辺土名高等学校 環境科 三年 吉元充 賀数飛鳥 笠井龍 コバナヒメハギとは・・・ コバナヒメハギは、 1年を通して咲いて いる。 根は薬品のような 香りがし、ルートビ アみたいだという人 と貼り薬みたいだと いう人がいる。 写真 コバナヒメハギ コバナヒメハギの採集場所 コバナヒメハギは日当たりの良い、 酸性土壌に良く生えるので、国頭村、 大宜味村、東村の林道で採集した。 実験では根のみを使用した。 去年の研究で分かった事 去年、私たちはコバナヒメハギの根の香り成分 について調べた。 【結果】 サリチル酸メチル・サリチル酸・その他フェ ノール性化合物が含まれていることが分かった。 その抽出液がアレロパシー作用(植物成長阻 害作用)を持つことが確認できた。 今回の目的・研究仮説 ①根の抽出物中に含まれているサリ チル酸にアレロパシー作用(植物成 長阻害作用)がある。 ②根の抽出液には抗菌作用がある。 (1)カイワレダイコンを用 いた成長阻害実験 方法 ①容器の中にキッチンペーパー3枚とろ紙を敷く。 ②水道水・蒸留水・サリチル酸水溶液(0.02%, 0.01%,0.005%)をそれぞれ20mLずつ入れ、7日 間栽培する。 ③成長したカイワレダイコンの茎~葉までの長さを 測る。 ※ カイワレダイコンの種子は、1つの容器に20粒ずつま いた。 カイワレダイコンの成長グラフ mm 水道水 蒸留水 サリチル酸 0.005 % サリチル酸 0.01% サリチル酸 0.02 % 水蒸気蒸留法 水蒸気蒸留は、沸点 が比較的高く、水に溶 けにくい有機化合物の 分離に用いられる。 サリチル酸メチルや サリチル酸は沸点が高 く水に溶けにくいので、 この方法での抽出実験 を試みた。 写真 水蒸気蒸留装置 結果 におい 独特な香気(ルートビアやシップ薬)がし、サリチル酸 メチルのにおいであった。 抽出した状態 抽出している様子。はじめは白濁した抽出物が得られた (色など) (写真7)約10 mL得ると水に溶けほぼ無色であった (写真8)。 写真7 白濁した抽出物 写真8 水蒸気蒸留物 ・実験結果から、コバナヒメハギの根にはサリチル酸メチルな どが含まれている可能性があることがわかった。 ・水蒸気蒸留法は水に溶けていて多くの量がなかなか取れない。 ②塩化鉄(Ⅲ)FECL3水溶液でサリチル酸メ チル(フェノール類)の確認 【目的】 フェノール類のヒドロキシル基をもつ サリチル酸メチルは、塩化鉄(Ⅲ)水溶液 を加えると、紫色に呈色する。 コバナヒメハギの抽出物にサリチル酸メ チル等が含まれているか確認するために塩 化鉄(Ⅲ)による呈色実験を行った。 結果 料 サリチル酸 メチル どのような 色か 紫色に呈色した。 試 写真9 写 真 メサ チリ ルチ ル 酸 コバナヒメハギから の水蒸気蒸留物 紫色だが、黒に近く 呈色した FeCl3水溶液を加えた結果 水コ 蒸バ 気ナ ヒ 蒸メ 留ハ 物ギ の 上記の結果から、コバナヒメハギ水蒸気蒸留物に サリチル酸メチルが含まれている可能性が高いこ とがわかった。また、サリチル酸やフェノール類 も多く含まれていることが予想される。 (2)抗菌作用試験 普通寒天培地に水たまりの水 とコバナヒメハギ抽出物を入 れ培養し、コロニー数を確認 する。 【方法】 水たまり10倍希釈0.5 mL 蒸留水0.5 mL 水たまり10倍希釈0.5 mL 水道水0.5 mL 水たまり10倍希釈0.5 mL 抽出液0.5 mL 結果 考察1 カイワレダイコンを用いた 植物成長阻害作用実験では、 サリチル酸にも植物成長阻害 作用が見られた。そのため、 コバナヒメハギの根には植物 成長阻害作用があると言える。 考察2 抗菌活性試験では、根の抽出 液には抗菌作用があると考えら れる。 考察3 コバナヒメハギの根の抽出液 に防虫や消臭作用の効果をもつ 商品の開発が期待できると考え る。 今後の課題 (1)サリチル酸の植物成長阻害作用の 実験でカイワレダイコンの種子数を増 やし、濃度の相関があるかを調べる。 (2)フェノール類の植物成長阻害作用 実験 E N D ご静聴ありがとうございました。
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