払いが判明した。 1 判明した経緯 平成27年6月、若林区保険年金課に心身障害者医療費助成受給者から助成額が少ないとの 問い合わせがあり、医療費助成システムの調査を行ったところ、システムの不具合により一部 の国保加入の受給者について助成額計算に必要な所得区分が正しく取得できていないことがわ かった。これらの受給者について、医療費助成および国保からの保険給付支給実績を確認した ところ、東日本大震災による一部負担金免除措置により窓口で一部負担金を支払っていないの に助成を受けている者を1名発見した。 このため平成27年7月から、心身障害者および母子・父子家庭医療費助成受給者のうち国 保加入者について、免除開始当初の平成23年3月から平成28年1月までの全期間について 調査を行ったところ、医療費助成金の過払いが生じていることが判明した。 2 原因等 (1)一部負担金を支払っていないが、助成申請書が提出されたために発生した過払い 心身障害者および母子・父子家庭医療費助成制度では、国保および社会保険加入者への助 成について、受給者が医療機関等を通じ提出した助成申請書の内容を市の電算システムに取 り込み支給処理を行う。※2 震災による一部負担金免除の対象者は、医療機関窓口で免除証を提示すれば一部負担金の 支払いが免除される。 助成申請書の提出は必要ないにもかかわらず、一部の受給者が助成申請書を提出し、さら に医療機関が市へ提出したことから、助成処理がなされた。このケースの場合、市において 確認する仕組みがなく、助成金を支払ったため過払いが生じた。 (2)一部負担金をいったん支払い、医療費助成を受けた後で還付を受けたため発生した過払い 震災による一部負担金免除は、免除証を後から取得した場合や、やむを得ず提示できなか った場合などについては、いったん窓口で一部負担金を支払った後でも、還付申請により払 い戻しを受けることができる。このため、一部負担金をいったん支払い、医療費助成を受け た後で国保から還付を受けた場合、医療費助成金がさかのぼって過払いとなる。この場合、 本来は、医療費助成金を市に返還しなければならないが、市において確認する仕組みがなく、 その返還が行われないままとなっている。 裏面につづく 3 過払い人数、過払い額 人数 総額 1 人あたり最大額 1人あたり最小額 障害者 645名 25,637,368円 586,337円 100円 母子・父子 634名 6,799,709円 153,803円 110円 1,279名 32,437,077円 - - 合計 *対象期間 平成23年5月から平成28年1月まで 4 対応 (1)国保加入の医療費助成金が過払いとなっている受給者に対し4月中旬に文書を送付し、 過払いとなっている状況、金額等を説明の上、過払い額について返還いただく手続きを進 める。 (2)社会保険加入の受給者については、本市で一部負担金免除や医療費の情報がなく、国保 加入の受給者と同様の調査ができないことから、平成23年3月以降に社会保険に加入し ている受給者へ3月31日に文書を送付する。過払いを受けた可能性がある場合は、受給 者に申し出ていただいた上、保険者(健康保険組合等)に照会し、過払いが確認された場 合は返還していただく。 5 再発防止策 過払いとなっている受給者が判明した場合は、個別に助成を停止する対応を取ってきたが、 平成28年2月から、助成データ作成の過程で震災による一部負担金免除の対象者で助成申請書 を提出した者を把握し、医療機関等へ電話照会の上、免除証を使って診療を受けていたときは支給 停止処理を行い、二重支給を防止している。 また、平成27年11月に市内全ての医療機関・調剤薬局に対し、震災による一部負担金免 除の対象者は助成申請書が不要である旨を文書により周知を行った。 ※1 心身障害者医療費助成制度・母子・父子家庭医療費助成制度 仙台市に居住する心身障害者、母子・父子家庭の父母・児童および父母のない児童に対して、 入院・通院治療などに要した医療費のうち、保険診療の自己負担分(高額療養費などが支給され る場合はその額を差し引いた額)の全部または一部を助成する制度。(所得による制限あり) 国民健康保険加入者の場合、医療機関等の窓口で月1回受給者が助成申請書を提出し、医療機 関が診療点数等を記載した上、宮城県国民健康保険団体連合会を通じて本市に提出する。この助 成申請書の記載に基づき、本市が助成額を計算し、約 2 カ月後に受給者へ口座振込により助成す る。 【資格登録者数】 ※2 (平成 28 年 2 月末現在) 心身障害者医療費助成 国保 5,780 名 (後期高齢除く) 社保 4,477 名 母子・父子家庭医療費助成 国保 7,341 名 社保 9,224 名 10,257 名 16,565 名 心身障害者医療費助成・母子・父子家庭医療費助成の流れ 提出 レセプト 受診、自己負担額 支払 受給者 (保険給付分請求) 助成申請書 宮城県国民健康 保険連合会 医療機関等 助成申請書 (保険給付分支払) 月 1 回提出 (保険給付分支払) 助成申請書に診 療点数等を記載 保険者 (仙台市国保) (社会保険 各保険者) 助成申請書 回付 助成金支払 通常、診療月の 2ケ月後に口座振込に より助成(償還払い) (*) ①助成申請書の内容を審査 の上、データ化 ②データをもとに医療費助成 システムで助成額を計算 仙台市 (医療助成) (*)償還払い 一旦受給者が医療機関等の 窓口で一部負担金を支払い、 後日、仙台市から受給者に対 し助成金を支払う方式。 ※3 東日本大震災の被災者に対する医療費一部負担金免除措置 <平成23年3月~平成25年3月> 住家の全半壊、全半焼またはこれに準ずる被災をした方、主たる生計維持者が死亡または重篤な 傷病を負った方、主たる生計維持者が行方不明である方等を対象とする <平成26年4月~平成28年3月> 仙台市国民健康保険、宮城県後期高齢者医療加入者のうち、 市町村民税非課税世帯で、住居が全壊若しくは大規模半壊、または主たる生計維持者が死亡若し くは行方不明となった世帯 (社会保険については、ほとんどの保険者が平成24年9月で震災による一部負担金免除を終了 しているが、保険者により継続している場合もある) ※4 医療費助成と保険給付の二重支給 【通常】医療費助成は、保険給付を受けた後の 最終的な自己負担額を助成する 【免除を受け、かつ助成を受けた場合】 総医療費(保険診療分) 総医療費(保険診療分) 一部自己負担 助成金 保険給付 (一部自己負 担) 免除分) 保険給付と助 成金の二重支 給となる。 助成金 保険給付(10 割) 保険優先のため、医療費 助成金が過払いとなる。
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