5月 ●0歳児 絵本であそぼ! 絵本『こちょこちょこちょ』 絵本『こちょこちょこちょ』の絵本を読み始めると、子ども達の表 情はなんともいえないほどいいお顔になります。「くすぐっちゃおう」 と、絵をこちょこちょすると、見ている子ども達もにっこり笑い、 「も うすぐ先生がしてくれるぞ」と期待して待っているのがわかります。 読み進め最後に「今度はみんなも、こちょこちょこちょ」と読みなが ら一人ひとりにこちょこちょすると、 「待ってました」とばかりに体をよじらせて笑っていま した。自分達でも絵本を手にすると、ページをめくって笑ったり手を動かしてみたりして子 ども達の大好きな絵本の一つになったようです。 絵と音の世界を通して、絵本は大人と子どもの心と心が寄り添い、信頼関係を作っていく 手助けをしてくれます。そして何よりも子どもたちの素直な声を聞くことのできる玉手箱の ようです。こんな心地いい時間をこれからも作りだしていこうと思います。 ■1歳児 絵本『どろんこももんちゃん』 絵本を読んでもらえると分かると、自然に子どもたちは集まってくれ ます。「おはなしさん、おはなしさん・・・」と読み聞かせの歌をうた うことも大好きです。 大好きな絵本は繰り返し読みます。次に何が出てくるのかが分かるか らこそ、おもしろいみたいで、毎回同じところで笑ったり、めくる前に 次のものを言ったりします。 『どろんこももんちゃん』絵本を読んで、保育士がももんちゃんになって登場すると「もも!!」 と保育士のお面と絵本の表紙を見合わせてにっこり。ももんちゃんから一つずつタライを渡し、 「一緒に“どろんここねこね”しよう!」とみんなで園庭に元気良く飛び出しました。子どもた ちと一緒にタライに水を汲んで砂場まで運ぶと、ジャーと水をこぼしたり、穴にたまった水を触 って冷たさを感じていました。水を含んだ泥の感触に大喜びで、手で叩いたり、お皿に入れたり と思い思いに楽しんでいました。暑くなり、どろんこあそびが更に楽しくなる季節になります。 絵本の見立て・つもりあそびと重ねて活動の楽しさを膨らませていきたいと思います。 ●2歳児 絵本『ゆかいなかえる』 絵本『10ぴきのかえる』ごっこ遊びを楽しんでいる子ども達の世界がもっと広がっていった ら楽しいだろうなと『ゆかいなかえる』という絵本を読んでみました。たまごからオタマジャク シになり、かえるに成長しいろんな生き物と楽しく遊んでいるゆかいなかえるたちのお話です。 『みずのなかに ぜりーのような たまごが』という言葉で始まっています。その言葉を読むと 『ぜりーのようなたまご?』と興味深そうに何度も繰り返していました。ゼリーもたまごも知っ ているけれど、 『ゼリーのようなたまごってなんだろう』と一生懸命イメージしようとしていたの かもしれません。 その言葉に興味を持ってくれたので、子ども達とかえるのたまごを見つけにいきましたが、残 念ながら見つけることはできませんでした。また、かえるのたまごを見つけにいきたいと思いま す。 てんとうむしさんとだんごむしさんと遊んだね(遠足) 絵本『10ぴきのかえる』を読んで、かえるさんに変身した子ども達。 そこへ、てんとうむしのてんてんちゃんが現れ、 「一緒にかけっこしよう」 と言いました。てんてんちゃんが大好きな子ども達が「いいよ!!」と言 ってくれたので一緒に温泉広場へ出発しました。温泉広場に着くと、さっ そくかけっこです。「てんてんちゃんの所までヨーイドン!」で「てんて んちゃーん」と言っててんてんちゃんの胸に飛び込んでいっていました。 次に現れたのはだんご虫のころちゃんです。 「ころちゃんだ~」ところちゃんの所に駆け寄って いった子ども達。今度は、ころちゃんと一緒にかくれんぼをしました。初めはころちゃんが隠れ ました。 「もういいかい~」 「まーだだよ~」の掛け合いをしながらも早く見つけに行きたくて「ま だ?」「まだ?」と一緒に隠れていた保育士に何度も聞いていました。「もういいよ~」と言われ た時にはもう嬉しくてわれ先へと走っていってしまいました。 次は子ども達が隠れる番です「まーだだよ」と言いながら座って身体を丸めて顔を一生懸命か くして物陰に隠れている姿がとても可愛かったです。 てんてんちゃんところちゃんと遊んで、 「てんてんちゃんとヨーイドンしたね」 「○○もしたね」 「ころちゃんもういいかいしたね」など会話を楽しみながら保育園に帰って朝から楽しみにして いたお弁当を食べました。 ◆3歳児 絵本『ばったのぴょんこちゃん』 ばったのぴょんこちゃんになって散歩に出かけました。 「ぴょんこち ゃんは皮ぬいで大きくならしたもんね」といいながらジャンプをした り軽やかに先を進んでいくと「バサッバサッ」とカラスが飛んできま した。 「あっ○○カラスがきた」と子ども達!。「食べられる」と言い ながらみんな顔を隠してかくれました。カラスが行ってしまうと「あ ー怖かったね」 「見つからなくてよかった」とバッタの気持ちになってドキドキしながら先を進み ました。途中にはバッタの天敵くもがクモの巣をはって待っていました。 「ここを通してほしかっ たら引っかからないようにして行ってみろ」「できないだろう…」とクモがいうと「できるもん」 と子ども達も怖がりながらも一人ずつくぐりぬけました。 怖くて先に進めない子がいると「がんばれー」と応援の声も飛び出し全員無事に渡ることがで きました。「よかったね」とみんなで拍手をしました。「みんなもぴょんこちゃんみたいに少し大 きくなったんじゃない」と言うと「うん」と嬉しそうな子ども達でした。 お堂さんに着くとお友達“おんぶばったくん”がいて一緒にジャンプ遊びやだるまさんが転ん だをして遊びました。 ぴょんこちゃんの脱皮 いつものように朝からバッタを覗き込んでると…何やら白いものが草の所についていました。 よく見てみると足や触覚もあり“バッタの脱皮”でした。 「みんななにかついているよ」と言うと 「くさじゃない?」と子ども達!。私が「草かな?なんか形があるね…」と言うと「あっ、もし かして、ぴょんこちゃんがお洋服を脱がしたんじゃない」「すごーい」「よる寝てる時にみんなで 脱がしたとばい」とみんなで言い合っていました。すると一人の子が絵本『ばったのぴょんこち ゃん』を持ってきて「これとおんなじだ」と絵本と比べながら見ていました。 「お父さんみたいに 大きくなるんだもんね」と言いながら子ども達もとても嬉しそうでした。 3度目の脱皮では大きな羽が背中に付き大人のバッタに成長しました。 「お父さんみたいになっ とらすね」 「羽が大きい」と図鑑を見ながら確かめていました。バッタの成長を「すごいね」と喜 びあっていた子ども達でした。 ◆4・5歳児 絵本『ましろとからす』 みんなで遠足だ!と意気揚々と日奈久峠に向けて歩いていると、 カラスさんに出会いました。 「かー」 と近づいてくると「からすだー」 と喜ぶりんご組。 「あーゆかり先生だ」と現実的なぶどう組さん。で も「ゆかり先生は熊を見つけにいったのよ」という声に「ちがうか らすだ」と言い直す姿も。 からすさんが「ぶどう組さん、りんご組さんこんにちは!」「みんないい物もっているね、 その水筒ちょうだいよ」というと絵本のフレーズを覚えている子どもたちは「だめだよ あ げないよ」という子どもたち。そんなやり取りを楽しみつつ、からすさんが「実はましろに 持っていこうとした鈴を落としてしまったんだ。困ったよ~」というと「一緒に探してあげ る」と快く答えてくれたので、一緒に探す事にしました。草むらを探したり、落ち葉の下を 探したり「あれーないなどこだろう」「きらきらひかるよね」「どこにもないよ」と言ってい ると、ほら穴があり、 「もしかしてこの中にあるかも」 「風で飛ば されたんじゃない」「でも鈴は硬いから風では飛ばないよ」と科 学的に答える子も。でも怖くて「怖い」と逃げる子どもたち。み んなで勇気をだして見に行けば見つかるかもと、勇気があるぶど う組さんから探します。 途中まで行くとやっぱり怖くて逃げるように出てきたり、「や っぱりないよ~」と逃げ出すように出てくるこどもたち。だけどほら穴にもだんだん慣れて きたころ、 「なんか音がしたよ」と保育士がいうと、じーっとほら穴を見つめ、そこに光って いるものがある」と見つけたので、もう一度勇気を振り絞って行 ってみると、見つける事ができて、喜びにあふれていました。 その後、らすさんに鈴を渡し、 「ましろのところに持っていって ね、ばいばーい」とからすさんを見送っていた子どもたちです。 見送ったあと「暗い所で泣きそうだったけど泣かんかったよ、 だって力をあわせたからね」「だって来年一年生だもん」「1回目は怖かったけれど、2回目 は怖くなかったよ」「鈴が見つかってよかった~」「あのカラスゆかり先生に似ていたよ」と くさんお話をしてくれました。 次の日の連絡帳では、 「遠足ドキドキの遠足だったんですね、○○もずーっとお話してくれ ました」 「夕食中にカラスに鈴を渡したと話していると、一羽のカラスが、カァーカァーとだ け鳴いて去っていきました。みんなのお家にお礼を言ってまわっているんだね、ということ になりました」と報告していただき、子ども達の創造の翼の広がりに驚かされるばかりです。 次回もとっても素敵なごっこ遊びが出来るようにと考えていますので、お楽しみに!
© Copyright 2024 ExpyDoc