第2回 真理値表,基本ゲート, 組合せ回路の設計 瀬戸 本講義のホームページ: http://www.ee.tcu.ac.jp/lectures/digital/index.html ユーザ名: tcu パスワード: seto 1 注意点 講義で聞いた重要と思ったことは,メモする テンプレートは,先輩のお下がり(ステッドラー)のもので もOK (論理ゲートがあれば,OK) 成績判定 中間45%, 期末45%, 宿題10% ただし,中間・期末の点が悪すぎる場合は,不可とな る 宿題は次の講義開始前に,レポート用紙(形式自由)提 2 出 目標 正論理・負論理の信号を理解する 論理ゲート(AND, OR, NOT)の機能を,十分理解する 真理値表が書ける 真理値表から、組合せ回路を設計できる 3 入場者数カウントシステムにおける組合せ回路の 例 ディジタル回路 ( ブロック図 :システム構成を示す) 01 センサ 光 パルス 2進数 パルス数 010 入場者数 加算 記憶回路 回路 2進数 010 001 a f g e 1111110_0110000 1111110_1101101 b c d 7セグ a b c d e f g (表示装置) 7セグ 表示回路 abcdefg 組合せ回路 4 CPU(プロセッサ、マイコン) における 組合せ回路 携帯電話,ロボット,自動車など,あらゆる電気・電子機器に搭載 01010 組合せ回路 010110101 5 組合せ回路 (Combinational Circuit) (復習) ディジタル電子回路の一種 トランジスタによって実現 (後の講義で説明) 入力端子と出力端子を持つ 入力端子の電圧の組合せで、出力端子の電圧が決まる 低い電圧(0V): L (ロー) レベル 高い電圧(5V): H (ハイ) レベル 入力電圧が確定後、ほぼ一瞬で出力電圧が確定 出力端子 入力端子 組合せ 回路 .. .. L H L H L H 6 正論理と負論理 (要注意) ディジタル回路の入出力信号には,正論理・負論理があ る 正論理の信号 負論理の信号 (アクティブ-H(ハイ)の信号) Hレベル = 1 (アクティブ,有効) Lレベル = 0 (アクティブ-L(ロー)の信号) Hレベル = 0 Lレベル = 1 (アクティブ,有効) 例: リセット信号 reset H 正 論理 の場合 reset L 信号名の上に横棒を書く 負 論理 の場合 リセットする H reset L リセットする 7 真理値表: 組合せ回路の 機能 を表現 入力パターンすべてに対して 出力 を書いた表 B 入力 出力 C B A Y A 入力 出力 Y 3 入力 1 出力 2 入力 1 出力 B L L H H A L H L H Y ? ? ? ? 4 パターン C L L L L H H H H B L L H H L L H H A L H L H L H L H Y ? ? ? ? ? ? ? ? 8 パターン 8 基本的な組合せ回路: 基本ゲート (復習) B A Y AND B L L H H B A A L H L H Y L L L H A L H L H Y H H H L Y OR B L L H H Y NAND B L L H H B A B A A L H L H A L H L H NOT A L H Y L H H H Y Y H L Y NOR B L L H H A Y H L L L 9 ディジタル回路の回路図に使う記号 (MIL記号) すべて(all) 信号が 負 論理 (Lでアクティブ) であることを表す 入力 すべて が アクティブのとき, 出力がアクティブ になる回路 (AND) ... ... アクティブ-L どれか1つ(exist) バッファ 入力 どれか1つ が へたった電気信号を 回復 させる回路. アクティブのとき, 論理的には 出力がアクティブ 意味をもたない. になる回路 (1を1,0を0にする) (OR) 2個以上,アクティブ でもよい 10 AND,ORゲートのMIL記号による表現 B A Y AND B L L H H B A A L H L H Y L L L H Y OR B L L H H A L H L H Y L H H H 入出力を正論理 (アクティブH)とみると 入出力を負論理 (アクティブL)とみると 出力: 入力: アクティブH アクティブH 出力: 入力: アクティブL アクティブL 入出力を正論理 (アクティブH)とみると 出力: 入力: アクティブH アクティブH 入出力を負論理 (アクティブL)とみると 出力: 入力: アクティブL アクティブL 11 NAND, NOTゲートのMIL記号表現 (NORも同様) B A B L L H H A Y NAND A L H L H Y H H H L NOT A L H Y 入力を正論理(アクティブH) 出力を負論理(アクティブL) とみると 入力を負論理(アクティブL) 出力を正論理(アクティブH) とみると 出力: 入力: アクティブH アクティブL 出力: 入力: アクティブL アクティブH 入力を正論理(アクティブH) 出力を負論理(アクティブL) とみると 入力を負論理(アクティブL) 出力を正論理(アクティブH) とみると Y H L インバータ とも呼ばれる 12 多入力 AND, ORゲート (入出力とも正論理とみた場合) 3入力 ORゲート 3入力 ANDゲート C L L L L H H H H B L L H H L L H H C B A A L H L H L H L H Y L L L L L L L H Y C L L L L H H H H C B A B L L H H L L H H A L H L H L H L H Y L H H H H H H H Y 13 例題: 次の回路の真理値表を作れ all C B A C L L L L H H H H Y B L L H H L L H H A L H L H L H L H Y H H H H L H H H C B A C L L L L H H H H exist Y B L L H H L L H H A L H L H L H L H Y H H H H L H H H もとのゲートの入力(A, B, C)および出力(Y)の論理を 反転 し, all⇔existの入れ替えを行うと,同じ機能となる(ド・モルガン の定理) 14 実際の論理ゲート 74HC00 (2入力NANDゲート 4個入りのIC) 15 ゲート回路の機能を理解する (真理値表の作り 方) ゲート回路: 基本ゲートを組合せた回路 W 方針:出力から入力へ,アクティブ Z になるのはどういうときか,たどる A B Y C (2)W (3)Y アクティブ アクティブ A H H B H X C X H Z L L (1)Zがアクティブ(L)になるのは,入力 W, Yが両方アクティブ(L)になるとき (2)Wがアクティブ(L)になるのは,入力 Aがアクティブ(H)になるとき (3)Yがアクティブ(L)になるのは,入力 BまたはCがアクティブ(H)になるとき X (または*): don’t care ( ドントケア ) LでもHでもどっちでもよいことを表す 16 省略形の真理値表を,きちんとした真理値表へ 出力がアクティブにパターンから,埋めていく A H H B X H C H X Z L L A L H L H L H L H B L L H H L L H H C L L L L H H H H Z H H H L H L H L 17 真理値表を書いてみよう: 多数決回路 3入力 C, B, Aのうち,アクティブ(H)の数が多ければ(2個以上), 出力がアクティブ(H)となる回路 今後,特に断りがない限り,正論理(H=1, L=0)で考える C L L L L H H H H B L L H H L L H H A L H L H L H L H Y L L L H L H H H C,B,Aの 変化: 符号無し 2進数の 昇順 になる ように 書くこと 0 1 2 3 4 5 6 7 C 0 0 0 0 1 1 1 1 B 0 0 1 1 0 0 1 1 A 0 1 0 1 0 1 0 1 Y 0 0 0 1 0 1 1 1 18 真理値表⇒組合せ回路 (1): ANDゲートの作成 真理値表で出力Yがアクティブとなる 各行 (①,②,③,④)に対し,ANDゲートを作成. 0の場合,アクティブ-Lとして,1の場合,そのまま, ANDゲートの入力へ接続. ① ② ③ ④ C 0 0 0 0 1 1 1 1 B 0 0 1 1 0 0 1 1 A 0 1 0 1 0 1 0 1 Y 0 0 0 1 0 1 1 1 C B A 0 1 1 1 1 0 1 1 1 ① C=0,B=1,A=1 のときだけ1 1 ② C=1,B=0,A=1 のときだけ1 0 ③ C=1,B=1,A=0 のときだけ1 1 ④ C=1,B=1,A=1 のときだけ1 回路図の基本ルール: 接続されている配線には,黒丸を描く 19 真理値表⇒組合せ回路 (2): ORゲートの作成 各ANDゲートの出力を,ORゲートに入力する ① ② ③ ④ C 0 0 0 0 1 1 1 1 B 0 0 1 1 0 0 1 1 A 0 1 0 1 0 1 0 1 Y 0 0 0 1 0 1 1 1 C B A 0 1 1 1 1 0 1 1 ① 1 ② 1 ③ ①,②,③,④ どれかが1の とき,1となる Y 0 ④ 1 回路が真理値表通り に動作するか, チェックしてみよう! この方法で,任意の真理値表から,組合せ回路が設計可能!20 NOTゲートを使った場合の回路図 C B A ① ② ③ ④ C 0 0 0 0 1 1 1 1 B 0 0 1 1 0 0 1 1 A 0 1 0 1 0 1 0 1 Y 0 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 1 1 0 1 1 C B A ① 1 ② 1 ③ Y 0 ④ 1 21 まとめ 組合せ回路 入出力信号 正論理(アクティブ-H),負論理(アクティブ-L) 入力パターンの組合せで出力が決まる 真理値表で、機能を表現可能 基本論理ゲート (AND, OR, NOT, NAND, NOR) 真理値表から、組合せ回路を設計する方法を説明 簡単に設計可能 AND, OR, NOTゲートで実現 22 講義の復習・宿題 復習: このPPTを復習する 演習問題 を解く レポート用紙上部に,学番,学年クラス,名前を記入 23
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