8.鉱物資源マテリアルフロー2014 ニッケル(Ni)

1.需給動向
1-1.世界の需給動向
ニッケルの最大の用途はステンレス鋼への添加材であり、フェロニッケル(以下 FeNi)が主に用いられてい
る。ステンレスの防錆効果はクロムやモリブデンが担うが、ニッケルはオーステナイトの組織を安定化させる
ほか、耐熱・耐寒性の向上や粒間腐食防止などの機能を有するため、結果として防錆効果を高める。
ニッケル地金は特殊鋼(LNG タンク用9%ニッケル鋼、構造用合金鋼の一部)、ガスタービン用ニッケル基耐
熱合金、メッキ等で利用されている。
硫酸ニッケル、水酸化ニッケル、酸化ニッケル等のニッケル化合物は磁性材料(主にアルニコ磁石材料)、
電池材料(ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムイオン電池正極材)、触媒材料として使用さ
れている。
なお、1 次ニッケルとは製錬・精錬所の生産物で(製錬・精錬所以外の)消費者がそのまま使用できる形態
の物を指す。1次ニッケル対象物は、ニッケル地金、FeNi、焼結酸化ニッケル(冶金用)、ユティリティニッケル、
ニッケル銑鉄(ニッケルピグアイアン、以下 NPI)、酸化ニッケル(化学用)、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸
ニッケル、酢酸ニッケル、水酸化ニッケル、その他のニッケル塩・化合物となる(出典:International Nickel
Study Group ウェブサイト等)。
世界のニッケルの需給(地金生産・消費、鉱石生産)を表 1-1、図 1-1、図 1-2 に示す。
2013 年の世界の 1 次ニッケル生産量は前年比 111%の 1,943 千 t、消費量は前年比 107%の 1,767 千 t、ニ
ッケル鉱石生産量は前年比 111%の 2,512 千 t であった。1 次ニッケル消費は中国を中心とする堅調なステン
レス需要に支えられ増加した。
世界的にニッケル資源は硫化鉱と酸化鉱(ラテライト鉱)に分類される。硫化鉱は主にニッケル地金生産に、
酸化鉱は FeNi 及び NPI を始めとして多様な品目の生産に利用される。硫化鉱を主に産出するのは、ロシア、
カナダ、中国、南アの 4 カ国である。豪州、ブラジルは硫化鉱、酸化鉱の双方を産出する。酸化鉱を主に産出
するのはフィリピン、インドネシアである。資源量は 2012 年段階で硫化鉱 28%、酸化鉱 72%と酸化鉱の方が
多い。1990 年代には硫化鉱の生産量が圧倒的に多かったが、年々硫化鉱の生産量が減少する一方、酸化鉱
の生産量は増加し、2011 年には酸化鉱が生産割合で硫化鉱を逆転した。
酸化鉱は需要増加に伴い採掘量は増加しているものの、鉱石品位は低下している。5 年程前までは酸化鉱
の高品位鉱はニッケル純分が 2.3~2.5%であったが、近年は 2%以上(以前は低品位鉱の位置づけ)が高品
位鉱となっている。鉱石品位低下の影響を受け、国内で生産される FeNi のニッケル純分率も低下している。
ニッケル鉱石生産ではインドネシアが全体の 32%を占めており、以下、フィリピン(13%)、ロシア(11%)、
豪州(9%)、カナダ(9%)、N カレドニア(6%)と続いている。
ここ数年はインドネシアのニッケル鉱石生産量が急増しており、2013 年におけるインドネシアのニッケル鉱
石生産量は前年比130%となった。中国における NPI 生産量の拡大に伴い、インドネシアのニッケル低品位鉱
石の生産量が急増したこと、2014 年 1 月からインドネシアがニッケル鉱石の禁輸を実施することを踏まえた駆
け込み需要が背景にある。
鉱石生産量 2 位であるフィリピンでは、2013 年の鉱石生産量がほぼ前年並みとなる前年比 99%となった。
世界におけるニッケル鉱石生産量の伸び代の大部分をインドネシアが享受したうえ、フィリピンの鉱石はニッ
ケル品位の低さとバラつきがネックとなった。しかし、インドネシアの禁輸実施に伴い、フィリピンが中国NPI原
料となるインドネシアの代替先として注目されている一方で、2014 年 9 月にはフィリピンにおいて未加工鉱石
の輸出を禁止する法案が提出されるなど、いずれの国がインドネシアの代替国となるか見通しにくい状態が
続いている。
ニッケル(Ni)
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鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
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表 1-1 世界のニッケル需給動向
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
アフリカ
56
58
55
49
42
36
36
36
41
59
143%
3%
1 北南米
316
312
319
317
305
234
223
268
295
278
94%
14%
次
中国
76
95
132
199
200
254
332
435
519
694
134%
36%
Ni
日本
169
164
152
162
158
144
166
157
170
178
105%
9%
生 アジア その他
8
7
14
19
34
40
39
39
50
126%
3%
産
小計
253
267
299
379
379
432
538
631
728
921
127%
47%
1)
欧州
461
482
498
514
510
444
502
514
513
495
97%
25%
オセアニア
165
169
165
156
142
168
141
150
174
190
109%
10%
合計
1,251 1,274 1,350 1,416 1,378 1,314 1,440 1,600 1,752 1,943
111%
100%
アフリカ
46
48
55
34
27
32
24
24
25
23
93%
1%
北南米
165
170
180
171
161
122
153
165
166
170
102%
10%
1
中国
144
195
234
330
360
443
575
704
770
900
117%
51%
次
日本
195
180
181
169
158
121
149
152
133
130
98%
7%
Ni アジア インド
16
16
18
33
32
32
34
35
43
41
95%
2%
消
その他
229
218
214
159
139
165
172
160
157
156
99%
9%
費
小計
583
609
647
691
688
760
929 1,051 1,102 1,226
111%
69%
1)
欧州
455
468
484
424
408
318
356
365
360
346
96%
20%
オセアニア
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
100%
0%
合計
1,246 1,249 1,401 1,323 1,286 1,234 1,465 1,607 1,656 1,767
107%
100%
インドネシア
153
156
157
229
193
191
217
227
622
812
130%
32%
フィリピン
17
29
65
91
84
140
184
319
318
316
99%
13%
ロシア
289
289
290
294
287
275
274
270
269
276
103%
11%
豪州
187
189
185
185
200
166
170
215
244
234
96%
9%
鉱 カナダ
187
200
233
255
260
135
160
219
205
223
109%
9%
石 Nカレドニア
118
112
103
125
103
93
130
131
132
150
114%
6%
生 中国
76
73
82
66
79
85
80
90
93
98
105%
4%
産 ブラジル
45
36
37
37
37
36
54
75
90
77
86%
3%
2)
キューバ
72
72
74
74
67
65
65
69
68
62
90%
2%
南ア
40
42
42
38
32
34
40
43
46
51
112%
2%
コロンビア
49
53
51
49
42
52
49
38
52
49
96%
2%
その他
109
122
129
127
116
91
104
129
131
163
125%
6%
合計
1,341 1,373 1,447 1,572 1,499 1,363 1,527 1,824 2,268 2,512
111%
100%
出典:1)International Nickel Study Group「World Nickel Statistics( 国際ニッケル研究会)No.8 August2014」
2)World Bureau of Metal Statistics 「World Bureau of Metal Statistics NiCKEL」Mine production
(純分千t)
3,000
1次Ni生産
1次Ni消費
2,500
鉱石生産
2,000
1,500
1,000
500
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 1-1 世界のニッケル需給動向
ニッケル(Ni)
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
90
90
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(純分千t)
3,000
その他
カナダ
豪州
ロシア
フィリピン
インドネシア
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 1-2 世界のニッケル鉱石生産量
1-2.国内の需給動向
1-2-1.地金
ニッケル地金の主要用途は特殊鋼向けである。ニッケル地金の国内需給を表 1-2、図 1-3 に示す。2013 年
のニッケル地金供給量は前年比 105%の 87.0 千 t であった。輸入量(塊・粉)がほぼ横ばいとなった一方で、
新居浜製錬所(住友金属鉱山)の能力増強に伴い、ニッケル地金の国内生産は2年連続で過去最高となった。
2013 年のニッケル地金需要量は前年比 103%の 57.0 千 t であり、ニッケル地金需要量(内需)の 6 割以上
を占める特殊鋼の需要量は前年比 113%と増加した。
ニッケル地金の国内主要生産企業は住友金属鉱山 1 社である。
表 1-2 ニッケルの地金の国内需給
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
1)
32.8 29.8 29.5 30.6 35.3 30.2 40.2 41.7 41.9 46.4
111%
53%
供 生産2)
61.9 58.7 56.5 58.5 48.3 31.0 48.7 46.4 40.7 40.5
100%
47%
輸入
給
合計
94.7 88.5 86.0 89.1 83.6 61.2 89.0 88.2 82.6 87.0
105%
100%
特殊鋼
55.3 46.2 44.1 42.6 39.4 25.9 40.7 38.3 33.4 37.7
113%
66%
めっき
2.9
3.3
2.5
2.5
2.3
1.7
2.3
1.9
2.0
1.7
86%
3%
内
4.4
3.1
3.6
3.5
3.1
2.3
2.1
1.6
1.1
0.7
66%
1%
需 蓄電池
磁性材料
2.2
1.9
2.4
2.3
2.4
1.8
1.9
1.9
1.8
0.6
35%
1%
1
需
触媒 1.4
1.4
1.4
1.4
1.4
1.2
1.4
1.4
0.5
0.4
78%
1%
要
その他
3.1
3.2
3.6
3.3
3.2
2.2
2.0
2.3
2.7
2.8
103%
5%
小計
69.3 59.0 57.5 55.6 51.7 35.1 50.4 47.5 41.6 44.0
106%
77%
1.9
3.5
2.1
2.4
1.7
1.8 11.4 12.5 13.9 13.0
94%
23%
輸出2)
合計
71.2 62.5 59.6 58.0 53.4 36.9 61.8 60.0 55.5 57.0
103%
100%
供給-需要
23.5 26.1 26.4 31.1 30.2 24.3 27.2 28.1 27.1 30.0
111%
出典:1)経済産業省生産動態統計「鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計」、2)財務省貿易統計
)
ニッケル(Ni)
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(純分千t)
100
供給
90
需要
80
70
60
50
40
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 1-3 ニッケル地金の国内需給
1-2-2.フェロニッケル(FeNi)
FeNi の主要需要先はステンレス向けである。FeNi の国内需給を表 1-3、図 1-4 に示す。2013 年の FeNi の
供給量は前年比 108%の 85.7 千 t であり、国内生産量及び輸入量ともに増加した。一方、需要量は前年比
95%の 72.7 千 t であった。図 1-4 に示すように、FeNi 需給はニッケル系ステンレス鋼の生産動向とほぼ連動
しているが、2013 年は輸出の純分率を前年の 18%から 16%に変更したことによる減少の影響が大きい。
2013 年の輸出量はマテリアルベースで前年比 105.6%となっている。
日本のFeNi の主要生産企業は、大平洋金属、住友金属鉱山、日本冶金工業の3 社であり、これらの企業は
輸入したニッケル鉱石から FeNi 生産を行っている。なお、日本冶金工業は自社のステンレス用での生産のた
め、外販はしていない。
1990 年代は、国内のステンレス鋼生産ではニッケル系ステンレス(代表鋼種は SUS304:Ni 含有量が 8~
10%)の生産量が 7 割程度を占めていた。2007 年のニッケル価格の高騰や、自動車向けでのクロム系ステン
レスの需要増によりニッケル離れが加速し、クロム系、省ニッケル系への転換が進んだ。現状はクロム系ステ
ンレス鋼とニッケル系ステンレス鋼の生産量はほぼ同等程度になっている。
ニッケル系ステンレス鋼は耐腐食性に優れるため化学プラントや造船、水周り向けに使用される一方、クロ
ム系ステンレス鋼は展延性等の加工が難しいため、汎用用途や耐食性でニッケル系ステンレス鋼ほどのレベ
ルが求められない分野などに採用が限られている。
ニッケル系ステンレス鋼の代表番手はオーステナイト系の 300 系で、オールラウンドプレイヤーのポジショ
ンにある。なかでも一番作りやすいのは SUS304(Cr18%、Ni8%)で、中国では SUS304 の生産がメインで
2,000 万 t/年の規模が生産されていると見られている。
表 1-3 FeNi の国内需給
ニッケル(Ni)
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
1)
74.8 78.2 67.2 70.3 60.3 57.0 69.7 56.0 68.8 74.5
108%
87%
供 生産2)
17.2 14.9 13.6 15.4 12.3
8.2 13.9 15.1 10.7 10.4
97%
13%
輸入
給
合計
92.0 93.1 80.8 85.7 72.6 65.2 83.6 71.1 79.5 84.9
107%
100%
1)
62.8 56.3 61.2 60.7 47.4 41.3 50.2 44.3 38.6 36.9
96%
51%
需 消費2)
22.2 25.1 26.6 20.5 18.8 33.3 33.0 22.2 38.1 35.8
94%
49%
輸出
要
合計
85.0 81.4 87.7 81.2 66.2 74.6 83.2 66.5 76.6 72.7
95%
100%
供給-需要
7.0 11.8 -7.0
4.5
6.4 -9.4
0.4
4.5
2.9 13.0
453%
出典:1)経済産業省 鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計、2)財務省貿易統計
※純分換算率(2011年以前)FeNi20%、(2012年)国内生産18.5%、輸出は18.0%、(2013年)輸出16.0%
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
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(単位:純分千t)
(単位:千t)
150
3,000
供給
需要
Ni系ステンレス鋼生産(右軸)
100
2,000
50
1,000
0
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
出典:Ni 系ステンレス鋼生産量は日本鉱業協会「鉱山第 728 号」より
図 1-4 FeNi の国内需給
2.価格動向
図 2 に LME ニッケル価格を示す。2013 年のニッケル平均価格は 1 月の 17,465$/t からスタート、7 月には
13,705$/t にまで下落し、12 月には 13,915$/t となった。
2013 年は米国で減税失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」回避法案が可決されたほか、中国の前
年第 4 四半期の GDP 成長率が 8 期ぶりに加速に転じるなどの動きがあったものの、3 月には米国 QE3 の縮
小観測の浮上、キプロスの銀行支援策の協議難航などにより、ニッケル相場は弱含みで推移した。4月以降も
相場は低調で、中国の第 1 四半期 GDP 成長率が予想値を下回ったこと、バーナンキ FRB 議長による QE3 の
縮小示唆、中国シャードーバンキングに伴うデフォルトの危機が噂されたことなどにより、6 月の相場は 2009
年 6 月以来となる 14,000$/t 割れにまで下落した。その後、ニッケル相場は 14,000$/t 台近くにまで回復、米国
経済が引き続き好調であること、ユーロ圏の第 2 四半期 GDP 成長率が 7 四半期ぶりにプラスに転じたことな
どが下支えとなったが、8 月末にシリア情勢が緊迫化したことで、リスク回避とドル高を背景に再び値を下げて
いる。米国では 2014 年度連邦予算と債務上限引き上げ問題の議会協議が難航したものの、期限直前になっ
て議会で合意を得られたことでデフォルトを回避、2014 年 2 月の就任が決まったイエレン FRB 新議長は米国
景気が回復するまで QE3 の維持を示唆したことなどから NY 株価は史上初めて 16,000$を突破し、ニッケル相
場も 13,970$/t で越年している。
ニッケル価格決定のベースは LME 価格であるが、ニッケルも銅と同様に機関投資家による運用の対象に
なっている。銅より市場が小さいため、影響の出方(価格変動)は銅より大きい場合がある。2007 年前後の高
騰は実需以外にこのような要因もある。
ニッケル(Ni)
93
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
93
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
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($/t)
60,000
52,179
50,000
40,000
31,225
28,252
30,000
32,114
26,031
21,077
20,465
17,734
20,000
14,503
16,932
17,066
17,882
16,298
10,000
9,686
13,429
13,705
0
04’ 04’ 04’ 05’ 05’ 05’ 06’ 06’ 06’ 07’ 07’ 07’ 08’ 08’ 08’ 09’ 09’ 09’ 10’ 10’ 10’ 11’ 11’ 11’ 12’ 12’ 12’ 13’ 13’ 13’
01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 01 05 09 1
5
9
図 2 LME のニッケル価格(MONTH AVERAGE)
3.輸出入動向
3-1.輸出入動向
ニッケルの輸出入数量を表 3-1、図 3-1、図 3-2 に示す。2013 年のニッケル原料、素材、製品の輸入量は前
年比 110%の 276.1 千 t、輸出量は前年比 107%の 65.1 千 t であった。原料輸入量のうち、鉱石、マット、ミック
スサルファイドの輸入量がいずれも増加している。鉱石は 2011 年の震災の影響で輸入量が大幅に減少した
が、2012 年には震災以前の水準に回復、2013 年は FeNi メーカーの調達増が背景にある。マットは化成品等
の生産量の増加に伴い、輸入量が増加したと推定される。ミックスサルファイドは電気ニッケル原料として調
達が増えている。
FeNi の輸入量は 2012 年以降、10 千 t 前後で推移している。国内需要が増加した場合は、国内生産分で対
応可能なため、今後も輸入量は増加しないと推定される。
ニッケル(Ni)
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
94
94
2015/03/18
13:31:18
表 3-1 ニッケルの輸出入数量
2004
77.8
0.0
95.5
0.0
0.0
0.0
173.3
0.0
173.3
61.91
1.89
1.17
1.21
9.43
0.40
0.96
25.17
17.18
22.20
0.14
3.70
0.82
0.16
0.61
0.91
92.2
55.6
36.6
0.60
2.14
0.97
6.05
0.14
0.57
1.7
8.8
-7.1
267.3
64.4
202.9
2005
82.1
0.0
79.8
0.0
4.1
0.0
166.0
0.0
166.0
58.73
3.48
1.27
0.44
7.05
1.12
0.59
26.60
14.93
25.13
0.07
3.37
1.21
0.13
0.78
1.00
84.6
61.3
23.4
0.52
2.49
1.28
5.69
0.16
0.40
2.0
8.6
-6.6
252.6
69.9
182.7
2006
72.7
0.1
79.8
0.0
9.5
162.0
0.1
161.9
56.53
2.09
1.20
0.58
6.70
1.41
0.74
6.41
13.61
26.58
0.10
3.64
1.16
0.17
0.92
1.11
81.0
42.0
39.0
0.47
1.52
1.14
6.63
0.41
0.41
2.0
8.6
-6.5
245.0
50.6
194.4
2007
74.3
0.1
81.9
0.0
12.7
169.0
0.1
168.9
58.53
2.40
1.01
0.81
6.89
1.07
0.40
0.01
15.39
20.50
0.11
3.09
1.85
0.15
0.93
1.22
85.1
29.2
55.9
0.21
1.30
1.04
9.43
0.49
0.39
1.7
11.1
-9.4
255.8
40.4
215.4
2008
71.2
0.3
82.0
0.0
12.3
165.5
0.3
165.2
48.27
1.65
1.17
1.49
5.40
1.48
1.52
0.10
12.35
18.81
0.10
2.86
1.72
0.17
1.27
1.26
71.8
27.8
44.0
0.37
1.43
1.49
6.29
0.44
0.42
2.3
8.1
-5.8
239.6
36.3
203.3
2009
61.2
0.1
68.5
0.0
19.5
149.2
0.1
149.2
30.99
1.76
1.15
1.02
3.92
1.10
0.89
0.42
8.23
33.27
0.01
2.19
0.95
0.15
0.91
1.23
47.1
41.1
5.9
0.15
9.18
0.84
2.50
0.34
0.28
1.3
12.0
-10.6
197.6
53.1
144.5
2010
77.4
0.0
83.1
0.0
21.9
182.4
0.0
182.4
48.72
11.38
1.43
1.16
5.64
2.16
0.82
0.15
13.90
33.01
0.12
1.87
1.13
0.21
2.06
1.13
73.8
51.1
22.7
0.22
2.31
0.78
2.91
0.50
0.42
1.5
5.6
-4.1
257.7
56.7
201.0
2011
63.2
0.0
75.8
0.0
25.7
164.7
0.0
164.7
46.43
12.54
2.04
1.27
5.76
2.07
0.78
0.14
15.08
22.23
0.07
0.87
0.87
0.22
2.56
1.04
73.6
40.4
33.2
0.16
2.16
2.30
3.66
0.39
0.42
2.9
6.2
-3.4
241.2
46.6
194.6
2012
80.7
0.0
79.1
0.2
28.2
188.0
0.2
187.8
40.65
13.82
0.79
0.61
5.34
2.99
0.50
0.28
10.70
38.07
0.06
0.85
0.61
0.25
2.80
1.10
61.5
58.0
3.5
0.20
2.42
2.09
0.00
0.41
0.33
2.7
2.8
-0.1
252.1
60.9
191.2
単位:純分千t
2013 13/12比
96.6
120%
0.0
81.8
103%
0.0
0%
32.6
116%
211.0
112%
0.0
0%
211.0
112%
40.54
100%
12.99
94%
0.67
85%
0.51
84%
7.26
136%
3.52
118%
0.96
193%
0.39
140%
10.43
98%
35.79
94%
0.03
46%
1.23
145%
0.82
133%
0.25
101%
1.41
50%
1.43
130%
62.1
101%
56.1
97%
6.0
173%
0.14
68%
5.46
225%
2.44
117%
3.21
0.45
110%
0.37
112%
3.0
112%
9.0
328%
-6.0
276.1
110%
65.1
107%
211.0
110%
輸入
輸出
輸入
マット
輸出
原
輸入
ミックスサ
料
ルファイド 輸出
輸入
小計
輸出
輸入-輸出
輸入
塊・粉
輸出
輸入
合金塊・粉
輸出
輸入
くず
輸出
輸入
酸化Ni
輸出
輸入
素 FeNi
輸出
材
Ni酸化物、 輸入
水酸化物 輸出
輸入
塩化Ni
輸出
輸入
硫酸Ni
輸出
輸入
小計
輸出
輸入-輸出
輸入
板・線・管
輸出
板・線・管 輸入
(合金)
輸出
製
輸入
品 Ni製品
輸出
輸入
小計
輸出
輸入-輸出
輸入
合計
輸出
輸入-輸出
出典:財務省貿易統計
※原料は鉱石、マット、ミックスサルファイド、素材は塊・粉、合金塊・粉、くず、酸化Ni、FeNi、Ni酸化物、水酸化物、
塩化Ni、硫酸Niを示す。製品とは板・線・管、板・線・管(合金)、Ni製品による。
純分換算率:(2011年以前)鉱石(インドネシア1.675%、フィリピン1.68%、Nカレドニア1.875%、その他1.68%)、ミックスサルファイド5
合金塊板50%、酸化Ni77%、 水酸化物55%、塩化Ni45%、 硫酸Ni22%、FeNi(Nカレドニア28%、
コロンビア40%、マケドニア35%、ドミニカ39%、インドネシア20%、日本20%) 純分換算率:(2012年)鉱石(インドネシア1.675%、フィリピン1.68%、Nカレドニア1.875%、その他1.85%)、ミックスサルファイド59.8%
合金塊板50%、酸化Ni77.75%、 水酸化物55%、塩化Ni45.29%、 硫酸Ni22%、FeNi(Nカレドニア25
コロンビア37%、マケドニア32%、ドミニカ37%、その他20%、日本18%) 純分換算率:(2013年)鉱石(インドネシア2%、フィリピン1.8%、Nカレドニア2%)、ミックスサルファイド59.8%、
合金塊板50%、酸化Ni77.75%、 水酸化物55%、塩化Ni45.29%、 硫酸Ni22%、FeNi(Nカレドニア23
コロンビア35%、マケドニア28%、ドミニカ35%、その他18%、日本16%) ※四捨五入により、各数値と合計値、前年比が合致しない場合がある。
鉱石
ニッケル(Ni)
95
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
95
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
13:31:18
(純分千t)
300
250
製品
その他素材
酸化Ni
合金塊・粉
くず
FeNi
ミックスサルファイド
塊・粉
マット
鉱石
200
150
100
50
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
図 3-1 ニッケルの輸入数量
(純分千t)
80
70
60
50
酸化Ni
その他(原料・素材)
40
製品
30
塊・粉
20
FeNi
10
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
図 3-2 ニッケルの輸出数量
3-2.輸出入相手国
3-2-1.鉱石
鉱石の輸入相手国を表 3-2、図 3-3 に示す。ニッケル鉱石の輸入相手国はインドネシア、フィリピン、N カレ
ドニアである。2013年までの10年間の傾向として輸入相手国の構成に大きな変化はなかったが、2014年はイ
ンドネシアの禁輸に伴い、フィリピン及び N カレドニアからの調達が主体となった。
表 3-2 鉱石の輸入相手国
ニッケル(Ni)
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
インドネシア
39.0 37.2 36.6 34.8 38.0 35.8 40.0 32.7 34.4 50.2
146%
52%
フィリピン
18.5 23.2 16.6 18.3 17.0 14.9 21.9 12.1 25.3 24.4
96%
25%
輸
Nカレドニア
20.3
21.7
19.5
21.3
16.1
10.5
15.5
18.4
21.0
22.0
105%
23%
入
その他
-
-
-
-
-
-
-
-
0.0 -
-
0%
合計
77.8 82.1 72.7 74.3 71.1 61.2 77.4 63.2 80.7 96.6
120%
100%
出典:財務省貿易統計
純分換算率:(2011年以前)鉱石インドネシア1.675%、フィリピン1.68%、Nカレドニア1.875%、その他1.68%
(2012年)鉱石インドネシア1.675%、フィリピン1.68%、Nカレドニア1.875%、その他1.85%
(2013年)鉱石インドネシア2%、フィリピン1.8%、Nカレドニア2%
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
96
96
2015/03/18
13:31:18
その他
Nカレドニア
フィリピン
インドネシア
(純分千t)
120
100
80
60
40
20
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-3 鉱石の輸入相手国
3-2-2.マット
マットの輸入相手国を表 3-3、図 3-4 に示す。ニッケル地金生産においてマットは主要原料の一つである。
主な輸入相手国はインドネシアであり、輸入量の 90%近くを占めている。
表 3-3 マットの輸入相手国
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
インドネシア
70.8 70.7 70.4 71.3 72.3 64.2 69.7 66.1 66.7 71.9
108%
88%
豪州
24.7
9.1
8.8
9.1
6.1
4.2 13.4
9.8 12.4 10.0
80%
12%
輸
-
-
0.5
1.5
2.4 -
-
-
-
-
-
-
入 中国
その他
0.0 -
0.0
0.0
1.2 -
-
-
-
-
-
-
合計
95.5 79.8 79.8 81.9 82.0 68.5 83.1 75.8 79.1 81.8
103%
100%
出典:財務省貿易統計 純分換算率:マット75%
(純分千t)
120
その他
中国
豪州
インドネシア
100
80
60
40
20
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-4 マットの輸入相手国
ニッケル(Ni)
97
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
97
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
13:31:18
3-2-3.ミックスサルファイド
ミックスサルファイドの輸入相手国を表 3-4、図 3-5 に示す。ミックスサルファイドの輸入相手国はフィリピン
が大部分を占めている。
表 3-4 ミックスサルファイドの輸入相手国
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
フィリピン
-
4.10 9.48 11.26 12.33 19.52 21.87 25.70 28.19 31.72
112%
97%
豪州
-
-
0.03 1.44 -
-
- 0.001 0.006 0.854 13,957%
3%
輸 タイ
0.00 -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
入 米国
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
その他
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
合計
0.0
4.1
9.5 12.7 12.3 19.5 21.9 25.7 28.2 32.6
116%
100%
出典:財務省貿易統計 純分換算率:ミックスサルファイド59.8%
※四捨五入により、各数値と合計値、前年比、構成比が合致しない場合がある。
(純分千t)
40
その他
米国
タイ
豪州
フィリピン
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-5 ミックスサルファイドの輸入相手国
3-2-4.フェロニッケル(FeNi)
FeNi の輸出入相手国を表 3-5、図 3-6、図 3-7 に示す。
FeNi の主な輸入相手国は N カレドニアであり、輸入量の 65%を占めている。その他、コロンビアからも一部
輸入がある。コロンビアには世界最大の FeNi メーカーである Cerro Matoso が存在しており、同社からの輸入
品と考えられる。
2013 年の FeNi 輸出量は前年比 94%となったが、先述したように輸出の純分率を前年の 18%から 16%に
変更したことが影響している。2013年の輸出量は前年比105.6%の22.4万t(マテリアルベース)となっている。
FeNi の輸出先は台湾及び韓国が主体で、両国向けで全体の 71%を占める。
ニッケル(Ni)
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
98
98
2015/03/18
13:31:18
表 3-5
FeNi の輸出入相手国
2004 2005 2006 2007 2008
Nカレドニア
10.29 8.97 8.85 10.01 8.00
コロンビア
3.37 3.40 2.64 3.54 2.88
ブラジル
-
-
-
-
-
輸
ドミニカ共和国 2.95 2.03 1.51 1.44 1.26
入
ベルギー
-
-
-
-
-
その他
0.57 0.52 0.61 0.40 0.21
合計
17.2 14.9 13.6 15.4 12.3
台湾
9.65 10.53 10.84 7.70 7.36
韓国
12.12 12.16 13.08 11.07 9.52
中国
0.44 2.44 2.66 1.73 1.74
輸
インド
0.00 -
-
-
0.14
出
その他
-
-
- 0.006 0.050
合計
22.2 25.1 26.6 20.5 18.8
2009
6.01
1.72
-
0.18
0.001
0.31
8.2
8.07
9.50
14.19
1.43
0.079
33.3
2010
11.50
2.21
-
-
0.008
0.18
13.9
10.95
11.20
8.01
2.84
0.002
33.0
2011
11.90
2.17
0.15
0.49
0.006
0.37
15.1
7.11
6.88
6.98
1.25
0.004
22.2
2012
8.62
0.97
0.56
0.55
0.004
0.00
10.7
11.01
13.47
9.58
4.02
0.001
38.1
単位:純分千t
2013 13/12比 構成比
6.81
79%
65%
2.31
238%
22%
0.69
124%
7%
0.62
114%
6%
0.002
56%
0%
10.4
98%
100%
12.72
116%
36%
12.58
93%
35%
5.31
55%
15%
5.16
128%
14%
0.017 1,333%
0%
35.8
94%
100%
出典:財務省貿易統計
純分換算率:(2011年以前)Nカレドニア28%、コロンビア40%、マケドニア35%、ドミニカ39%
インドネシア・その他20%、日本18.0%(輸出に適用)
(2012年)Nカレドニア25%、コロンビア37%、マケドニア32%、ドミニカ37%、その他20%
(2013年)Nカレドニア23%、コロンビア35%、ドミニカ35%、その他20%、日本16.0%(輸出に適用)
※四捨五入により、各数値と合計値、前年比、構成比が合致しない場合がある。
(純分千t)
20
その他
コロンビア
Nカレドニア
15
10
5
0
2004
2005
2006
2007
図 3-6
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2011
2012
2013
FeNi の輸入相手国
(純分千t)
50
その他
インド
中国
韓国
台湾
40
30
20
10
2004
2005
2006
2007
図 3-7
2008
99
2010
FeNi の輸出相手国
99
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
2009
ニッケル(Ni)
0
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
13:31:19
3-2-5.塊・粉(地金)
地金(塊・粉)の輸出入相手国を表 3-6、図 3-8 に示す。主な輸入相手国はカナダ、豪州、ノルウェー、南ア
等である。中国からの輸入減は輸出関税の導入によるものである。主な輸出相手国は中国である。
表 3-6 地金(塊・粉)の輸出入相手国
単位:純分千t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
カナダ
8.31 7.44 8.01 7.01 6.84 4.26 3.63 7.59 5.93 7.07
119%
17%
豪州
6.20 3.99 6.64 8.10 5.72 5.32 8.57 6.74 6.52 6.26
96%
15%
ノルウェー
4.14 7.56 9.11 8.71 7.38 4.21 7.36 6.03 6.15 5.55
90%
14%
南ア
7.36 7.04 5.84 7.82 5.34 3.23 6.30 6.79 6.22 5.47
88%
13%
マダガスカル
4.48
11%
輸 ブラジル
5.33 6.15 4.62 4.40 4.38 2.43 3.82 4.25 3.83 3.98
104%
10%
入 英国
7.34 6.68 6.98 6.14 6.29 4.37 5.94 3.79 3.76 3.39
90%
8%
ロシア
10.40 7.46 8.57 9.32 8.80 5.39 9.71 7.29 4.63 2.60
56%
6%
フランス
0.73 0.66 0.66 1.10 0.67 0.48 0.45 0.39 0.55 0.58
104%
1%
中国
6.73 6.75 1.14 0.62 0.01 0.01 0.84 1.36 1.76 0.53
30%
1%
その他
5.37 5.01 4.97 5.31 2.84 1.29 2.10 2.21 1.29 0.64
49%
2%
合計
61.91 58.73 56.53 58.53 48.27 30.99 48.72 46.43 40.65 40.54
100%
100%
中国
1.05 2.14 0.76 0.39 0.58 0.47 9.54 9.34 9.42 7.43
79%
57%
韓国
0.09 0.13 0.23 0.42 0.26 0.40 0.61 0.78 1.10 1.46
133%
11%
マレーシア
0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.01 0.02 0.01 1.17 8,139%
9%
インド
0.00 0.00 0.01 0.00 0.00 0.00 0.04 0.94 1.26 1.06
84%
8%
輸 米国
0.04 0.10 0.10 0.17 0.19 0.06 0.17 0.24 0.52 0.48
93%
4%
出 台湾
0.04 0.05 0.07 0.09 0.11 0.35 0.65 0.63 0.75 0.46
61%
4%
ベルギー
0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.01 0.02 0.24
998%
2%
サウジアラビア 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.28 0.32 0.20
63%
2%
その他
0.67 1.07 0.92 1.32 0.51 0.48 0.37 0.30 0.41 0.49
118%
4%
合計
1.89 3.48 2.09 2.40 1.65 1.76 11.38 12.54 13.82 12.99
94%
100%
出典:財務省貿易統計 純分換算率:地金(塊・粉)100%
その他
ブラジル
マダガスカル
南ア
ノルウェー
豪州
カナダ
(純分千t)
70
60
50
40
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-8 地金(塊・粉)の輸入相手国
ニッケル(Ni)
3-3.輸出入価格
ニッケルの輸出入価格動向を表 3-7、図 3-9、図 3-10 に示す。
2004 年以降、輸出価格・輸入価格共に上昇傾向にあったが、2008 年の世界的な景気後退の影響で下降に
転じた。2009 年及び 2010 年は上昇傾向にあったが、2012 年及び 2013 年は再び下降に転じている。ニッケル
価格の動きは鉱石、マット、FeNi、塊(地金)など各品目とも共通した現象である。
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
100
100
2015/03/18
13:31:19
表 3-7 ニッケルの平均輸出入価格
2004
64.3
-
8.7
-
-
-
13.8
16.4
19.1
14.7
10.8
8.0
11.1
12.0
4.1
2.4
11.0
12.8
4.19
4.62
3.36
3.35
73.0
64.0
2005
72.9
-
9.3
-
5.9
-
15.2
13.8
22.3
12.6
11.0
8.8
12.1
12.7
4.3
2.6
12.9
13.5
4.30
4.97
3.80
3.55
81.0
86.2
2006
82.0
229.6
13.9
-
10.3
-
22.2
18.4
27.7
15.9
16.4
10.6
15.2
10.8
5.0
4.0
16.2
15.1
4.97
6.91
5.22
4.65
64.7
69.5
2007
148.6
444.7
24.2
0.0
14.4
-
38.7
31.5
45.2
25.9
26.7
16.0
32.6
26.4
9.7
6.7
25.8
24.8
9.05
10.79
8.99
7.75
97.3
92.7
2008
114.4
219.9
14.9
0.2
9.0
-
25.0
27.2
45.4
26.2
17.7
12.9
16.2
3.1
6.9
4.7
20.5
23.0
7.44
7.58
5.92
5.44
106.2
102.2
2009
62.5
230.1
8.7
-
6.8
-
14.2
14.3
27.2
20.0
10.2
6.7
12.0
10.9
3.9
2.5
18.2
15.9
4.45
4.99
3.47
3.57
75.1
100.5
2010
82.0
-
13.2
-
8.8
-
21.6
20.2
28.5
20.4
15.4
8.6
16.9
13.1
4.9
3.8
20.5
20.2
6.09
6.79
5.03
5.03
68.0
102.0
単位:鉱石$/t、鉱石以外$/kg
2011
2012
2013 13/12比
96.9
74.1
65.4
88%
-
-
-
-
14.9
11.0
9.6
87%
-
559.2
-
-
9.3
7.2
5.9
82%
-
-
-
-
24.0
18.1
16.1
89%
22.8
17.1
21.0
123%
37.0
35.9
31.9
89%
25.3
20.8
21.0
101%
17.1
13.8
11.8
86%
12.2
8.7
7.0
80%
18.1
14.6
12.6
86%
4.0
9.7
6.4
66%
6.1
4.6
4.3
95%
4.4
3.1
2.5
79%
20.6
18.0
15.7
87%
21.6
15.8
13.6
86%
7.24
6.42
6.39
99%
7.37
5.92
5.34
90%
5.65
4.51
4.04
90%
5.71
4.55
3.70
81%
77.3
86.2 121.2
141%
106.2 153.5 104.7
68%
輸入
輸出
原
輸入
マット
料
輸出
ミックスサ 輸入
ルファイド 輸出
輸入
塊
輸出
輸入
合金塊
輸出
輸入
くず
輸出
輸入
酸化Ni
輸出
素
材
輸入
FeNi
輸出
Ni酸化
輸入
物、水酸
輸出
輸入
塩化Ni
輸出
輸入
硫酸Ni
輸出
輸入
製
Ni製品
品
輸出
出典:財務省貿易統計
輸出入価格は貿易統計の貿易額を財務省による年間平均為替レートにより米ドルベースに換算し、
年間平均価格を示した。
鉱石
マット
ミックスサルファイド
塊
合金塊
くず
酸化Ni
FeNi
($/kg)
60
50
40
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-9 ニッケルの平均輸入価格
ニッケル(Ni)
101
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
101
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
13:31:19
($/kg)
40
塊
合金塊
くず
酸化Ni
FeNi
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図 3-10 ニッケルの平均輸出価格
4.生産者及び生産品目
日本における主要生産者及び生産品目は表 4 の通りである。
表 4 主要生産者及び生産品目
素材
企業名
Ni地金
住友金属鉱山
○
大平洋金属
ヴァーレ・ジャパン
正同化学工業
出典:矢野経済研究所作成
トーニメッ
ト
○
-
FeNi
酸化Ni
炭酸Ni
硫酸Ni
○
○
-
○
○
○
○
○
その他Ni
化合物
○
-
5.リサイクル
ニッケルのリサイクル量を示す統計データはないが、実際のリサイクル率は非常に高い。ステンレス鋼は
経時劣化を起こしにくいため、使用済みステンレス鋼製品から再びステンレス鋼を生産している。ステンレス
鋼メーカーの製造プロセスによって異なるほか、スクラップの配合比率は市場価格によっても変動するが、ス
テンレス協会によると SUS304 で使用する原料のうち、ニッケル系ステンレス鋼スクラップが全体の 44%を占
めるとみている。また、ニッケル水素電池(Ni-MH)においても以前はステンレス鋼向けに再利用されていたも
のが、現在ではバッテリーからバッテリーへのリサイクルが可能になっている。そのほか一部だが、ラネーニ
ッケル触媒(硬化油用ニッケル触媒)はニッケル金属としてリサイクルされている。
その他、ニッケルコバルト等のニッケル合金系の製造工程中のくずから一部ニッケルが回収されている。た
だし、ニッケルコバルトを分離せずに合金として再利用しているケースもある。
ステンレスでは最終製品からのニッケルの分離回収は行われていないが、ステンレス原料としてスクラップ
の大半が活用されている。そのため、FeNi メーカーにとって、最大のライバルはスクラップとなる。SUS304 系
等の汎用鋼種は特に価格競争が激しく、ステンレスメーカーは安価な鉄、ニッケル源としてスクラップの使用
比率を高めている。
ニッケル(Ni)
鉱物資源マテリアルフロー 2014
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
102
102
2015/03/18
13:31:19
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb
103
82 千t
0 千t
国内生産あり
輸入量
輸出量
くず
輸出入のみ
7 千t
4 千t
ニッケル地金(塊・粉)
国内生産量
46 千t
輸入量
41 千t
輸出量
14 千t
国内主要生産企業
住友金属鉱山
-
製造フロー
(国内製造あり)
製造フロー
(国内製造なし)
リサイクルのフロー
フェロニッケル
国内生産量
75 千t
輸入量
10 千t
輸出量
36 千t
国内主要生産企業
大平洋金属 住友金属鉱山
(日本冶金工業)
-
素材
ニッケル化合物
硫酸ニッケル
国内生産量
輸入量
1.4 千t
輸出量
1.4 千t
酸化/水酸化ニッケル
国内生産量
輸入量
1.0 千t
輸出量
0.4 千t
塩化ニッケル
国内生産量
輸入量
0.8 千t
輸出量
0.3 千t
その他ニッケル
国内主要生産企業
住友金属鉱山
ヴァーレ・ジャパン
正同化学工業
-
ニッケルのマテリアルフロー(2013)
※製品の需要量=国内で生産又は国内に輸入された原料、素材の需要量であり、製品の輸出入量は考慮していない。
※FeNi需要量は工業レアメタルNo.130より、純分換算後の数値を記載
純分換算率:鉱石(インドネシア2%、フィリピン1.8%、Nカレドニア2%)、ミックスサルファイド59.8%、合金塊板50%、酸化Ni77.75%、水酸化物55%、塩化Ni45.29%、硫酸Ni22%、
FeNi(Nカレドニア23%・コロンビア35%・マケドニア28%・ドミニカ35%・その他18%・日本16%)
直接の輸出入なし
ミックスサルファイド
輸入量
33 千t
輸出量
- 千t
輸入量
輸出量
マット
ニッケル鉱石
輸入量
97 千t
輸出量
0 千t
原料
6.マテリアルフロー
ニッケル(Ni)
103
鉱物資源マテリアルフロー 2014
2015/03/18
13:31:19
めっき
2 千t
触媒
0 千t
その他(MLCC用Ni電極等)
需要
3 千t
板・線・管・製品
輸入量
3 千t
輸出量
9 千t
需要
磁性材料(Ni-Zn系)
需要量
1 千t
電池材料(Ni-MH、LIB)
需要量
1 千t
需要量
ステンレス鋼/特殊鋼
主にス FeNi
38
千t
テンレス 需要量
主に 地金需
38
千t
特殊鋼 要量
製品・主要用途
自動車
家電製品
電気・機械
電池他