Q&A(よくある質問) 外来診察時や手術前に患者さんからよく聞かれる質問をまとめてみました。 <入院編> Q:手術の場合、入院期間はどれくらいになりますか? A:入院期間は疾患の種類や行う手術の内容、また術後の患者さんの状態によ って異なってきます。予定手術の場合は手術日の 2 日前に入院して頂きま す。そして手術から 7 日目以降に創部の抜糸(抜鉤)を行いますが、その時 点で患者さんの全身状態や創部に問題がなければ退院可能となります。中に は術後 3-4 日で退院され外来受診時に抜糸を行う患者さんもいらっしゃいま すが、痛みで食事が入らない、または眠れない等の理由で体調の回復まで 2 週間くらいかかる方もいらっしゃいます。平均すると入院期間は 8-10 日くら いになります。 詳細は脳神経外科ホームページ内の「入院期間の目安」をご覧下さい。 Q:入院費、治療費はどのくらいかかりますか? A:入院費、治療費も各疾患や治療内容によって異なります。疾患名や治療方 針がある程度お分かりになった時点で当院一階正面受付にございます「医事 課」へお問い合わせください。事前に概算をお調べすることができます。ま た大きな手術や長期間の入院等で医療費が高額になる場合には「高額療養費 制度」によって医療費負担額の軽減ができます。 また入院時に個室をご希望の方は別途個室代がかかります。 参考ホームページ 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhok en/juuyou/kougakuiryou/index.html?utm_source=echofon 全国健康保険協会 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151 <手術編> Q:新しい病院ですが手術経験や設備の方は大丈夫ですか? A:当院は 2012 年 8 月 1 日に開院しましたが同月から手術を行っております。 現在までに当院脳神経外科で行った手術症例数は 630 例を超えております。 各種手術に必要な器具、周辺医療機器等は大学病院並み、またはそれ以上に 揃っております。脳腫瘍をはじめ、脳血管障害や三叉神経、顔面痙攣等の機 能的疾患、またてんかん手術を行っており、脳神経外科領域のほぼ全ての手 術を行うことができる環境が揃っています。当院で行った手術内容、症例数 はホームページ内に公表しております。 詳細は脳神経外科ホームページ内の「手術実績」、「主な病気の解説」をご 覧下さい。 Q:手術が決まったら髪の毛を短くした方がいいですか? A:わざわざ髪の毛を短くする必要はございません。 当院脳神経外科では基本的に髪の毛は剃らずに手術を行っております(無剃 毛手術)。場合によっては皮膚切開周囲のみ(部分剃毛)、または皮膚切開 に沿って線状に最小限剃ることもあります。しかし緊急手術の場合にはこの 限りではありません。 Q:頭の手術では髪の毛を剃って「丸坊主」にするのですか? A:皮膚切開や開頭範囲が非常に大きい手術、また緊急手術以外では「丸坊 主」や「丸刈り」にすることはありません。 Q:皮膚はどこを切るのですか?どれくらいの長さを切るのですか?頭蓋骨は どれくらい開けるのですか? A:皮膚切開や開頭(頭蓋骨に穴をあけること)範囲は手術内容、手術部位に よって異なります。小さいものでは 3-4cm の皮膚切開と1円玉くらいの大き さの穴を頭蓋骨にあけます。大きい手術では 25-30cm の皮膚切開と 10cmx10cm くらいの大きな開頭をすることもあります。通常の手術では 15cm ほどの皮膚切開と 5cmx5cm の開頭が多いかと思います。 代表的な皮膚切開をイラストでお示ししております。詳細は脳神経外科ホー ムページ内の「手術手順」をご覧下さい。 Q:鼻の穴から脳の手術ができると聞きましたが、この病院でも行っています か? A:脳腫瘍の手術は腫瘍の大きさ、場所によって頭のいろいろなところからア プローチします。眉間の奥にある「下垂体」周囲の腫瘍(トルコ鞍部腫瘍: 「下垂体」腺腫、頭蓋咽頭腫等)に対しては、小さいものからある程度の大 きさのものまで鼻の穴(鼻腔)からの手術を選択します(経鼻経蝶形骨洞ア プローチ)。左右どちらか一方の鼻腔から手術用顕微鏡を用いて(時には内 視鏡も使用して)腫瘍に到達し、専用の手術器具を用いて腫瘍を取り出しま す。 現在(2015 年1月 31 日)迄にこの手術は 39 例行っております。 手術時に鼻中隔湾曲のある方は同時にその修正もできますので、手術後に鼻 のつまりがすごくよくなったという患者さんも少なくありません。他の部分 の腫瘍と違って、術後から下垂体ホルモンの分泌異常やそれに伴う電解質異 常等がみられることが多いため、少なくとも術後 10 日間は入院のうえ慎重な 術後経過観察が必要になります。当科の大橋医師はこの手術を特に専門とし ており、現在迄に 400 例の執刀(助手を含めると 1000 例以上)経験がありま す。 Q:外した頭蓋骨は元に戻すのですか? A:基本的には元の位置に戻して頭蓋骨固定専用の薄いチタン性のネジとプレ ートで固定します。骨を開けた部分が小さい場合にはプレートのみで穴をカ バーしたり、リン酸カルシウムという医療用セメントで穴を埋めることもあ ります。 Q:どれくらいの数の手術を行っていますか? A: 2012 年 8 月 1 日の開院から現在(2015 年1月 31 日)までに当院脳神経外科 で行った手術症例数は 630 例を超えております。特に脳腫瘍の手術症例が多 いのが当院の特徴となっております(200 例を超えており全体の約 1/3 を占 めております)。脳血管障害(約 150 例)や三叉神経、顔面痙攣等の機能的 疾患(約 80 例)、頭部外傷(約 100 例)はもちろんのことてんかん手術等も 行っており、脳神経外科領域のほぼ全ての手術を行うことができる環境が揃 っています。 当院で行った手術内容、症例数はホームページ内に公表しております。詳細 は脳神経外科ホームページ内の「手術実績」、「主な病気の解説」をご覧下 さい。 Q:手術にはどの医師が入るのですか?何人でするのですか? A:基本的には外来で診察や術前説明を行った医師が手術を担当することにな ります。しかし当院の脳神経外科医にはそれぞれ専門分野がありますので、 専門性が高いと判断された場合には術前検討会(カンファレンス)において 専門医に依頼することもあります。当科では基本的に堀医師、野中医師、大 橋医師が執刀医となります。全医師とも脳腫瘍、脳血管障害、機能的疾患 (三叉神経痛、顔面痙攣)などほぼ全ての領域をカバーしておりますが、そ の中でも特に専門としている分野は以下の通りです。 堀医師:てんかん外科、治療困難症例 野中医師:頭蓋底腫瘍 大橋医師:下垂体腫瘍、内視鏡手術 また多くの手術は執刀医と第一助手の二人、もしくは第二助手を含めた三人 で行っております。 Q:24 時間体制ですか? A:当院では休日や夜間でも必ず脳神経外科医が院内に待機しており、夜間の 救急患者さんへの対応や緊急手術もできる体制を整えております。 Q:緊急手術は行っていますか? A:365 日 24 時間いつでも緊急手術ができる体制が整っております。当院で行 っている手術全体の約 30%(175/610)が緊急手術です。 Q:手術時間はどれくらいですか? A:手術時間は疾患や手術手技によって異なります。最も短いものであれば局 所麻酔(患者さんの意識はあり、切開する部分にのみ痛み止めの麻酔薬を注 射する)を用いた手術になり約 30 分で終了します(慢性硬膜下血腫に対する 「穿頭血腫洗浄ドレナージ術」や脳室内出血、急性水頭症に対する「脳室体 外ドレナージ術」等)。未破裂脳動脈瘤に対する「ネッククリッピング術」 では平均 2-4 時間、くも膜下出血で発症した破裂脳動脈瘤に対するネックク リッピング術では 2-6 時間と症例や難易度によっても幅があります。三叉神 経痛や顔面痙攣に対する「微小血管減圧術」は約 3 時間、下垂体腫瘍に対す る「経鼻経蝶形骨洞アプローチ」は約 1-2 時間、中等度の大きさの頭蓋底腫 瘍に対する腫瘍切除術では約 6-8 時間となります。 また最も長いものであれば大きな頭蓋底腫瘍に対する特殊頭蓋底アプローチ (広範囲頭蓋底腫瘍切除•再建術)で行う手術となり 20 時間近くに及ぶこと もあります。この手術は 2 日にわけてすることが多く、第一日目に皮膚切 開、皮下の骨膜と筋膜を2枚におろす作業、ドリルで頭蓋底の骨を削り腫瘍 到達までの経路を作る、開頭(骨に穴を開けて約 10cmx10cm の骨窓をつく る)までを行います。そして一旦皮膚を閉じて翌日の手術に備えます。この 第一日目の手術時間が約 6-8 時間です。第二日目には前日に作業したところ まではすぐに到達できますので、硬膜(頭蓋骨の内側にあり、脳を包んでい る白くて硬い膜)を切開し、手術開始からまもなくして腫瘍へ到達できま す。頭蓋底の腫瘍はその多くが神経や血管を巻き込んでおり、脳幹への癒着 もありますので腫瘍摘出だけで 5-6 時間かかります。腫瘍が取りきれた後は 頭蓋底の再建(腹部から採取した脂肪を骨削除によって生じた隙間に入れ、 硬膜と前日準備しておいた骨膜−筋膜を縫合することで髄液が漏れないように し、さらに開頭で外しておいた骨を戻してチタンプレート等で固定する)、 皮膚の縫合等で 1-2 時間かかります。 これらはあくまで平均手術時間であり、症例によってもっと早く終えること もあれば予定以上に長くなることもあります。 Q:手術合併症は何%くらいですか? A:「手術合併症」とは「手術にともない、望まない不都合な症状や状態がみ られること」をいいます。お薬にみられる副作用と同じ考え方になります。 これは最大限の注意を払いつつ最善の治療を施してもなお「回避不可能」で あるということになるのですが、そういった意味では医療、医学の限界とも いえます。そのためどこの施設でも「ある一定の確率で生じる」こととなり ます。手術が医療行為の一部であり人間が行う作業である以上、合併症やリ スクをゼロにすることはできません。しかしそれらを限りなくゼロに近づけ る努力は医療に携わるものの責任と考えます。 詳細なデータはありませんが一般的に日本国内における脳神経外科手術(ネ ッククリッピング術や血管内手術等)の合併症発生率は平均して 3-5%程度と いわれています。合併症の内容も多岐にわたりますのでここで全てを挙げる ことはできませんが、手術後に不都合(創部感染、髄液漏れ、出血等)が生 じてその対処の為に再手術が必要になった症例数は現在(2014 年 12 月 31 日)までに 13 例ありました(2.13%)。 国立国語研究所ホームページ「病院の言葉」を分かりやすくする提案 http://www.ninjal.ac.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/teiangoruikei-b/gappeisyo.html Q:手術成績はどれくらいですか? A:手術成績を数値化してどのくらいと点数をつけることはできませんが、少 なくとも日本国内における脳神経外科治療水準以上の成績は保っている自負 しております。例えば、手術後に「手術手技が原因で死に至った」というよ うな症例は当院におきましてはみられておりません。また未破裂脳動脈瘤の 手術後に片麻痺が生じたり、車いすが必要になったりといったような症例も みられておりません。 当院の手術データの一部を統計的に振り返ってみます。2014 年一年間に良性 脳腫瘍の手術が 90 件ありました。それらの中で「脳表から浅い部分に生じた もの、難易度が中等度までのもの」が 35 例ありました(これをグループ A と します)。また「周囲の重要構造物を巻き込んでいるもの、難易度の高いも の、頭蓋底腫瘍とよばれるもの」が 55 例ありました(これをグループ B とし ます)。グループ A においては全摘出できた割合が 88.6%、グループ B では 全摘出できた割合は 81.8%でした。つまり脳腫瘍においては難易度の高いも のも含めて 8 割以上の脳腫瘍が全摘出されていることになります。 またクモ膜下出血で運ばれてきた患者さんのうち、手術を行った方が現在 (2015 年 1 月 31 日)までに 32 人いらっしゃいます。治療を終え元の生活に戻 られた方が 25 名(78.1%)、何らかの障害があるものの身の回りのことはご自 分でできる方が 2 名、介助が必要な方が 4 名、そして全身状態の悪化でお亡 くなりになられた方が 1 名いらっしゃいました。一般的にクモ膜下出血を発 症された患者さんのうち、何不自由なく元の生活に戻れる方は約 20-30%程度 といわれておりますが、当院では 80%近くの方が社会復帰されております。 その他、手術後に不都合(創部感染、髄液漏れ、出血等)が生じてその対処 の為に「再手術が必要になった症例数」の手術総数に占める割合で示します と 2012 年が 1.27%(79 例中 1 例)、2013 年が 1.75%(228 例中 4 例)そして 2014 年が 2.64%(303 例中 8 例) という値になります。 「良性腫瘍」、「未破裂脳動脈瘤」、また「三叉神経痛や顔面痙攣」の患者 さんの方々では手術後、基本的にほぼ全員が元の生活に戻れます。しかし 「良性腫瘍であっても腫瘍が重要な部分に接している、または周囲の神経や 血管を巻き込んでいるような腫瘍」、「非常に大きいサイズの頭蓋底腫 瘍」、「悪性腫瘍」、また「くも膜下出血や頭部外傷等」で手術を受けた患 者さんの方々の場合には、術後にリハビリテーションが一時的または長期的 に必要になることもあります。 Q:手術後すぐに目が覚めますか? A:手術終了と同時に麻酔薬の投与を中止しますので、ほとんどの方は 5-10 分 程度で目が覚めます。しかし個人差があり、中には 30 分以上かかる方や呼び かけると開眼するもののすぐに閉じてしまう方もいらっしゃいます。最終的 には呼吸状態や血圧等が安定したのを確認して手術室を出ることになりま す。 Q:手術後何日くらいで歩けるようになりますか?お風呂に入れますか?頭を 洗うことができますか? A: 通常手術翌日まではベッド上で安静にして頂きますが、術後 2 日目からは お元気な方であればトイレまでは歩いてもらっています。術後 72 時間経過し たのちはシャワーも OK となり頭髪もシャンプーで普通に洗って頂いていま す。 Q:手術した傷の痛みはどのくらいの間続きますか? A: 痛みの感じ方は患者さんによってそれぞれですので、術直後の目が覚めた 時点から強い痛みを訴える方もいらっしゃいますが、それほど痛みを感じな い方も中にはいらっしゃいます。手術後に生じる「痛み」にはいくつかござ います。皮膚切開を行った周囲の痛みの他に、創部とは関係ない部分の痛み を生じることがあります。これは全身麻酔で患者さんが眠った後に皮膚切開 を加える部位とは反対側の側頭部、後頭部等の三カ所をピンで固定するため です。その部分の痛みの方が創部よりも痛いといわれる方もいらっしゃいま す。 その他前頭部から側頭部にかけて皮膚切開を行う場合には、皮膚直下にあり ます側頭筋という下顎を上下させる筋肉にも切開を加えますので食事の際 (咀嚼時)に痛みがみられ、そのため口が大きく開かなかったりします。 また長時間の手術の場合には何時間も同じ姿勢をとっていることになります ので、頚や肩、腰、その他ベッドに接していた部分の痛みを訴えられる方も いらっしゃいます。しかしほとんどの痛みは徐々に改善してきます。 痛み止め(鎮痛薬)として坐薬、点滴、飲み薬がありますので患者さんの状 態にあわせて投与します。通常術後 3 日くらいたつと痛み止めを飲むほどで はないといわれる方が多いです。痛みに非常に敏感な方でも1週間以上鎮痛 薬を必要とされることはまれです。 ただし、慢性的な痛みや創部のつっぱり間、創部周辺の感覚が鈍い等の症状 は個人差があり、数ヶ月で落ち着くこともあれば永続的に残ることもありま す。 Q:手術の傷は目立ちますか? A:手術の皮膚切開は頭髪の生えている範囲内で行いますので髪の毛で隠れる ことがほとんどです。しかし生え際が薄い方や、頭髪が少ない方では多少目 立つこともあります。また耳の後ろに皮膚切開をおく場合には生え際よりも すこし外側へ切開を延長することもあります。 また患者さんによって頭部の皮膚の厚さが異なりますので、特に皮膚の薄い 方では手術後数ヶ月から数年経過した後、頭蓋骨に穴を開けた部分が皮膚の 上から分かるくらいに凹凸ができることもあります。また側頭筋の萎縮の程 度によってはこめかみ周囲が少しへこんだようになることがあります。 Q:脳の手術後は日常生活で何か気をつけることはありますか? A:各疾患によって気をつけることは異なります。開頭術を受けた患者さん全 員に共通して注意して頂くこととして「術後数週間は激しい運度は避けて頂 く」、「頭部打撲をしないように気をつけて頂く」、「創部がきれいに落ち 着くまでは水泳、パーマ、髪を染めること等を控えて頂く」等になります。 またとくに「術後てんかん」が生じる可能性のある手術を受けられた方では 「車の運転や危険を伴う機械の操作、または高所での作業等は許可が出るま で控えて頂く」、「階段、電車のホーム、横断歩道周辺では注意して頂 く」、「浴槽につかる場合には浅めにして頂く」等があります。 Q:術後てんかんとはどういったものですか? A:「てんかん」とは様々な原因によって脳の神経細胞が異常興奮し、それに よって脳の機能が一時的に障害され、その結果様々な神経症状を引き起こす ことです。具体的には、体の一部や全身の震え(痙攣)、脱力、意識障害、 異常感覚、記憶障害などが突然みられます。この発作は数秒から数分続き、 発作後には一時的に手足の麻痺が見られたり、意識がもうろうとすることも ありますが、回復すると普段の状態にもどります。 「術後てんかん」とは手術によって脳にダメージが生じた際、また脳腫瘍等 を脳の神経細胞から切除した際等に、術前にはみられなかった「てんかん発 作」が手術を契機にみられるようになることをいいます。いかなる開頭術に おいても術後てんかんが生じる可能性があり、手術合併症の一つといえま す。しかし開頭術を受けた患者さん全員に生じるわけではありません。術後 てんかんが生じる可能性が低い手術と高い手術があります。術後てんかんは 完全に防止できるわけではなく、また発作予防に関して具体的な方法を示し たガイドラインがあるわけでもありませんが、手術直後から抗痙攣薬を投与 することでその発症リスクが抑えられるといわれています。 Q:頭の手術をした後は飛行機に乗れますか?車の運転はできますか?スキュ ーバダイビングはできますか? A:手術の種類にもよりますが基本的には手術後に飛行機に乗ることは全く問 題ありません(外減圧術という頭蓋骨の一部を外すような特殊な手術を行っ た患者さんの場合は乗れません)。車の運転には非常に高度な判断力が必要 とされ大きな責任が伴うため、開頭術後はしばらく(3−6 ヶ月ほど)運転を 控えて頂くこともあります。術後てんかんが生じる恐れのある方は観察期間 が長くなりますが、実際にてんかんが見られた場合には抗てんかん薬を内服 して頂き、その後 2 年間発作がみられない時点で運転許可を考慮することと なります。水泳やスキューバダイビングにつきましても退院後しばらく外来 通院をして頂きながら慎重に判断を行いますが、術後てんかんがみられるよ うな場合には禁止せざるを得ません。 いずれの場合も術後の患者さんの状態によって個別に判断しております。 Q:この病院が専門(得意)とする病気、手術はどのようなものですか? A:新百合ケ丘総合病院脳神経外科では脳神経外科領域のほとんどの疾患を幅 広く診療しております(小児奇形疾患、小児悪性腫瘍は除く)。手術症例で 最も多いのは現在のところ脳腫瘍症例になります。下垂体腫瘍、神経鞘腫、 髄膜腫等の良性頭蓋底腫瘍につきましては、新設の病院でありながら短期間 のうちに数多くの症例数をこなしており、良好な治療成績を残しておりま す。特に「鼻腔から手術を行う下垂体腫瘍」や「頭蓋底腫瘍に対する特殊頭 蓋底手術アプローチ」は当院の専門領域としております。その他破裂、未破 裂脳動脈瘤に対するネッククリッピング術や片側顔面痙攣、三叉神経痛等に 対する微小血管減圧術も徐々に症例数が増加しております。 Q:Duke 大学の福島孝徳先生の診察を受けることはできますか? A:当院では福島医師の外来診察は行っておりません。福島医師の診察をご希 望の方は東京都千代田区大手町にございます「東京クリニック」をご案内し ております。 東京クリニックホームページ http://www.tokyo-cl.com 福島記念頭蓋底脳腫瘍センター http://www.shinyuri-hospital.com/hospital/fukushima-kinen.html 脳神経外科医 福島孝徳 公式サイト http://dr-fukushima.com Q:Duke 大学の福島孝徳先生の手術を希望することはできますか? A:手術が必要な患者さんであればもちろんどなたでも福島医師の手術を希望 することができます。しかし日本全国から数多くの治療困難な疾患をお持ち の患者さんがお越しになるため、常に「順番待ち」の状態であります。その 為その中でも治療困難例、または急いで治療が必要な患者さんを優先して手 術予定を組んでおります。 また福島医師の当院における手術は 2−3 ヶ月おきに予定されておりますので いつでも手術可能というわけではございません。福島医師の来日を待ってい られないような切迫した状況の患者さんも時にはいらっしゃいますが、その ような場合は常勤医で手術を担当することとなっております。 限られた手術スケジュールの中で治療困難症例の手術を行う為、このような システムにしております。 Q:Duke 大学の福島孝徳先生の手術を希望した場合特別料金が必要ですか? A:治療は全て保険診療内で行われますので特別料金などはございません。た だし数ヶ月前から手術予定に合わせて病室を押さえておく必要があるため、 「個室入院」をお願いしております。 Q:他の病院で手術ができないと言われましたが本当にできないのでしょう か? A:「手術ができない」には二通りの意味があると思われます。一つは手術適 応がない場合(病期が進行しており末期の状態、全身麻酔に耐えられない、 手術ができる場所ではない、本来手術治療を行う疾患ではない等)、そして 二つ目は手術を行う技術、経験、設備等がない場合になります。診療情報提 供書(紹介状)と MRI 画像等をお持ちのうえ外来へお越し頂ければ詳しくお 話ができると思います。 Q:セカンドオピニオンを受けることはできますか? A:「セカンドオピニオン」とは診断名や治療方針について、現在かかってあ る病院(主治医)以外の他の医療機関へ意見を求めることをいいます。特に 治療方針については施設ごとに意見が分かれることはよくあることですの で、「担当医からの説明に納得がいかない」、もしくは「他の医師の意見を 聞いて決めたい」等のご希望があれば、現在の担当医へ「診療情報提供書」 の作成を依頼して頂き、画像等のデータとともに持参していただくことで基 本的にどこの医療機関でも受診できます。 当院では他院からのセカンドオピニオンも受けておりますし、当院から他院 へのセカンドオピニオンも行っております。病院代表(044-322-9991)へお電 話していただき、御予約のうえお越し下さい。ただしセカンドオピニオン外 来には病院ごとに特別診察料が設定されております。 Q:脳ドックを受けたら未破裂脳動脈瘤があると言われました。すぐに手術が 必要ですか? A:未破裂脳動脈瘤が見つかった場合、その治療方針決定には動脈瘤の大き さ、形状、できた場所等によって総合的な判断が必要となります。未破裂脳 動脈瘤が見つかったからといって全ての方が治療を必要とするわけでありま せん。治療適応については各医師によってまた施設によって意見が分かれる ことが多いのも事実です。 詳しくは脳神経外科ホームページ内にある「主な病気の説明」から「未破裂 脳動脈瘤」をご覧下さい。 Q:未破裂脳動脈瘤の治療には開頭手術(ネッククリッピング術)と血管内治 療(カテーテル治療、コイル塞栓術)があると聞きましたがこの病院ではカ テーテル治療を受けることはできますか? A:当院には脳血管内治療を専門とした常勤医はおりませんが、他院から専門 医を招聘しており現在迄に 12 例の未破裂脳動脈瘤に対しコイル塞栓術を行っ ております。 Q: 動脈瘤の治療には開頭手術(ネッククリッピング術)と血管内治療(カ テーテル治療、コイル塞栓術)のどちらの治療がいいですか? A:一概にどちらの治療がいいとは言えず、それぞれに利点欠点があります。 また動脈瘤の形状、大きさまた患者さんの希望等によっておすすめできる治 療も異なってきます。 詳しくは脳神経外科ホームページ内にある「主な病気の説明」から「未破裂 脳動脈瘤」をご覧下さい。 Q:脳ドックを受けたら脳腫瘍があると言われました。すぐに手術が必要です か? A:脳腫瘍の場所、大きさ、画像上の特徴、症状の有無、患者さんの健康状態 等で総合的に判断して治療方針が決まります。脳腫瘍をお持ちの患者さん全 てに手術が必要というわけではありません。まずは MRI 画像等をお持ちにな り外来へお越し頂ければ詳しくお話ができると思います。 詳しくは脳神経外科ホームページ内にある「主な病気の説明」から「脳腫 瘍」内の「脳腫瘍がみつかったら」をご覧下さい。 Q:小児の手術は行っていますか? A:当院の小児科、麻酔科の協力のもと、現在迄に 5 歳以下の小児の手術を 3 例ほど行っております。いずれも脳腫瘍の患者さんで術後経過も良好です。 腫瘍の種類によっては当院で治療可能な場合と他施設をご紹介する場合がご ざいます。まずは MRI 画像等をお持ちになり外来へお越し頂ければ詳しくお 話ができると思います。 Q:県外からですが紹介状があれば治療をうけることはできますか? A:当院には日本各地から患者さんがお見えになっております。まずは MRI 画 像等をお持ちになり外来へお越し頂ければ詳しくお話ができると思います。 Q:手術でよくなる認知症があると聞きましたがここではそのような手術をお こなっていますか? A: 手術でよくなる認知症の代表例として「慢性硬膜下血腫」、「正常圧水頭 症」があります。これらの疾患はいずれも認知症のような症状や歩行障害等 を呈します。これらが原因で認知症を来しているのであれば、手術によって 改善する可能性は高いです。また稀に脳腫瘍による脳への圧迫で認知症を来 すこともあります。いずれも当院で手術を行っておりますし、実際に認知症 が改善した方が何人もいらっしゃいます。 Q:この病院で治療ができないような場合はどこかに紹介して頂けますか? A:もちろん患者さんやそのご家族のご希望があればどこの病院へでも紹介状 と画像検査データをご準備致します。また他院へのセカンドオピニオンにつ きましてもいつでもお申し出下さい。 Q:脊髄疾患、脊髄腫瘍の治療は行っていますか? A:頭蓋頚椎移行部と呼ばれる上位頚髄の病変につきましては当科で治療を行 っております。脊髄腫瘍につきましては当院に「脊椎脊髄外科」がございま す。四名の脊椎脊髄外科専門医が常勤しており多くの手術症例をこなしてお ります。 脊椎脊髄末梢神経外科ホームページ http://www.shinyurihospital.com/department/11_sekituisekizui/index.html
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