し尿処理施設更新基本設計業務委託 仕様書 平成28年3月 市原市 第1章 総則 1.1 業務の目的 本業務は、平成 24・25 年度に 2 ヵ年事業として実施し策定した、し尿処理施設整備基本 計画(以下基本計画)の設計書元等について、平成 27 年度に見直しした市原市汚水処理整 備構想との整合を図り、処理方式等を見直すとともに、し尿処理施設の基本設計としての整 備方針を策定することを目的とする。 1.2 1.3 委託期間 着手 契 約 締 結 日 の 翌 日 完了 平成29年 3月31日 し尿処理施設概要 臨海衛生工場 (1)竣工 昭和 41 年 (2)処理能力 し尿:65kl/日 浄化槽汚泥:230kl (3)処理方式 し尿系処理方式:標準脱窒素処理方式+凝集沈殿分離方式 浄化槽系処理方式:前ばっ気方式+固液分離処理方式 (4)建築面積 2,024 ㎡ (5)延床面積 3,012 ㎡ (6)施設の増改造工事 ・昭和 62 年 11 月~平成元年 3 月 (し尿:130kl/日 浄化槽汚泥:155kl/日) ・平成 13 年 9 月~平成 15 年 3 月 (し尿:65kl/日 浄化槽汚泥:230kl/日) 1.4 法令等の遵守 本業務の実施にあたり、以下の関係法令をはじめ、関連する法令等を遵守しなければなら ない。 ・廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ・下水道法 ・水質汚濁防止法 ・都市計画法 ・補助金適正化法 1.5 等 資料の貸与 本業務の遂行上必要な資料の収集及び調査等は、原則として受注者が行うものであるが、 発注者が所有し、業務に利用できる資料はこれを貸与する。貸与を受ける場合は、発注者の 承諾を得るものとする。 1 1.6 中立性の保持 受注者は、常にコンサルタントとしての中立性を保持するよう努めなければならない。 1.7 提出書類 受注者は、業務の実施にあたり、以下の書類を発注者に提出しなければならない。 (1) 着手届 (2) 主任技術者届【業務統括責任者を配置】 (業務経歴書・保有資格証明書添付) (3) 工程表 (4) 業務実施計画書 (5) 業務完了報告書 (6) 完了払請求書 (7) その他、発注者が必要とするもの 1.8 技術者の配置条件 (1)主任技術者 受注者は、以下のいずれかの資格を有する自社の主任技術者を配置しなければならない。 ①技術士法で定める技術士で衛生工学部門(廃棄物管理)又は(廃棄物処理) ②技術士法で定める技術士で上下水道部門(下水道) ③RCCM(廃棄物部門) ④RCCM(下水道) (2)照査技術者等 受注者は、照査技術者及び担当技術者を配置しなければならない。 1.9 打合せ 受注者は、本業務の主旨を熟知し、業務実施前・実施中には、発注者と十分に打合せを行 い、進捗状況を随時報告するとともに、打合記録簿を作成し、発注者に提出するものとする。 1.10 秘密の保持 受注者は、本業務により知り得た情報等一切の事項を、いかなる場合も他の者に漏らして はならない。 1.11 疑義の解釈 仕様書及び設計書に定めのない事項又は疑義が生じた場合は、必要に応じ、発注者と受注 者が協議し、定めるものとする。 2 1.12 再委託の禁止 受注者は、業務の全部又は主たる部分を第三者に委託してはならない。ただし、あらかじ め発注者の承諾を得た場合は、業務の一部について協力会社の協力を求めることができる。 1.13 帰属 成果品及び作業工程において、作成された資料等に対する一切の権利は、発注者に帰属す る。また、これら成果品等の第三者への提供や内容の転載は、発注者の承諾を必要とする。 1.14 成果品の納入 (1)報告書 A4 版 概要版 電子媒体 5 部(表紙 上製本用 ビス止用 文字箔押) 10 部(A4 簡易製本) 1 枚(CD-R または DVD-R) 第 2 章 業務内容 2.1 本業務における基本的事項 本業務は、平成 27 年度に見直しした市原市汚水処理整備構想と整合を図り、基本計画で定 めた設計諸元等を見直した上で、し尿処理施設の基本設計としての整備方針を策定することを 目的とする。 本業務実施にあたっては、発注者と調整の上、以下の事項に留意しながら、円滑に業務推進 していくこととする。ただし、以下の事項を留意したうえで、より効率的・効果的な提案が可 能となった場合については、この限りではない。 (1)し尿処理施設整備基本計画について(平成 24・25 年度策定) 市原市の汚水処理の実情・経年変化等を踏まえ、実現性の高い 5 案の処理方式(別紙 1)を抽出し、経済性等の比較検討等を、基本計画として取りまとめた。 (2)市原市汚水処理整備構想との整合について 平成 28 年度に、千葉県全県域汚水適正処理構想が改訂(第1章「業務の目的」参照) されることに伴い、市原市では、平成 27 年度に市原市汚水処理整備構想の見直しを行 った。このことから、本業務は、市原市汚水処理整備構想と整合を図る必要がある。 (3)し尿処理施設更新事業中間報告について 基本計画策定や関係機関等との協議を踏まえ、市原市では、し尿処理施設更新事業の 中間的な取りまとめ(し尿処理施設更新事業中間報告)を行ったため、十分留意し、業 務を推進する必要がある。 3 2.2 業務概要 (1)し尿処理施設整備基本計画設計諸元の見直し ① 各種汚水処理人口及び処理量の将来予測 ② し尿処理施設(投入施設)の施設規模 ③ 投入し尿及び浄化槽汚泥(以下「し尿等」という。)の性状設定 ④ 汚水処理整備構想との整合等 (2)処理方式の再検討 ① 下水処理施設への影響評価等の検討 ② 建設候補地の選定 ③ 施設配置・動線計画の検討 ④ 国交付金等の活用の可能性の検討 ⑤ 共同処理に係る技術的検証 ⑥ 事業費比較 ⑦ 処理方式の選定 (3)整備方針の策定 ① 施設概要 ② 施設の処理フロー ③ 施設配置計画・動線計画 ④ 施工中のし尿等の処理方法 ⑤ 主要設備機器 ⑥ 公害防止計画 ⑦ 関係法令・制度面の整理 ⑧ 発注方式の検討 ⑨ 施設運転管理計画 ⑩ 概算事業費 ⑪ 事業スケジュール (4)その他 ① 予算要求資料の作成 ② 各種会議用資料の作成 4 2.3 詳細内容 (1)し尿処理施設整備基本計画設計諸元の見直し 基本計画で設定した以下の設計諸元等について、市原市汚水処理整備構想と整合を図 るため、見直しを行う。 ① し尿等の処理人口及び排出量、下水処理施設での処理人口及び流入汚水量について、 平成 46 年度まで算定する。 ② し尿等の処理人口及び排出量、下水処理施設での処理人口及び流入汚水量の算定 結果を踏まえ、し尿処理施設及び下水道投入施設の施設規模を設定する。 ③ し尿等の水質や、下水処理施設への流入汚水の水質について、文献及び過去に本市 で実測したデータ等の整理や、本業務で水質分析(別紙2)を実施し、投入し尿等の 性状を設定する。 ④ その他、市原市汚水処理整備構想と整合を図る必要が生じた事項について、見直 しを行う。 (2)処理方式の再検討 上記(1)「し尿処理施設整備基本計画設計諸元の見直し」を踏まえ、基本計画で抽 出した5案の処理方式(別紙1)について、以下の事項を再検討する。ただし、処理方 式を検討するにあたり、より効果的・効率的な処理方式が提案された場合は、この限り ではない。 ① 下水道との共同処理において、下水処理機能に与える影響を容量計算の手法で評価 し、設備能力の余力等について検討する。評価期間は、下水処理施設の整備計画を把 握した上で、平成 46 年度まで実施する。その結果、共同処理に伴い下水処理施設で 補完するために、付加すべき設備があれば、検討を行う。 ② 建設候補地について、実現性、経済性等総合的に判断し、臨海衛生工場用地、松ヶ 島終末処理場用地、南総終末処理場用地から選定する。 ③ 施設規模に応じ、施設配置及びし尿等の収集運搬車両の動線計画を検討する。 ④ 財源の確保に向けの交付金の適用の可能性について調査し、処理方式に反映させる。 ⑤ 容量計算における影響評価以外に、技術的検証が必要と考えられる事項について、 市原市と受注者で調整の上検証を行い、評価する。 ⑥ 基本計画で抽出した5案の処理方式について、建設費及び運転管理費、定期修繕維 持管理費について概算経費を算出し、比較、検討を行う。 ⑦ 上記①から⑥の検討結果を踏まえ、各処理方式について、実現性・合理性・経済性 及び維持管理費等を総合的に判断し、本市に最も適した処理方式を選定する。 (3)整備方針の策定 (2)「処理方式の再検討」で定めた処理方式について、整備方針として確立する。 ① 当該施設の概要説明を行う。 5 ② 当該施設における処理フローについて設定する。 ③ 施設配置・動線計画は、既存施設との関係及び都市計画、開発行為に係わる制約条 件等を踏まえたうえで、施設場内の配置及び動線計画並びに、施設外の搬入道路、管 等の配置・ルート計画を行う。 ④ 施設施工中のし尿等の処理について、支障が出ないよう検討する。 ⑤ 当該施設について必要な設備を設定する。 ⑥ 当該施設における排水、騒音、振動、悪臭、排ガス等に係る排出基準(公害防止目 標値)及び環境基準(公害防止水準)を設定し、施設並びに各種公害防止装置におけ る入口・出口濃度の設定や各方式における除去率、性能実績等からそれぞれの公害防 止対策を設定する。 ⑦ 当該施設に係る関係法令、規制基準、本市の条例等、技術基準、企画等を調査し、 計画・設計条件として整理する。 ⑧ 当該施設を建設する上で、最適な発注方式(性能発注方式等)を検討する。 ⑨ 施設運転管理条件について設定する。 ⑩ 建設費及び運転管理費、定期修理維持管理費等について概算経費を算出する。 建設費に係る財源計画を明らかにし、年度別資金計画を定める。 ⑪ 施設建設を推進するために必要な実施体制を定める。 調査・設計及び許認可申請、建設工事、竣工に至る事業スケジュール計画を定める。 (4)その他 ① 平成28年9月末日までに、次年度事業概要及び概算事業費について算出し 報告する。 ② 整備方針を確立するための庁内会議用の資料について、必要に応じ作成し提出する。 6 (参考) (1) し尿処理施設の概要と整備経過 名称:市原市臨海衛生工場 処理能力:し尿系 65kℓ 浄化槽汚泥系 230kℓ 処理方式:し尿系 標準脱窒素処理方式+凝集沈殿分離方式 浄化槽汚泥系 前ばっ気+固液分離方式 処理対象物:し尿系 し尿 浄化槽汚泥系 浄化槽及び農業集落排水汚泥 脱水汚泥の処理:肥料等への再資源化(民間委託による) 整備経過:第 1 期工事(昭和 41 年完成) 第 2 期工事(昭和 46 年完成) 第 3 期工事(昭和 51 年完成) 第 4 期工事(平成元年完成) 第 5 期工事(平成 15 年完成) (2) 下水道処理施設の概要 ① 松ヶ島処理区 名称:松ヶ島終末処理場 処理能力(晴天時最大) :A・B系 32,200 ㎥ C系 21,000 ㎥ 処理方式:A・B系 標準活性汚泥法 C系 凝集剤併用硝化促進型嫌気・無酸素・好気法 ② 菊間処理区 名称:菊間終末処理場 処理能力(晴天時最大) :35,200 ㎥ 処理方式:標準活性汚泥法 ③ 南総処理区 名称:南総終末処理場 処理能力(晴天時最大) :5,400 ㎥ 処理方式:凝集剤併用型高度処理オキデーションディッチ法 7 別紙1 し尿処理施設整備基本計画で抽出した処理方式 共同処理 対象施設 建設地 処理フロー 処理方式 臨海衛生工場敷地内 単独処理 ◯し尿・浄化槽汚泥の単独処理 ・共同処理を行わない。 ・し渣・脱水汚泥は福増クリーンセンターで焼却 処理 ①し尿・浄化槽汚泥の脱水ろ液投入 ・し尿処理施設で固液分離し,ろ液を下 水道投入する。 ・し渣・脱水汚泥は福増クリーンセンターで焼却 処理 終 末 共 同 ②し尿・浄化槽汚泥の希釈水処理系投入 ・し尿・浄化槽汚泥を除さ後希釈し,下 水道水処理系へ投入する。 ・し渣は福増クリーンセンターで焼却処理 し尿処理施設(投入施設) し 尿 除さ 希釈 浄化槽汚泥 (下水道投入) し 渣 焼却処理 処 処 ③し尿・浄化槽汚泥の無希釈汚泥処理系 投入 理 理 臨海衛生工場用地又は終末処理場用地 水処理系 ・し尿・浄化槽汚泥を除さ後無希釈で圧 汚泥処理系 し尿処理施設(投入施設) し 尿 除 さ 浄化槽汚泥 送し,下水道汚泥処理系へ投入する (下水道投入) ・し渣は福増クリーンセンターで焼却処理 場 し 渣 焼却処理 水処理系/ 汚泥処理系 ④し尿と浄化槽汚泥を分離投入 ・し尿を除さ希釈後水処理系へ投入 ・浄化槽汚泥を除さ後汚泥処理系へ投入 ・し渣は福増クリーンセンターで焼却処理 し尿処理施設(投入施設) し (下水道投入:水処理系) 尿 除さ 浄化槽汚泥 希釈 除 さ (下水道投入:汚泥処理系) し 渣 焼却処理 別紙2 水質分析項目表 以下の表のとおり、水質分析を行う。測定回数については、しさ除去後のし尿及び浄化槽汚 泥各1検体ずつ、2回測定を行う。測定時期は発注者と協議を行った上で行う。なお、測定回 数及び分析項目については、本業務を実施していく上で、必要性が認められた場合はこの限り ではない。 試料名 分析項目 除さし尿 ・水温(℃) 除さ浄化槽汚泥 ・大腸菌郡数(個/㎤) ・SS ・BOD ・PH ・COD ・全窒素 ・アンモニア性窒素 ・ノルマンヘキサン ・全リン 抽出物質 ・フェノール類 ・銅 ・亜鉛 ・鉄 ・マンガン ・クロム ・ふっ素 ・カドミウム ・シアン化合物 ・鉛 ・砒素 ・セレン ・ほう素
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