数学講究1 第 1回ノート 1 結び目とは

数学講究1 第 1 回ノート
2015 年 4 月 17 日(月)
結び目とは
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1.1
「ほどけないとは」どういうことか?
「結び目ができている」状態と、そうでない状態つまり「結び目のほどけ
た」状態というのはどう違うのでしょうか?
これを見て結び目ができていると考えるのは自然なことだが、
この場合はひもの端がが少ししか出ていないため、ちょっと振っただけで
ほどけてしまいそうです。
また、このように少し引っ張ったらほどけてしまうような結び方もあります。
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このように考えると、結び目ができている状態と、そうでない状態は、どこで
区別すればよいかわからなくなります。そこで次は、ひもの両端を持ったまま
という条件で考えてみましょう。
図1
図2
この図1、2は両端を持って引っ張ると1はほどけるが、2はさらに固く
結ばれてしまいます。ここで、ひもの両端を持ったまま というのがポイント
なのです!もし、ひもの両端を離してよかったら、1も2もほどけてしまい
ます。
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そこで、ひもの両端を持った状態を考えると、
図3
図4
※破線は人を表す
すると、図3は引っ張るとほどけてきれいな円周ができ、図4は円周にな
らない(ほどけない)ことがわかる。
まとめ
図4のような人間もひもの一部と考えてみたときに、ひもを切らない限りき
れいな円周ができないような輪のことをほどけない結び目という。
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1.2
結び目を定義する
1.1 で「ほどけない」という概念ははっきりしました。では、結び目とは何
なのか?
→空間の中にある輪のことを“ 結び目 ”という。
輪を空間の中でどう動かしても、きれいな円周ができないような結び目の
ことをほどけない結び目という。
さらに空間の中で動かして、同じ形にできる結び目のことを同値な結び目と
いう。
※ここでの「同じ形」は大きさは無視します。
ここで、少し同値な結び目の例を挙げてみましょう。
まず、次の結び目はいずれもきれいな円周と同値です(つまり、ほどけるの
です)。
また、次の二つも同値な結び目です。
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それは、次のようにひもを動かすことによって分かります。
まとめ
結び目とは空間の中にある輪のことである。ただし、ひねられてたりして
もよい。
ほどけない結び目というのは、輪を空間の中でどのように動かしてもきれい
な円周にできない結び目のこと。
空間の中で動かして、同じ形にできる結び目のことを同値な結び目という。
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1.3
結び目を描いてみよう
1.2 で説明したように結び目というのは空間の中の輪です。だから紙の上
(平面)に表現するためには工夫が必要なのです。
ではどうやって描くのか?
→ある角度からみた図で描く。
1 重なって見える部分は下のほうを省略。
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2 重なる所が接していたり、3 重以上に重なったりしないように描く。
⃝
ここで注意しなければならないのは、図で結び目を完全に正確に再現する
ことはできないということです。
たとえば、次のようなきれいな円周で表された結び目があったとする。
これを別の場所から見ると、
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このような輪になっているかもしれません。
なぜあいまいになってしまうのか?
→平面上の図だと高さがわからないからです。しかしここでは高さを
適当に調節すればまったく同じにできます。だから空間内の結び目を平面上
の図にしても大丈夫なのです。そしてこのように空間内の結び目を平面上で
表したものを結び目の射影図と呼ぶ。
まとめ
結び目を紙の上に表現するときに、工夫が必要なのは紙の上が平面だから
である。
結び目を描くとき、正確に表現できず、あいまいさが生じる。それは、平面
上の図だと高さがわからないからである。しかし高さを調節すれば同じにで
きるので、不都合はなくなります。
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