InertCap News Vol.24 2015年11月号 InertCap 5MS/NPを用いた「味噌」の代謝物分析 穀物を発酵させて作る「味噌」、「日本酒」、「醤油」等は、微生物がもつ酵素によりアミノ酸、有機酸、 糖などの様々な有効成分が含有されています。今回は、「味噌」の有用成分を抽出、誘導体化し、 GC-MSで代謝物の分析を行いました。 「日本酒」、「醤油」の代謝物分析は、テクニカルノート No.84を参照してください。 「前処理の手順」 味噌 10 mg 1000 μL メタノール/水/クロロホルム(5/2/2, v/v/v) 内部標準物質 混合 インキュベーション(37 ºC, 30分) 遠心分離(16000 ×g, 4 ºC, 3分) 上澄み液 800 μLを別のマイクロチューブに採取 400 μL 蒸留水 遠心分離(16000 ×g, 4 ºC, 3分) 上澄み液 50 μLを別のマイクロチューブに採取 遠心濃縮(室温 120分) 凍結乾燥(12時間) 100 μL メトキシアミン塩酸塩 (20 mg/mL, ピリジン溶液) 振とう(30 ºC, 90分) 50 μL MSTFA (Cat.No. 1022-11061) 試薬は1 gのアンプル封入 (10本入り)になっています。 アンプルには切れ込みが 入っているので、カッターを 使用せずそのまま手であけ ることが可能です。 また、一般的に、シリル化は 水の存在により反応が進ま ない場合がありますので、使 い切りをお勧めします。 振とう(37 ºC, 30分) バイアルに移す サンプル量が少ないので、 インサート一体型バイアル を使用すると便利です。 GC/MS インサート一体型バイアル Cat.No. 1030-51028 セプタム一体型キャップ Cat.No. 1030-51227 「分析例」 測定条件 装置 キャピラリーカラム (x1,000,000) 5.0 TIC 4.5 4.0 試料導入法 気化室温度 カラムオーブン温度 キャリヤーガス セプタムパージ流量 スプリット比 インターフェイス温度 イオン源温度 測定モード 試料導入量 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 : GC-MS : InertCap 5MS/NP 0.25 mm I.D. × 30 m df = 0.25 µm (Cat.No. 1010-18642) : スプリット 75 kPa 圧力一定 : 230 ºC : 80 ºC(2 min) - 15 ºC /min - 330 ºC(13 min) : ヘリウム : 5 mL/min : 1:25 : 250 ºC : 200 ºC : Scan m/z = 85~500 : 1 μL 1.0 0.5 0.0 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 0.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 GC関連情報 http://www.gls.co.jp/gc.html GCアプリケーション検索(InertSearch) http://www.gls.co.jp/technique/inertsearch_gc/freeword.php 11.0 Isocitric acid + Citric acid Arabitol Ribitol(I.S.) Glutamic acid_3TMS Phenylalanine_2TMS Serine_2TMS Leucine_2TMS Valine_2TMS 1.0 Isoleucine_1TMS 2.0 Lactic acid 3.0 Leucine_1TMS 4.0 4-Aminobutyric acid 5.0 Erythritol Aspartic acid_3TMS Pyroglutamic acid_2TMS 6.0 Unknown_Amine like 7.0 Threonine_3TMS 8.0 Serine_3TMS + Alanine_3TMS 9.0 Threonine_2TMS + Isoleucine_2TMS Proline_2TMS Succinic acid(or anhydride) + Glycine_3TMS Phosphate + Glycerol (x100,000) TIC 12.0 ピーク同定は保持指標とマススペクトルを利用し ており、InertCapの代謝物ライブラリー(GCテクニ カルノートNo.81)とNISTを用いて行っています。 InertCapは ジーエルサイエンス社の登録商標です。 弊社新製品情報を随時更新しています。 http://www.gls.co.jp AA498-20150801PDF
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