琴浦町職員のための 接遇マニュアル 平成24年3月 琴 浦 町 目 次 Ⅰ 接遇の大切さ ·································································································································· 1 はじめに 接遇とは 町民アンケートの集計結果 Ⅱ 接遇応対の基本 ···························································································································· 3 1 あいさつ 「こんにちは!琴浦町です。 」 2 言葉遣い 3 敬語は正しく 4 身だしなみ 身だしなみの基準 気を付けよう 5 整理整頓 窓口・カウンター 事務室 Ⅲ 接遇応対の実践 ···························································································································· 9 1 窓口での応対 応対の手順 苦情への対応 2 電話での対応 電話の受け方 電話のかけ方 こんなときどうする これだけはやめよう 3 覚えておきたいエチケット お辞儀のノウハウ Ⅳ 接遇向上の推進体制 ·················································································································· 22 職員の役割 管理・監督者の役割 人事担当部門の役割 徹底のための方策 Ⅰ 接遇の大切さ ■はじめに 私たち職員が日々行っている仕事は、福祉や教育などの事業をはじめ、道路や下水道な どのインフラ整備まで、言うまでもなく全て行政サービスであり、職員はみんなサービス 提供者です。そして、サービス業としての評価を受ける上で、「接遇」はその基準となるも のです。「役場は、町内最大のサービス機関」と言われていますが、私たち職員の「接遇」 に対する厳しい批判や指摘は、依然として絶えることがありません。 そこで、お客様との対応の中で、常日頃から私たち職員が心がけなければならない事柄 を、平成 17 年 4 月に琴浦町において作成した「接遇マニュアル」の内容を見直し、接遇に 関する基準等を設け、「琴浦町職員のための接遇マニュアル~琴浦魂」を作成しました。 私たち職員一人ひとりがお客様の気持ちになって対応すること、自分がお客様にとって の窓口であることを意識して行動することができれば、お客様との信頼関係も築けるはず です。そのためにはどうすれば良いのか、このマニュアルでは、そういったことをテーマ 別に作成しました。 お客様に親しまれ、信頼される明るい役場づくりを実現するために、職員一人ひとりが 公務員として求められる態度、行動を自発的にとれるよう、このマニュアルを常に身近に 置き“おもてなしの心”を持ち、より良い接遇応対を実践することで、職員全体がよりレ ベルの高い均質な接遇応対となり町民サービスが向上するものと確信しています。 平成 24 年 3 月 琴浦町役場職場風土向上・改善プロジェクトチーム ~ 全体の奉仕者として ~ 私は、地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ効率的に 運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務 を執行することを固く誓います。 これは、私たち職員が採用されるに当たり、誰もが宣誓した一文です。しかし、どれ だけの人が、その内容を今も心に留めていることでしょう。 私たち琴浦町職員にとっての“接遇”とは、単に、 「もてなしの心をもってお客様に接 すること」にとどまらず、私たちが宣誓した「全体の奉仕者としての職務姿勢を表現す ること」と捉えるべきではないかと考えます。 このたびここに、 『琴浦町職員のための接遇マニュアル』が完成しました。これは、職 場風土の向上・改善プロジェクトチーム接遇向上部会のメンバーにより素案が作られ、 それに対する多くの職員の意見が取り入れられて出来上がったものと認識しています。 このマニュアルが、自分のものとしてすべての職員の心に刻まれ、町民と役場との信 頼関係を築く礎となることを期待します。 琴浦町役場職場風土向上・改善プロジェクトチーム チーム長 副町長 江原 -1- 修 ■接遇とは 「接遇」という言葉は、「応接、接待、処遇」などから合成された言葉で、「仕事などの 目的を持った人と人とが接触し、お互いが気持ちよくスムーズに、その目的を果たすため の心構えや方法」とされています。 常に相手の立場になって話を聞き、その目的を的確に理解するとともに、必要に応じて、 相手にもこちらの目的や主旨を理解してもらい、信頼関係を築きながら、円滑に仕事を進 めることが重要です。 接遇の基本は「相手の身になって考えるやさしさと思いやりを持ち、その温かい気持ち を形にして伝えること」です。その場限りの言葉遣いや態度だけでは、お客様との真の信 頼関係は築けません。 日頃から、仕事に関する知識や能力の向上に努め、責任を持って職務を遂行し、誠意を 持ってお客様に接する日々の積み重ねで、お客様との信頼関係を一層深めていくことがで きるのです。 ■町民アンケートの集計結果 琴浦町役場の接遇に関して平成 23 年 6 月に実施した町民アンケートの集計結果は、次の とおりでした。(回答件数126件) ① 役場に入った印象 【活気がある 29%、普通 60%、活気がない 10%】 ② 職員からすすんであいさつや声かけがありましたか。 【あった 72%、なかった 25%】 ③ 職員の対応はいかがでしたか。 【良い 49%、まあまあ良い 21%普通 26%、やや悪い 2%、悪い 1%】 ④ 職員の身だしなみはどうですか。 【良い 44%、まあまあ良い 21%普通 31%、やや悪い 2%、悪い 1%】 この接遇マニュアルの推進等により平成 25 年に同種のアンケート を行うこととし、目標を下記のとおり定めました。 ①活気があるの割合 29%→40% ②あったの割合を 72%→90% ③良い、まあまあ良い 70%→90% ④良い、まあまあ良い 65%→80% -2- Ⅱ 接遇対応の基本 1 あいさつ ~ あいさつは、人間関係をつくる第一歩 ~ ■「こんにちは!琴浦町です。 」 ・基本のあいさつは、「おはようごうざいます」 「こんにちは」 「ありがとうございました」 *午前 10 時までは「おはようございます」 ・庁舎内でお客様とすれ違う時には「おはようございます」 「こんにちは」と言葉がけを行います。 ・窓口では、あらかじめ来庁目的のわかる方(業者等)に対しては次 に示すあいさつを行います。 「こんにちは」 「いつもお世話になっております」 「先日はありがとうございました」 「ご足労をおかけしました」 「お気をつけて」 「おつかれさまでした」 etc ・要件を伺った後、手続きを進める時にはクッションになる言葉を添えます。 「少々お待ち下さい」 「少々お待ちいただけますか」 「大変お待たせいたしました」 「おそれいりますが」 「失礼します」 「失礼ですが」 etc ~ 言葉をクッションに、お客様の気持ちをやわらかに ~ ・職員の間でも挨拶をする。 出勤したとき 「おはようございます」 外出する人に 「行ってらっしゃい」「お気をつけて」 帰庁したとき 「ただいま帰りました」 帰庁した人に 「お疲れさまでした」「お帰りなさい」 退庁するとき 「お先に失礼します」 退庁する人に 「お疲れさまでした」 ・他課等へ出入りする際にもあいさつをする。 「失礼します」 「失礼しました」 ~ せっかくのあいさつ、明るい表情を必ず添えましょう -3- ~ 2 言葉遣い 言葉は、相手に意思を伝える上で、最も重要な手段の一つです。 お客様にこちら側の意思を十分理解してもらうには、 (1) (2) (3) (4) 正しい言葉遣いで 専門用語や略語、カタカナ言葉はわかりやすい表現にかえ 丁寧に、かつハキハキと(特に語尾をはっきり) 語調はソフトに 話すことが大切です。 また、自分本位で横柄な態度や話し方では、相手に不快感を与えるばかりか、相手が話 をしようという気持ちもなくなり、言葉のキャッチボールができないことから、 “まごころ” を込めて正しく伝えるようにします。 (1)親しみのある話し方で (感情的、命令的、反発的にならないように) (2)順序立てて (3)要点を明確に (4)「間」を取って (5)「場」に合わせて (6)柔らかな表情で -4- 3 敬語は正しく 敬語には、丁寧語(表現を丁寧にすることによって、相手に敬意を表す言葉)、尊敬語(相 手に敬意を示す言葉)、謙譲語(相手に対してへりくだって使う言葉)の 3 種類があります。 なかでも、尊敬語と謙譲語は混同しやすいので、日頃から使い慣れ、間違って使わない ようにします。 いくつかの例を示しました。 丁 寧 語 尊 敬 語 謙 譲 いる います いらっしゃいます おります する します なさいます いたします 行く 行きます いらっしゃいます 来る 来ます 語 参ります お伺いします いらっしゃいます 参ります おみえになります お伺いします お越しになります 申します 言う 言います おっしゃいます 聞く 聞きます お聞きになります 見る 見ます ご覧になります 拝見します 与える 与えます くださいます 差し上げます 申し上げます お伺いします 承ります 存じております 知ってい 知っています る ご存知です 食べる 食べます 召し上がります もらう もらいます お受け取りになりま いただきます す 頂戴します 待つ 待ちます お待ちになります 待たれます -5- 存じ上げております いただきます お待ちする 4 身だしなみ ■身だしなみの基準 私たちの職場は、いろいろな年代の方が、申請、届出、相談、各種 会議への出席、また行政への苦情の申し出と様々な用件で訪れる場所 です。このことから、誰の目からも好感がもて、かつ、緊急時でも対 応できる服装を考慮し、身だしなみの基準を次のとおりとしました。 きちんとした身だしなみは、お客さまに信頼感と安心感を与えます。 「お客様にどのように映っているか?」という意識で身だしなみを考 えることが大切です。 【全般】 ・お客様には信頼感と安心感を与えるため、スーツ又はジャケット、カーディガン等の 上着を着用する。(ジーンズは好ましくない) ・作業時等においては、ジャンパー、トレーナー、T シャツ等の着用を可とする。 ・靴は動きやすく、シンプルなデザインのものとする。 ・名札・記章は、お客様から見えやすいところに着用する。 ◇◆◇◆ ちょっとした話 ◇◆◇◆ 身だしなみについて“最初が肝心”とよく言われますが、それは どうしてでしょうか。 そのメカニズムをひも解いていくには、 「初頭効果」と「メラビアン の法則」を理解する必要があります。 「初頭効果」とは、一度印象が作られてしまうと、相手はその印 象にとらわれてしまい、後から訂正しにくくなってしまうというも のです。 「メラビアンの法則」とは、他人からの情報伝達活動におい て、 言葉 からは 7% 話し方(語調、抑揚)からは 38% 見た目(服装、表情)からは 55% の割合で情報が伝達されるというものです。 つまり、最初の見た目、第一印象でその人の印象はほとん ど決まるといっても過言ではありません。 -6- ■気を付けよう せ・め・て・足・服・癖 態度や服装はきちんとしているか、お客様が最初に目にするのは、職員の態度や服装で す。 「せ・め・て・足・服・癖」この言葉を思い出して、日々自分の態度や服装をチェック しましょう。 せ 背筋を伸ばして、 ・立って応対する時は、少し前傾姿勢であごを引く。 胸を張り、体は相 ⇒(お伺いの姿勢) 手 の 正 面 に 向 け ・座って応対する時は、背もたれを離して。 て。 ・いずれも上体をそりすぎると、威張った感じになるので注意。 め 目も語りかける。 相手をしっかり見 つめよう。 ・あまり見すぎても、相手を疲れさせたり、不快な感じにさせ たりすることもある。 て 手は、軽く前に組 むようにします。 ・座って応対する時は、カウンター(テーブルなど)の上にさ りげなく手を置いておく。 ・案内をするときなど、方向を示すときは、指をそろえて方向 を示す。(指で指さない) 足 足は組んだりしな ・立って応対 ⇒ 足を揃えるか、こぶし一つ分くらい開ける。 いこと。汚れた靴 ・座って応対 ⇒ 足を開く場合は、椅子の幅くらい。 にも気を付けて。 服 服装は、状況に合 わせて清潔に。 ・ポイントは清潔感。 「お客様にどのように映っているか?」と いう意識で。 ・名札の位置、曲がりにも気を付けて。 癖 無くて七癖。 不快な癖には気を 付けて。 ・態度の癖⇒貧乏ゆすり、筆記用具で音を立てる等々 ・言葉の癖⇒「○○とか」「○○したりして」「つまり」 「えっと」等々。 -7- 5 整理整頓 ■窓口・カウンター 窓口・カウンターは、来庁したお客様が最初に目にするところです。 ほこりやごみがないよう、常に清潔にしておくことが窓口対応の基本です。 書類、パンフレットなどはきれいに揃え、記載台の申請書類などは整理されているか、 不足はないか、記入例などは分かりやすく、見やすい位置にあるかなどお客様の視点で 必ずチェックします。 ■事務室 私たちは、毎日たくさんの書類を扱って仕事をしています。自分で、どこに何があるか 分かっているからといって、書類を山積みにしていませんか。机やキャビネットの上に公 文書や資料などを積み上げることは、見苦しいだけでなく仕事の能率を低下させる要因に もなります。必要な時にすぐ書類が出せるよう、机やキャビネットなどの整理整頓を心が けます。 いつも5S を心がけましょう! 整理 整頓 清掃 5S 清潔 躾 ~よい接遇は、きれいな職場環境から~ -8- Ⅲ 接遇対応の実践 1 窓口での応対 ■応対の手順 あいさつ 用件を伺う 判 断 説明・処理 見送り 毎日、役場には多くのお客様が来庁します。 しかし、どの課や窓口へ行けばよいのかを、あらかじめご存知の方は少数です。 不安と緊張に包まれたお客様にとって、あなたの対応はとても重要です。 あいさつ あなたの第一印象で役場のイメージが決まります あなたの心がけ次第で役場のイメージを変えることができます。 窓口にお客様がみえたら、さっと席を立ち、すばやく応対し、 明るく「いらっしゃいませ」「おはようございます」と “おもてなしの心”を添えて挨拶をする ●混雑時には情報の提供、お礼やお詫びの言葉をかける。 「恐れ入ります。あと○分ほどお待ちください。」 「○○分くらいかかりますが、よろしいでしょうか?」 「大変お待たせしました。」 「お待たせしてすみませんでした。 」 お客様より先に にこやかに はっきりと こんなときは ◎相手から先に声をかけられたとき (1) きちんとあいさつや返事をします。 (相手よりも少し大きな声で) (2) 笑顔で応対します。(相手よりも少し良い笑顔で) (3) おじぎを丁寧にします。 (相手よりも少し丁寧に) プラスの印象を与えてからスタートし、 良い印象を残しましょう。 -9- 用件を伺う 話し上手は聴き上手 ○どんなことでも真摯な態度で話を聞くことが大切。 ○メモ、相づち、質問を交えて、整理しながら聴く。 ○先入観を捨て、公平な立場で聴く。 ○途中で話の腰を折るようなことは禁物。 ○忙しい時ほどお客様の立場になって 落ち着いて聴く。 ○相手の言葉だけで判断せず、何を言いたい のかを正しく把握することが大切。 よく聴いて 早く正しく 理解する こんなときは ◎カウンターに着席しているとき ・カウンターのある職場は、立って応対し、相手が座ってから自分も座る。 ・窓口の込み具合に応じて、職場単位でその日の応対を統一するなど、応対に差が出な いようにする。 ◎カウンターを離席しているとき 「大変お待たせしました」などの一声をかけてから用件を聴く。 (丁寧な応対を心掛ける。) ◎名指し人または担当者でないと応対できないとき 「しばらくお待ちください。担当の○○と代わります。」 (引き継ぐ際に、聴いた内容をメモなどと一緒に伝達する。 ) ◎担当者が不在の時 「せっかくお越しいただきましたが、あいにく担当が不在です。 差し支えなければご用件をお伺いします。』 (お客様の希望を聴く。場合によりお客様の氏名、住所、電話番号、電話の要否、 再訪問日時なども伺う。 ) ◎他課に引き継ぐとき 内線電話などで担当課。担当者を確認し、用件や内容を伝えてから、お客様を案内する。 ◎伝言 「かしこまりました、○○が帰りましたら、そのように申し伝えます。」 ~ 接客時に職員同士呼び合うときなどは、愛称などではなく職名か苗字を使いましょう ~ 判 断 あなたの判断は役場の判断 ○自分でできることか、上司や先輩に相談しなければならないことか、自分の権限、立場、 状況をよく把握したうえで判断する。 ○正しい判断ができるよう、日頃から業務内容を十分把握し、お客様の要望に応えられる 知識と技量を備えておく。 ○用件に関する内容、関係資料、書類などを確認してから判断する。 (内容の復唱や質問が有効です) - 10 - ◎“たらい回し”にならないように! 「二度手間」にならないよう、お客様が必要 最小限の労力で用件が済ませられるような判 断を心がける。 公平に 正確に 迅速に ◎クッション言葉を使いこなそう! 役場の業務は、基本的には法令に基づかなく てはなりません。そのため、どうしてもお客様 の意向に沿えないことが出てきます。そのようなときは、表情や態度はソフトに、 否定表現はできるだけ避けて、「クッション言葉」を使いましょう。 (クッション言葉の例) ○恐れ入りますが… ○お手数ですが… ○失礼ですが… ○ご足労をおかけいたしますが… etc ○よろしければ… 説明・処理 あなたの公平で手際よい仕事の処理がお客様の満足につながります ●説明の仕方 私たちの仕事は、どうしてもお客様に理解し、納得しても らわなければならないことが たくさんあります。 「規則ですから」の一言で片付けず、お客様にわかりやす い言葉で、丁寧に説明します。 ◎わかりやすい表現で 職場内の専門用語は、わかりやすい言葉に言い換え、また、 極端な表現(例:絶対、最高)や、誤解を招くような表現(例: なるべく善処したいと思いますが…)は避けます。 ◎お客様の理解度、年齢などに合わせて 高齢者や障がいのある方には、言葉の一つひとつをよく聴き取れるよう にし、話しかけるときは、相手の反応を見ながら、“ゆっくり”“分かりや すく”会話するよう心がけます。 ≪ワンポイント・アドバイス≫ (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) お客様と同じ立場になって考える。 一致する点と、相違する点をはっきりさせる。 お客様の期待や要求に訴えかけて話を進める。 一挙に片付けようとせず、段階的に進める。 あなたの誠意と熱意をもって話を進める。 お客様の感情の動きに注意し、言葉に十分注意する。 結論を押しつけないで、お客様が自分で納得するような進め方をする。 - 11 - こんなときは ◎業者の方に対する応対の時 ・周囲の人に誤解されるような言動は慎みましょう。とかく顔見知りの業者の 方の場合は、なれなれしい態度になることがあるので、注意しましょう。 ・書類の受け渡しは、顔見知りの業者の方であっても、必ず両手で受け渡しを しましょう。 ●処理の仕方 ○ ○ ○ ○ 正確を期するために、マニュアルを手元に置く。 書類の受け渡しは丁寧に、動作はテキパキと。 長く待たせたり、雑に処理をしないように。 もう一度確認する。 (「これでよろしいですか?」) こんなときは ◎申請書などの記載漏れ あなたが見慣れた申請書も、お客様の目には初めてのものです。書類に間違 いや記載漏れがあった場合は、丁寧に訂正を促します。 (あなたが初めて申請書を見た気持ちを忘れずに…) ●行政のプロとして ○ ○ ○ ○ 私たち一人ひとりが、役場の顔です。 「わかりません。」は通用しません。 お客様にとって、「役場は一つ」 、まして「課は一つ」・ 縄張り意識・分業意識は捨て去ります。 ≪ 知っておこう 周りの仕事 ≫ ☆ 仕事は、ワンマンプレイではいけません。職場の同僚と協調し、必要に応じ て上司に報告しましょう。 ☆ 一般的なものに関しては、マニュアルを作ったり、ポイントを書いたコピー を配ったりして、いざという時に役に立てることができるようにしましょう。 ☆ 自分の仕事に余裕のある時は、周りの仕事の内容も勉強しておきましょう。 - 12 - ≪ 自己啓発のすすめ ≫ ☆ 最近の時事問題を知っていますか? ☆ 自分の仕事に関する本を読んでいますか? 見送り さわやかに一言添えて見送りましょう ○全ての用件が済んだか、最後にもう一度確認する。 ○気持ち良く帰っていただけるように心がける。 ○ねぎらいの言葉で見送る。 「ありがとうございました」 「お気を付けて」 「ご足労をおかけしました」 「お疲れさまでした」 「ご苦労さま」は目上の者から目下の者への ねぎらいの言葉です。 一人ひとりが、 役場の代表であるという 自覚を持って、 お客さまに好感と 安心感を与え、 信頼していただけるよう にしたいものです。 あなたは役場の顔です - 13 - ■苦情への対応 役場への苦情にはいろいろなものがあります。 “大切なお客様の声をお聞きする”という気持ちで苦情に耳を傾けます。 ≪苦情を持った人への応対≫ (1) 感情的にならずに、相手の話を最後までよく聴く。 (2) 苦情の内容を聴き取り、原因・処理方法などを判断する。 (3) 相手の立場に立って共感する態度を取る。 (4) 言い訳、責任回避は禁物。 (5) 焦らず、じっくり時間をかける。 手 順 ① まず、冷静になって話をする土壌づくり を。 ア ド バ イ ス ○ 座っていただく。 立っていると、どんどん感情的になる。 ○ 相手が大きい声の時は、少し小さい声 で応対する。 ○ 自分の名前をはっきりと告げる。 「私、○○係の○○です。」 ② 相手の言うことを感情的にならずに、 謙虚に聴く。 ○ ③ 相づちを入れる。 ※共感する態度で。 「そうなんですか。」 ※お客様の言葉を繰り返す。 「・・・だったんですか」 「・・・そういう事だったんですか」 ○ ④ 相手の状況を的確に把握し、冷静になって きたら… よくわからない点については質問し、 苦情の原因を正確に把握する。 ⑤ こちらから丁寧に説明する。 ○現在までの経過などを詳しく聴く。 相手が感情的な間は、途中で話を遮った り、反論したりしない。 事実関係がはっきりしないとき。 「言った」「言わない」etc. 基本的に相手の言い分を尊重し、対処す る。 ○ なかなか怒りが収まりそうにないとき は場所を変えて。 (例:カウンター ⇒応接コーナーで着席して) 「ゆっくりとお話をお聞きしますので」 または、 「詳しくお聞かせください」 ⇒「どうぞこちらへ」…案内 ○自分で判断できないときは、上司の判断を 仰ぐ。 次ページへ - 14 - 前ページからの続き 手 順 ※苦情の趣旨を理解している事を説明する。 ⑥ ア ド バ イ ス ○ 自分が担当でない場合 「その件でしたら、○○係の○○が担当者 (苦情のときは責任者と言った方が効果 的)です。ただ今呼んで参りますので、 少々お待ち下さい。」 ⇒状況を簡潔に引き継ぐ。場合によっては 同席した方がよい場合もある。 苦情の内容を上司に報告する。 ○ 相手の要望に沿えないとき はっきりその旨を伝えるとともに、たと え法律、条例、規則などによってできない 場合も、一方的に突き放した言い方はせず に、法律などの趣旨を説明し、理解を求め る。 「ご事情は分かりました。現状の決まりで は、~して差し上げられないものですか ら、何とかご理解いただけないでしょう か。」 ⑦ 苦情を生かす。 苦情の発生した原因を分析し、再発しな いよう対策を講ずる。 担当職員間、関係部署に連絡し、情報を 共有する。 ● 「町長を出せ」「課長はいるか」 …役職名だけの呼び出し 苦情の事が多いので、取り次ぐ前に用件・ 氏名を確認する。 用件・氏名を述べない場合は、興奮を静め るため場所を移し、じっくり話を聴く姿勢を 保ち、できるだけ用件の把握に努める。 それでも納得してもらえない場合は、段階 的に上司に変わる。 ● 庁舎内で騒ぎがあったとき ・所属長に報告 ・庁舎内の秩序が維持できないと判断される ときは、総務課へ連絡 ● 不当要求行為等(行政対象暴力)の対応 不当要求防止責任者講習の内容を参考に 対応する。 - 15 - 2 電話での対応 私たちが仕事をしていく上で、電話を頻繁に利用 します。 電話は“いつでも”、 “どこでも”話ができる便利 なものです。しかし、電話は、相手が見えないため に声だけが頼りです。それだけに気持ちの持ち方や 言葉遣いで、思わぬ誤解を受けることがあります。 電話を受けるとき、かけるときから、あなた自身 が役場の代表であり、窓口になっています。基本的 なマナーを守り、細心の注意を払って電話対応をし ます。 ●電話の受け方 受話器の向こう側の表情を 感じ取りながら話しましょう (1)ベルが鳴ったら・・・・メモを持ってすぐに出る。 ・メモとペンは身近に置いておく。 ベル3・4回 ⇒ 「お待たせしました。」 ベル5回以上 ⇒ 「大変お待たせしました。 」を付け加える。 (2)課名、氏名を名乗る ・午前 10 時ごろまで ・午前 10 時以降 ⇒ ⇒ 「おはようございます。○○課の○○です。」 「はい、○○課の○○です。」 *直通電話の場合は「おはようございます。琴浦町役場、○○課の○○です。 」 というように、職場、部署、名前を名乗りましょう。 (3)相手を確認する ・相手の名前は正確に聴き取る。 ⇒ 「○○会社の○○様でいらっしゃいますね。」 ・相手が名乗らないとき ⇒ 「恐れ入りますが、どちら様でいらっしゃいますか。 」 (4)あいさつする ・受話器の向こう側の表情を感じ取りながら ⇒ 「いつもお世話になっております。 」 「先日はありがとうございました。」 ※(1)~(4)まで聴き取ったら、本題に入る。 (相手が誰かわかってから、あいさつを交わす。) - 16 - 5W1H (5)用件を聴く ・相手の言う事を最後まで聴く。 When・・・いつ(期日・時間) ・要点(5W1H)を正確にメモする。 Where・・・どこで(場所・訪問先) ・適当なところで相づちを打つ。 Who・・・・だれが、だれを(人) ⇒「はい、そうですか」など What・・・・何を(内容) ・わからない点を質問する。 Why・・・・なぜ(理由) How・・・・どのように(方法) (6)用件を復唱する ・メモを読みながら復唱し確認する。 ⇒「念のため、確認させて頂きます。 ××ということでよろしいでしょうか。」 ・日時、場所、数量、金額、用件を要領よくまとめる。 ・もう一度名乗る ⇒「かしこまりました。私、○○(名前)と 申します。確かに承りました。」 ※同音異義語・固有名詞・数字は注意して聴き取る。 (7)用件に応える ・すぐに答えられるかどうか判断する。 ・すぐに答えられないときは、折り返し電話する。 ・相手に内容が分かりやすいように話す。 ⇒「××につきましては、○○でございます。」 (8)終わりのあいさつ ⇒「よろしくお願いいたします。」 「それでは失礼いたします。」 (9)電話を切る ・受けた電話は、こちらから先に切らないのが原則。 ・相手が受話器を置いた音を聴いてから、静かに切る。 ●電話のかけ方 要点を整理して 簡潔な話を心がけること (1)準備する ・相手の電話番号、氏名(法人の場合所属も)を確かめる。 ・あらかじめ伝える用件をまとめ、簡単なメモを用意する。(5W1H) ・必要な書類、資料を手元に準備する。 ・ダイヤル、ボタンは確実に操作する。 ・かける時間を考慮する。 - 17 - (2)電話がつながったら ・相手を確認する ⇒「○○様のお宅でいらっしゃいますか?」 ・自分の名前を名乗る ⇒「私、琴浦町役場の○○課の○○と申します。 」 ・相手に応じたあいさつ ⇒「いつもお世話になっております。 」 ・話したい方への取り次ぎをお願いする。 ⇒「恐れ入りますが、○○様(さん)はいらっしゃいますか。」 ・相手が出たら、もう一度自分の所属・氏名を名乗り、簡単なあいさつをする。 (3)用件を話す ・5W1H に沿って簡潔に用件を伝える。 ・同音異義語、専門用語は、わかりやすい言葉に言いかえる。 ・重要な点は再確認する。 ⇒「以上でございますが、念のため繰り返さ せて頂きますので、恐縮ですが、ご確認 願えますでしょうか。」 (4)電話を切る ・あいさつの後、ひと呼吸してから静かに受話器を置く。 ⇒「ではよろしくお願いいたします。 」 「どうもありがとうございました。 」 etc (電話は「かけた方が先に切る」のが原則だが、お客様に対しては先に切っていただく) たとえば ◎相手が不在のとき 「○○様はいつごろお戻りでしょうか?」 ・「それでは後ほど、こちらからお電話いたします。 」 ・ 「恐れ入りますが、お戻りになられましたら、琴浦町役場の△△課○○まで お電話下さるようお伝えいただけますでしょうか?」 ◎伝言を頼みたいとき 「恐れ入りますが、お伝えいただけますか?」 簡潔に用件をまとめ、相手からの復唱がない場合は、要点を繰り返す。 「私、○○と申しますが、お名前をお聞かせ願えますでしょうか?」 電話に出た相手を確認する。 ◎相手が留守番電話のとき 所属と氏名を名乗り、後ほど電話をかける旨を伝える。 ●こんなときどうする 基本を踏まえて 柔軟に応対します (1)名指人と代わるとき ・相手の名前、用件を確認する。 ・必要に応じてメモをとる。 ⇒「○○様でいらっしゃいますね。ただ今、△△と 代わりますので少々お待ち下さいませ。」 - 18 - ・保留ボタンを押す。 ⇒「△△さん、○○会社の○○様から××の件で お電話です。」 (2)名指人が席を外しているとき ・庁舎内 ⇒「申し訳ありませんが、あいにく○○は、 ただいま席を外しております。」 ・外出中 ⇒「○時に戻る予定ですが、戻り次第 こちらから連絡致しましょうか。」 ・会議中 ⇒「ただ今、会議中です。○時に終了の 予定ですが、いかが致しましょうか。 」 注:相手を確認しないうちに、公務内容や 終了時間は教えない。 ※ 連絡ミスをなくすために、伝言メモを活用 しましょう。 (3)職場に同じ名前の職員がいるとき ⇒「こちらの課に○○は3人おりますが、名前(係名、性別)はお分かりで しょうか。」 (4)名指人が休職中のとき ・住所、電話番号、家族構成、休暇の理由などの個人情報は、原則として教えない。 ⇒「申し訳ありませんが、職員(個人)のプライバシーに関わることはお聞かせ できないことになっております。」 <状況によっては>⇒「こちらから連絡をとりまして、そちらへ電話するよう に伝えましょうか。」 注:長期休暇などで業務に支障を来たすと思われる場合は、上司の判断を仰ぐ。 (5)間違い電話のとき ・間違い電話も丁寧に ⇒「こちらは○○課ですが、失礼ですがどちらへおかけでしょうか。」 (6)他課(係)へ引き継ぐとき ・相手に同じことを言わせないように、担当課(係)に要点を伝える。 ⇒「その件につきましては、○○課(係)が担当しております。そちら へおつなぎいたしますので、そのままでお待ちください。 」 ・事前に電話で確認するなどして、適切な課につなぐ。 ≪ たらい回しに注意!! ≫ (7)すぐに返答できないとき ⇒「調べまして、後ほどお答えいたします。 ご連絡先をお聞かせ願えますでしょうか」 - 19 - (8)私用電話がかかってきたら ・できるだけ手短に済ませる。 ・用件が長くなりそうなときは、いったん切って携帯電話、公衆電話でかけ直す。 (9)苦情の電話 ・感情的にならず、誠意を持って、冷静に相手の話を最後まで聴く。 ・相づちやクッション言葉を上手に活用する。 ⇒「それは失礼いたしました。」「申し訳ございませんでした。 」 ・早めに自分の名前を名乗る。 ⇒「申し遅れましたが、わたくし○○課の○○と申します。」 ・聴き出し、質問、説明、確認で相手の用件内容を整理する。(5W1H) ・了解をとってから自分が話し出す。 ⇒「何点か確認させて頂いてよろしいでしょうか。 」 ・あいまい語は避け、強調語を使う。 ⇒「すぐ」「さっそく」「早急」「私が責任を持って」「必ず」など ※避ける言葉 「とりあえず」「一応」「私では分かりかねます。」 ・即答できないときは、その旨を伝え、返答できる時間、時期を明確に示す。 ⇒「15 分後に」「今日中に」(時間は余計目に伝える。 ) ・自分で判断できないときは、上司の判断を仰ぐ。 ※自分で対応できた場合でも、後で必ず上司に報告します。 ≪クレーム対応は前向きに≫ クレームを言う事はエネルギーが必要です。 「お客様としてより良い琴浦町を願って言ってくる」との認識に立って、 それを尊重し、貴重な情報を生かしていくことが大切です。 ●これだけはやめよう! 乱暴に受話器を置く 電話中の人の周囲で大声で話す 特に笑い声は禁物 - 20 - 3 覚えておきたいエチケット ■お辞儀のノウハウ 礼に始まり、礼に終わる心がけを忘れずに。 (1) 礼儀は「人に対する敬いの心」です。おじぎはその一つの表現ですから心のこもっ たものでなければなりません。 (2) おじぎはまず、相手に視線を合わせて(アイコンタクトといい、とても大切です) あいさつをします。頭を上げるときはゆっくり背筋を伸ばして丁寧に。 (3) 目線はおじぎの角度によって、イラストのようなポイントに視線を落とすときれい に見えます。 背筋を伸ばして立ち、腰からまっすぐ曲げます。 ▼ 会釈(15 度のおじぎ) 上体を腰から 15 度くらい前へ傾ける 目は相手の胸のあたりに合わせる 朝夕の挨拶、通路等での軽いおじぎ、 お客様をお迎えするときの礼 やってはいけない おじぎ ▼ 敬礼(30 度のおじぎ) 上体を腰から 30 度くらい前へ傾ける 視線は2mくらい先に 首だけを動かして 目線もはずさない お客様をお迎えするときにする礼 ▼ 最敬礼(45 度のおじぎ) 上体を腰から 45 度くらい前へ傾ける 視線は1mくらい先に お礼を言うとき、謝罪するとき、お客様をお送り するときなどにする礼 手は 男性:横にそろえる 女性:前に重ねる 顔は ゆっくり上げ、相手の顔を見る - 21 - Ⅳ 接遇向上の推進体制 ■職員の役割 職員は、接遇が職務の一つであることを自覚し、主体的に取り組み、公務員として求め られる態度、行動を自発的にとるとともに、積極的に接遇能力の向上に努めます。 ■管理・監督者の役割 管理・監督者(課長、課長補佐、係長)は、職場における職員の接遇に関して指導・監 督する立場にあります。所属職員の接遇を観察し、また、日常の業務を通じて指導し、職 員の接遇能力の向上に努めます。 ■人事担当部門の役割 人事担当部門は、職員の接遇意識の改善・接遇能力の向上のため、職員の意識や職場の 実態の把握に努め、研修機会の提供にとどまらず、接遇能力の向上に関する取り組みの充 実を図るなどの支援を行っていくとともに、管理・監督者を適切にサポートしていきます。 ■徹底のための方策 (1) 身だしなみ、電話応対等の自己評価・他者評価等の実施 定期的に、職員が自らチェックシートにより自己評価を行います。 課長級の職員は、所属職員の自己評価を再評価することで、所属職員の状況を把握し、 その評価に基づいて所属職員の指導を行います。 (2) 接遇アンケート調査の実施 職員の接遇に関して、お客様である町民の声を聴き、さらなる接遇向上につなげるた め、定期的にお客様から役場に来て感じたこと、また応対した職員に対して感じたこと などのアンケート調査を実施します。 (3) 職員の意識改善 接遇に対する琴浦町の取り組み姿勢を示し、全職員にそのことを自覚させるために、 接遇能力向上に向けた各種取り組みを公表するとともに、町のホームページ上に接遇マ ニュアル、接遇能力向上に向けた取り組み状況、アンケート調査の結果などを掲載し、 職員の意識改善を図ります。 - 22 -
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