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会計コース実践編
特殊実務 ver 2
土地改良区会計基準と特殊実務
全国土地改良事業団体連合会
1
特殊実務テーマ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
賦課金徴収に係る仕訳の変化
換地清算金に係る勘定科目の設定
維持管理適正化事業拠出金等の会計処理
会計細則規定と小口現金の処理手法
引当金と積立金の取崩し時の仕訳
指定正味財産の受け入れ仕訳等
所得税の源泉徴収と会計処理
消費税の記帳と納税
旅費の概算払いと精算
期末決算整理と書簿記帳
一般正味財産の他会計への繰出金と予算統制
2
1-1 賦課徴収に係る仕訳の変化
期首
賦
課
処
分
検査指導基準におい
て、貸借対照表上の
科目として右の設定有
り。
①から⑦に至る各段
階で、用いる勘定科目
に変更が生ずる。会計
細則において定めて
いる勘定科目の定義
に従う。
期末
会計期間
次年度会計期間
納
期
限
滞
納
処
分
手
続
延滞金の発生
資産名の振替
資産名
「長期未収賦課金等」
「未収賦課金等」
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
この間の賦課、納付に係る仕訳について次
頁に例を整理
3
1-2 賦課徴収に係る仕訳の変化
① 組合員に賦課金を賦課したとき
組合員に対する賦課金債権
の発生を記帳する。
(借)未収賦課金等
1000
(貸)賦課金収入
1000
② 納期限内に納付がされたとき
(借)現金及び預金
400
納付額分の賦課金債権(未
収賦課金等)が減少となる。
(貸)未収賦課金等
400
③ 納期限を超えて納付がされたとき
(借)延滞金
5
(借)現金及び預金
105
(貸)雑収入
5
(貸)延滞金
納期限を超えたペナルティ
として定められた率で納入
日までの延滞金が課される。
延滞金は雑収入となる。
5
(貸)未収賦課金等
100
④ 会計年度を超えたことによる資産名の振替
(借)長期未収賦課金等
500
(貸)未収賦課金等
500
債権管理の便宜のため、「未
収賦課金等」勘定から「長期
未収賦課金等」に振替える。
4
1-2附
土地改良区会計と企業会計における違い
未実現利益の計上ということについて)
土地改良区会計
発生主義
賦課金収入の計上は、
組合員に賦課をしたと
きとする(同時に、未収
賦課金額を計上する)
土地改良区が組合員に対して行う
経費の賦課処分は、法律に基づ
いたものであり、その未納という事
態に対しては、強制徴収手法が制
度的に担保されている。
企業会計
実現主義
発生主義の枠内で、収益
の認識を、それが確かに
実現するものとなる時点
まで遅らせる
企業会計においては、発生主義を
厳格に貫くと、未実現利益まで計上
される弊害が生ずる。
このため収益の計上は、費用の計
上よりも慎重、厳格であるべきとい
う保守主義の考え方であり、堅い
取り扱いである実現主義がとられ
ている。
5
1-3 賦課徴収に係る仕訳の変化
⑤ 次年度に賦課金の納入があったとき
(借)延滞金 5
(借)現金及び預金
105
納期限を超えたペナルティ
として定められた率で納入
日までの延滞金が課される。
延滞金は雑収入となる。③
の処理と同じ。
(貸)雑収入 5
(貸)延滞金 5
(貸)長期未収賦課金等
100
⑥ 滞納処分を行い換価額を収入したとき
(借)延滞金
50
(借)現金及び預金
250
(貸)雑収入
50
(貸)延滞金
未納者の資産を差し押さえ、
換価して土地改良区の債権
額を収入した。
50
(貸)長期未収賦課金等
200
⑦ 賦課金に係る債権を「不納欠損」処理したとき
時効成立のため、やむなく賦
課金債権について不納欠損
処理とした。
(借)不納欠損
250
(貸)延滞金
50
(貸)長期未収賦課金等 200
6
2-1 換地清算金に係る勘定科目の設定
(県営換地の場合)
換県
地・
主県
体営
事
業
土
地
改
良
区
組換
合地
員地
権
者
・
①
交
付換
金地
収清
入算
金
県から交付
⑥
県と土地改良区の間には、
未収、未払いの事態は想定
できないことから、資産科目、
負債科目の設定はしていな
い
清算金の支払い
負債勘定科目
③ 換地清算金未
払金
④ 換地清算金仮
受金
金換
支地
出清
算
金
納
付
清算金の徴収、納付
②
支換
出地
清
算
金
支
払
金
県営換地において
地権者との換地清
算金の徴収支払関
係は、土地改良区
を介して行われる
ため、必要な勘定
科目が設定されて
いる。
⑤
③
④
金換
収地
入清
算
金
徴
収
資産勘定科目
⑦ 換地清算
金未収金
⑦
7
2-2 換地清算金に係る勘定科目の設定
① 県から換地清算金を収入したとき
(借)現金及び預金
1000
(貸)換地清算金交付金収入
1000
② 清算期限までに地権者に換地清算
金を支払ったとき
(借)換地清算金支払金支出
900
(貸)現金及び預金
900
③ 清算期限までに一部の地権者への支払
が出来ないとき
(借)換地清算金支払金
支出
100
(貸)換地清算金未払金
100
(支払いをしたとき)
(借)換地清算金未払金
100
①の清算金を用い、清算対
象地権者に換地清算金を支
払い。
何らかの理由で一部の者に
換地清算金の支払いがで
きないとき、支払い義務の
生じている未払金として負
債勘定に仕訳する。
(貸)現金及び預金
100
④ 換地処分前に創設換地取得予定者から
土地代を受け取ったとき
(借)現金及び預金
300
県営換地においては、県は
土地改良区を介して換地清
算を行う仕組み。
(貸)換地清算金仮受金
300
創設換地取得予定者から、
換地処分前の土地利用のた
め、清算金予定額の前納が
行われるケース。返還可能
性あり負債勘定に仕訳する。
8
2-3 換地清算金に係る勘定科目の設定
⑤ 清算期限内に地権者から換地清算
金を徴収
(借)現金及び預金
900
(貸)換地清算金徴収金収入
900
換地清算金を関係地権者か
ら徴収する。
⑥ 県に換地清算金を納付したとき
(借)換地清算金納付金支出
900
(貸)現金及び預金
900
県営換地の換地清算主体に、
地権者からの徴収換地清算
金相当額を納付する。
⑦ 清算期限内に地権者の一部から換地
清算金が未収
(借)換地清算金未収金
100
(貸)徴収換地清算金
徴収金収入
100
(徴収をしたとき)
(借)現金及び預金
100
清算期限を経過し、一部の
地権者から徴収ができない
とき、未収金債権として仕訳
する。
(貸)換地清算金未収金
100
9
3-1 維持管理適正化事業拠出金等の会計処理
工事年度
事
業
拠
出
金
関
係
第一年度
第二年度
第三年度
適正化事
業拠出金
適正化事
業拠出金
適正化事
業拠出金
①
②
③
第四年度
第五年度
適正化事業
拠出金未払
金
適正化事業
拠出金未払
金
⑦
工事実施年度までの拠出金は「資産」
と観念
維持管理適正化事業
は、土地改良区として5
年の拠出金拠出期間
の間で拠出金の支出を
続けるが、工事実施年
までは「資産」、翌年度
以降分を拠出義務を負
う「負債」と観念する。
事
業
費
の
9
割
相
当
⑧
第三年度に事業実施したため、四年
度以降の拠出金を「負債」と観念
④
交
付
金
⑤
控産交
除額付
、金
負額
債か
額ら
の資
適正化事業費
⑥
支出
10
3-2 維持管理適正化事業拠出金等の会計処理
① 第一年度分の拠出金を支払ったとき
(借)適正化事業拠出金
60
(貸)現金及び預金
工事年度は第三年度であり、
この第一年度の拠出金は資
産となる。
60
② 第二年度分の拠出金を支払ったとき
(借)適正化事業拠出金
60
(貸)現金及び預金
60
工事年度は第三年度であり、
この第二年度の拠出金も資
産となる。
③ 第三年度分の拠出金を支払ったとき
(借)適正化事業拠出金
60
(貸)現金及び預金
60
工事年度は第三年度後半で
あり、この第三年度の拠出金
も含めて資産となる。
④ 適正化事業費交付金を受け取ったとき
(借)現金及び預金
900
(貸)適正化事業交付金収入
900
工事実施年に当たり、全土連
から事業費の9割相当額の交
付を受けた。
11
3-3 維持管理適正化事業拠出金等の会計処理
⑤ 交付金額と資産・負債額の振替
(借)適正化事業交付金収入
300
(貸)適正化事業拠出金
180
(貸)適正化事業拠出金未払金
120
⑥ 工事の完成によって所要額を支払ったとき
(借)適正化事業費支出
1000
(貸)現金及び預金
1000
900の交付金のうち、300は土
地改良区の負担すべき額であり、
資産としてきた拠出金額180を
充当すると共に、第四年度以降
拠出すべき額を負債120として
仕訳した。
適正化事業費の工事費支出。
交付金収入900と1000と
の差、100は土地改良区が
工事年に負担すべき額。
⑦ 第四年度分の拠出金を支払ったとき
(借)適正化事業拠出金
未払金
60
(貸)現金及び預金
60
第四年度分の拠出金の納入
により、なお残存する負債額
を60とする。
⑧ 第五年度分の拠出金を支払ったとき
(借)適正化事業拠出金
未払金
60
(貸)現金及び預金
60
第五年度分の拠出金の納入
により、残存負債額がゼロと
なる。
12
4-1 会計細則規定と小口現金の処理手法
会計細則例(複式・抄)
(小口現金)
第30条 会計主任は、少額の経費の支払に充てるため,あらかじめ支出命
令を受けて小口現金をおくことができる。
2 小口現金の保有限度額は○万円以内とし、その受払及び保管は会計主
任がこれに当たることとする。小口現金は,金庫に保管し、その他の金銭と区
別して管理しなければならない。
3 会計主任は小口現金の受払を小口現金出納帳に記帳し、日々の小口現
金出納帳の出納の都度、現金残高と帳簿残高の照合をしなければならない。
4 会計主任は、毎月末日に小口現金出納帳を締切り、支払に関する書類を
添付した振替命令により処理を行うものとする。
① 支出命令による小口現金の存置
② 会計主任による毎月月末の内部報告
③ 小口現金の補充措置
補充方式と洗替方式
13
4-2 会計細則規定と小口現金の処理手法
会計主任による小口現金の出納イメージ
小口現金出納帳
様式
23
年月日
摘要
入金額
説明種目
消
耗
品
費
26.4.1
4.15
4.20
4.30
支出額計
残高
燃
料
費
4月分
100,000
○○商店
10,000
×燃油店
50,000
月末残高
60,000
26.5.1 5月分補充 60,000
100,000
90,000
40,000
40,000
(補充方式による)
会計主任は、理事長から
支出命令決裁を受けて、
小口現金10万円を金庫
に保管
会計主任は、各月末日
に小口現金出納帳を締
め切り、振替命令により
出納内容を報告措置
100,000
会計主任は、次月冒頭に、
支出命令決裁により6万
円を補充
月日
4.1
4.30
5.1
総勘定元帳
総勘定元帳
(小口現金)
(運営事務費支出)
摘要
借方
現金及び
100,000
預金
運営事務費
支出
現金及び
60,000
預金
貸方
残高
100,000
60,000
月日
4.30
摘要
小口現金
借方
60,000
貸方
残高
60,000
40,000`
100,000
14
4-3 会計細則規定と小口現金の処理手法
土地改良区会計(本体)と小口現金出納の経理処理イメージ
(補充方式)
土地改良区会計(本体)
小口現金出納(会計主任管理)
8月1日支出命令時
小口現金 100
現金及び預金 100
小口現金出納帳
年月日
8.1
8月31日振替命令時
適用 入金額 説明種目 支出額計 残高
8月分 100
8.15
新聞代 10
新聞代
10
小口現金 10
8.31 月末報告
9月1日補充のための支出命令時
小口現金 10
9.1
100
9月補充 10
90
10
90
100
現金及び預金 10
15
4-4 会計細則規定と小口現金の処理手法
土地改良区会計(本体)と小口現金出納の経理処理イメージ
(洗替方式)
土地改良区会計(本体)
小口現金出納(会計主任管理)
8月1日支出命令時
小口現金 100
現金及び預金 100
小口現金出納帳
年月日
8月31日振替命令時
現金及び預金 90
8.1
小口現金 100
適用 入金額 説明種目 支出額計 残高
8月分 100
8.15
100
新聞代
10
新聞代 10
8.31 月末報告
90
10
90
残額返納
0
9月1日あらためて小口現金の支給
9.1
小口現金 100
9月分
100
100
現金及び預金 100
16
5 引当金と積立金の取崩し時の仕訳
(引当金に関連した特定資産である積立金の取崩し)
①の仕訳
転用決済金引当金
500
転用決済金取崩収入
500
②の仕訳
現金及び預金
500
転用決済金積立金
500
③の仕訳
維持管理費支出
500
現金及び預金
500
転用決済金の取崩しのため、借方に決
済金勘定(残高5000のうち500)、貸方
に取崩収入とする勘定科目を記す
補修費は、直に「現金及び預金」勘定
からではなく、特定資産である転用決
済金積立金から補修費を手当てする
ため、当該積立金(残高5000)のうち
500を「現金」化する
上により入手した現金を用いて補修費
支出を行う仕訳となる
以上の仕訳により、財務諸表は次の結果となる
取崩前の貸借対照表
資産
負債
現金及び預金
転用決済金引当金
1200
5000
転用決済金積立金
5000
取崩後の貸借対照表
資産
負債
現金及び預金
転用決済金引当金
1200
4500
転用決済金積立金
17
4500
6 指定正味財産の受け入れ仕訳等
車両の購入を条件とする寄付金を受け入れた
資金全額を特定資産とした
車両購入資金
100
受取寄付金 100
※ 指定正味財産
※ 特定資産
寄付条件に従って車両を購入した
車両運搬具
100
※ 有形固定資産
車両購入資金
100
使途を指定した寄付
金は指定正味財産と
し、使途限定のない
一般正味財産と区別
するものとなる。購入
までの期間は、借方
に特定資産「車両購
入資金」として保全
※ 特定資産
寄付条件により購入した車両の減価償却をした
一般正味財産への
振替額 20
受取寄付金
20
※ 指定正味財産
※ 振替勘定科目
車両運搬具減価
償却費
20
※ 支出勘定科目
寄付金により購入し
車両の減価償却にお
いては、ひもつき関
係にある受取寄付金
も同時に減額する仕
訳を行う
車両運搬具 20
※ 資産勘定科目
18
7-1 所得税の源泉徴収と会計処理
現金預金出納帳
給与支給時
○ 発電事業従事職員給与
支給
○ 4月15日支給
○ ×名総額 100万円
月日
総勘定元帳
科目 入金 出金 残高
追記
(略)
4.15
款発電事
項発電事
500
100 400
目給与
4月 15日
(略)
一金
仕 訳 帳
伺い
100万円也
月日
摘 要
借方
貸方
(ただし、発電従事職員給与)
支出整理簿
4.15発電事業人
件費
発電事業費 項 発電事業人件費目給与
摘 要
4.15 4月分職員
総勘定元帳
(発電事業人件費)
追記
月日
500
業人件費
支出命令
款
月日 摘 要 借方 貸方 残高
4.1 前期繰越
4.15発電事業
人件費
100
業費
月日
(現金及び預金)
現金及び預金
(4月職員給与)
月日 摘 要 借方 貸方残高
100
100
4.15現金及び預 100
金
(略)
出金額 累計額
100
(略)
給与支給
19
7-2 所得税の源泉徴収と会計処理
現金預金出納帳
源泉徴収時
○ 職員給与から所得税の
源泉徴収
○ 4月15日収入
○ 源泉徴収額 5万円
月日
総勘定元帳
科目 入金 出金 残高
4.15 款
5
(略)
(現金及び預金)
月日 摘 要 借方 貸方 残高
項
4.15 預り金
職員給与
所得税源
泉徴収額
(略)
5
収入命令
月日
4月 15日
(略)
仕 訳 帳
伺い
一金
5万円也
月日
摘 要
借方
貸方
(ただし、職員所得税源泉徴収額)
収入整理簿
款
項
月日 摘 要
目
4.15現金及び預金
預り金
(所得税源泉
徴収額)
総勘定元帳
(預り金)
5
5
月日 摘 要 借方 貸方 残高
4.15現金及び預
金
5
5
収入額 累計額
(記載なし)
20
7-3 所得税の源泉徴収と会計処理
収入命令、収入整理簿、現金預金出納帳、収支決算書と関連して
いく記帳フロー
(支出の場合は、支出命令、支出整理簿、現金預金出納帳、収支決算書と関連)
収入整理簿
(支出整理簿)
収入命令
(支出命令)
記帳、
転記
仕
訳
帳
総
勘
定
元
帳
現金預金
出納帳
貸
借
対
照
表
計正
算味
書財
産
増
減
財産目録
収
支
決
算
書
所得税の源泉徴収金など、予算書に登載がない、いわゆる収支計算外出納においても、上記による記帳と転
記による事務手順を経るもの。
したがって、100万円の給与(うち所得税源泉徴収金5万円)の支払いに関する事務手順は次となる。
① 支出命令において100万円とする。収支決算書においても100万円の記録結果となる。
② 収入命令において源泉徴収金5万円とする。次いで支出命令で5万円を税務署に納付する。
(結局、源泉徴収金の残高はゼロとなる。また収支計算外出納であるため決算書に載ることはない。)
21
8-1 消費税の記帳と納税
(日々の仕訳)
税抜き
記帳方式
収入となる
取引の場
合の仕訳
○○事業収入 仮払消費税 仮受消費税
(残高)
(残高)
現金及び預金 仮受消費税
支出となる
取引の場
○○事業事務費
合の仕訳 仮払消費税
税込み
記帳方式
(期末整理)
収入となる
取引の場
合の仕訳
現金及び預金
支出となる
取引の場
合の仕訳
○○事業事務費
現金及び預金
○○事業収入
現金及び預金
※発電事業においては、
通常、仮受消費税残高が
多い。仮払消費税残高と
仮受消費税残高を打ち消
すとともに、未払消費税額
を求める仕訳を行う。
収入取引
における消
費税額の
積上げ作
業
支出取引
における消
費税額の
積上げ作
業
仮受消費税
(残高)
仮払消費税
(残高)
未払消費税
3.31決算で確定
した 未払消費税
額について、5.31
までに納税する。
公租公課 未払消費税
消費税収
支差額の
判明
3.31決算で確定
した 未払消費税
額について、 5.
31までに納税す
る。
22
8-2 消費税の中間納付ルールのあらまし
(期末整理)
(日々の仕訳)
収入となる
取引の場
合の仕訳
仮払消費税 仮受消費税
現金及び預金 ○○事業収入
(残高)
(残高)
仮受消費税
税抜き記
帳方式
支出となる
取引の場
合の仕訳 ○○事業事務費
現金及び預金
仮払消費税
※発電事業においては、通
常、仮受消費税残高が多い。
仮払消費税残高と仮受消
費税残高を打ち消すととも
に、未払消費税額を求める
仕訳を行う。
消費税の中間納付
(前年度納税額60万円以上
~ 500万円未満の場合)
仮受消費税 仮払消費税
(残高)
(残高)
未払消費税
3.31決算で確定し
た 未払消費税額に
ついて、 5.31まで
に納税する。
中間納付を反映
した期末整理
中間納付制度
(事業年度の半分
を経過して、その
2ヶ月以内に納付
する)
仮払金
現金及び預金
※前年の納付消費税額が500万円以上の場
合は、さらに複数回の納付回数となる制度と
なっている。
仮受消費税
(残高)
仮払消費税
(残高)
仮払金
未払消費税
23
8-3 期末決算における消費税の未払額の確定
事業期間内の
消費税収支結果
未払税額=400
-150
=250万円
納税額に占める
中間納付額(200)
の反映
未払消費税=250
-200
=50万円
中間納付額を反
映した期末整理
仮払消費税
仮受消費税
(残高)
(残高)
150
400
(未払額 250)
仮払金
200
仮受消費税
(残高)
400
仮払消費税
(残高)
150
仮払金
200
未払消費税
50
現金及び預金
200
仮受消費税、仮払消費税は期中にお
いて一時的に使われる残高把握のた
めの仮勘定であり、期末整理において、
残高を打ち消すための反対仕訳を行
うとともに、未払消費税を負債として計
上する。
24
9 旅費の概算払いと精算
精算時
概算払い時
旅費の
概算払い
と精算
仮払金
27万円
現金及び預金
27万円
出張計
画とお
り
発電事業事務
費支出
25万円
仮払消費税
2万円
出張の
延長あ
り
発電事業事務
費支出
37.5万円
仮払消費税
3万円
13.5万
円不足
出張の
短縮有
り
13.5万
円余り
現金及び預金
13.5万円
発電事業事務
費支出
12.5万円
仮払消費税
1万円
仮払金
27万円
仮払金 27万円
現金及び預金
13.5万円
仮払金
27万円
職員に
13.5万
円の支給
職員から
13.5万
円の返還
25
10 期末決算整理と書簿記帳
総勘定元帳
(発電専用建物)
精算表により決算整理を行い、「修正
記入」がされた事項について仕訳と総
勘定元帳への転記がなされ、1期の記
帳が完結する。
右は、発電専用建物と減価償却費の
記帳状況である。
月日 摘 要 借方 貸方 残高
4.1 前期繰越 5,250
3.31発電専用建物
5,250
250 5,000
減価償却費
5,250
3.31貸借対象表へ
250
5,000
4.1 前期繰越 5,000
一重の合計線と二重の締切り線により
記帳内容が締められ、総勘定元帳の
各科目の記帳が完結する。
5,000
総勘定元帳
(発電専用建物減価償却費)
資産,負債に属する勘定科目にあっては、
次期の会計年度の冒頭4月1日に「前期繰
越」として前期末の額を掲げ、記帳が再ス
タートする。(収入、支出に属する勘定科目
にあっては残高はなく、0スタートとなる。)
月日 摘 要 借方貸方 残高
3.31発電専用 250
建物
3.31正味財産
増減計算書へ
250
250
26
11 一般正味財産の他会計への操出金と予算統制
×1年度
①×1年3月定期総代会にお
ける×1年度予算案の議決
一
般
会
計
②×1年度末において発電事業の
成果がほぼ判明(正味財産高)
収入
貸
借
対
照
表
支出
○○積立金 50万円
発
電
事
業
会
計
貸
借
対
照
表
収入
支出
××積立金 40万円
(資産)
(負債)
○○積立金 ◇◇引当金
50万円 60万円
一般正味
財産
(資産) (負債)
◇◇引当金
50万円
××積立金 一般正味
40万円
財産
100万円
③×2年3月定期総代会における
×2年度予算案の議決
×1年度成果とし
て見込まれる
100万円を、発
電事業会計から
繰出しをするた
め、次年度予算
案に操出金額を
盛り込む
一
般
会
計
予
算
案
発
電
事
業
会
計
予
算
案
発
電
の
予
想
○○積立金 50万円 成
支出
果
補修○○費 100万円 を
予
算
案
に
取
収入
込
む
収入
支出
×2年度
発電事業会計から
の繰入金
100万円
××積立金 40万円
一般会計への操出金
100万円
各種積立金の積立措置
は、予算議決額の範囲
内で積立を実施できる。
一方、引当金について
はそれぞれの計上基準
により計上を強制される
ものであり、予算案によ
る統制の範疇ではない
④×2年5月期(決算確定)に操出し、繰入れ
一般会計側の仕訳
現金及び預金
100万円
発電事業会計
からの繰入金
100万円
発電事業会計側の仕訳
一般会計への
操出金
100万円
現金及び預金
100万円
×1年度で発電事業会計に生じ
た一般正味財産(剰余金)につい
ては、 ×2年度予算において、
会計間で、剰余金を操出し繰入
れする予定額を組み込んで予算
案とし、総代会議決を受け、次
年度の早い段階で当該剰余金
を一般会計に繰入れ、有効活用
する手法であり、剰余金の活用
は常に次年度となる
3月期定期総代会において
操出し、繰入れ額を盛り込ん
だ予算案承認を受ける手法
であり、5月期に臨時総代会
の開催を要しない
×1年度成果の100
万円を、発電事業会
計から繰入れし、維持
管理事業に活用する
×1年度成果の100万
円を、議決された予算
書にしたがって一般会
計に繰出す。
27
「土地改良区会計基準と特殊実務」
終了
28